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ワニと読むミステリ(縮みゆく記憶)

読むと、記憶を整理してみましょう
 
(マルティン・ズーター著)
 マルティン・ズーターの「絵画鑑定家」が非常におもしろかったので、さかのぼって前作を読みました。時期的にはこの「縮みゆく記憶」が先です。それもマルティン・ズーターの最初の作品です。
 スイス最大のコンツェルンのコッホ家が所有する別荘の管理人コンラート・ランクは、冬の別荘で薪に火をつけて暖を取ろうとし、誤って別荘を全焼させてしまいます。コッホ家の影の当主エルヴィラの個人補佐シェラーは別荘の焼け跡を訪れて火事の原因を確認すると、エルヴィラにコンラートを解雇するように進言しますが、なぜかエルヴィラはコンラートをイタリアに向かわせます。
 イタリアでコンラートは裕福な未亡人と知り合い一緒に生活するようになります。これまで酒びたりだったコンラートは彼女と健全な生活を送るようになり、とても幸せな毎日を過ごしています。
 が、コンラートはだんだんとアルツハイマー病の兆候を示すようになります。
 治療のためコッホ家に連れてこられたコンラートは手厚い看護を受けますが、ただの別荘管理人のためになぜそこまでする必要があるのでしょうか。
 エルヴィラの孫で次期当主と見られているウルスと結婚したシモーヌは想像していた結婚生活とのあまりの差に絶望的な気分に陥っていましたが、コンラートの治療という新たな目的を得て、生き生きとしてきます。
 マルティン・ズーターらしい静かな語り口ながら、次第に緊迫してくる感が伝わってきてわれ知らずドキドキしてきます。しかもこの話の真相がなかなかつかめないので、余計に気持ちがはやり、ページをめくるのが待ちきれないです。
 よくありそうな日常の断片を語りながら、それは隠された過去につながる鍵でもあり、その鍵の扉を1つずつ開けてみれば思わず真相に出会えます。
 読み終わりはさわやかですが、きーとうーんと唸ってしまうでしょう。

■その他
 絵画鑑定家
 ワニはこちらを先に読みました。
 名門に生まれたアドリアンは絵画鑑定家で若き芸術家たちのパトロンでもあります。
 その彼が贋作のたくらみに引き込まれてしまいます。

主人公: コンラート・ランク(コッホ家の別荘管理人)
場所:  スイス、カリブ海
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 小

縮みゆく記憶 (ランダムハウス講談社文庫 ス 2-1)
マルティン ズーター
武田ランダムハウスジャパン

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ワニと読むミステリ(フレンチ警部と毒蛇の謎)

読むと、良心の呵責はあとから来ます。
 
(F・W・クロフツ著)
 フレンチ警部のシリーズを最後に読んだのはいったいいつだったのか、ワニはもはや記憶にありません。「フレンチ警部と毒蛇の謎」が最後の未訳長編だそうで、これを機会にまたフレンチ警部シリーズを読むのもおもしろいかも。
 よくできた倒叙ものは最初からハラハラドキドキしますね。特に犯人の事情に同情してしまうと捕まってほしいけど、もっと逃げてほしいという矛盾した2つの気持ちの間で、捜査の成り行きに一喜一憂してしまいます。
 事件の主要な関係者に動物園の園長が入っているというのは、ワニはいままで知りません、あるかもしれませんが記憶にないですね。動物園で追いかけるというのはありますが。
 ジョージ・サリッジはバーミントン市立動物園園長という職にありながら生活に困っています。賭博に引き込まれてしまった、妻が贅沢、そして運命の女性に巡りあってしまった。借金も清算し、愛人との快適な生活も可能になるという起死回生の策とは病に冒されている叔母の遺産狙い。苦しい気持ちで待っていたところに叔母の訃報、これで万事解決と思いきや、あてにしていた遺産が消えた。万事休す! そこへ持ちかけられた犯罪の片棒の誘惑にジョージ・サリッジは抵抗できるのか。
 事故として処理された事件をふとしたことから知ったフレンチ警部は、腑に落ちないところがあり、再調査を願い出ます。かくて綿密に仕組まれた犯罪がだんだんと暴かれていきます。
 フレンチ警部の面目躍如。
 やっぱりミステリはこうでなくちゃね。
 事故に仕組まれた犯罪がフレンチ警部の経験と知識からだんだんと全貌が解き明かされていきます。ここのフレンチ警部の推理は、もう何が起こったのか知っているこちらとしてはドキドキしますね。また最初にすべての手口が知らされていないので、フレンチ警部の推理が本当にあっているのか、わからないところも多々あります。
 読者を欺くミステリ。
 やっぱりこうでなくちゃね。

■動物関連
 動物園で迫真の追跡劇があります。ワニもでてきます。
 パニック!

主人公: ジョージ・サリッジ(バーミントン市立動物園園長)
ジョーゼフ・フレンチ(スコットランドヤード首席警部)
場所:  イギリス、バーミントン
グルメ: なし
動物:  ヘビ: ラッセルクサリヘビ
ユーモア: 小


フレンチ警部と毒蛇の謎 (創元推理文庫)
F・W・クロフツ
東京創元社

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ワニと読むミステリ(名犬ランドルフと船上の密室)

読むと、消えた人はどこへいった?
 
(J・F・イングラート著)
 黒ラブのランドルフのシリーズも3冊目。
 今回は、ランドルフのもともとの飼い主で、今ランドルフと暮らしている若い画家ハリーの恋人の、イモージェンを追って、カリブ海のクルーズです。
“ペット愛好家のためのクルーズ”
1作目に登場したナマケモノのマーリンが飼い主のジャクソン・テンプル(ハリーの後援者)とともに乗船しています。また大事なところで冴えた推理をみせますよ。
 クルーズ船ではいろいろな催しがありますが、ランドルフも登場するマジックショウでケージの中に現れたのは背中を刺されたばかりの女性の死体。マジシャンの妻です。しかも数日前に自殺したと思われていた人です。
 なぜこのマジックショウで殺されなければならなかったのか。
 同じクルーズに参加しているイヌたちの捜査もなかなかのものです。ランドルフもたじたじの活躍を見せます。
 しかし今回ランドルフの最大の危機は、まじない師の唱える呪文でランドルフがすっかりいいなりになってしまうこと。しかもまじない師にはランドルフの考えていることがわかるらしい。
 ハリーの友人の幽霊退治人イワンも七色インコのミスター・アップルズとともに乗船しています。だんだん動物が増えてきます。
 クルーズの目的のイモージェンにはランドルフたちは無事会えるのでしょうか。
 ま、気軽に読んでください。

■既刊

名犬ランドルフ謎を解く
  ハリーの友人イワンは幽霊の退治人として活躍しています。ハリーが降霊会に参加するとそこで死体に遭遇します。
名犬ランドルフ、スパイになる
 イモージェンが犯人かもしれない殺人事件が起こり。ハリーとランドルフはなかなかイモージェンに会えません。

主人公: ランドルフ(黒ラブラドール・レトリーバー)
場所:  USA、カリブ海
グルメ: なし
動物:  イヌ: ランドルフ(黒ラブラドール・レトリーバー)
ナマケモノ:マーリン(グアテマラ・ナマケモノ)
インコ:ミスター・アップルズ(七色インコ) 
ユーモア: 中

名犬ランドルフと船上の密室 (黒ラブ探偵3) (RHブックス・プラス)
J F イングラート
武田ランダムハウスジャパン

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