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ワニと読むミステリ(歌う白骨)

読むと、手掛かりが、ないのも手掛かりかも。

(オースチン・フリーマン著)
 倒叙ものって、知ってますか?
 知らない?
 では、「刑事コロンボ」は?
 見たことがある?
 「刑事コロンボ」では、最初に事件が起き、その犯人をいかに追い詰めていくかが、みどころですよね。
 「歌う白骨」で、その事件を少ない手掛かりから犯人に迫っていくのは、法医学者 ソーンダイク博士です。
 短編というよりはちょっと長めかも。
 5編。 
 いずれも前半が犯罪で、後半でその犯人を追い詰めていきます。
 「歌う白骨」の意味は、ある犯罪の中で語られていますよ。

■緑色のトランク
 ソーンダイク博士が、常に持ち歩いているのが、緑色の小型トランクです。
 ドラえもんのポケットのように、科学捜査の7つ道具が入っています。
 中身は何かって?
 それは読んでいくうちに、次々と繰り出されていくので、少しずつわかってきます。
 
■本格推理小説
 コージーミステリばかりだったワニですが、本格推理小説もいいものですね。
 その他の筋なし。
 ただ事件と推理あるのみ。
 こんな小さな手掛かりからあの犯人にいかに迫っていくのか、一緒に推理する楽しさがあります。
 たまに、逃げおおせて欲しいと思うようなときもありますけど。

 脳細胞を活性化しようと思うなら、この本を読みましょう。
 
主人公: ソーンダイク(法医学者) 
場所:  イギリス
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 小
  

歌う白骨

嶋中書店

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ワニと読むミステリ(幽霊探偵とポーの呪い ミステリ書店3 )

時を越えて、謎の解はそこにある。

(アリス・キンバリー著)
 「幽霊探偵の5セント硬貨」は、読みましたか?
 では、「ミステリ書店(1) 幽霊探偵からのメッセージ」は?
 「幽霊探偵とポーの呪い」は、シリーズ3作目ですが、上記1作目、2作目を読んでなくても大丈夫。
 読んでいればよりいっそう楽しめること請け合いです。
 
 主人公のペネロピー・ソーントン・マクルアは、書店の経営者です。 おばのサディとの共同経営者です。
 いつも作家が殺されたり、書店を巡っての事件に巻き込まれてしまいます。
 今回の犠牲者は、誰でしょうか?
 それは本の蒐集家たちです。
 それもポーの作品集の初版本を手に入れた人たちに、次々と不幸が襲います。
 それぞれの不幸の内容は、読んで確認しましょう。

■学校
 スペンサーは、ペネロピーの一人息子で、本が大好きです。
 読書感想文を書いて、優等をもらうのですが、そこは世界共通でそれを快く思わないいじめっ子にせっかくの感想文をめちゃめちゃにされてしまいます。
 かわいそうですね。
 でも、しっかり立ち直ります。 

■ポー
 ポーと聞くと、ミステリアスな気分になりませんか?
 初版本に隠された謎を、ペネロピーたちの友人のプレイナートが、謎の男に襲われながらも見事に解き明かします。
 こんな貴重な初版本を、ペネロピーたちはどうやって手に入れたのでしょうか?
 それは、サディおばの若い頃のロマンスに関係がありますよ。
 なぜか疎遠になってしまったサディおばとその人は、新聞のミスによる誤解からだったということがわかります。 青春も苦いですね。
 そして、時がたって、人生が終わろうとするときに、貴重なものを託そうと思いつくのですね。
 
■幽霊
 幽霊ジャック。
 「ジャックって?」と初めての方は不思議に思うでしょう。
 ジャックは、ペネロピーたちの書店についている幽霊です。 ずっと昔にここで殺されたのですが、ペネロピーにだけは、その声が聞こえます。
 そして、ペネロピーが5セント硬貨を持っていれば、ジャックはペネロピーについて、書店の外に出ることができるのです。
 なぜジャックは殺されたのか?
 少しずつジャックの関わった事件が語られていくのですが、いまだに全容がわかりません。
 ジャックが、スペンサーのいじめを知って、いじめっ子対策をいろいろ教えてくれるのですが、どうも現代では通用しないものばかりです。子どもの世界も変化しているのですね。

 幽霊ジャックとペネロピーの関係もだんだん成熟してきました。
 ポーが好きな人も、そうでもない人も、この1冊をぜひ味わってください。

主人公: ペネロピー・ソーントン・マクルア(ミステリ書店共同経営者) 
場所:  USA、ロードアイランド州キンディコット(架空の町)
グルメ: なし
動物:  ネコ(茶トラの子猫:ブックマーク)スペンサーの飼い猫
ユーモア: 中


幽霊探偵とポーの呪い ミステリ書店3 (〔ランダムハウス講談社文庫〕―ミステリ書店 (キ2-3))
アリス キンバリー,新井ひろみ
ランダムハウス講談社

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ワニと読むミステリ(死体にもカバーを)

本を出すには、手段を選ばず。

(エレイン・ヴィエッツ著)
 逃亡者ヘレンの2冊目です。
 1冊目は、整形美人御用達のブティックで、働いていたヘレンですが、そこの店が殺人に巻き込まれて閉店したため、またヘレンは職探しをするはめになりました。死ぬまでお買物
 今度は、どんな仕事かって?
 長い歴史ある本屋さんの店員です。
 訳ありヘレンは、現金でお給料をもらわないといけないので、職を探すのも大きなハンデがあります。
 でも、本屋さんなら言うことないと思いません?
 ワニは、大歓迎!
 と、思ったら、読み進むうちに、これは容易なこっちゃないぞと目を見開いてしまいますよ。
 まず、殺人が起こります。
 ま、これは滅多にあることではありませんが。
 ここ「ページ・ターナーズ」では、店の一角で本が読めるし軽食もとれます。 
いいですね。
 でも、ヘレンたちにとっては悪夢です。
 どうしてでしょう?
   本が、食べ物でぎとぎとになる。
   子どもが、おもしろがって本を引き裂く。
   テーブルにこぼしたコーヒーを本で隠す。
   そして、殺人が起こる。
ヘレンに降りかかる災難は、本屋での殺人ばかりではありません。

■スクリュードライバー
 それは、シロアリです。 
 ヘレンの住むアパートで、シロアリが大発生。 
 フロリダらしいですね。
 このシロアリの駆除方法がすごいです。
 日本でも同じやり方なのでしょうか。
 ワニには、わかりません。
 アパートの大家さんマージョリーは、シロアリに関係なく、スクリュードライバーをごくりとやります。
 その他、アパートの住人も酒を飲んでばかりです。
 これもいいですね。
 
■フロリダ
 ヘレンたちの夜の過ごし方って、素敵だと思いませんか?
 アパートのプールで、毎日なにかを飲みながら住人が集まっての歓談は、うらやましいような生活ですよ。
 ペギーの肩には、ペットのインコ、ピート。
 なぜペギーが、男はピート(オスのインコなんです、オキナインコね)だけと決めているのか、そのわけがあかされます。
 でも、ピートが誘拐され、へレンが救出に向かいます。
 
 1冊目を読んでいても、読んでいなくても、同じように楽しめます。
 長い夜に、スクリュードライバー片手にもって、読みふけるのも楽しいです。

主人公: ヘレン・ホーソーン (「ページ・ターナーズ」書店の新米店員) 
場所:  USA、フロリダ州フォートローダーデール市
グルメ: なし
動物:  トリ:オキナインコのピート(ペギーのペット)
ネコ:サム
ユーモア: 中


死体にもカバーを (創元推理文庫 M ウ 15-2)
エレイン・ヴィエッツ,中村 有希
東京創元社

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