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ワニと読むミステリ(チューダー王朝弁護士シャードレイク )

チューダー王朝弁護士シャードレイク (集英社文庫)
C・J・サンソム
集英社
1,103円(価格は変わる場合があります)

Dissolution (Shardlake)
C.J.Sansom
Pan Books
1,155円(価格は変わる場合があります)
読むと、不当な仕打ちは返ってきます。
 
(C・J・サンソム著)
 ヘンリー8世は自ら英国国教会の長であると宣言します。新しい法律が作られ、不正な審理がまかり通り、網の目のように密告者が暗躍して、国中が不穏な空気です。トーマス・クロムウェル卿の指揮のもとに、修道院を調査するとして監督官たちが国中に派遣されます。その目的は1つ、修道院の解散です。
サセックス、スカーンシアの聖ドナトゥス修道院ではさまざまな問題があり、正常な運営とは言えない状態が続いています。クロムウェル卿から派遣された監督官ロビン・シングルトンが死体で発見されますが、首が切り離されているという痛ましい殺人です。恐ろしい殺人者は、祭壇に黒いオンドリの血を流すという冒涜を働き、修道院で大切にされていた聖遺物が消えてしまいます。殺人の調査に派遣されたのは、改革支持者でありクロムウェル卿の信頼を得ているマシュー・シャードレイク弁護士です。修道院は背信と死の匂いに満ちて、シャードレイクは調査するにしたがって、すべてに疑惑を持つようになります。

弁護士シャードレイクのシリーズ第1弾です。ミステリの舞台は、1537-8年にかけてのヘンリー8世の時代で、ちょうどアン・ブーリンがロンドン塔で処刑されたころです。このあたりの時代は血なまぐさいですね。
このころの修道院がどういう風に運営されて、どんな風に腐敗していたのか、が詳しく語られていてこちらのほうも興味深いです。修道院が解散させられていくのですが、ずいぶんと乱暴なやり方で、改革とはこのように急激なものかと時代の変わる時のエネルギーを感じますね。それにしても冤罪を作り出すのも目的のためなら当然というのは恐ろしいですが、現代でもこれほどあからさまではなくてもあることなのでしょうか。
シャードレイクは、脊柱後湾症でそれがコンプレックスになって好きな女性がいてもなかなか踏み込めないのですが、「がんばれ!」と言いたくなりますね。
シリーズは続くようなので、この時代の理解が深まるかもしれません。

 ■ヘンリー8世時代のミステリ
 ポール・ドハティのロジャー・シャロット(密偵)の作品があります。
    白薔薇と鎖
 ヘンリー8世の時代は、題材として魅力的なのかもしれません。

主人公: マシュー・シャードレイク(チューダー王朝弁護士)
場所:  イギリス、スカーンシアの聖ドナトゥス修道院
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 小
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