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ワニと読むミステリ(俳優パズル)

俳優パズル (創元推理文庫)
パトリック・クェンティン
東京創元社
1,050円(価格は変わる場合があります)

読むと、作者は知っている。
 
(パトリック・クェンティン著)
 ピーター・ダルースは名プロデューサーとして知られていましたが、アルコール依存症で入院していました。それもようやく治療ができ、ピーターは今回またプロデューサーとしての仕事を復活することになります。すばらしい脚本を得ることができたピーターは成功を確信していましたが、いざリハーサルが始まってみると誤算続きで、劇の行方が怪しくなってきます。最初に予定していた劇場が急に変更になり、幽霊話のあるような過去のいわくつきでかなり傷んだ劇場があてがわれ、ネズミが走り回っています。俳優たちはそれぞれに問題をかかえ、それだけでも頭が痛いのに、離婚された夫が劇場に入り込んできたりでリハーサルは散々です。そして幽霊を見たといいながら舞台によろけてきた俳優は死亡し、リハーサル中にまた死者がでます。この劇場はうわさ通りに呪われているのか? もう初日の幕開けまでにあと数日しかないのに殺人事件まで起こり、なんとしても劇を成功させたいピーターは婚約者のアイリスとともに真相解明に奔走します。

 パズル・シリーズの2作目にあたります。1939年に出版されているようです。
 前作のアルコール依存症治療で療養所に入院していたピーターはそこでアイリスを出会うのですが、この作品中では婚約しています。無事に結婚にこぎつけることができるのか、そのあたりも見所です。
 実際になぞ解きの探偵役は、1作目の療養所の所長であるレンツ博士が中心ですね。ピーターの復活をかけたこの劇に多大な出資もしています。
 女優の離婚がとても大変なことで精神にダメージを受けるくらいの出来事になっていますが、この1939年くらいは離婚の扱いは大事件と言えるくらいだったのでしょうね。今との時代背景の違いも読んでいて面白いです。しかしなぞ解きというミステリの醍醐味はしっかりと味わうことができ、とても楽しめます。
 どんどん翻訳をだしてほしいですね。

 ■既刊
 パズル・シリーズは2作品。このほかにもパズル・シリーズは続きますので、これからの翻訳が楽しみです。
迷走パズル ←アルコール依存症を治療するべく入院した療養所で事件が起こります。パズル・シリーズ第1作。
悪女パズル ← 大富豪に招かれたピーター夫妻はそこで殺人事件にまきこまれます。パズル・シリーズ第4作。


主人公: ピーター・ダルース(演劇プロデューサー)
場所:  USA、ニューヨーク
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 小

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