“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

中間のない国 韓国

2014年09月26日 10時59分13秒 | 臼蔵の呟き

隣国の政治、経済問題ですが、日本、アメリカと同じような経済社会、政治に陥っていることを示しています。新自由主義経済・政治がもたらした格差社会、貧困層の爆発的な増加、富裕層への利益、資産の集中が資本主義国家で伝染病のように拡大しています。

日本は韓国社会で問題となっている中間層、中産階級意識は当の昔に、なくなっています。自民党型政治により富裕層、巨大な金融機関、多国籍企業に有利な税制、法制度、規制緩和により中間層は没落し、低所得層の爆発的な拡大、富の1部富裕層への集中、移転が大きな問題となっています。

アメリカ政権、日本の自民党型政治では解決不能な課題です。

<韓国中央日報>中間のない国 韓国

中産層は「経済を支える腰」と呼ばれる。人でも国でも、腰が丈夫でなければならない。それでこそ元気な気勢で暮らせる。ところで実状はどうだろうか。過去20年間余りで大韓民国の中産層は縮むばかりだった。1990年、韓国の中産層比率は75%だった。それが2013年には65%に減った。その上、この数字は統計庁が経済協力開発機構(OECD)基準で調べたもので、結構高く出てくる方だ(中産層65%という数字は事実、国民の体感とはかけ離れている。中産層は、統計で区分するよりも自ら中産層だと思う「意識」がより重要だが「私が中産層」だと考える比率は、今年6月の現代経済研究院の調査の結果、46.4%にとどまった)。

なぜだろうか。政府・政界・企業が言葉だけで「中産層を生かそう」と叫ぶだけで、実際に政策と主張はとんでもないものを出すのが常だからだ。その上、福祉談論が世の中を席巻した数年前からは「中産層の再建」の声があまり聞こえないほどだ。もっとも、いつの間にか私たちは「声が大きければ勝つ」という世の中で生きているではないか。だから街の通りや広場を掌握した「生計型」や、お金で権力を動かす「金持ち型」の大きな声に隠れてしまった中産層のうめき声が聞こえるはずがない。

最近の増税論争になっているタバコ税と自動車税を比較してみよう。タバコ税に反対する声は、多くて大きい。政界まで積極的に加勢して絶対反対を叫ぶ。いわゆる庶民の楽しみを奪い取る「生計型」増税はダメだということだ。一方、自動車税はどうなのか。タバコ税反対に添えるカクテキのような境遇だ。車を転がして暮らす中産層は買えるだけの余裕がある、という情緒が敷かれている。タバコ税反対に熱を上げるのと比べれば、逆差別といっても良いほどだ。こんな事例が1つや2つではない。

税金はどうなのか。早くから中産層がいいカモになっている。会社員の3人に1人は「生計型」という名で一銭も所得税を出さない。昨年の労働所得者1577万人中、免税者は516万人(33%)だった。それでは金持ち型はどうなのか。最高税率が38%を超えないが対象もせいぜい12万人程度だ。それだけか。国税庁と戦って勝つのも金持ち型だ。昨年、税金返還訴訟のうち50億ウォン以上の金持ち型の事案では国税庁が2回中1回負けた。一方1億ウォン未満の中産層の事案は国税庁が10のうち9勝した。有銭無税、無銭有税という言葉がわけもなく出てくるのではない。

さらにこの頃の財テクも、中産層がいじめにあっている。金利が史上最低の年1%台に落ちたが、税金の恩恵は庶民・高所得層だけに集中している。先月政府が出した税法改正案を見てみよう。定期貯蓄は年収2500万ウォン(約250万円)以下だけができるが、義務加入期間を7年から3年に下げた。庶民向けのプレゼントだ。もちろんお金持ちにも別に用意した。金融所得の総合課税時に配当所得に分離課税を選択できるようにした。一方、中産層には与えるどころか、むしろ恩恵も減らした。その上、中産層が主にお金を融通した税金優待総合貯蓄を非課税総合貯蓄に統合しながら加入資格を61歳以上にぐんと高めた。生計型に中産層行きのはしごを置くことだけに気をつかい、中産層が再び生計型に転落するのは最初から考慮していない計算だ。

住宅政策も庶民用の賃貸住宅と高所得者用の江南(カンナム)再建築が中心だ。中間を省略して絶ち切れといえば、再建築の活性化は中産層のお金を富裕層にいち早く移す効果が卓越している。江南再建築のマンション価格が上がれば、ほとんどの利益は金持ち型だけに戻る。中産層が主に所有する「郊外」マンションは江南マンションよりも相対的にあまり上がらないためだ。その上再建築はチョンセ(高額な保証金式の賃貸)難をあおる。不動産費用が上がれば苦しむのはお金を借りて住宅保証金を用意する中産層だ。

あまりにも少なけれ(貧困層)ば乱暴になりやすく、あまりに多けれ(富裕層)ば傲慢になりやすい。中産層は中道だ。2つに分かれた韓国社会の統合には、厚い中産層が薬だ。自分の腹が満たされてこそ他人の腹のことも世話できる。福祉政策が右派から始まった理由だ。幼い子供でも分かることなのに、実際の政策は行き違いで、世の中は反対に向かっている。大変なことだ。   イ・ジョンジェ論説委員


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