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ワニと読むミステリ(怪しいスライス )

怪しいスライス プロゴルファー リーの事件スコア 1 (プロゴルファー リーの事件スコア) (集英社文庫)
アーロン&シャーロット・エルキンズ
集英社
¥600(価格は変わる場合があります)


Wicked Slice
Aaron & Charlotte Elkins
Fawcett
¥1,031(価格は変わる場合があります)

読むと、曲がるにはわけがある。
 
(アーロン&シャーロット・エルキンズ著)
 リー・オフステッドはプロゴルファーになって1年目の新人女子プロです。まだランクは高くなく、やっと生活できる程度で、経費を切りつめるためにあらゆる努力をしています。プロとアマチュアが組んで試合するトーナメントに出ていますが、なかなかスコアが伸びません。そのゴルフ場でスター選手ケイトの死体を発見してしまいます。ケイトはその言動からあまり周りの人たちから好かれていたとは言い難い人物でしたが、それで殺そうとするまでに憎まれるとも思えません。事件を担当するのはグレアム警部補ですが、彼はゴルフをまったく知りません。リーは容疑者にされそうになったり、またケイトとは親友といえるほどではないにしても他のゴルファーよりは親しい間柄でもあり、グレアム警部補がゴルフに無知なゆえに間違った方向に行くのではないかと心配になり、自分なりに捜査を始めようとします。しかし、トーナメントで一緒の組になったアマチュアゴルファーのペグ(経営コンサルタント)は、生来のおせっかいで、さらにリーとともに死体を発見したことやで、自分も捜査に参加すると言い出します。二人はゴルフ関係者に聞き込みを始めますが、捜査には不慣れなため、なかなかうまくはいきません。その間もトーナメントの試合は続き、リーはスコアも気になりますし、グレアム警部補も気になります。犯人はゴルファーなのか、その他の関係者なのか。ゴルフトーナメントはたくさんの人たちが出入りして、犯行の機会も多く、犯人特定に苦労します。そしてさらに殺人が起こり、ますます推理は難航します。
 
 ゴルファーが探偵というミステリは初めてです。
 アーロン・エルキンズといえばスケルトン探偵のギデオン・オリヴァーのシリーズを思い浮かべてしまいますが、これは奥さんのシャーロットとの共著によるゴルフ界を舞台にしたミステリです。シリーズ化されていて、すでに4作出版されているそうです。リーは20代でまだプロになって一年目、しかもゴルフを始めたきっかけはアメリカ陸軍在籍中に抽選で週末ゴルフの権利をあててからというもので、子ども時からゴルフをしていたという多くのプロゴルファーとはその最初からして違います。この陸軍時代については後続のシリーズで語られるのでしょうか。ちょっと面白そうな気もします。
 殺されたケイトはランクが上、かなり上、それに比べてリーはまだ100位くらいをうろちょろするくらいの選手です。このあたりの生活の違い、シード権獲得の仕組み、スポンサー契約の仕方など、ゴルフ界についてのことが覗き見られるのが面白いですね。
 作品中にモントレーの名物としてチョッピーノという食べ物がでてきますが、それはこのようなものだそうです。
 チョッピーノ(Cioppino) → http://en.wikipedia.org/wiki/Cioppino
 日本で食べられるところがあるのでしょうか。
 この後の作品でも、引き続きペグもグレアムも出てくるようなので、これらの人たちとの関わりがどうなるのかも楽しみです。
プロゴルファーの東尾理子氏による解説が巻末にあります。

■アーロン・エルキンズの著書
 スケルトン探偵ギデオン・オリヴァーのシリーズです。
 骨の島
水底の骨
骨の城
密林の骨
原始の骨
騙す骨

主人公: リー・オフステッド(女子プロゴルファー)
場所:  USA、カリフォルニア州モントレー
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 中
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