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ワニと読むミステリ(ゴルフ場殺人事件)

ゴルフ場殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ・クリスティー
早川書房

The Murder on the Links (Poirot)
Agatha Christie
HarperCollins Publishers Ltd


読むと、うわべはどうでも、さがは変わりません。
 
(アガサ・クリスティー著)
 再読。ポアロものです。ヘイスティングズも一緒です。
 ポアロは南米で財を成したルノー氏からの手紙で、フランスに渡ることになります。ルノー氏は、警察に助力を求めることができないことがらで、ポアロにたっての援助を求めてきました。その手紙からポアロはのっぴきならない状況をみてとって、ヘイスティングズとともにフランスへ渡り、ルノー氏に会うことにします。
 が、時すでに遅し。ポアロたちが訪ねていったときにはルノー氏はゴルフ場ですでに殺害されていました。
 ルノー夫人は夫の死に激しい衝撃をうけていますが、なにやらどうしても明かすことにできない秘密も持っていそうです。
 ルノー氏の息子ジャックは、ルノー氏といさかいを起こして家をとびだしています。新しい恋人との結婚を反対されたとかで。
 富豪のルノー氏が亡くなればその財産はジャックの相続するところになるということで真っ先に疑われてしまいます。
 へんぴな場所で、関係者も少ないようなこういう設定の中でのミステリで、これほど首をひねらせてくれるのは、さすがにクリスティですね。アリバイや動機や、あれやこれや、ワニの灰色の脳細胞もフル回転です。
 今回は、フランス・パリ警察のジロー刑事が捜査にあたり、ポアロと推理合戦を行います。このジローとポアロのそれぞれの推理もおもしろいですね。
 ヘイスティングズはこの作品で生涯の伴侶に出会います。
 やっぱりクリスティのミステリはすばらしい。事件構成、人物の性格、推理の経過、どれも文句なしの面白さです。ワニは感涙にむせぶ。こういうミステリがもう出てこないのは実に悲しいです。

 巻末に、熊倉一雄氏の『ポアロとわたし』があります。ポアロの吹き替えを始めたのは1989年暮れか、1990年正月だそうです。吹き替えを始める以前からクリスティのファンだったそうです。
 あのポアロの魅力は、熊倉氏の吹き替えで増していますね。

主人公: エルキュール・ポワロ(ベルギー人の私立探偵)
場所:  フランス
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 中
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