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ワニと読むミステリ(スイート・ホーム殺人事件)

スイート・ホーム殺人事件〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
クレイグ・ライス
早川書房
945円(価格は変わる場合があります)

Home Sweet Homicide (Rue Morgue Vintage Mysteries)
Craig Rice
Rue Morgue
1,340円(価格は変わる場合があります)

読むと、どうしても許せないこともあります。
 
(クレイグ・ライス著)
 最初に読んだのはいつなのか、もはや記憶にないくらい前です。新訳というのでもう一度。
 こんなにおもしろかったのか!と再確認しました。
 カーステアズ家は、マリアン(母)、ダイナ(長女)、エイプリル(二女)、アーチー(長男)の4人家族です。母はミステリ作家で毎日朝から晩までタイプライターの音を響かせています。ミステリを書き出すと熱中するあまりターキーを砂糖入れにしまってしまったりもしますが、そんな母を守るように3人の子どもたちは家事をしっかりこなしています。ある日、3人が玄関ポーチでおしゃべりしていると、銃声が2発聞こえ、3人は大急ぎでお隣に駆け付けると、お隣の人が殺されています。そこから3人の殺人事件の捜査が始まります。母マリアンのミステリをよく読んでいる3人には殺人事件の捜査なんてお手のもの。
ダイナ、エイプリル、アーチーに加え、ギャング団(10-12人の男の子)たちが縦横無尽に走り回り、犯人を追い詰めていきますが、子どもたちがそれぞれの役割を真剣に果たすのがなんともいえずかわいいですね。
そして、殺人事件に加え、3人は母マリアンに最高の伴侶を見つけようといろいろと画策しますが、そのたくらみは成功するのでしょうか。
 巻末の解説をみると、未訳の作品がたくさんあるようです。全部翻訳して、さらに旧訳は新訳にして、ぜひ出版してもらいたい。
 そのためには、みなさん、クレイグ・ライスを読みましょう。
 こんなにおもしろく、夢中で読んでしまうミステリにはなかなかお目にかかるものではありません。クレイグ・ライスに会えたのは幸せです。

 ■その他の作品
 終わりのページ近くで、母マリアンと友人が共通の友人について話していますが、その時にでてきたのが、ジェイク・ジャスタス。ジェイクはヘレンと結婚したばかりのようです。
クレイグ・ライスのJ・J・マローン弁護士のシリーズです。
  素晴らしき犯罪
 ちょっとこうやって別のシリーズについての記述がでてくるのはうれしいですね。

■ビル・スミス
 事件を担当するのは、ビル・スミス警部補です。なんだか聞いたような気のする名前だなあと思ったら、S・J・ローザンのリディア・チンとビル・スミスの私立探偵コンビでした。
 冬そして夜

主人公: ダイナ(カーステアズ家の長女 14歳)
エイプリル(二女 12歳)
アーチー(長男 10歳)
場所:  USA
グルメ: なし
動物:  ネコ:インキー、スティンキー、ジェンキンズ
カメ:ヘンダーソン
ユーモア: 中
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ワニと読むミステリ(チューダー王朝弁護士シャードレイク )

チューダー王朝弁護士シャードレイク (集英社文庫)
C・J・サンソム
集英社
1,103円(価格は変わる場合があります)

Dissolution (Shardlake)
C.J.Sansom
Pan Books
1,155円(価格は変わる場合があります)
読むと、不当な仕打ちは返ってきます。
 
(C・J・サンソム著)
 ヘンリー8世は自ら英国国教会の長であると宣言します。新しい法律が作られ、不正な審理がまかり通り、網の目のように密告者が暗躍して、国中が不穏な空気です。トーマス・クロムウェル卿の指揮のもとに、修道院を調査するとして監督官たちが国中に派遣されます。その目的は1つ、修道院の解散です。
サセックス、スカーンシアの聖ドナトゥス修道院ではさまざまな問題があり、正常な運営とは言えない状態が続いています。クロムウェル卿から派遣された監督官ロビン・シングルトンが死体で発見されますが、首が切り離されているという痛ましい殺人です。恐ろしい殺人者は、祭壇に黒いオンドリの血を流すという冒涜を働き、修道院で大切にされていた聖遺物が消えてしまいます。殺人の調査に派遣されたのは、改革支持者でありクロムウェル卿の信頼を得ているマシュー・シャードレイク弁護士です。修道院は背信と死の匂いに満ちて、シャードレイクは調査するにしたがって、すべてに疑惑を持つようになります。

弁護士シャードレイクのシリーズ第1弾です。ミステリの舞台は、1537-8年にかけてのヘンリー8世の時代で、ちょうどアン・ブーリンがロンドン塔で処刑されたころです。このあたりの時代は血なまぐさいですね。
このころの修道院がどういう風に運営されて、どんな風に腐敗していたのか、が詳しく語られていてこちらのほうも興味深いです。修道院が解散させられていくのですが、ずいぶんと乱暴なやり方で、改革とはこのように急激なものかと時代の変わる時のエネルギーを感じますね。それにしても冤罪を作り出すのも目的のためなら当然というのは恐ろしいですが、現代でもこれほどあからさまではなくてもあることなのでしょうか。
シャードレイクは、脊柱後湾症でそれがコンプレックスになって好きな女性がいてもなかなか踏み込めないのですが、「がんばれ!」と言いたくなりますね。
シリーズは続くようなので、この時代の理解が深まるかもしれません。

 ■ヘンリー8世時代のミステリ
 ポール・ドハティのロジャー・シャロット(密偵)の作品があります。
    白薔薇と鎖
 ヘンリー8世の時代は、題材として魅力的なのかもしれません。

主人公: マシュー・シャードレイク(チューダー王朝弁護士)
場所:  イギリス、スカーンシアの聖ドナトゥス修道院
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 小
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ワニと読むミステリ(モカマジックの誘惑)

モカマジックの誘惑 (RHブックス・プラス)
クレオ・コイル
武田ランダムハウスジャパン
998円(価格は変わる場合があります)

Murder by Mocha (Coffee House Mystery)
Cleo Coyle
Berkley
765円(価格は変わる場合があります)

読むと、近くにいても意図は見抜けません。
 
(クレオ・コイル著)
 クレア・コージーは40代の離婚独身女性で、ニューヨークのビレッジブレンド・コーヒーハウスのマネージャーです。何にでも興味を持ち、おかしなことが起こるとそれを正すのは自分の使命だと思っています。
コーヒーは恋愛生活を高めるのに役立つのでしょうか。ビレッジブレンドは、媚薬入りコーヒードリンクと提携することになり、ビレッジブレンドのコーヒー豆を提供することになりました。新製品のモカマジック・コーヒーには、ハーブの媚薬が加えられています。これには巨額の売り上げが期待されていて、アフロディテの有名な女性向けのオンライン・ショップで独占販売されることになっています。しかし製品発表パーティで、販売担当者の一人が殺されてしまい、クレアは誰かがコーヒーの極秘調合をあやつろうとしているのではないかと疑惑を持ちます。そしてそのためには殺人も犯すかも。クレアは冷酷な殺人者を見つけることができるのか、それとも次の襲撃リストに載ってしまうのか?

クレア・コージーのコーヒーハウス・ミステリももう10作目です。すでに12作まで出版されているようですので、まだ翻訳が楽しめますね。
媚薬入りのコーヒードリンクなるものが販売されることになるのですが、発売前に試したクレアたちには絶大な効果があるようで、こんなものが出たら大成功間違いなし、と思われますが、実はとんでもない秘密があります。これに似たような話をどこかの国のレストランで起こったのをTVで見たような気がします。発想はどこでも一緒かもしれませんね。
クレアの恋愛生活はどうかというと、マイクとの関係は相変わらずですが、いろいろな人から結婚を考えたらどうかと迫られ、二人の関係も発展するのかと思いきや、なかなかジャンプまでは踏み切れないという40代の恋愛は難しそうです。
犯人の独白が途中途中に挟まれて、不気味さを盛りたてます。が、それほど緻密な推理というわけではありません。ま、コーヒーの豊潤な香りに免じて許しますか! モカマジックは遠慮したいですが。
ネコのジャヴァはまったく登場しなくなりました。
クッキー、ラテ、料理のレシピが巻末にあります。

 ■既刊
 コーヒーのうんちくがいっぱいです。

   名探偵のコーヒーのいれ方
   事件のあとはカプチーノ
   秋のカフェ・ラテ事件
   危ない夏のコーヒー・カクテル
   秘密の多いコーヒー豆
   コーヒーのない四つ星レストラン
   エスプレッソと不機嫌な花嫁
   クリスマス・ラテのお別れ
   深煎りローストはやけどのもと

 ■紅茶党ならば

  ローラ・チャイルズのインディゴ・ティーショップのシリーズがあります。すでに翻訳は11冊まで出ています。最新刊はこちら。
  ミントの香りは危険がいっぱい

主人公: クレア・コージー(ビレッジブレンドのマネージャー)
場所:  USA、ニューヨーク
グルメ: コーヒーとお菓子
動物:  なし
ユーモア: 中

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ワニと読むミステリ(動かぬ証拠はレモンクリーム )

動かぬ証拠はレモンクリーム (ドーナツ事件簿)
ジェシカ・ベック
原書房
880円(価格は変わる場合があります)

Fatally Frosted: A Donut Shop Mystery (Donut Shop Mysteries)
Jessica Beck
Minotaur Books
566円(価格は変わる場合があります)

読むと、財産の築き方はいろいろ。
 
(ジェシカ・ベック著)
 エイプリル・スプリングズでは、“すてきなキッチン拝見ツアー”なるものが開催されようとしています。そこで、忙しく会場を見まわっている委員が、スザンヌの店のレモンクリームドーナツを握りしめて死んでいるのが発見されます。警察はすぐにスザンヌの店に急行し、キッチンを徹底捜査し、手掛かりを見つけようとします。スザンヌにとっては店の存続が危ぶまれる最悪の事態です。スザンヌを心配する州警察捜査官ジェイクや友人たちの力を借りて、事件解決に乗り出しますが、町の人たちにはいろいろな秘密があり、聞き込みは難航します。

 今回は町のイベントが事件の現場です。
 豪邸の自慢のキッチンをツアーしてまわるというイベントですが、こんな催しが実際にあるのでしょうか。実際にキッチンで実演をするというので、スザンヌはマージに頼まれて、マージの新品・豪華なキッチンで特製ベニエを作ることになります。ベニエって何?と思ったのですが、巻末にレシピが載っています。少々時間がかかるようですが。
 この作品でもいろんなドーナツを作るところが出てきて、おなかが“ぐー”といいそうです。ジョアン・フルーク作のクッキー・ジャーのオーナー、ハンナ・スウェンセンのシリーズもそうですが、やたらとおいしそうなので読んでいるうちに何か食べたくなりますね。
スザンヌのまわりでは相変わらずスザンヌの元夫は、スザンヌとよりを戻したいといいながらも、離婚の原因となった女性と一緒に食事をしているところをスザンヌに見られたりして、少しもこりていないようです。
 恋人のジェイクは仕事が忙しすぎてなかなかデートの時間がとれません。これからの二人の仲が心配になりますね。新たな展開があるのかな、と思わせるようなところもあり、次の作品に興味をつなぎますね。
 ミステリとしてはそれほどの推理はなく、まぁこんなもんでしょうという感じです。
 楽に読めるというのが良いところでしょうか。
今回も巻末にレシピがあります。

  ■既刊
  1作目では、スザンヌの店の前に死体が投げ出されます。
 午前二時のグレーズドーナツ
   おいしい店がでてくるミステリについて、並べてみました。
  
主人公: スザンヌ・ハート(〈ドーナツ・ハート〉のオーナー)
場所:  USA、ノースカロライナ州エイプリル・スプリングズ
グルメ: ドーナツ
動物:  なし
ユーモア: 中
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ワニと読むミステリ(俳優パズル)

俳優パズル (創元推理文庫)
パトリック・クェンティン
東京創元社
1,050円(価格は変わる場合があります)

読むと、作者は知っている。
 
(パトリック・クェンティン著)
 ピーター・ダルースは名プロデューサーとして知られていましたが、アルコール依存症で入院していました。それもようやく治療ができ、ピーターは今回またプロデューサーとしての仕事を復活することになります。すばらしい脚本を得ることができたピーターは成功を確信していましたが、いざリハーサルが始まってみると誤算続きで、劇の行方が怪しくなってきます。最初に予定していた劇場が急に変更になり、幽霊話のあるような過去のいわくつきでかなり傷んだ劇場があてがわれ、ネズミが走り回っています。俳優たちはそれぞれに問題をかかえ、それだけでも頭が痛いのに、離婚された夫が劇場に入り込んできたりでリハーサルは散々です。そして幽霊を見たといいながら舞台によろけてきた俳優は死亡し、リハーサル中にまた死者がでます。この劇場はうわさ通りに呪われているのか? もう初日の幕開けまでにあと数日しかないのに殺人事件まで起こり、なんとしても劇を成功させたいピーターは婚約者のアイリスとともに真相解明に奔走します。

 パズル・シリーズの2作目にあたります。1939年に出版されているようです。
 前作のアルコール依存症治療で療養所に入院していたピーターはそこでアイリスを出会うのですが、この作品中では婚約しています。無事に結婚にこぎつけることができるのか、そのあたりも見所です。
 実際になぞ解きの探偵役は、1作目の療養所の所長であるレンツ博士が中心ですね。ピーターの復活をかけたこの劇に多大な出資もしています。
 女優の離婚がとても大変なことで精神にダメージを受けるくらいの出来事になっていますが、この1939年くらいは離婚の扱いは大事件と言えるくらいだったのでしょうね。今との時代背景の違いも読んでいて面白いです。しかしなぞ解きというミステリの醍醐味はしっかりと味わうことができ、とても楽しめます。
 どんどん翻訳をだしてほしいですね。

 ■既刊
 パズル・シリーズは2作品。このほかにもパズル・シリーズは続きますので、これからの翻訳が楽しみです。
迷走パズル ←アルコール依存症を治療するべく入院した療養所で事件が起こります。パズル・シリーズ第1作。
悪女パズル ← 大富豪に招かれたピーター夫妻はそこで殺人事件にまきこまれます。パズル・シリーズ第4作。


主人公: ピーター・ダルース(演劇プロデューサー)
場所:  USA、ニューヨーク
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 小

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ワニと読むミステリ(疑惑のスウィング )

疑惑のスウィング プロゴルファー リーの事件スコア 4 (プロゴルファー リーの事件スコア) (集英社文庫)
アーロン&シャーロット・エルキンズ
集英社
651円(価格は変わる場合があります)

Where Have All The Birdies Gone?
Aaron & Charlotte Elkins
Severn House Pub Ltd


読むと、フォームは大事です。
 
(アーロン&シャーロット・エルキンズ著)
 リー・オフステッドは24歳の若いプロゴルファーです。リーがあこがれても決して出場することができないと思っているのは、スチュワートカップです。一流のアメリカのゴルファーたちの男女混合チームとイギリスのゴルファーたちが戦う対抗戦です。リーはまだ一流ゴルファーとしてリストされていないので、アメリカチームのキャプテンであるロジャー・フィンリーからの電話で、アメリカチームの一員に加えられたと伝えられた時は驚きでした。リーはチームに入りましたが、最初の高揚感はすぐに心配にとってかわります。リーはりっぱにやれるでしょうか? しかしプレーが始まり、ロジャーの専任キャディーが殺されているのが発見されてからは、リーの恥をかくかもしれないという心配はそっちのけになり、リー自身も危険な目にあいます。リーは犯人を特定することができるのか?

リー・オフステッドが主人公のゴルフ・ミステリ、第4弾です。もう4冊目なんですね。
前作ではリーはトーナメント参加ではなくゴルフ・レッスンのコーチをしていましたが(その前にヒジを痛めたので)、今回は大きな大会に抽選枠で参加できることになり、最初のティー・ショットはリーが打つというドキドキもののプレーです。
スチュワートカップというのは本当にあるのかと思ったら、これは架空のゴルフ大会でした。
前作で、リーとグレアム(警備コンサルタント)は婚約しましたが、そこからなかなか進まず、なんとかなりそうですが、次回に持ち越しになりました。
リーの友人ペグは、リーの晴れ舞台とあって、このゴルフ大会の応援にかけつけ、一緒に推理します。このペグの存在が良いですね。

 ■既刊
 リー・オフステッドのシリーズはすでに3冊あります。
怪しいスライス  ← スター選手が殺されます
悪夢の優勝カップ ← ツアー初優勝が見えた!が。
邪悪なグリーン ← ゴルフ・レッスンのアシスタントです

 ■ゴルフつながり
  ゴルフ場の殺人というとポアロを思い出してしまいました。
  富豪がゴルフ場で殺されているのが発見されます。
ゴルフ場殺人事件

主人公: リー・オフステッド(女子プロゴルファー)
場所:  USA、ノースカロライナ州パインハースト
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 中


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ワニと読むミステリ(予約の消えた三つ星レストラン)

予約の消えた三つ星レストラン (コージーブックス)
アレクサンダー・キャンピオン
原書房
930円(価格は変わる場合があります)
The Grave Gourmet (Capucine Culinary Mysteries)
Alexander Campion
Kensington Pub Corp (T)
1,331円(価格は変わる場合があります)

読むと、情報収集には手段を選ばないかも
 
(アレクサンダー・キャンピオン著)
 カプシーヌ・ル・テリエは、ホワイトカラー犯罪専門のパリ警視庁警部です。しかしもっと生々しい犯罪に取り組みたいと思っています。ある自動車会社の社長が有名レストランの厨房で殺されているのが発見されるという重要事件を担当することになり、望みがかないそうです。カプシーヌは変わり者の3人組と一緒に働くことになります。カプシーヌの夫でレストラン評論家のアレクサンドルからも協力を得ています。いとこで対外治安総局勤務のジャックもやたらカプシーヌの気を引こうとしながらこの事件に関係しているようです。怪しげな役員は不正取引に関係しているような気配があり、CIAも関心をもっているようで、なかなか事件の真相に近づけないカプシーヌはしだいに落ち込んでいきます。

 パリ警視庁警部 カプシーヌ・ル・テリエのシリーズ 1作目です。カプシーヌはホワイトカラー犯罪で優秀な成績を収めているのですが、なんとか殺人事件を扱いたいものだと常々切望しています。で、この事件がチャンスなわけです。高名なレストランで死体が発見されるので、当然レストランの従業員も疑われ、レストランの裏事情のようなものもいろいろと出てきます。ソムリエって、こんなことしてるのか、とか。カプシーヌの夫がレストラン評論家なので、パリのいろんなグルメも多数登場します。作者のWebsiteをみると本人もレストラン評論家だそうで、レシピもいくつか掲載されています。
事件は、殺された社長の交友関係がもとなのか、会社を巡る犯罪なのか、はたまた事件現場のレストランが関係しているのか、いろんな要素があるので、捜査もいろんな角度から行われます。グルメ探訪もあり、パリ市内の警察とのカーチェイスもあり、いろんな方面で楽しめます。
2作目のすでに出版されているようなので、また翻訳が楽しみです。

 ■フランスのグルメつながり
 フランスが舞台のミステリでグルメに関するものを見てみましたが、あまりありませんでした。
 知っているのはこの2つくらいです。

マイケル・ボンドのグルメ誌の覆面調査員のパンプルムース氏のシリーズで、パリに出張します。
     パンプルムース氏の晩餐会

ピエール・シニアックのちょっと不思議な事件です。
ウサギ料理は殺しの味
町のレストランで狩人風ウサギ料理が出された木曜日の晩には若い女性が絞殺され、その遺体のそばに扇がおかれています。

主人公: カプシーヌ・ル・テリエ(パリ警視庁の警部。28歳)
場所:  フランス、パリ
グルメ: フランス料理
動物:  なし
ユーモア: 小


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