1月14日、グレイスちゃんが天に還っていきました。
たぶん春生まれの、1歳にはまだまだ遠い可愛い三毛猫です。
病名はFIP。
死の告知のようなものですから、頭を何かで殴られたようなショックです。
今、薬で治せるかもと言われていますし
実際、そこにかけてみようと頑張ってる子もいますが。
グレイスちゃんは、相談者さんがTNRをしていて
たまたま捕まった子でした。
体重は1.6キロ
到底手術できる大きさではなかったのですが、
最初に受診した先生は安楽死を勧めてきました。
見ればそれはある程度納得でした。
両目が失明していて、風邪症状もひどく、誰かの家で保護して育てない限り
リリースすればその先は・・・。
よくここまで生きていたと思うような状態でした。
相談者さんは眠れないほど悩んでしまいました。
その相談者さんの窓口だったのがスタッフMちゃんでした。
9月22日にMちゃんは自身で保護を決意しました。
グレイスちゃんにとってはまさに救世主です。
生きる道を作ってもらったグレイスちゃんですが
ここから、目の治療やら健康な体に戻していくことやら
その先には避妊手術やら、やらねばならないことが山積みでした。
少しづつ少しづつ、健康を取り戻していっているように感じていましたが
血液検査をするたびに、悪い箇所が見つかり
なかなかオペまでたどり着けずにいました。
それでも両目が見えないなりに、Mちゃん宅で普通に暮らせていました。
仕事もフルタイムの彼女の家で、徐々に順応していくあたり
猫はすごい生き物だと感心していました。
11月、暮らす会の保護猫ジャム君がFIPとなり
クラウドファンディングで支援を募ることになりました。
そのクラウドファンディングを任せたのがMちゃんでした。
仕事をしながら、大変な猫を抱えながら、調べに調べ
見事に交渉から企画から尽力してくれました。
その作業を、短時間でやってのけましたが、
睡眠を削り、多くの自分の時間とエネルギーを費やしてくれているのかと
頭の下がる気持ちで見守っていました。
そして・・・その真っ最中に、保護していたグレイスちゃんの
FIPが特定されてしまったのです。
お腹の水を抜いたら、そこから液が垂れてきますと連絡も入り
グレイスちゃんの具合はかなり深刻なものだとわかりました。
積極的治療は選択しないと決めて、そして保護猫だったグレイスちゃんを
わが子として迎えますと家の子認定してくれたのが1月11日のことでした。
その前日、受診するグレイスちゃんに会って
頑張れ頑張れと撫でたのが、最後となってしまいました。
ほんの数日で、グレイスちゃんは天に還っていきました。
他の子を助けるための企画をし、その途中経過をみなさまに報告し
ありがとうのお礼を丁寧に続けるのは
どれほど大変だったろうかと思います。
手元で、同じ病魔に侵されて、いただいたステロイドさえ吐き戻してしまう
グレイスちゃんをお世話しながら・・・。
Mちゃんは気丈にふるまっていたものの、
グレイスちゃんが苦しむ場面もあったかと思うのです。
最期まで看取ると決めていても、かなりつらかったと思います。
ときどき泣けてきますと言ってましたが、
うん、わかるわかるとしか言えなくて申し訳なかったです。
目もきれいにして、避妊手術もして、そうしたらもしかして
里親さんを探せるかもしれないと希望を持ってお世話していました。
グレイスちゃんの未来にたくさんの可能性を持って、治療していました。
いつも一生懸命なMちゃんに巡り逢えた日は、
グレイスちゃんがこの世に産まれてからいちばんの特別な日でしたね。
真っ暗闇の世界から連れ出してもらった日です。
そして、告知されたときに家の子にしてもらったことは
向こうの世界で、胸を張れるプレゼントでしたね。
わたしはグレイス
Mちゃんちから来ました♡
大きな声で元気よく挨拶してる姿が目に浮かびます。
名前すらなく、悼んでくれる人もなく、どうして生まれてきたのか
わからないまま逝ってしまう子がたくさんいます。
病気と闘う一生でしたが、
グレイスちゃんのその手は最後まで暖かい手に握りしめられ
守り続けてもらえましたね。
グレイスちゃんの亡骸と一緒にいれたメッセージには
こう記されていました
Dear グレイスへ
本当によくがんばりました
看取らせてくれてありがとう
いつまでも忘れません
ゆっくり休んだらまた会いたいです
大好きだよ、どうか安らかに
まき、ミモザ、オレオ
がんばって生き抜いたグレイスちゃん
休憩したら戻っておいで
待ってる人がいてくれます。
それまで・・・しばしのお別れだね。