海外ミステリ専門書店。特に、イヌ、ネコ、その他の動物が活躍するのが好き。グルメも紹介。
ミステリ専門書店(翻訳もの限定)
ワニと読むミステリ(ダーク・サンライズ)
読むと、欲のために人を利用してはいけません。
(デイヴィッド・ハンドラー著)
映画評論家ミッチと駐在デズのコンビ・シリーズ第4作です。ちょっと太めの映画評論家ももう4作目なんですね。
今回は真冬です、しかも極寒で雪で嵐で、交通も遮断されてしまいます。
伝説の女性映画監督エイダが久しぶりにアメリカに帰ってきて、娘ノーマと夫レスが経営する古いホテルに滞在します。94歳になるエイダは、今でも大した気骨の持ち主で、言うことも辛辣です。高齢化社会、こういうしゃきしゃきしたお年寄りが増えるとよいですね。
このホテルは、アストリッド城と呼ばれ、とにかく古くて暖房が行き届かないのでホテル・ルーム内も非常に寒いです。ワニとしては、とてもこんな寒いところにはいけません。
エイダを囲んでのパーティが主宰され、お客様が集まったところで猛吹雪に見舞われてホテルの周りの木が倒れて道をふさいだりして、パーティ出席者はこのホテルに留まることを余儀なくされます。
部屋の暖炉にマキを燃やして暖をとりますが、それでもかなり寒そうです。
そして翌朝ホテルの女主人が遺体で発見され、持病の薬の飲みすぎではないかと思われます。しかし殺人は死はこれだけでは終わらず、新たな殺人が連続します。
こういう隔絶されたところで連続殺人が起こり、犯人は絶対に身近にいる人物に違いないと思われるシチュエーションのミステリはいろいろありますが、やっぱり緊迫感がありますね。
古いお城だから、隠された通路とかあって、ちょっとうれしいですね。
招待客だったミッチとデズは協力して捜査にあたります。が、ミッチも襲われてケガをします。
ミッチとデズの関係もちょっと変化がありそうで、気になります。
■作家スチュアート・ホーグのシリーズ
デイヴィッド・ハンドラーのもう一つの人気シリーズですが、ここのところ見ないですね。新作はないのか気になるところです。スチュアートの飼い犬、バセットハウンドのルルの潤んだ瞳にまた会いたいですね。
傷心
主人公: ミッチ・バーガー(映画評論家)
デジリー・ミトリー(駐在)
場所: USA、コネティカット州ドーセット
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 中
(デイヴィッド・ハンドラー著)
映画評論家ミッチと駐在デズのコンビ・シリーズ第4作です。ちょっと太めの映画評論家ももう4作目なんですね。
今回は真冬です、しかも極寒で雪で嵐で、交通も遮断されてしまいます。
伝説の女性映画監督エイダが久しぶりにアメリカに帰ってきて、娘ノーマと夫レスが経営する古いホテルに滞在します。94歳になるエイダは、今でも大した気骨の持ち主で、言うことも辛辣です。高齢化社会、こういうしゃきしゃきしたお年寄りが増えるとよいですね。
このホテルは、アストリッド城と呼ばれ、とにかく古くて暖房が行き届かないのでホテル・ルーム内も非常に寒いです。ワニとしては、とてもこんな寒いところにはいけません。
エイダを囲んでのパーティが主宰され、お客様が集まったところで猛吹雪に見舞われてホテルの周りの木が倒れて道をふさいだりして、パーティ出席者はこのホテルに留まることを余儀なくされます。
部屋の暖炉にマキを燃やして暖をとりますが、それでもかなり寒そうです。
そして翌朝ホテルの女主人が遺体で発見され、持病の薬の飲みすぎではないかと思われます。しかし殺人は死はこれだけでは終わらず、新たな殺人が連続します。
こういう隔絶されたところで連続殺人が起こり、犯人は絶対に身近にいる人物に違いないと思われるシチュエーションのミステリはいろいろありますが、やっぱり緊迫感がありますね。
古いお城だから、隠された通路とかあって、ちょっとうれしいですね。
招待客だったミッチとデズは協力して捜査にあたります。が、ミッチも襲われてケガをします。
ミッチとデズの関係もちょっと変化がありそうで、気になります。
■作家スチュアート・ホーグのシリーズ
デイヴィッド・ハンドラーのもう一つの人気シリーズですが、ここのところ見ないですね。新作はないのか気になるところです。スチュアートの飼い犬、バセットハウンドのルルの潤んだ瞳にまた会いたいですね。
傷心
主人公: ミッチ・バーガー(映画評論家)
デジリー・ミトリー(駐在)
場所: USA、コネティカット州ドーセット
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 中
![]() | ダーク・サンライズ (講談社文庫)デイヴィッド ハンドラー講談社雪の冬です |
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ワニと読むミステリ(幽霊探偵と呪われた館)
読むと、怪異も作れます。
(アリス・キンバリー著)
幽霊探偵シリーズ第5弾。早いものですね。
キンディコットの町の住人の境遇も少しずつ変わっていきますが、今回劇的に変わったのが、郵便配達人でアイスクリーム屋のシーモア。郵便配達のついでに話相手になり、買い物も時々してあげていたティモシア・トッドが亡くなると、その豪邸を相続することになります。ティモシアには妹がいたはずですが、長年の確執からか財産を妹には残さずシーモアに遺すとの遺言が出てきました。
突然のことに唖然とするシーモアですが、一生懸命にその境遇になじんでいこうとする努力がなんだか滑稽です。
が、ティモシアの死因は病死ではあるものの何かにひどく怯えてそのために亡くなったようなので、シーモアが財産目当てに何か仕組んだのではないかと、シダーズ署長はシーモアから目を離しません。
ペネロピーの書店のお得意様でもあったティモシアは、書店にも本を遺贈していました。
ペネロピーの乗った車のブレーキが細工されていたり、屋敷に引っ越したシーモアとそこに滞在していたペネロピーの2人は不気味な音や泣き声に驚かされます。
いったい誰が何をたくらんでいるのか?
今回は、幽霊探偵のジャックの姿が見えて声も聞こえるという霊感の非常に強い女性が現れます。
声は聞こえるけど姿は見ることができないペネロピーは、ちょっぴり嫉妬しますね。
■クレオ・コイル
クレオ・コイルの別名で、ニューヨークのコーヒー・ハウスが舞台のミステリも書いています。
こちらもシリーズです。もう7冊翻訳がでています。
主人公: ペネロピー・ソーントン・マクルア(ミステリ書店共同経営者)
場所: USA、ロードアイランド州キンディコット(架空の町)
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 中
(アリス・キンバリー著)
幽霊探偵シリーズ第5弾。早いものですね。
キンディコットの町の住人の境遇も少しずつ変わっていきますが、今回劇的に変わったのが、郵便配達人でアイスクリーム屋のシーモア。郵便配達のついでに話相手になり、買い物も時々してあげていたティモシア・トッドが亡くなると、その豪邸を相続することになります。ティモシアには妹がいたはずですが、長年の確執からか財産を妹には残さずシーモアに遺すとの遺言が出てきました。
突然のことに唖然とするシーモアですが、一生懸命にその境遇になじんでいこうとする努力がなんだか滑稽です。
が、ティモシアの死因は病死ではあるものの何かにひどく怯えてそのために亡くなったようなので、シーモアが財産目当てに何か仕組んだのではないかと、シダーズ署長はシーモアから目を離しません。
ペネロピーの書店のお得意様でもあったティモシアは、書店にも本を遺贈していました。
ペネロピーの乗った車のブレーキが細工されていたり、屋敷に引っ越したシーモアとそこに滞在していたペネロピーの2人は不気味な音や泣き声に驚かされます。
いったい誰が何をたくらんでいるのか?
今回は、幽霊探偵のジャックの姿が見えて声も聞こえるという霊感の非常に強い女性が現れます。
声は聞こえるけど姿は見ることができないペネロピーは、ちょっぴり嫉妬しますね。
■クレオ・コイル
クレオ・コイルの別名で、ニューヨークのコーヒー・ハウスが舞台のミステリも書いています。
こちらもシリーズです。もう7冊翻訳がでています。
主人公: ペネロピー・ソーントン・マクルア(ミステリ書店共同経営者)
場所: USA、ロードアイランド州キンディコット(架空の町)
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 中
![]() | 幽霊探偵と呪われた館 (ミステリ書店5) (ランダムハウス講談社 キ 2-5 ミステリ書店 5)アリス キンバリーランダムハウス講談社幽霊が好き |
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ワニと読むミステリ(螺鈿の四季)
読むと、言っていることから真実を探すのは至難の業。
(ロバート・ファン・ヒューリック著)
ディー判事のシリーズです。お話としてはディー判事の初期にあたります。
初任地の平来(ポンライ)の激務に疲れたディー判事が、都からの帰りに部下のチャオタイ1人を連れて威炳(ウェイピン)県でちょっと静養しようと考えたところから始まりです。ゆっくりとお湯にでもつかりながら仕事の疲れをいやそうと考えていたディー判事ですが、政庁について県知事にお目通り願うと、知事は何やら気に病むことがある様子。知らぬこととほっておけばよいものを、生来の探偵魂が休むことを承知せず、頼まれもしないのにいろいろなところに探りを入れて事の真相を知ろうとしてしまいます。苦境にある県知事の少しでも役に立てればと考えたディー判事ですが、思わぬことから無頼漢と間違えられ、悪事に加担しないかとリクルートされそうになります。身分を隠して沈(シェン)と名乗っていたのを幸いに、これは民事を知るのに最適とディー判事はチャオタイとともに裏社会を仕切る親玉の伍長のところでやっかいになることのします。
まだ変装やなりすましに慣れないディー判事は、つい判事っぽい口のきき方になったり、時々失敗もあります。
チャオタイが高価な装身具を売りつけられ、そこからたどって判事たちは沼地で女性の他殺体を発見してしまいます。どうやら県知事の奥方のよう。道理で県知事の気分がすぐれなかったはず、奥方が行方知れずになっていたのだから。
と、単純な県知事夫人殺人事件かと思いきや、詩の才能への嫉妬あり、道ならぬ激しい恋ありで、そこに泥棒やペテン師が割り込んできて、筋が混乱してきますよ。
きれいに紐解くことができるでしょうか。
作品はポケミス178ページで長くはないのですが、内容が濃いので読後の満足感が大きいです。
■巻末に
和爾桃子氏による解説があります。作中にでてくる小道具についてや、中国の温泉、詩など、作品鑑賞の助けになります。
最後には、特別付録「中国の漆芸」のお話があります。歴史遺産学科教授 岡田文男氏へのQ&Aの形をとっています。
何故「中国の漆芸」なのか?
それはこれに関する品が重要な鍵を握るからです。
主人公: ディー判事(判事)
場所: 中国、威炳(ウェイピン)県
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 小
(ロバート・ファン・ヒューリック著)
ディー判事のシリーズです。お話としてはディー判事の初期にあたります。
初任地の平来(ポンライ)の激務に疲れたディー判事が、都からの帰りに部下のチャオタイ1人を連れて威炳(ウェイピン)県でちょっと静養しようと考えたところから始まりです。ゆっくりとお湯にでもつかりながら仕事の疲れをいやそうと考えていたディー判事ですが、政庁について県知事にお目通り願うと、知事は何やら気に病むことがある様子。知らぬこととほっておけばよいものを、生来の探偵魂が休むことを承知せず、頼まれもしないのにいろいろなところに探りを入れて事の真相を知ろうとしてしまいます。苦境にある県知事の少しでも役に立てればと考えたディー判事ですが、思わぬことから無頼漢と間違えられ、悪事に加担しないかとリクルートされそうになります。身分を隠して沈(シェン)と名乗っていたのを幸いに、これは民事を知るのに最適とディー判事はチャオタイとともに裏社会を仕切る親玉の伍長のところでやっかいになることのします。
まだ変装やなりすましに慣れないディー判事は、つい判事っぽい口のきき方になったり、時々失敗もあります。
チャオタイが高価な装身具を売りつけられ、そこからたどって判事たちは沼地で女性の他殺体を発見してしまいます。どうやら県知事の奥方のよう。道理で県知事の気分がすぐれなかったはず、奥方が行方知れずになっていたのだから。
と、単純な県知事夫人殺人事件かと思いきや、詩の才能への嫉妬あり、道ならぬ激しい恋ありで、そこに泥棒やペテン師が割り込んできて、筋が混乱してきますよ。
きれいに紐解くことができるでしょうか。
作品はポケミス178ページで長くはないのですが、内容が濃いので読後の満足感が大きいです。
■巻末に
和爾桃子氏による解説があります。作中にでてくる小道具についてや、中国の温泉、詩など、作品鑑賞の助けになります。
最後には、特別付録「中国の漆芸」のお話があります。歴史遺産学科教授 岡田文男氏へのQ&Aの形をとっています。
何故「中国の漆芸」なのか?
それはこれに関する品が重要な鍵を握るからです。
主人公: ディー判事(判事)
場所: 中国、威炳(ウェイピン)県
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 小
![]() | 螺鈿の四季〔ハヤカワ・ミステリ1832〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)ロバート・ファン・ヒューリック早川書房中国の明時代にタイムトリップ |
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ワニと読むミステリ(ダルジールの死)
読むと、ご招待にはウラがあるかも。
(レジナルド・ヒル著)
でぶのダルジール警視が、事件捜査中に爆発に巻き込まれ、瀕死の重傷を負い生死の境をさまよいます。
ダルジールのすぐ後ろにいたパスコー主任警部も負傷しますが、幸い回復が早く、ダルジールになり変った気分で事件に挑みます。だんだんとパスコーの言うことがダルジールに似てくるのがおもしろいですね。
爆破事件の場所はテログループの連絡場所の1つと見られていて、以前からCAT(合同テロ防止組織)に見張られていたのでした。パスコーは、このCATの中で捜査にあたることになりますが、閉鎖的な組織のようで外部から来たパスコーは半ば邪魔者扱いです。ま、ダルジールのもとで働いてきたパスコーですから、そんなことでめげるようなことはありませんが。
捜査が進むにしたがい、反テロ組織の「新テンプル騎士団」なるものの事件への関与が明らからになっていきます。団員が、それぞれどういう動機でこの「新テンプル騎士団」に加わることになったのか、興味深いです。
無能といわれるヘクター巡査。店の中にいた人物の特徴を聞かれても、その描写はさっぱり要領を得ませんが、描くととてもよく特徴をとらえています。ただそれを言葉にできないだけ。そのあたりのヘクター巡査の目撃証言もあいまいながらも的確で、とても大きな手がかりになりますので、注意しましょう。
何度も彼岸によばれそうになるダルジールの魂が離脱してさまようところは、警視らしくもあり、これで死んでしまったらどうしようと、読みながら心配になります。
ダルジールは回復するのでしょうか。多くの人が、またあの毒舌が戻ってくるのを待っています。
■既刊はたくさんありますが
社交好きの女
幻の森
これまでに読んだのは、上の2冊です。
主人公: ピーター・パスコー(中部ヨークシャー警察の主任警部)
場所: イギリス、ヨークシャー
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 小
(レジナルド・ヒル著)
でぶのダルジール警視が、事件捜査中に爆発に巻き込まれ、瀕死の重傷を負い生死の境をさまよいます。
ダルジールのすぐ後ろにいたパスコー主任警部も負傷しますが、幸い回復が早く、ダルジールになり変った気分で事件に挑みます。だんだんとパスコーの言うことがダルジールに似てくるのがおもしろいですね。
爆破事件の場所はテログループの連絡場所の1つと見られていて、以前からCAT(合同テロ防止組織)に見張られていたのでした。パスコーは、このCATの中で捜査にあたることになりますが、閉鎖的な組織のようで外部から来たパスコーは半ば邪魔者扱いです。ま、ダルジールのもとで働いてきたパスコーですから、そんなことでめげるようなことはありませんが。
捜査が進むにしたがい、反テロ組織の「新テンプル騎士団」なるものの事件への関与が明らからになっていきます。団員が、それぞれどういう動機でこの「新テンプル騎士団」に加わることになったのか、興味深いです。
無能といわれるヘクター巡査。店の中にいた人物の特徴を聞かれても、その描写はさっぱり要領を得ませんが、描くととてもよく特徴をとらえています。ただそれを言葉にできないだけ。そのあたりのヘクター巡査の目撃証言もあいまいながらも的確で、とても大きな手がかりになりますので、注意しましょう。
何度も彼岸によばれそうになるダルジールの魂が離脱してさまようところは、警視らしくもあり、これで死んでしまったらどうしようと、読みながら心配になります。
ダルジールは回復するのでしょうか。多くの人が、またあの毒舌が戻ってくるのを待っています。
■既刊はたくさんありますが
社交好きの女
幻の森
これまでに読んだのは、上の2冊です。
主人公: ピーター・パスコー(中部ヨークシャー警察の主任警部)
場所: イギリス、ヨークシャー
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 小
![]() | ダルジールの死 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)レジナルド・ヒル早川書房ダルジールのファンだけでなく |
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ワニと読むミステリ(心から愛するただひとりの人)
読むと、しっぺ返しは必ず来ます、しかもかなりきつく。
(ローラ・リップマン著)
短篇集です。
ごく普通で平凡に見える人たちが、実は見かけどおりではなかった、あるいは外からは決してわからないことを考えていた、などもしかしたら自分の周りにもあるのかもと思わせます。
短篇集の最初は、恋人に振られたので、ダイエットを考える女性の話」です。パーティがもうすぐで、そのパーティには元恋人も来るので、痩せて素敵な服を着こなす自分を見せつけようというわけです。それにはダイエット仲間が必要で、やはり失恋したばかりの友人を誘いダイエットの方法を考えますが、もっとも手っ取り早くて効果的なコカインを手段に選びます。が、コカインの入手方法もわからず友達の友達のとつてを頼ってようやく手に入れたのは良いですが。そこからは予想もつかない出来事の連続で、結局ダイエットに成功します。
これまでずっと男をカモにしていた女が、60歳を過ぎて若い男に食い物にされていたということがわかったとき、その彼女はどんな行動にでるでしょう。決して負けてはいません。
郊外住宅地に住むエロイーズとその異母妹ミーガンをめぐる話は、いろいろあります。
シングルマザーのエロイーズは、贅沢な暮しをし、一人息子に全愛情をそそいでいます。ミーガンは、夫と4人の子供と暮らしていますが、エロイーズほど裕福ではありません。その夫がリストラされたときからミーガンの人生は変わり始め、それにエロイーズも巻き込まれていきます。よくある郊外住宅地の平凡な生活がかき乱されるとき、誰かが死体になります。
いずれのお話も、出だしはどこにでもあるようなごく平凡な始まりなのに、急激にありえないような展開になりますが、やっぱりこうなるしかないのかなと思わせてしまいます。
■既刊は
あの日、少女たちは赤ん坊を殺した
二人の少女が赤ん坊を連れ去り、その赤ん坊は死んでしまう。事件後施設から出てきた少女は、何をしようとしているのか。
ロスト・ファミリー
これは私立探偵テス・モナハンのシリーズです。
主人公: いろいろ
場所: USA、ボルチモア、その他
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 小
(ローラ・リップマン著)
短篇集です。
ごく普通で平凡に見える人たちが、実は見かけどおりではなかった、あるいは外からは決してわからないことを考えていた、などもしかしたら自分の周りにもあるのかもと思わせます。
短篇集の最初は、恋人に振られたので、ダイエットを考える女性の話」です。パーティがもうすぐで、そのパーティには元恋人も来るので、痩せて素敵な服を着こなす自分を見せつけようというわけです。それにはダイエット仲間が必要で、やはり失恋したばかりの友人を誘いダイエットの方法を考えますが、もっとも手っ取り早くて効果的なコカインを手段に選びます。が、コカインの入手方法もわからず友達の友達のとつてを頼ってようやく手に入れたのは良いですが。そこからは予想もつかない出来事の連続で、結局ダイエットに成功します。
これまでずっと男をカモにしていた女が、60歳を過ぎて若い男に食い物にされていたということがわかったとき、その彼女はどんな行動にでるでしょう。決して負けてはいません。
郊外住宅地に住むエロイーズとその異母妹ミーガンをめぐる話は、いろいろあります。
シングルマザーのエロイーズは、贅沢な暮しをし、一人息子に全愛情をそそいでいます。ミーガンは、夫と4人の子供と暮らしていますが、エロイーズほど裕福ではありません。その夫がリストラされたときからミーガンの人生は変わり始め、それにエロイーズも巻き込まれていきます。よくある郊外住宅地の平凡な生活がかき乱されるとき、誰かが死体になります。
いずれのお話も、出だしはどこにでもあるようなごく平凡な始まりなのに、急激にありえないような展開になりますが、やっぱりこうなるしかないのかなと思わせてしまいます。
■既刊は
あの日、少女たちは赤ん坊を殺した
二人の少女が赤ん坊を連れ去り、その赤ん坊は死んでしまう。事件後施設から出てきた少女は、何をしようとしているのか。
ロスト・ファミリー
これは私立探偵テス・モナハンのシリーズです。
主人公: いろいろ
場所: USA、ボルチモア、その他
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 小
![]() | 現代短篇の名手たち6 心から愛するただひとりの人(ハヤカワ・ミステリ文庫)ローラ・リップマン早川書房日常の異常 |
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ワニと読むミステリ(殺す者と殺される者)
読むと、鏡はみない。
(ヘレン・マクロイ著)
ヘレン・マクロイをまだ読んでいないならば、すぐに今出版されている全作品を購入して読みふけること。
この前に新訳ででた幽霊の2/3もあまりに素晴らしくて唸りながら読んでいましたが、この「殺す者と殺される者」も、期待を裏切らない作品です。
ちょうど本格ミステリの黄金期が過ぎ、多くの作家がサスペンス小説に向かって方向転換していた時期に、ヘレン・マクロイもサスペンスの香りのする作品を世に出したようです。
この作品では、おなじみの探偵役である精神分析学者ベイジル・ウィリング博士は登場しません。念のため。
心理学者のヘンリー(ハリー)・ディーンは、思いがけなくもおじの財産を相続することになり、それを学長に知らせようと家を飛び出したところが、氷に足を滑らせて脳震盪を起こし、事故の前後の記憶を無くしてしまいます。
不労所得が入ることになったので、彼は亡き母の故郷であるクリアウォーターに住むことを決意します。この機会に人生のやり直しもこめて、名前の呼び方もヘンリーからハリーに変えます。この町にはたくさんの思い出があり、特に気になるのが、恋した人シーリアのその後。
がっかりしたことに、シーリアは彼を待つことなく結婚して今は幸せに暮らしているといとこから知らされます。どうしてシーリアは結婚のことを自分に知らせてくれなかったのか。。。。
失意の中でも新しい生活を始めたハリーですが、運転免許証が無くなったり、また町を徘徊する怪しい男が目撃されたりと、静かで平和なクリアウォーターに異変が生じます。
小さいころの思い出話では、いとことの記憶違いにびっくりし、遺産の件でいとこに恨まれているのではないかと懸念して、なんだから心が落ち着きません。
そしてクリアウォーターで不幸な事故が起こり、間違いから人が銃で撃たれます。さらに誰かの不注意からか、自動車事故も起こり死者がでます。
だんだんと追いつめられるような苦しい気持ちの中で、少しずつ真相に気付いていくハリーは、重大な決心をします。
これは決して夜に読まないこと。
■既刊は
幽霊の2/3
ベイジル・ウィリング博士が探偵役です。人気作家エイモス・コットルが、パーティの余興のゲーム“幽霊の2/3”の最中に毒殺されます。
主人公: ヘンリー(ハリー)・ディーン(心理学者)
場所: USA、バージニア、クリアウォーター
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 小
(ヘレン・マクロイ著)
ヘレン・マクロイをまだ読んでいないならば、すぐに今出版されている全作品を購入して読みふけること。
この前に新訳ででた幽霊の2/3もあまりに素晴らしくて唸りながら読んでいましたが、この「殺す者と殺される者」も、期待を裏切らない作品です。
ちょうど本格ミステリの黄金期が過ぎ、多くの作家がサスペンス小説に向かって方向転換していた時期に、ヘレン・マクロイもサスペンスの香りのする作品を世に出したようです。
この作品では、おなじみの探偵役である精神分析学者ベイジル・ウィリング博士は登場しません。念のため。
心理学者のヘンリー(ハリー)・ディーンは、思いがけなくもおじの財産を相続することになり、それを学長に知らせようと家を飛び出したところが、氷に足を滑らせて脳震盪を起こし、事故の前後の記憶を無くしてしまいます。
不労所得が入ることになったので、彼は亡き母の故郷であるクリアウォーターに住むことを決意します。この機会に人生のやり直しもこめて、名前の呼び方もヘンリーからハリーに変えます。この町にはたくさんの思い出があり、特に気になるのが、恋した人シーリアのその後。
がっかりしたことに、シーリアは彼を待つことなく結婚して今は幸せに暮らしているといとこから知らされます。どうしてシーリアは結婚のことを自分に知らせてくれなかったのか。。。。
失意の中でも新しい生活を始めたハリーですが、運転免許証が無くなったり、また町を徘徊する怪しい男が目撃されたりと、静かで平和なクリアウォーターに異変が生じます。
小さいころの思い出話では、いとことの記憶違いにびっくりし、遺産の件でいとこに恨まれているのではないかと懸念して、なんだから心が落ち着きません。
そしてクリアウォーターで不幸な事故が起こり、間違いから人が銃で撃たれます。さらに誰かの不注意からか、自動車事故も起こり死者がでます。
だんだんと追いつめられるような苦しい気持ちの中で、少しずつ真相に気付いていくハリーは、重大な決心をします。
これは決して夜に読まないこと。
■既刊は
幽霊の2/3
ベイジル・ウィリング博士が探偵役です。人気作家エイモス・コットルが、パーティの余興のゲーム“幽霊の2/3”の最中に毒殺されます。
主人公: ヘンリー(ハリー)・ディーン(心理学者)
場所: USA、バージニア、クリアウォーター
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 小
![]() | 殺す者と殺される者 (創元推理文庫)ヘレン・マクロイ東京創元社ぞーとしたかったら |
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ワニと読むミステリ(メリー殺しマス)
読むと、殺意に年齢制限はありません。
(コリン・ホルト・ソーヤー著)
老人ホーム、「海の上のカムデン」のシリーズももう第6弾だそうです。しばらく翻訳が出なかったので心配していましたが、ようやくアンジェラやキャルの元気な姿が見られてとてもうれしいです。
もうすぐクリスマス。「海の上のカムデン」でもクリスマスの準備にあわただしい雰囲気です。
今日は、大きなクリスマス・ツリーの前で、ちびっこ合唱団がクリスマス・ソングを歌います。小さいながらすぐに女の子にちょっかいを出したがる男の子がツリーの下を通ってかわいい女の子のそばに行こうとして発見したのは、入居者の1人ベントン夫人の死体。
自然死なのか、事故なのか、はたまた殺人か!
アンジェラたちは、殺人と決めつけて、マーティネス警部補の捜査に積極的に協力します。
ベントン夫人は、「海の上のカムデン」にきて18か月、まだ新参者です。が、小鳥に餌をやるので下の部屋や周りの人たちは鳥の声やフンに悩まされ、苦情を言ってもいっさいとりあってもらえないので怒り心頭にたっしています。すでにみんなの嫌われ者。
いつものメンバーも大変元気です。
グローガン翁は相変わらず酔っ払いですが、クリスマス劇に出ます。エマの運転はアンジェラたちも怖いです。
ドナとドラの双子の姉妹は、やっぱり区別がつきません。
ウエートレスのチータと刑事のちびすけスワンソンの仲はうまくいっているでしょうか。
シュミット夫人の料理はとてもおいしいのですが、ここのところ子羊肉の料理ばかりが続いています。何故なんでしょう。
支配人のトゥーガソンはいつものように経費節減に懸命です。
今回は、102歳のヨハンセン翁が余命いくばくもないながら、気を吐いています。アンジェラは「あんたみたいな若くてきれいなお嬢さん」と言われてまんざらでもありません。
さて、クリスマス劇で、アンジェラは羊の役をもらいますが、タイミングよく鳴けるでしょうか。
■その他は
ピーナッツバター殺人事件
列車にひかれて死んだ男は、「海の上のカムデン」の人たちと親交がありました。アンジェラたちは、捜査に乗り出します。
殺しはノンカロリー
美容スパで起こった殺人事件。アンジェラたちがダイエットに励みながら事件解決に挑みます。アンジェラとキャレドニアのダイエットははたして成功するでしょうか。
主人公: アンジェラ・ベンボウ(老人ホーム住人。故提督夫人)
キャレドニア・ウィンゲイト(老人ホーム住人。故提督夫人)
場所: USA、カリフォルニア
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 中
(コリン・ホルト・ソーヤー著)
老人ホーム、「海の上のカムデン」のシリーズももう第6弾だそうです。しばらく翻訳が出なかったので心配していましたが、ようやくアンジェラやキャルの元気な姿が見られてとてもうれしいです。
もうすぐクリスマス。「海の上のカムデン」でもクリスマスの準備にあわただしい雰囲気です。
今日は、大きなクリスマス・ツリーの前で、ちびっこ合唱団がクリスマス・ソングを歌います。小さいながらすぐに女の子にちょっかいを出したがる男の子がツリーの下を通ってかわいい女の子のそばに行こうとして発見したのは、入居者の1人ベントン夫人の死体。
自然死なのか、事故なのか、はたまた殺人か!
アンジェラたちは、殺人と決めつけて、マーティネス警部補の捜査に積極的に協力します。
ベントン夫人は、「海の上のカムデン」にきて18か月、まだ新参者です。が、小鳥に餌をやるので下の部屋や周りの人たちは鳥の声やフンに悩まされ、苦情を言ってもいっさいとりあってもらえないので怒り心頭にたっしています。すでにみんなの嫌われ者。
いつものメンバーも大変元気です。
グローガン翁は相変わらず酔っ払いですが、クリスマス劇に出ます。エマの運転はアンジェラたちも怖いです。
ドナとドラの双子の姉妹は、やっぱり区別がつきません。
ウエートレスのチータと刑事のちびすけスワンソンの仲はうまくいっているでしょうか。
シュミット夫人の料理はとてもおいしいのですが、ここのところ子羊肉の料理ばかりが続いています。何故なんでしょう。
支配人のトゥーガソンはいつものように経費節減に懸命です。
今回は、102歳のヨハンセン翁が余命いくばくもないながら、気を吐いています。アンジェラは「あんたみたいな若くてきれいなお嬢さん」と言われてまんざらでもありません。
さて、クリスマス劇で、アンジェラは羊の役をもらいますが、タイミングよく鳴けるでしょうか。
■その他は
ピーナッツバター殺人事件
列車にひかれて死んだ男は、「海の上のカムデン」の人たちと親交がありました。アンジェラたちは、捜査に乗り出します。
殺しはノンカロリー
美容スパで起こった殺人事件。アンジェラたちがダイエットに励みながら事件解決に挑みます。アンジェラとキャレドニアのダイエットははたして成功するでしょうか。
主人公: アンジェラ・ベンボウ(老人ホーム住人。故提督夫人)
キャレドニア・ウィンゲイト(老人ホーム住人。故提督夫人)
場所: USA、カリフォルニア
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 中
![]() | メリー殺しマス (創元推理文庫)コリン・ホルト・ソーヤー東京創元社クリスマス大好きならば |
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ワニと読むミステリ(Xに対する逮捕状)
読むと、会話の断片からでもいろいろわかります。
(フィリップ・マクドナルド著)
名探偵ゲスリンのシリーズです。
ロンドン公演に来たアメリカ人の劇作家ギャレットから導かれた事件です。ロンドンに来たアメリカ人ということで、アメリカ英語とイギリス英語の違いが時々出てきて会話が混乱するところがなかなか楽しいですね。
アメリカ人のギャレットはG・K・チェスタトンを知らなかったという設定がおもしろいですね、アメリカではチェスタトンはあまり知られていないのでしょうか。ギャレットはチェスタトンの傑作“ノッティング・ヒルのナポレオン”に没頭し、したがって翌日ノッティング・ヒルあたりを歩きまわることになるという次第です。
歩き疲れて入った喫茶店で、となりのブースから漏れ聞こえるのはなにやら犯罪の匂いがする。
捨てておけないギャレットは、いろいろな人に相談しますが誰もとりあってくれず、スコットランドヤードからも丁重にお引き取りを願うという扱いをうけ、もうあきらめかけたところでゲスリン夫妻を紹介されます。
会話の断片から、ゲスリンはどのように会話の主を特定し、また計画されている犯罪を防ぐのか、手に汗握るという感じで事件は進んでいきます。
ギャレット自身も数度に及んで襲撃され、ゲスリンらの追跡が正しい方向へ向かっており、なお敵に感づかれてしまったようです。
捜査の途中で、別の犯罪も摘発することになりますが、そこから中心の犯罪者はするりと身をかわしてどこかへまぎれて姿が見えなくなってしまいます。
はたして計画された犯罪は何だったのか。
フィリップ・マクドナルドのゲスリンものの傑作とされるだけあります。
■関連して
ゲスリンたちの犯人追跡で何回もでてくる地名から、ウィリアム・モールのハマースミスのうじ虫を思い出してしまいました。内容的には何の関係もありませんが。こちらは、ワイン商のキャソン・デューカーが探偵役ですので、ワインについてのウンチクが満載です。
ほんの会話の断片から犯罪を暴いていくという展開から、ハリイ・ケメルマンの“9マイルは遠すぎる”を連想してしまいました。ふと小耳にはさんだ会話に違和感を感じて、謎を解き明かしていくというのは“Xに対する逮捕状”と同じです。
主人公: アントニイ・ゲスリン(名探偵)
場所: イギリス、ロンドン
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 小
(フィリップ・マクドナルド著)
名探偵ゲスリンのシリーズです。
ロンドン公演に来たアメリカ人の劇作家ギャレットから導かれた事件です。ロンドンに来たアメリカ人ということで、アメリカ英語とイギリス英語の違いが時々出てきて会話が混乱するところがなかなか楽しいですね。
アメリカ人のギャレットはG・K・チェスタトンを知らなかったという設定がおもしろいですね、アメリカではチェスタトンはあまり知られていないのでしょうか。ギャレットはチェスタトンの傑作“ノッティング・ヒルのナポレオン”に没頭し、したがって翌日ノッティング・ヒルあたりを歩きまわることになるという次第です。
歩き疲れて入った喫茶店で、となりのブースから漏れ聞こえるのはなにやら犯罪の匂いがする。
捨てておけないギャレットは、いろいろな人に相談しますが誰もとりあってくれず、スコットランドヤードからも丁重にお引き取りを願うという扱いをうけ、もうあきらめかけたところでゲスリン夫妻を紹介されます。
会話の断片から、ゲスリンはどのように会話の主を特定し、また計画されている犯罪を防ぐのか、手に汗握るという感じで事件は進んでいきます。
ギャレット自身も数度に及んで襲撃され、ゲスリンらの追跡が正しい方向へ向かっており、なお敵に感づかれてしまったようです。
捜査の途中で、別の犯罪も摘発することになりますが、そこから中心の犯罪者はするりと身をかわしてどこかへまぎれて姿が見えなくなってしまいます。
はたして計画された犯罪は何だったのか。
フィリップ・マクドナルドのゲスリンものの傑作とされるだけあります。
■関連して
ゲスリンたちの犯人追跡で何回もでてくる地名から、ウィリアム・モールのハマースミスのうじ虫を思い出してしまいました。内容的には何の関係もありませんが。こちらは、ワイン商のキャソン・デューカーが探偵役ですので、ワインについてのウンチクが満載です。
ほんの会話の断片から犯罪を暴いていくという展開から、ハリイ・ケメルマンの“9マイルは遠すぎる”を連想してしまいました。ふと小耳にはさんだ会話に違和感を感じて、謎を解き明かしていくというのは“Xに対する逮捕状”と同じです。
主人公: アントニイ・ゲスリン(名探偵)
場所: イギリス、ロンドン
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 小
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ワニと読むミステリ(ウサギ料理は殺しの味)
読むと、自分も連鎖の一環かも。
(ピエール・シニアック著)
小さな田舎町で起こる連続殺人事件。この町ではもう長いこと犯罪らしいことは起こっていなかったのに、何故か木曜日ごとに若い女性が殺される。
不始末から警察を首になり今は警備の仕事をしているシャンフィエは、仕事の途中で自動車が故障し、やむなくこの町にしばらく滞在することになりますが、この連続殺人事件に興味を抱き、独自に調査を始めます。と、シャンフィエがいつも食事にいくレストランの主人が、こんな脅迫状が来て、と相談され、これは事件と関係があるのかと、ひどく首をひねることになります。
脅迫状いわく、「木曜日にウサギ料理を作るな」と。
このレストランでは、毎週木曜日にだけウサギ料理作るのは、ウサギ料理が大好きな人物が食事に来るから。
町の占い師は、自分の占いが当たったのをお祝いして、毎週木曜の朝に浮浪者に施しをする。
その浮浪者は、それで木曜日だけは町の反対側のレストランに食事に行ける。
と、小さな町ゆえに、誰かの行動はその次に誰かの行動に結びつき、それで微妙なバランスを保っているのですが、困ったことに、その中に殺人事件も含まれてしまいます。
どこかでこの連環を断ち切らないをいけないのですが、どこかを切るとすると、また違った問題が出てきて、それはそれで困るという、どうにもしようがありません。
風が吹けば桶屋がもうかる、が起こっているわけです。
このために、町の重鎮らが考え出した秘策がまた荒唐無稽で。
とにかく、大変秩序だった長い長い連鎖をたどっていくと、くらくらするような頭の中の無秩序を招きます。
アスピリンが必要かも。
■ピエール・シニアック
1928-2002年。
フランスで靴職人の父親と劇場の衣裳係をしていた母親との間に生まれたそうです。
子供時から文章を書き、映画が好きで、ポオやモーパッサンを読みふけっていたそうです。
映画化された作品もあります。
未訳の作品が多数あるので、これからが楽しみです。
主人公: セヴラン・シャンフィエ(元警察官の私立探偵)
場所: フランス、ヴァンデ県の田舎町
グルメ: なし(レストランのメニューはあるが、内容には言及されない)
動物: なし
ユーモア: 小
(ピエール・シニアック著)
小さな田舎町で起こる連続殺人事件。この町ではもう長いこと犯罪らしいことは起こっていなかったのに、何故か木曜日ごとに若い女性が殺される。
不始末から警察を首になり今は警備の仕事をしているシャンフィエは、仕事の途中で自動車が故障し、やむなくこの町にしばらく滞在することになりますが、この連続殺人事件に興味を抱き、独自に調査を始めます。と、シャンフィエがいつも食事にいくレストランの主人が、こんな脅迫状が来て、と相談され、これは事件と関係があるのかと、ひどく首をひねることになります。
脅迫状いわく、「木曜日にウサギ料理を作るな」と。
このレストランでは、毎週木曜日にだけウサギ料理作るのは、ウサギ料理が大好きな人物が食事に来るから。
町の占い師は、自分の占いが当たったのをお祝いして、毎週木曜の朝に浮浪者に施しをする。
その浮浪者は、それで木曜日だけは町の反対側のレストランに食事に行ける。
と、小さな町ゆえに、誰かの行動はその次に誰かの行動に結びつき、それで微妙なバランスを保っているのですが、困ったことに、その中に殺人事件も含まれてしまいます。
どこかでこの連環を断ち切らないをいけないのですが、どこかを切るとすると、また違った問題が出てきて、それはそれで困るという、どうにもしようがありません。
風が吹けば桶屋がもうかる、が起こっているわけです。
このために、町の重鎮らが考え出した秘策がまた荒唐無稽で。
とにかく、大変秩序だった長い長い連鎖をたどっていくと、くらくらするような頭の中の無秩序を招きます。
アスピリンが必要かも。
■ピエール・シニアック
1928-2002年。
フランスで靴職人の父親と劇場の衣裳係をしていた母親との間に生まれたそうです。
子供時から文章を書き、映画が好きで、ポオやモーパッサンを読みふけっていたそうです。
映画化された作品もあります。
未訳の作品が多数あるので、これからが楽しみです。
主人公: セヴラン・シャンフィエ(元警察官の私立探偵)
場所: フランス、ヴァンデ県の田舎町
グルメ: なし(レストランのメニューはあるが、内容には言及されない)
動物: なし
ユーモア: 小
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