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ワニと読むミステリ(ゴースト・ヒーロー)

ゴースト・ヒーロー (創元推理文庫)
S・J・ローザン
東京創元社
1,200円+税
読むと、昔のことは現代に生きている。

(S・J・ローザン著)
 私立探偵のリディア・チンはジェフ・ダンバーなる人物からアート業界でのうわさを調査してほしいとの一見簡単に見える仕事を引きうけることになります。中国の水墨画家チョウはその才能で世に知られていて、伝統的手法に政治的主張を混合した作品は高く評価されていますが、その新作が出回っているとのうわさが美術界でささやかれているらしいのです。しかし問題は、ゴーストヒーローと呼ばれるチョウは1989年の天安門事件で死亡しているのです。調べるうちに、依頼人のジェフ・ダンパーは身分を偽っていることがわかります。さらにこの件を追っているのはリディアとそのパートナー、ビル・スミスだけでなく美術専門の探偵ジャック・リーも同じように依頼され調査していることがわかりました。彼ら3人は協力してこの事件を追い、美術界にうずまく陰謀と闘うことになります。

 リディア・チンとビル・スミスのシリーズ第11作です。もう11作も出ているのですね。今回はリディアが主役の事件です。さらにジャック・リーという美術専門の探偵も加わって、3探偵が調査するという異色作です。
 天安門事件で亡くなった画家の新作が出てきたらしいという怪しい事件ですね。リディアはアメリカ生まれの中国人ということで中国関連の事件を依頼されることがありますが、今回は1989年の天安門事件に端を発するという長い年月を経てから浮上して今問題になるというシャンハイ・ムーン に通じるような事件です。今回は絵画。
 それにしても美術界はいろいろとどうやって敵を出し抜くかという熾烈な争いの業界ですね。特に今回は中国人の芸術家ということで中国大使館までこの事件にかかわって、大変ややこしいことになっています。しっかり読んで関連をじっくり把握しましょう。
 シリーズで気がかりなのは、どうもリディアがジャック・リーに魅かれているような感じ。せっかくビルとの関係が深まりそうな気配だったのに。リディアとビルとジャックの関係も気になるところです。
 
■既刊
たくさんありますね。リディアが主役のときとビルが主役のときがあります。
冬そして夜
夜の試写会
ピアノ・ソナタ
新生の街
天を映す早瀬
シャンハイ・ムーン
この声が届く先
永久に刻まれて ← ジャック・リーが単独ででてきます。 短編集です。
春を待つ谷間で

主人公: 1.リディア・チン(私立探偵。語り手)
2.ビル・スミス(私立探偵)
3.ジャック・リー(美術品専門の私立探偵)
場所:   USA、ニューヨーク
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 中

Ghost Hero: (Bill Smith/Lydia Chin)
S.J. Rozan
Ebury Press (Fiction)
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