海外ミステリ専門書店。特に、イヌ、ネコ、その他の動物が活躍するのが好き。グルメも紹介。
ミステリ専門書店(翻訳もの限定)
ワニと読むミステリ(シンデレラの罠)
![]() | シンデレラの罠【新訳版】 (創元推理文庫) |
セバスチアン・ジャプリゾ | |
東京創元社 |
![]() | Piege Pour Cendrillon |
Sebastien Japrisot | |
Messageries du Livre |
読むと、自分でもわからない。
(セバスチアン・ジャプリゾ著)
“わたし”は火事に遭い、全身火傷を負った状態で発見された。幸い命は取り留めたが、顔や手をひどく損傷し、皮膚移植が必要だった。目が覚めたとき、“わたし”は誰なのか、記憶をなくしていた。一緒に屋敷にいたド(ドムニカ)は焼死したと知らされた。ならば“わたし”はみんなが言うようにミ(ミシェル)なのか。傷はだんだんと回復し、火事の中からどうやって助けられたのかを聞かされても、なぜ“わたし”はそんなところにいたのか何をしていたのか、まったくわからない。“わたし”が無意識にした署名は“ドムニカ”。はっとしたが、ドの恋人に会っても何も感じないし思い出せない。ミドラ伯母さんは死ぬ間際に遺言書を書き換えたらしい。莫大な財産を相続するのは、ド?それともミ?
記憶喪失ものです。自分がだれかわからないというのはどういう感じなんでしょうね。ひどく奇妙?
火傷治療のため皮膚移植をして顔の造作も変わっているから、昔の写真を見ても同じ人なのかわからないわけだし。ずーと“わたしはだれ?”、と自分探しをしながら事件の真相も少しずつわかってくるわけですが、『こんなん今ならDNA鑑定ですぐわかっちまうよなぁ』と別の私が言い、『なんだと、1962年刊だろ、その頃のミステリとして楽しめよ』ともう一人が言う。『でも、謎にもならないぜ、今なら』と、反論があり、『ミステリ・ファンだろ? そのくらいその時代に入りこめよ』とまた言い返し。アタマの中の言い合いは終わりません。
■記憶喪失もののミステリ
コニス・リトルの作品。
記憶をなくして汽車の旅
もっとあるかと思いましたが意外とないですね。
ミステリではないですが、記憶喪失ものの傑作はこれでしょ。
![]() | 心の旅路 [DVD] |
クリエーター情報なし | |
ファーストトレーディング |
主人公: ミシェル・イゾラ(ミ)(20歳の娘。ミッキー)
場所: フランス
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 小
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ワニと読むミステリ(ジューンブライドはてんてこまい)
![]() | ジューンブライドはてんてこまい (創元推理文庫) |
クリスタ・デイヴィス | |
東京創元社 |
![]() | The Diva Takes the Cake (A Domestic Diva Mystery) |
Krista Davis | |
Berkley |
読むと、過去は追ってくる。
(クリスタ・デイヴィス著)
妹ハンナがまた結婚しようとしている!
イベントプランナーのソフィは妹の結婚式の計画を立てていますが、いろんな邪魔が入りなかなかスムーズには行かないようです。しかも。花婿は白馬の王子様とはいいがたく、ソフィの心に浮かんだのは、もしかして殺人者? 彼の前の妻が訪ねてきて、その直後に四何からぶら下がってるのを発見されたのなら誰もがそう考えてしまう。怪しげな花婿の親戚が到着し、ソフィの容疑者リストは結婚式のゲストのリストと同じようなメンバーになってしまい、犯人は花嫁側か、花婿側か、はたまた祭壇の前に立つ人物か? ハンナを守るため、ソフィは事件を解決しなくてはならない。
ハンナの結婚は3度目になるのですが、それでも結婚式は盛大にやるのですね。またハンナの前の夫2人もやってきて結婚式に出ようとしたり、混乱に輪をかけますね。
しかしなんといっても魅力的なのは、ずっといろんな料理が出てきて、お菓子もどんどん焼かれたり作られたり、そして誰かがいつもそれを食べていること。
巻末のレシピは、
ソフィの簡単プルドポーク
ビール缶チキン
酔っぱらいの新婚マティーニ
ナターシャの恋に落ちるケーキ
です。
■結婚式が事件のミステリ
結婚式に重なって事件が起こるミステリは結構たくさんありました。ここではそのうちから数点を紹介します。結婚式はおめでたいけれど、同時にうらみ、ねたみも呼ぶのかも。
ローラ・ダラム作品のアナベル・アーチャーはウェディング・プランナーです。
ウエディングプランナーは眠れない
クレオ・コイル作品のクレア・コージーは、元夫の結婚式の手伝いをします。
エスプレッソと不機嫌な花嫁
ケイト・キングズバリーのペニーフット・ホテルのシリーズです。メイドのガーティの結婚式があります。
マクダフ医師のまちがった葬式
G・M・マリエットの作品では結婚式で相続人が減っていく。
コージー作家の秘密の原稿
主人公: ソフィ・ウィンストン(イベントプランナー)
場所: USA、ヴァージニア州北部アレクサンドリア
グルメ: 料理レシピあり
動物: ネコ:モチー(ソフィの飼い猫)
イヌ:デイジー(ソフィの飼い犬)
ユーモア: 中
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