昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

冴え返る

2019-02-09 16:14:39 | 俳句

「LGBT」という言葉を目にすることが多い。
レズ・ゲイ・バイ・トランスの略だそうだ。
いわゆる性的「マイノリティー」のことを言う。
「マイノリティー」に関する認識や論説の現代的意味や、LGBTにまつわる活動家たち、および社会現象などは措いておく。
しかし、性的の同一に関する「倒錯」は今に始まったことではない。
リルケはドイツの詩人だが、名は「ライナー・マリア・リルケ」。
男性の名前ではない。
両親が生まれてから、かなり成長するまで女の子として育てたからだ。
しかし、詩人自身は両親の性的に特異な育児観にも拘らず、ゲイにもトランスにもならず、『マルテへの手紙』にみられるように女性を愛する男性に成長した。
ある研究によると、人間は多少の差はあるが、すべて同性愛的要素を持っているらしい。
性同一性障害を除いて、別に新奇な「LGBT」という言葉で騒ぎ立てることも無い。

冴え返る夜星ガラスのごときなり   素閑

遥拝に冴え返りたり禰宜の親   素閑

冴え返り菜のしほ漬けをつまみたり   素閑

壺庭にみどりの無きや冴え返る   素閑

透けたるは茶色の小壜冴え返る   素閑

冴え返る奥宮に行く杉木立   素閑

工事場の荒きつちくれ冴え返る   素閑

婚家へとつづく坂道冴え返る   素閑

冴え返り雀群れなす煤の空   素閑

湯屋を出て思わぬ雨よ冴え返る   素閑

星々も月にあこがれ冴え返る   素閑


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