海外ミステリ専門書店。特に、イヌ、ネコ、その他の動物が活躍するのが好き。グルメも紹介。
ミステリ専門書店(翻訳もの限定)
ワニと読むミステリ(水晶玉は嘘をつく?)
![]() | 水晶玉は嘘をつく? (創元推理文庫) |
アラン・ブラッドリー | |
東京創元社 |
![]() | A Red Herring without Mustard (Flavia De Luce Mystery) |
Alan Bradley | |
Orion (an Imprint of The Orion Publishing Group Ltd ) |
読むと、骨董品にご注意。
(アラン・ブラッドリー著)
フレーヴィア・ド・ルースはバックショー荘に住む11歳の化学大好き少女。ジプシーの占いのテントで手相をみてもらっているときにジプシーの言葉に動揺したフレーヴィアは過ってジプシーのテントを燃やしてしまいます。申し訳なく思ったフレーヴィアはバックショー荘の敷地内にジプシーの幌馬車を連れていき、そこに留まるように言います。翌日フレーヴィアが行ってみるとジプシーは血を流して横たわっていました。誰のしわざ? ジプシーの肉親として呼び寄せられたのはポーセリンという孫娘。行きどころのない彼女をフレーヴィアは館にかくまいます。バックショー荘に夜中に入り込む男があり、なんとか撃退したと思ったら、今度はポセイドン像のところで死体を発見し。フレーヴィアは愛車(自転車)のグラディスに乗って事件解決のため捜査を開始します。
化学大好き少女フレーヴィアのシリーズ3作目です。
ド・ルース家の財政逼迫はだんだんとひどくなり、いよいよ財産に手をつけないといけないような状況になってきました。このままバックショー荘を維持していくことができるのでしょうか。心配ですね。
フレーヴィアと2人の姉の関係は相変わらずで、フレーヴィアがいたずらすれば姉たちが報復し、それにフレーヴィアが仕返しするという終りのない戦争が続いています。それでも姉たちはフレーヴィアのことを気にかけて危ないところにかかわらないように手を回したりしますが、なかなかフレーヴィアにはそれが理解できません。
子どもを連れ去ったとジプシーを非難する人。それらには非国教徒のホブラーの存在がかかわってきます。宗教問題は難しいです。
バックショー荘にはご先祖様が作った巨大な像や水を使った設備などがありますが、今回はそれらが謎を解くカギになります。それに骨董品も窃盗、模造品の被害にあい、それらの犯罪組織の一味が存在するようです。
フレーヴィアの亡くなった母ハリエットの思い出につながるものが発見され、涙してしまいます。
1950年代のイングランドの生活が見えて、とても楽しく読むことができます。
■既刊
すでに2巻出版されています。
パイは小さな秘密を運ぶ
人形遣いと絞首台
フレーヴィアのシリーズはまだまだ続くようです。
化学大好き少女はどう成長していくのか、それを見るのもこのシリーズの楽しみです。
主人公: フレーヴィア・ド・ルース(11歳の化学大好き少女)
場所: イギリス、イングランド
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 中
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )