ワニと読むミステリ(ヴェネツィア刑事はランチに帰宅する)

読むと、イタリアと日本の働き方を比較して、うらやましくなり、日本人はバカだなと思う。

(ダナ・レオン著)
ワニとしては、卵生なので、イタリアのように血縁関係が非常に物をいう環境は少しわかりにくいですね。賄賂や不正がまかりとおる世界も、これで事件解決にもっていけるのかとやや心配にもなります。が、そこは、グイド・ブルネッティ、ちゃんと解決します。前の作品(ヴェネツィア殺人事件)で、かわいそうな目にあった秘書さんが元気になってきたので、ほっとしました。早く立ち直って欲しいですからね。
第二次大戦での出来事がまだ現在にも影響を与えているのですね。「祖父の過去の汚名を晴らしたい」という女子学生の切なる願いになんとか力になってあげようとするグイドですが、その女子学生が殺されてしまいます。祖父の昔の行状が彼女に影響したのでしょうか? (悪いことしてますからね)
膨大な価値の美術品に囲まれて、赤貧の生活を送る老女。怪しいですねぇ。正体はなんなのでしょうか?
祖国図書館などという変わった図書館がでてきますが、ヴェネツィアの歴史を感じますね。
女子学生の両親、その祖父など、歴史をさかのぼっての捜査が行われ、戦時中の美術品の売買の不正についてだんだん明らかにされてきますが、なかなか事件の手がかりはでてきません。そこへもう1つの殺人事件か?
グイドはいつもランチに家に帰り、妻のパオラのあたたかいイタリア家庭料理を楽しみます。捜査が進展していなくても、ランチは楽しい時間です。ワニとしても、ぜひパスタを味わいたいです。イタリア人はおいしいものばかり食べていますねー。
犯人の動機は、時代を問わず、ちょっと悲しいです。

主人公: グイド・ブルネッティ(ヴェネツィア警察の警視)
     (Male)
場所:  イタリア、ヴェネツィア
グルメ: イタリア家庭料理
動物:  なし
ユーモア: 中


ヴェネツィア刑事はランチに帰宅する

講談社

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ワニと読むミステリ(不安な関係)

読むと、男らしさと横暴の境界線は点線かもしれないと思う。

(ジェイン・アン・クレンツ著)
ワニとしては、大失敗! ロマンスだった。。。 不覚。
著者の名前だけで買ってしまいました。
ジェイン・アン・クレンツは、ロマンスも書いていたのですね。
責任をとって読みましたが、ミステリの要素は、刺身のツマ程度でした。
犯人は最初からわかります。
ま、この本の目的はロマンスだから犯人なんかどうでも良いわけですが。
活花の教室で知り合うというのは意表をついていて話の開始としてはひきつけるものがありますね。お華の生け方でその人の性格を説明しているのはそれらしくてなかなか面白いです。話の展開も、冷静に考えれば「そんなことあるわけないでしょ」と思うところですが、調子良く進むので、まぁ、こんなもんかと許す気になりますね。
最初から惹かれあっているのに認めたくない心。
いけないと思いながらも膨らむ妄想。
ちょっとした相手の言動で、失敗したかなと弱気になるところ。
ロマンス小説ってこうなんですね。
ロマンス好きの方、ぜひどうぞ。

主人公: アビー・リンドン(ビタミン剤の卸売業者)
     (Female)
場所:  USA、オレゴン州ポートランド
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 中


不安な関係

ハーレクイン

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ワニと読むミステリ(このペン貸します)

読むと、そろそろ甘い言葉を見分けるロボットが欲しいと思う。

(ローラ・レバイン著)
ワニとしては、プロザック(腹ペコネコ)の活躍がほとんどなかったのが、非常に残念。単なる年中餌を要求する飼い猫というだけの役割だったので、もう少し事件に関係して欲しい。
フリーライターって、ラブレターの代筆までするんですね。ふと、渋谷の恋文横丁を思い出しました。いつの時代もラブレターの書き方に悩むということでしょうか。
ジェインがちょっとばかり脚色したラブレターが功を奏し、もてない男ハワードがあこがれの彼女とのデートにこぎつけますが、そこで殺人事件が起こり、犯人としてハワードが逮捕されてしまいます。さぁて、ラブレターを書いたジェインとしては、責任を感じ、捜査に首をつっこみます。もちろん警察は相手にしてくれませんが。
そこへ素敵な男性が現れて、ジェインと共に捜査に加わることになり、なおかつ、ロマンスの香りまで漂ってきます。ダイエットに気合の入るジェイン(でも気合だけ)。
事件には、高価なアンティークがからんできます。金のためならウソもつくし、その他なんでも。
ちょっとした物音にも苦情をうるさくいう隣人も、役に立つときがある。
でもジェインをつけまわすBMWの意味がわかりません。
年中ダイエット中で、口に入れる直前までは食べるまいとがんばっているジェイン。でも、どの食べ物もおいしいし、おなかが空いてるからどうにも抵抗できませんよね。気持ち、すごくよくわかります。ま、ワニはいつでも泳いでいるので、運動でカロリーを消費しますから、ジェインのようにはなりませんが。

主人公: ジェイン・オースティン(36歳のフリ-ライター)
     (Female)
場所:  USA、ロサンゼルスのビバリーヒルズ
グルメ:  なし
動物:   ネコ(プロザック)
ユーモア: 中


このペン貸します―ジェイン・オースティンの事件簿

集英社

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ワニと読むミステリ(愚か者の祈り)

読むと、住宅地の静かな昼下がりが恐くなる。

(ヒラリー・ウォー著)
ワニとしては、普通はユーモアのあるのが好きなんですが、ヒラリー・ウォーは例外です。
普通の中に潜む異常という感じが、ちょっと恐くて、「恐いもの見たさ」の心境になってしまうのです。
グルメもなければ動物も活躍しません、念のため。それに警部のダナハーはいやなヤツです、見かけは。
1950年、60年代のお話なので、もちろん携帯電話は登場しません。
女優にあこがれて家出した少女が5年後に惨殺されて発見されます。この5年間の空白を小さな手がかりから追っていく地道な捜査が描写されていきます。こういう小さな手がかりから推理を組み立てていくのを読むと日常生活にも役立ちますね。どう役立てるかは、その人次第ですが。
頭蓋骨をもとに生前の顔を復元するというそのころ新しい試みが捜査を大きく進めます。ただ、素人の刑事が復元作業をするという設定はちょっと乱暴なような気もします。
このころのアメリカって、郊外住宅が発展していくちょうどそのころだったんですね。おしゃれな家、広い庭(プールもあるかも)、青い芝生、みんなが車を持ち始めるころ。
そのころのアメリカのテレビ番組も明るく楽しいものばかりです。
が、その後の郊外住宅地の影が、この作品の中に見られます。


主人公: マイク・ダナハー(ピッツフィールド署の警部)
     (Male)
場所:  USA、コネチカット州ピッツフィールド(架空)
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 小


愚か者の祈り

東京創元社

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ワニと読むミステリ(マンハッタンの中心でアホと叫ぶ)

読むと、なんとしてもニューヨークに行きたくなる!

(キンキー・フリードマン著)
ワニとしては、キンキーたちが住んだり、走りまわったところを実際に見に行きたくなりました。ブロードウェイという文字がでるたびに、HISを検索したくてムズムズします。
キンキーたちミュージシャンの世界は変人だらけですが、ミュージシャンという肩書きがついただけで、どんなでも許されるような気がするのは、ワニの私だけ?
キンキーの恋人(なんかどうかどうも疑問)のジュディーから頼まれて、ジュディーの元恋人を探すことになるのですが、この元恋人はベトナムで従軍中に戦死しているはず。でもジュディーはどうしてもこの目で見たと言い張るので、キンキーは調査することに。それに、活動家のアビーは、突然現れて誰かに見張られているというし、キンキーの家が爆破されそうになったり、いったい誰が命を狙われているのかもさっぱりわからない展開になってきます。
捜査に協力するミュージシャン仲間はクセのあるヤツばっかりで、ひとりもまとも(まともの定義はおいといて)なヤツはいません。ワニとしては、こういうの大好きです。
しかし、今でもベトナム戦争はアメリカの悲しい一面なんですね。
キンキーたちの出演している店に行ってみたくありませんか?

主人公: キンキー・フリードマン(ミュージシャン兼私立探偵)
     (Male)
場所:  USA、ニューヨーク
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 中



マンハッタンの中心でアホと叫ぶ―カウボーイ探偵うたう大捜査線

新風舎

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ワニと読むミステリ(弱気な死人)

読むと、万事休す!でもなんとかなると気楽な気持ちになる。

(D・E・ウェストレイク著)
ワニとしては、久々にウェストレイクのはらはらどきどきに乗せられて、大変満足ですね。
最初の方は、何事もなく進んでいくので期待はずれで退屈しそうになりましたが、徐々にウェストレイク流のはちゃめちゃが本領を発揮し始めて、いったいこの先どういうことになるんだろうと、まったく予想がつかない展開になります。
出演するキャラクターがどれもあまりに個性的で、起こす行動が意表をつき、バリーたちの立てた計画がどんどん違った方向に行くところはなんとも言いようのないおかしさです。
保険金詐欺って、なかなかうまく行かないものですね。保険の調査員のほうが、バリーたちよりも何倍も上を行っていますからね。
しかし、いざ保険を頼ろうとしたら、まったく思っていた保障内容と違うくだりは、現実的で実におかしい。保険って、そういうものですね。
こうなったら、ゲレラで死んだことにしよう。バリーの考えつきそうなことです。
バリーとその妻ローラのゆるぎない愛と信頼が真相をあばくきっかけになるのはなんだか感動的。
ワニとしては、もう少しルスに後半も活躍してほしかったですね。どこか違う作品に登場するのでも可。ルスとは、ローラのたくさんの親戚の一人です。さて、どんな人でしょ?
で、ゲレラは架空の国です。

主人公: バリー・リー(?)
     (Male)
場所:  ゲレラ
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 大


弱気な死人

ソニー・マガジンズ

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ワニと読むミステリ(シスターフッド)

読むと、くやしかったことを思い出す。

(ファーン・マイケルズ著)
ワニとしては不覚にも、ミステリではありませんでした。
が、たまにはいいですね。
「(西洋式)必殺仕掛人」。秘密結社<シスターフッド>
仕掛人はほとんど女性ばかりのグループです。それぞれが特殊技術を持ち、また法では守ってもらえないどうしようもない問題を抱えています。
それを「(西洋式)必殺仕掛人」が、気持ちを晴らしていくというものです。
緻密な計画を立てるのは、元イギリス諜報部員(007ですね)。
バックにつくのは、大富豪の女性で自らも法では解決できなかった問題に深く傷ついています。
さてこの計画に立ちはだかるは、ニキの恋人、敏腕の地方検事です。ニキの恋の行方も気になるところです。
水ももらさぬ計画のはずでも、必ず予期せぬ出来事が起こるもの。どうやって切り抜けるのでしょうね。
とんでもない予期せぬできごとでどきどきし、その解決法にあっけにとられるというのは、ウェストレイクにはかないません。ウェストレイクほどは、読み手の意表をつくようなこともなく、これからどういう展開になるのか予想もつかないで読者の首をひねらせることもありませんが、それだけ安心して読めるともいえます。
「(西洋式)必殺仕掛人」のそれぞれが抱えている問題について、続編で復讐計画が立てられることが予告されています。
シリーズが楽しみですね。

主人公: ニコール(ニキ)・クイン(弁護士)
     (Female)
場所:  USA ニューヨーク
グルメ: なし
動物:  イヌ(ベルジアン・マリノワのマーフィー)
ユーモア: 小


シスターフッド

二見書房

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ワニと読むミステリ(猫は日記をつける)

読むと、ほんわかする。

(リリアン・J・ブラウン著)
みなさまご存知の、シャム猫ココシリーズの番外編です。
ワニとしては、手元において、時々読み返したいですね。
これはミステリではありませんが、ココ・ファンならば、必須。
クィルの日記からの抜粋です。
ココとヤムヤムがクィラランと暮らすことになった経緯など、もう忘れていたようなことを再確認できます。ヤムヤムの生い立ちって、そうだったんですね。すっかり忘れていました。みなさんはどうでしたか?
まだココ・シリーズを読んでない方も、入門編として最適でしょう。ココ・シリーズの雰囲気がわかります。
ココ・シリーズを読んでない方のためにお話しますが、クィララン(クィル)は、ココとヤムヤムの同居人です。ココとヤムヤムは、シャムネコです。ココはすばらしい推理力の持ち主で、ヤムヤムは愛すべきメスネコです。
ココの格言も、実に深遠で役に立つでしょう。
ココ・ファンの仲間入りをしませんか。
水にうるさいワニとしては、スカンクウォーターって、飲んでみたいです。

主人公: ジム・クィララン(もと新聞記者)
     (Male)
場所:  USA ピカックス
グルメ: なし
動物:  ネコ:シャムネコ(ココ、ヤムヤム)
ユーモア:中


猫は日記をつける

早川書房

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