海外ミステリ専門書店。特に、イヌ、ネコ、その他の動物が活躍するのが好き。グルメも紹介。
ミステリ専門書店(翻訳もの限定)
ワニと読むミステリ(猫は爆弾を落とす)
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読むと、換気には気をつけよう。
(リリアン・J・ブラウン著)
ココ・シリーズです。
もう事件なんか起きなくても、ココがでてくるなら、いいかなって、思ってしまいます。
ココが、だんだん実力行使をするようになりました。あまりにミスターQが鈍いので、業を煮やしたのかもしれません。
ヤムヤムは、やっぱりクツ紐が大好きで、訪問してくる人たちもヤムヤムのクツ紐好きを知っているので、積極的にクツ紐を提供してくれます。いいですね。
今回は、町が誕生して150年を迎えるというので、150年祭が行われます。もちろん150年祭実行委員長は、ヒクシー・ライス。ということは、なにかとんでもないアクシデントが起こりそうということ。でも、どんなアクシデントにも、ヒクシー・ライスはめげませんよ。がんばってほしいですね。
旧家の老夫婦を尋ねて、その甥が町にやってきます。婚約者をつれて。
でも、なんだか怪しいこの甥。何が怪しいかって、なんと、ネコ嫌いなんですよ。考えられませんよね。
老夫婦には子どもがないので、この甥が唯一の身内なんですよ。遺産が狙いで、この町にやってきたのかもしれません。
または、単に怠惰な若者というだけかも。
さて、これに、ココはどのように対処するのでしょうか?
甥がつれてきた婚約者のクラリッサは、大変賢明な決断をします。
もしかしたら、この町に住み着くかもしれません!
と、訃報が。
あの老夫婦が相次いで亡くなってしまったのです。
病気のようなんですが、殺人かもしれないし。
ココは、どう解決の糸口をジムに教えるのでしょうか!
ジムとつきあっているポリーの書店はとてもうまくいっているようです。書店のネコ(ダンディ)も、立派に勤めを果たしています。
ジムの子どものときからの親友アーチも、幸せそうだし、ほのぼのしますね。
でも、町の長老が亡くなったり、ちょっとした変化もあります。
もう、みなさん、読みましたよね。
主人公: ジム・クィララン(ミスターQ、もと新聞記者) Male
場所: USA、ムース郡
グルメ: なし
動物: ネコ(シャム猫:ココ、ヤムヤム、その他たくさん)
ユーモア: 中
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ワニと読むミステリ(幽霊探偵の五セント硬貨 ミステリ書店 2)
![]() | 幽霊探偵の五セント硬貨 ミステリ書店 2ランダムハウス講談社この本を買うのはこちら |
読むと、犯人が一番よく知っていると納得する。
(アリス・キンバリー著)
幽霊探偵の第2弾です。
みなさん、幽霊が進化しますよ、期待してください。
幽霊の存在をかたくなに認めまいとしていたペネロピーも、だんだんジャックの声に慣れてきたようで、ジャックと自然な会話をかわせるようになってきます。まぁ、アタマの中の幽霊の声との会話が自然といえるかどうかは、よくわかりませんが。ジャックは、1949年にこの書店で殺されてこの建物に住み着いた幽霊で、当時は私立探偵です。ペネロピーは、ジャックから、探偵のイロハを教わります。
第1作では、ミステリ書店「バイ・ザ・ブック」のイベントで呼んだ作家が、講演中に亡くなるというショッキングなできごとがおき、書店の売り上げに響くのではないかと、ペネロピーの胃がねじれそうになったりしましたが、今回も、また売れっ子作家を招いてのイベントから話が始まります。
今回は、実録ものの作家エンジェルを招いての講演です。
社交界の華ベサニーが殺されるという上流階級で起きたスキャンダルな事件を、センセーショナルに描いたものです。渦中にあり、殺されたベサニーとも友人だったエンジェルが著者です。
最初、犯人と目されたウェイターは、その後釈放され、事件は迷宮入りの様相を呈していたのです。エンジェルは、それをまた蒸し返して関係者の神経を逆なでするような内容を出版し、ベストセラー作家の仲間入りをしたのでした。
講演では、作家のエンジェルを非難して暴力沙汰になったり、またこのイベントも、無事に終わるか予断を許さない状況になってきます。
さて、超わがままな作家エンジェルは、講演後、姿を消してしまいます。
その後、講演で激しくエンジェルをなじったティーンエイジャーも行方不明になり、友人たちが心配し始めます。
と、フィオーナの「フィンチズ・イン」近くの池から、女性の死体が発見されます。どうも他殺のようです。
誰の死体?
キンディコットの町の人たちも、だんだん個性を発揮しはじめて、読んでいると、どうもこの町の商店街に住んでいる気分になってきますよ。
ペネロピーのおばサディも、なんだか恋しそうな感じだし。
ペネロピーの友人の大学助教授のブレイナートは、作家の文章を批判しながらもペネロピーにつきあってイベントに参加してくれたり。
ホテル経営者の奇抜なトリのブローチも、見てみたいですね。
興味津々。
商店街の会合でもこの事件が議題になり、みな活発に議論をかわし、擬似裁判を開いて、これまでの証拠から何が言えるか、真剣に討議します。みんな言い人たちばっかりですね。これも、誰かを助けたいという気持ちでいっぱいだからです。
途中、途中では、ジャックが扱っていた昔の事件がペネロピーの夢の中で再現され、こちらの謎解きも徐々に進んで行きます。
ジャックは、1949年に亡くなっているので、ハイテクに弱いのが困ったところですね。携帯電話の説明も、1949年の人には、ちんぷんかんぷんかも。
3作目がもう出版されているそうなので、早く翻訳が出て欲しいですね。
できたら、同時くらいにお願いしたい。
主人公: ペネロピー・ソーントン・マクルア(ミステリ書店(バイ・ザ・ブック)の共同経営者、未亡人) Female
場所: USA、ロードアイランド州、キンディコット
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 中
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ワニと読むミステリ(アール・グレイと消えた首飾り お茶と探偵 3)
![]() | アール・グレイと消えた首飾り お茶と探偵 3ランダムハウス講談社この本を買うのはこちら |
読むと、柔軟性は、いろんなことに役立ちます。
(ローラ・チャイルズ著)
いつもこの本は、紅茶を飲みながらゆっくり味わいたいものだ、と思うのですが、なかなかそうはいきません。
ハンナの店「クッキー・ジャー」は、先の作品では経営難に直面していましたが、セオドシアの店「インディゴ・ティー・ショップ」は、すこぶる好調のようです。ハンナの身に起こったような、強力なライバルも現れず、新商品は好評を持って迎えられ、売れ行きはどんどん伸びています。
今日は、婚約披露宴。
セオドシアの友人デレイン(ブティック・オーナー)の姪が、旧家で大金持ちで、海兵隊大尉である青年と婚約するのです。
セオドシアもドレイトン(セオドシアの店のティー・ブレンダー)も、うきうき気分で披露宴会場にきています。
と、にわかに、すさまじい雷鳴が轟いて、それに大音響が続き、みんな大慌てで披露宴会場にかけつけてみれば。。。
美しく飾り付けられていた披露宴会場のガーデンルームは、ガラスの天井が崩れ落ち、キャンドルも花もめちゃくちゃ。
そしてそこに横たわっているのは、花婿になるはずの大尉。
セオドシアたちが駆けつけ、大騒ぎになりますが、さらに、由緒ある指輪も消えてしまったようです。
そして、盗難はまだ続き、ティモシーが会長を務めるヘリテッジ協会が主催する名宝展でも、首飾りが盗まれます!
セオドシアたちが、警戒して、予防策を講じていたにもかかわらず、まんまとセオドシアたちの前から盗んでいったのです!
ティモシーの落胆ぶりは、こちらも悲しくなってしまいます。
チャールストンの町に、怪盗が現れたのか!
ネットオークションで稼いでいるらしい怪しい人物や、あらぬところをジョギングする敏腕弁護士。静かなはずのチャールストンも、ちょっと気をつけてみると、得体のしれないことばかり。
今回は、セオドシアの飼い犬 アール・グレイが大活躍します。セラピー犬としてだけでなく、事件解決にも大いに貢献しますよ。
お茶のウンチクも相変わらず盛りだくさんです。
お茶をいただきながら、読むのがベストなんですけど。
主人公: セオドシア・ブラウニング(インディゴ・ティ・ショップのオーナー)
Female
場所: USA、サウスカロライナ州チャールストン
グルメ: 紅茶
動物: 犬:アールグレイ(セオドシアの愛犬、セラピー犬)
ユーモア: 中
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ワニと読むミステリ(自宅にて急逝)
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読むと、密室って、案外簡単かも。試してみる?
(クリスチアナ・ブランド著)
しばらくぶりのコッキー(コックリル警部)は、やっぱりちょっと憎たらしいです。
今は、第二次大戦の真っ最中。
舞台は、白鳥の湖邸と呼ばれる大きなお屋敷でおきます。
サー・リチャード・マーチは、この白鳥の湖邸の主人で、もう高齢ですが、まだ矍鑠として、遺言状を書き換えるては相続人たちに意地悪をするのを楽しんでいます。
今日は、年に一度のサー・リチャードの先妻 セラフィナの命日の儀式が行われるので、その孫たちが集まってきています。
サー・リチャードの子どもたちはみな亡くなり、白鳥の湖邸に集ったのは、
フィリップ 先妻セラフィタの孫、医者
クレア 先妻セラフィタの孫、新聞記者
ピータ 先妻セラフィタの孫、従軍看護婦
エドワード 現在の妻ベラの孫
それと、エレン フィリップの妻
です。
みんな陽気にふるまってはいるのですが、それぞれ心の中はいろんな思いがうずまいて、じつは不穏な空気に満ちているのでした。
今は、ピータが白鳥の湖邸を含むほとんどの財産を相続することになっているのですが、ハラをたてたサー・リチャードは、急にまた遺言状を書き換えると言い出し、弁護士に草稿を届けさせるよう手配します。
その翌朝、サー・リチャードが亡くなっているのが発見され、状況から見て、どうもアドレナリンを過剰に摂取させられての他殺らしいと疑われます。
でも、その建物への道は新しい砂が敷き詰められ、誰かが歩けば、必ず跡を残すはずですが、それが見当たりません。道の周りは、バラが咲き誇り、バラ園をくぐっていこうとすると、バラが散っているはず。でも、バラの花は散った様子がありません。
密室?
それに、書き換えるはずだった遺言状は、どこへ消えたのか。
その遺言状の内容は、いったいどうなっていたのか。
誰が遺産を相続することになっていたのか。
誰もに動機があり、みな少しずつアリバイにずれがあります。
誰かが誰かを犯人とあげつらい、激しい気持ちのぶつけあいがあったり、だんだん家族の中は切羽詰ってきますよ。
このあたり、はらはらしますね。
不倫やら恋やら、業つくばりの脅迫があったり、内容も盛りだくさん。
さすがクリスチアナ・ブランドです。
ぜんぜんあきさせないですね。
主人公: コックリル警部(北ケント州警部) Male
場所: イギリス、
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 中
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ワニと読むミステリ(表と裏)
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読むと、タフガイじゃなくても、タフガイになれる、作品中では。
(マイクル・Z・リューイン著)
発見して驚いたのですが、マイクル・Z・リューインの作品をブログに書くのは、まだ2冊目なんですね。あんなにたくさん読んでいるのに、びっくりしました。
この「表と裏」は、シリーズものではありません。
主人公は、ミステリ作家(ハードボイルドです)の、ウィリー。
お話は、作家の実生活と作家の書く作品の世界と、交互に語られていきます。対比が妙です。執筆中の作品がうまく展開してくれず、すっかりスランプになり、お話途中で筋が変更になったりします。作家の苦しみが良くわかる感じで、そこのところはまたミステリと違った面白さがあります。作品中の主人公ハンク(私立探偵です)を、ふと思いついてイギリスに行かせることにするのですが、イギリスのことがわからないので、図書館へ調べに行ったり、折り合いの悪い兄嫁にイギリスの様子を聞かせてもらえるようにしたのをすっかり忘れ、兄嫁からの電話に頓珍漢な返答をしてもっと関係を悪化させたり。結局イギリスの描写はあきらめて、すぐに帰国させてみたり。
わぁ~、苦労してるんだなぁ、って感じ。
さて肝心のミステリのほうは、ウィリーとその妻ナンが、ディナーに招待された友人の家を訪ねたところ、警察の車が来ているのをみて驚くところから事件に巻き込まれていきます。ホストを務めるはずだった友人ラリーが行方不明になったのです。
ラリーは、トレーラーハウスのディーラーをしています。
その後、友人ラリーは、他殺体で発見されます。
ちょうどひどいスランプで、作品に行き詰っていたウィリーは、この事件の捜査をやり始め、警察に協力を申し出るのですが、こてんぱんに断られてしまいます。
ラリーの娘ブーは、ポルノ女優をやってたらしいといううわさがあり、19歳くらいなんですが、やたらセクシーなので、妻のナンからは、彼女が目的で事件の捜査をしようとしてるのではないかと勘ぐられたり、なかなかすんなりいきません。
自分の作品中の私立探偵ハンクだったら簡単にやってのける家宅侵入を、ウィリーがやろうとしてオタオタするところとか、結構笑えます。
私立探偵ハンクがやるとうまく行くのにと、クヨクヨ考えるところが、作品の主人公のハードボイルドさに比べて、作家の気弱ぶりがほほえましいです。
謎解きという意味では、少し物足りないとおもいますが、作家の実生活や作品の生みの苦しみの描写がそれを補っています。
マイクル・Z・リューインらしいとぼけた会話は、この作品でもふんだんに味わえます。
主人公: ウィリー(作家) Male
場所: USA、インディアナポリス
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 中
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