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月刊「光陽」編集部ー岩槻・光陽書道

・城下町・小江戸、小京都散歩
・古寺・仏教美術巡礼
・光陽書道教室(さいたま市岩槻)の学習・教育日記

2023年後半へ

2023年06月27日 | つれづれに

体運

軽やかで、少し重たくて。

5月中旬あたりから、さまざまな人があなたに声をかけてきたり、急に会うことになったりと、人との接点が増えてきたのではないかと思います。コロナ禍以来、最も開放的な気分であちこちに足を運んだ方も多いでしょうか。「幸運と拡大の星」木星はあなたの「移動」や「コミュニケーション」を管轄する場所に巡り、フットワーク軽く行動を起こすように、さまざまな人と会って言葉を交わすように促してきます。

 

ここから2024年5月末まで、うお座の人のなかでは好奇心がこれまで以上に鋭敏になり、心のなかの「行ってみたい場所リスト」はどんどん長くなっていくでしょう。今、心のなかにあるものよりもずっとずっと長く。仕事でもプライベートでも、思い切り活動的に過ごすことで、2023年下半期はどんどん活気づいてくるでしょう。新しい場所には、新しい出会いもあります。新しい出会いは、新しい知識や意見につながります。アタマも心もカラダも、全身で今という時期を楽しむことができるでしょう。近況が気になる人がいたら、ぜひ積極的に声をかけてみてください。きっと、笑ってしまうくらい楽しいことが日々のなかに満ちて、自分のフィールドを広げることができるだろうと思います。

 

これは私の考え過ぎかもしれませんが、うお座にとって「友達・仲間」を管轄するエリアでは、今「破壊と再生の星」と呼ばれる冥王星が、15年間続いた旅の最後の行程を歩んでいます。もしかすると、冥王星が次の旅を始める2024年11月までの間、うお座の人々は友人関係のあり方を大きく変えていくのかもしれません。そんななか、新しい示唆をくれようとしているのが、この下半期でできる新たなフィールドにいる人々だったりするのでしょう。とはいえ2024年11月など、まだまだずっと先のこと。この時点ではピンと来なくて大丈夫です。もし今後、人間関係が変化してきたときは「そういう時期だし、それでいい」と思っていただけたら幸いです。

 

さて、うお座には2023年3月以降、「試練と制限の星」と呼ばれる土星も巡っています。今の自分が頑張るべき課題を、試練や制限というかたちで促す土星。この星が巡ってくると、私たちは「夢みたいなことばかり言ってる場合じゃない」と現実に目を向けたり、「責任を持ってパーフェクトを目指さなければ」とストイックに努力を積み重ねたりして、自分で自分を追い込むようなことをしがちになります。この下半期のうお座のみなさんも、心が常にそうしたものへと向けられているのでしょう。

 

うお座の人々はもともと、自分と世界の間に境界線を作らず、柔軟に自分を変えていきます。その様子は「変幻自在」という表現がぴったりで、だからこそ他人の痛みを自分のことのように感じ取ることができますし、自分もまた痛みをひとりで抱え込む必要はないと無意識のうちに思っています。他人をどこまでも受け入れるのと同じように、自分もまた甘え上手です。

土星が巡ることで、こうしたうお座的なゆるさはバチッと分類され、型にはめられてアリ・ナシを明確に規定されることとなります。窮屈でないといえば嘘になります。窮屈だし、自分らしくないとも感じるでしょう。ただ、土星は占星術では「凶星」に分類されてはいますが、決してあなたを苦しめるために巡ってくるわけではありません。年齢を重ねるとともに成長・成熟していくあなたが、それでもなお危なっかしいところがあるなら矯正し、生きやすく導いてくれるのが土星なのです。

 

フットワーク軽く行動を起こそうとするあなたに、今年は「制限」が比較的シビアに感じられるかたちで突きつけられるでしょう。義務やルールといったものは守って当然でしょうが、「今、それ言う?」というような制約を言い渡されたり、あなた自身が足を止めてしまうような逆風が起きたりする可能性は十分にあります。でも、それはどこか、あなたが「今、改めておくべき部分」「ナメてかかっていると、今後痛い目に遭う要素」だったりするはずです。

 

ネガティブな部分に着目すればいかにもつまらない日々ですが、幸いにして2023年下半期のあなたには、ラッキースター・木星の加護があります。日々の気持ちは明るいでしょうし、気分転換につながるような楽しい会話やイベントもたくさんあります。そうしたものを楽しむなかで、土星がもたらす課題とうまく向き合っていけると素敵です。心が迷子になりそうなときは「今起こっていることにも、自分を生きやすくするためのヒントがあるのだ」と思ってみるといいでしょう。前方から強く吹き付けてくる逆風が、くるりと回転してみれば追い風に変わるように、見えてくる風景が変わることもあるはずです。

 

土星がうお座に巡るのは、2026年2月中旬まで。うち、2025年5月末から9月頭までは一時的に次のおひつじ座に巡りますが、2026年2月以降は向こう30年近く、うお座に巡ってくることはありません。ちょっと長丁場の付き合いになりますから、こうした義務やルール、制約といったものはすぐに肯定できたり、前向きに考えられたりしなくても大丈夫。ゆっくり、慣れていくのが一番です。土星は"時間"にもかかわりの深い星座で、物事にじっくりと時間をかけて取り組む姿勢をも促してくれます。面倒だな、しんどいなと思ったときは、「今、自分は頑張っているんだな」と思っていらしてください。面倒なのは、向き合っている証拠です。しんどいのは、頑張っているからです。そして「自分に課せられた星回りを生きているから、きっといい結果につながっていくはずだ」と、自分を信じてあげていただけたらと思います。

 

そうやって身につけたスキルというのは、決して消えることはありません。

モチベーション高く学びを楽しめる

2023年下半期は、情報と学びにスポットライトが当たる時期でもあります。何をするにも情報収集に力を入れてみるととびきり面白い体験ができますし、SNSでたまたま見かけたイベントに参加してみたら気の合う仲間と巡り合えるなど、人脈も広がっていきます。副業なども、ゼロから探すよりはこうした友人間のコミュニティのなかで探したほうが報酬面でも、内容的にもいい案件が見つかるでしょう。

学ぶことそのものが楽しく感じられるときでもあります。あなたは今、なんらかのかたちで学びの時間を持っていますか。もしあるなら、それが今まで以上にはかどるでしょう。スキルの上達や試験合格など、目指すものがあるならストイックに努力を続けることもたやすいはずです。

というのも一般的に、学びの敵は「明日からやろう」という先延ばし癖と、「今日は休もう」というサボり癖。今年のうお座の人々の場合は、先延ばし癖は「楽しい!やりたい!」という好奇心が木星に煽られ、「休みたいけれど、やるべきだ」という意志が土星によりもたらされ、当然の帰結として継続に至るわけです。

 

学生にとってはまさに頑張りどきで、ともに学ぶ仲間はライバルでありつつ「一生の友」にもなり得るのかもしれません。学んだ内容が定着しやすいときですが、「量をこなす」というのはこの時期の運気にかなった作戦です。問題集を繰り返し解いたり、定期的に模試を受けたりするのはいずれも、実力アップにつながるでしょう。

 

社会人であれば、資格取得や語学習得など、仕事に直結する学びも多いでしょう。業界の専門誌に目を通したり、ブームとなっているビジネス本を読んだりするのもいいインプットになるはず。社会人の学びといえば社会人大学院やビジネススクールなど高度なものもありますが、今年ツキが巡るのはどちらかといえば、基礎的な学習です。応用よりも、基礎のインプットなのです。たとえば学生時代に苦手だった数学を学び直したり、歴史に関する本を読み進めたりするのもよさそうです。セミナーや勉強会にも、いいなと感じるものがあればどんどん参加してみることをお勧めします。

でも、こうしたストレートな学びばかりでもないのでしょう。じっくりと本を1冊読み通す、そうした行動からも豊かな知識をインプットできるのが、この時期のうお座です。

 

なお、通信・IT関連もこの時期のキーワードです。たとえば英語をフラッシュカード方式で学べるアプリやノートアプリ、オンラインセミナーといったものはやる気を刺激してくれるでしょう。上手に活用して、楽しみながら知識を身につけられると素敵です。

言うべきことは、きちんと伝えて

2023年下半期から2024年5月末にかけては、コミュニケーション運が非常に好調です。なんでも話せる、盛り上がれる気楽さが日常のなかに満ちていますが、7月から8月にかけては例外で、「闘うようにしてでも、言うべきことは言う」という時期であることは、ぜひ覚えていらしてください。土星が巡ることによって、素直な自分らしさを少し抑えがちになる傾向もあるのですが、それでも胸をはって、敢えてはっきり言うことが大切です。意見や提案はもちろんのこと、特定のことをして欲しくないといった明確な拒絶も、伝えることが大事です──言葉は、選ぶべきですが。

あなたは優しく、デリケートな人です。基本的には周囲との調和を大切にし、愛され必要とされることを望みます。多少、道理に合わないことを言われたりされたりしても受け入れる柔軟性もあるのですが、本質とはズレていると感じたことは瞬時に見抜き、周りがびっくりするほどの強さで主張することもできる人です。この夏、あなたが言うべきだ、闘うべきだと思ったことは、自信をもって口にしましょう。

 

ここではっきりと主張することは、あなたに「時代や世の中に振り回されない力」を与えてくれます。声が大きい人たちに負けたりはしないように、発言を“なかったこと”にされないように。私たちの声はときに権力や陋習、捏造された情報によってかき消されてしまうこともありますが、それでも個人の声がSNSなどによってブーストがかけられ、旋風のごとく広まる時代が来てもいます。声を上げることが、大事です。この夏、あなたはそうしたシーンをいくつか、体験することになるでしょう。

*   *   *

電子書籍『2023年下半期 12星座別あなたの運勢』では、ここまでにご紹介した全体運に加えて「仕事運」「恋愛運」も掲載、月ごとの具体的なアドバイスもお読みいただけます。


3月16日は おおみや鉄道の日

2023年03月28日 | つれづれに

JR東日本大宮支社では,鉄道開業150年を機に次へのチャレンジとして,大宮駅が開業した日である3月16日を「おおみや鉄道の日」と定め,2023(令和5)年3月16日(木)に,「おおみや鉄道の日」記念イベントを開催します.
 これは,「鉄道のまち大宮」をもっと多くの方々に知ってもらい,大宮へ訪れてもらえる街にしたいという大宮駅社員の想いから,地域とともに大宮エリアの魅力を発信し,「食」「遊」「学」をテーマに地域を盛り上げていきます.
 また,「鉄道のまち大宮」のロゴマークを投票で決定するとともに,公式SNSなども開設します.

※画像:発売される『大宮駅オリジナル「駅スタンプ帳」』のイメージ(JR東日本大宮支社ニュースリリースから)

 
■「鉄道のまち大宮」のロゴマーク投票
投票期間 2023(令和5)年3月16日(木)11時〜4月16日(日)18時
投票方法 「鉄道のまち大宮」専用WEBサイトまたは専用応募ハガキのいずれかで投票してください.
特典 専用WEBサイトから投票された方には「鉄道カード」がもらえる特典(条件有り),専用応募ハガキで投票された方には,抽選でプレゼントが当たります.
●A賞(5組10名)...東京ステーションホテル ペア宿泊券
●B賞(10組20名)...ホテルメトロポリタンさいたま新都心 ペア宿泊券
●C賞(25組50名)...鉄道博物館入館券
※鉄道カード・専用応募ハガキは,駅たびコンシェルジュ大宮などで期間中配布する予定ですが,投票方法や特典の詳細については,下記の専用WEBサイトをご覧ください.
発表 2023(令和5)年5月13日(土)予定
■「鉄道のまち大宮」専用WEBサイト・公式SNSの開設
内容 大宮駅や周辺エリアの情報,イベント,地域の魅力などのさまざまな情報を,大宮駅社員目線で発信していきます.
開設日 2023(令和5)年3月16日(木)
URL ●専用WEBサイト...https://www.jreast.co.jp/omiya/tetsumachi_omiya/
●Twitterアカウント(@RailwayTown_Omy)...https://twitter.com/RailwayTown_Omy
■「おおみや鉄道の日」記念イベント
開催期間 2023(令和5)年3月9日(木)〜31日(金)
※イベントにより,開催日・期間が異なります.
会場 大宮駅東西連絡通路 ほか
内容 ■記念式典
●開催日時...3月16日(木)11時〜11時30分
■「食」の企画
(1)「大宮ナポリタン会」×大宮駅
 ※各企画は,下記のJR東日本大宮支社ニュースリリース(PDFファイル)3〜4ページ目をご覧ください.
(2)立ち売り駅弁スタイルで駅弁の臨時販売
・開催日時...3月16日(木)10時〜18時
・開催場所...大宮駅東西連絡通路
 ※立ち売り登場時間は11時30分〜12時30分のみです(会計は通常レジ).
■「遊」の企画
(1)カプセルトイ×大宮駅
●「大宮ガチャタマ Vol5.5〜鉄道のまち大宮編〜」発売
 ※詳しくは,鉄道ニュース3月6日掲載記事をご覧ください.
 ※売上金の一部は地域の文化振興に役立てるため,さいたま市へ寄付されます.
●鉄道カプセルトイ祭
・発売期間...3月9日(木)〜3月16日(木)・発売時間...10時〜21時
 ※初日は12時開始,最終日は18時終了.
・発売場所...大宮駅東西連絡通路
(2)駅スタンプ×大宮駅
●新しい駅スタンプの作成
 「おおみや鉄道の日」を記念して,駅スタンプを新しいデザインへ変更します.
 ※デザインは,当日のお楽しみです.
●大宮駅オリジナル「駅スタンプ帳」の発売
・発売開始日時...3月16日(木)10時〜
 ※数量限定(売り切れ次第,販売終了)
・発売価格...1冊500円(税込)
・特典...「鉄道カード」進呈(下記参照),大宮駅の旧駅スタンプ2種類の押印
(3)鉄道カード×大宮駅
●鉄道カードの配布
・配布開始日...3月16日(木)
・対象店舗...駅弁臨時売店,コレもう食べた?大宮店,RailwayClub大宮店,駅そば(京浜東北線ホーム)
 ※配布条件などは,下記のJR東日本大宮支社ニュースリリース(PDFファイル)3〜4ページ目をご覧ください.
 ※数量限定(売り切れ次第,配付終了)
 ※このほかのイベント(ロゴマーク投票,大宮駅オリジナル「駅スタンプ帳」購入者特典)を含め,「鉄道カード」をコンプリートすると6種類揃います.
■「学」の企画
(1)まち案内×大宮駅
●「てつまちウェルカムボード」の設置
・設置場所...大宮駅東西連絡通路 まめの木横
 ※「おおみや鉄道の日」記念式典でお披露目されます.
■そのほかのイベント
●グランクラス座席モックアップ展示
・展示日時...3月16日(木)10時〜15時
●さいたま市役所ブース
ご案内 「鉄道のまち大宮」の魅力を地域のみなさまと共に掘り起こし,より多くの方に訪れていただけるまちにしていきます(JR東日本大宮支社ニュースリリース,PDFファイル)

今日の運勢

2021年12月07日 | つれづれに

今日は将来の計画を練るといい日です。日々スキル向上のための努力をしている人は、今後の学習成果も踏まえた上で、やってみたい仕事について考えてみると、その理想に近づくためによりいっそう頑張れそうです。


第65回 朝日現代書道20人展出品者きまる

2020年07月15日 | つれづれに
朝日現代書道20人展、第65回展は、
2021年1月2日に東京都中央区の日本橋高島屋S.C.で開幕し、
大阪市の大阪高島屋名古屋市松坂屋美術館に巡回する。
 

漢字の吉澤鐵之(てっし)さん、

かなの倉橋奇艸(きそう)さんが新たに加わる。

 

その他の出品書家は次の通り。(50音順、敬称略)

新井光風、井茂圭洞、石飛博光、尾崎蒼石、角元正燦、

杭迫柏樹、黒田賢一、高木聖雨、高木厚人、樽本樹邨、

土橋靖子、仲川恭司、中村伸夫、星弘道、真神巍堂、

吉川蕉仙、吉川美恵子、綿引滔天


女の人の姿

2020年07月14日 | つれづれに

第20回 人の形から生まれた文字〔5〕

女の人の姿(1)

女・母・如・若・妾・婦・安・好

「女」という文字は、しとやかに跪(ひざまず)いた女の人の姿に作られています。「女」のつく文字は大変多く、それも形声文字が多くを占めます。「男」のつく文字よりはるかに多いのです。漢和辞典を見ても「女」の部首はありますが、「男」の部首はありません。これは、古代において、神のお告げを受ける人は女性であったり、女性がいなければ子孫が断絶してしまうというようなことで、漢字の成立過程で女性が大きな役割を占めているからでしょう。
今回は、象形や会意文字を中心に考えていきたいと思いますが、「女」を部首に持つ文字だけでなく、構成要素として「女」が含まれている文字もあります。
『女』
3画(ジョ・ニョ・ニョウ・おんな・め・むすめ)小学1年
  • 甲骨文字
  •  
  • 金文
  •  
  • 篆文
(象形)跪(ひざまず)いている女の人の形。
説明=手を前に重ねて、跪いている女の人の姿です。
用例=「女子」(おんな。女の子)・「少女」(年少の女の子)・「天女」(てんにょ:天に住んでいるといわれる美しい女)・「女房」(つま)。
解説=女子が手を前に交え、裾(すそ)を押さえるように跪く女の形で、「おんな」の意味を表します。「女」は女の姿を表現する字で、女性に関する多くの字の系列を作ります。会意文字では偏(へん)となる場合が多いので、「おんなへん」といいます。

手を前に重ねて、うやうやしく神霊(しんれい)のいる所を拝(おが)んでいる女の姿です。甲骨文字の二字目に女のまわりに小さな点を加えた字がありますが、これは酒をふりかけて女を清め祓(はら)っているのです。それで「女」という字は、神霊に仕えるときの女の姿であることがわかります。

女が男の前で跪き、いわれるままに行動する女の姿で、女が男に隷属(れいぞく)させられていた「男尊女卑(だんそんじょひ)」の時代の思想が反映されていたというのは俗説です。
「男」の字は、田(農地)と力とを組み合わせた形。「力」は農具の「すき」の形ですから、「男」は「すきで田を耕(たがや)す」の意味です。古くは農夫たちの管理者を男(だん)といいましたが、のち耕作する「おとこ」の意味に使われるようになりました。
 
『母』
5画(ボ・はは)小学2年
  • 甲骨文字
  •  
  • 金文
  •  
  • 篆文
(象形)胸に乳房のある女の形。
説明=女に二つの乳房を加えた形。女の字の胸のところに乳房を意味する点を加えて、母親、「はは」の意味になります。
用例=「父母」(ちちと、はは)・「祖母」(父または母のはは)・「母体」(ははおやの体)。
解説=女子が成長して乳房が膨(ふく)らんだ形です。「ちち」という意味の父は、斧(おの)の頭部を手にもつ形()です。儀式のときに使う斧をもつ人は、人びとを指揮する人です。そのような人は家族の中では「ちち」にあたりますから、父は「ちち」という意味に使います。
『如』
6画(ジョ・ニョ・ごとし)
  • 甲骨文字
  •  
  • 篆文
(会意)女と口(こう)とを組み合わせた形。
説明=女は巫女(みこ:神に仕えて神のお告げを伝える女)です。「口」は(さい)で、祝詞(神への祈りの文)を入れる器の形です。巫女がを前にして祈る形で、神意(神のこころ)を問うという意味です。神意を受けて、それに従うので「したがう」という意味があります。
 
用例=「突如」(とつじょ:急に)・「如実」(にょじつ:まちがいなくその通りであること)。
 

第21回 人の形から生まれた文字〔5〕

女の人の姿(2)

女・母・如・若・妾・婦・安・好

「女」という文字は、しとやかに跪(ひざまず)いた女の人の姿に作られています。「女」のつく文字は大変多く、それも形声文字が多くを占めます。「男」のつく文字よりはるかに多いのです。漢和辞典を見ても「女」の部首はありますが、「男」の部首はありません。これは、古代において、神のお告げを受ける人は女性であったり、女性がいなければ子孫が断絶してしまうというようなことで、漢字の成立過程で女性が大きな役割を占めているからでしょう。
今回は、象形や会意文字を中心に考えていきたいと思いますが、「女」を部首に持つ文字だけでなく、構成要素として「女」が含まれている文字もあります。
『若』
8画〔〕9画(ジャク・ニャク・したがう・わかい・もしくは)小学6年
  • 甲骨文字
  •  
  • 金文
  •  
  • 篆文
(象形)巫女(みこ:神に仕えて神のお告げを伝える女)が両手をあげて舞い、神を楽しませ、神に祈って神託(神のお告げ)を受けようとして、うっとりとした状態にあることを示す形。
説明祈りにたいして神が乗り移って、神意(神のこころ)は巫女に伝えられ、その神のお告げを巫女が人々に伝えます。その神意にしたがうことから、「若」には「したがう」という意味があり、また神のお告げを受けるのが若い巫女ですので、「わかい」という意味に使われます。旧字は「」の形です。巫女のふりかざした両手が(くさかんむりのの意味ではありません)、両手をあげて身をくねらせて舞う姿です。のちに、神への祈り文を入れる器の(さい)(口)を加えました。
用例=「若年」(じゃくねん:年がわかいこと)・「若者」(わかもの:年のわかい人)・「老若」(ろうにゃく:年寄りと若い人)。
『妾』
8画(ショウ・めかけ)
  • 甲骨文字
  •  
  • 金文
  •  
  • 篆文
(会意)「辛」と「女」とを組み合わせた形。
説明=「辛(しん)」は刑罰として入れ墨するときに使う針。罪ある人にはこれで入れ墨をしました。額に入れ墨をされた女を「妾(しょう)」といい、男を「童(どう)」といいます。「妾」とは、もとは神を祀(まつ)るときに、生きたままお供えとして神に捧げられた女です。のちには人に仕える「召使い、めかけ」の意味に使われます。
用例「妾婦」(しょうふ:めかけ)・「妾侍」(しょうじ:召使いのおんな)。
『婦』
11画〔〕11画(フ・よめ・つま)小学5年
  • 甲骨文字
  •  
  • 金文
  •  
  • 篆文
(形声)旧字は姑に作り、音符は帚。 箒(ほうき)(帚)はこの様なものです。
説明=「帚(ふ)」はほうきの形で、ほうきです。
この「帚」は祖先の霊を祀(まつ)る所である宗廟(そうびょう)の中を清めるときに使いました。今のようにごみを掃く掃除の道具ではありません。この「帚」を持って宗廟を清めるという大切な役割をする女は、一家の中心の女の人でしたから、「婦」は「主婦、よめ、つま」の意味になりました。
 
用例=「主婦」(一家の中心となる女)・「夫婦」(おっとと、つま)・「婦人」(女の人)。
解説「帚」はそれに鬯酒(ちょうしゅ:神に捧げる香り酒)をふりかけて宗廟や神殿などを祓(はら)い清める箒(ほうき)のようなものをいいます。「婦」とは、(帚)をもって宗廟を清め、祖先の霊に奉仕する女性です。「婦」は掃除という家事をするつまらない女をいう意味ではなく、もとは祖先の霊を祀るという大事な役目をした女の人のことでした。
 

人の形から生まれた文字

2020年07月14日 | つれづれに

日本文字文化機構文字文化研究所

 

人の形から生まれた文字〔4〕

体の部分~手と足(1)

手・又・右・左
『手』
4画(シュ・て・た)小学1年
  • 金文
  •  
  • 篆文
(象形)手の形。
説明手首から先の、五本の指を開いた形で、「て」の意味となります。
用例「挙手」(きょしゅ:てをあげること)・「手柄」(てがら:人にほめられるようなりっぱな働き)・「手綱」(たづな:馬をあやつる綱)。
解説五本の指を開いた片手の形で、人の手の形を表しています。
『又』
2画〔〕(ユウ・また)
  • 甲骨文字
  •  
  • 金文
  •  
  • 篆文
(象形)右手の形。
説明「又(ゆう)」は指を出している右手の形で、「右」という意味の字の最初の形です。のちに右手の又に、神への祈りの文である祝詞(のりと)を入れる器の「口」(もとはの形)をもつ形の「右」の字がつくられ、「右」の意味の字として使われるようになりました。「又」はのちに副詞の「また」、動詞の佑助(ゆうじょ:たすける)の意味に使い、左右の「右」の意味には使われなくなりました。
 
解説=右の手の形で、手の働き、動きを示して他の要素と組み合わせて多くの字を作っています。又は右手を表し、「右」とは祝詞を入れる器のをもつ手であり、「左」は呪具の「工」をもつ手とされています。
 
物事を「左右する」とは、神の計らいであり神に尋ねる行為でもあります。
『右』
5画(ユウ・ウ・みぎ)小学1年
  • 金文
  •  
  • 篆文
(会意)又(ゆう)と口(こう)とを組み合わせた形。
説明「又(ゆう)」は右手の形で、右手です。「口」のもとの形はで、祝詞(神への祈りの文)を入れる器です。
 
神は奥深く、暗いところに姿をかくしているのです。その神をたずね、神に出会って神のたすけを求める方法として、右手に神を呼び寄せる祈りの文を入れた器のを捧げ持ち、神のいるところを尋ねるのです。右は、もとは神を尋ね、神に会うための方法を示している字なのです。「左」も神を尋ねる方法を示している字です。
用例「座右」(座席のみぎ。そば)・「右折」(みぎに曲がること)。
解説右手に祝詞を入れる器のをもつ形。左右とは、この左右をもって神を尋ねるので、もともと神事の用語ですが、のち手の左・右の意味に用いられるようになりました。
『左』
5画(サ・ひだり)小学1年
  • 金文
  •  
  • 篆文
(会意)(さ)と工(こう)とを組み合わせた形。
説明」は左手の形で、左の最初の形です。「工」は神に仕える人が持つまじないの道具(呪具)です。
 
神は奥深く暗いところに隠れているので、その神のたすけをえるためには、神のいるところを尋ねあてなければなりません。そのために左手に神を呼びよせるおまじないの道具の「工」を持ち、祈って神のいるところを尋ねることを示しているのが「左」の字です。「右」が神を呼びよせる祈りの文を入れた器の口(もとの形は)を右手に持って、神のいるところを尋ねるのと同じように、「左」も神をたずねる方法を表している字です。「左」は左手に「工」を持つ形ですから、「ひだり」の意味に使います。「左」と「右」はもと神に祈る行動でしたが、のち人のために祈ることから、「左」と「右」にはともに「たすける」という意味もあります。
尋(たずねる)という字は、もとは「探」の形に作ります。「左」と「右」を上下に組み合わせた字が(じん)で、尋ね人のように、人をたずねるという意味に使われますが、神のいるところをたずねるというのがもとの意味です。
用例「左右」(ひだりと、みぎ)・「左傾」(さけい:ひだりに傾くこと)。
解説「右」をご参照ください。
 

第19回 人の形から生まれた文字〔4〕

体の部分~手と足(3)

止・之・歩・足・走・奔
『止』
4画(シ・とまる・とめる・とどまる)小学2年
  • 甲骨文字
  •  
  • 篆文
(象形)趾(あしあと)の形。
説明=趾(あしあと)の形です。甲骨文字の左のほうが右足の足あと、右のほうが左足の足あとでしょう。止(し)は歩(あるく)の字の上半分です。
また「之(ゆく)」の字と甲骨文字は同じ形です。足に力を入れてしっかり趾をつけることから、止は「とまる、とめる、とどまる」という動詞の意味に使われるようになり、名詞の「あしあと」の意味の字として、「止」にあしへんをつけた「趾」の字が作られました。
用例=「静止」(動きをとめて、じっとしていること)・「中止」(途中でやめること)。
解説=U字の形がかかとの形で、の字形は親指を表し、ここに力を入れて止まることを象徴的に表しています。『説文解字(せつもんかいじ)』は「止」・「之」をともに草木が初めて生える形であると解しますが、いずれも「趾」の形です。「止」・「之」はともに前に進むことを表す「趾」の形。趾の形で足の動作を表現しているのです。
左と右の足あとを上下に連ねた字が「歩(ほ)()」で、「あるく、すすむ」の意味です。

「正(せい)」は「一」と「止」を組み合わせた字で、甲骨文字()や金文()の字形では「一」は囗(い)(都市を取り囲む城壁)で、都市を攻めて征服する意味です。
 
征服者の行為は正当とされるので「ただしい」という意味になります。このように「止」は、どちらかといえば「とまる」というよりも「すすむ」(之)という意味に使われることが多いのです。甲骨文字のU字の下に水平の線があるのは足あとの止まっている状態を示していると思われます。走り幅跳びなどの測定の際に踵(きびす)の下を印とするのと同様に考えてもよいでしょう。
『之』
3画(シ・ゆく・これ・この)
  • 甲骨文字
  •  
  • 金文
  •  
  • 篆文
(象形)趾(あしあと)の形
説明趾(あしあと)の形です。足あとの形によって足の動きを表しているのです。之(し)は止(し)と甲骨文字の形は同じですが、之は「ゆく、すすむ」の意味に使われ、止は「とまる、とめる、とどまる」の意味に使われます。
用例「之往」(しおう:ゆくこと)・「之適」(してき:ゆくこと)。
解説「止」の解説をご参照ください。
『歩』
8画(ホ・ブ・フ・あるく・あゆむ)小学2年
  • 甲骨文字
  •  
  • 金文
  •  
  • 篆文
(会意)左足と右足の足あとの形、また右足と左足の足あとを前後に連ねた形。
説明足の動きを表す足あとの形を前後に連ねて書いて、前に「あるく」、前に「ゆく」という意味になります。足あとの形が「止」と「少()」の形になり、「歩()」の字の形になっています。
 
漢字では、「上」と「下」を掌の上と下で表して、上と下の字を作りました。そして「上」は掌の上という意味だけでなく、すべてのものの「うえ、うえのほう」の意味になり、上に「あがる、あげる、のぼる」の意味にも使われるようになりました。また人間関係では、「めうえ、うえの地位にいる人」をいうようになり、時間では、「はじめ、むかし」の意味に使われます。下も上と同じように、その意味が広がって使われるようになりました。
用例「徒歩」(乗物に乗らず、足であるくこと)・「進歩」(よいほうに次第にすすんでゆくこと)・「歩合」(ぶあい:ある数の他の数に対する割合)。
解説甲骨文字では、左右の足あとの形が前後に二つ連なって、歩くという動きを象徴的に表しています。
『足』
7画(ソク・あし・たりる・たる・たす)小学1年
  • 甲骨文字
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  • 金文
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  • 篆文
(象形)足の膝(ひざ)の関節から下の形。
説明上半分の「口(こう)」の形は、脚の膝の関節の部分です。下半分の「止」は足あとの形で、足のかかとから指までを表しています。足の形全体を写すのではなく、膝と足先を組み合わせただけの簡単な形で、「あし」という意味の漢字が作られています。手も手の形全体を写したものではなく、手首から先の五本の指だけで、「て(手)」という意味の字であるのと同じような字の作り方です。
「足」は「あし」の意味のほかに、「たりる、たる、たす」の意味に用います。
用例=「足跡」(そくせき:あしあと)・「素足」(すあし:くつしたなどをはかないあし。はだし)・「補足」(不足を補いたすこと)。
解説=「止」は足あとの形で、上部の「口」は膝頭(ひざがしら)の関節の部分を表します。金文(きんぶん)の字形では、関節らしい形がよくわかります。足の字は、膝から下の足全体を象徴的に表しています。
『走』
7画(ソウ・はしる)小学2年
  • 金文
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  • 篆文
(象形)両手を振って走る人の形。
説明=上半分は「大(正面から見た人の形)」に似ていますが、片手は斜めに上げ、片手は斜めに下げて、頭を少し前に傾けています。これは人が走っている形です。下半分は「止」(「之」と同じく趾〔あしあと〕の形で、ゆく、すすむという意味があります)で、走ることを強調しています。全体として、手を振って走る形ですから、いっしょうけんめいに「はしる、ゆく」という意味になります。
用例=「走行」(はしること)・「競争」(はしって速さを競うこと)。
解説=人が左右の手を振って走る形。走の上部は人が手を振って走る形の「夭(よう)」、下部は「止(足あとの形)」で走ることを強調して表しています。今の走の上部は簡略化されて「土」になっていますが、古い字形では「夭」と足あとの形です。
『奔』
8画(ホン・はしる・はやい・にげる)
  • 金文
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  • 篆文
(会意)夭(よう)と(しゅう)とを組み合わせた形。
説明「夭(よう)」は「走」の上半分と同じ形で、頭を少し前に傾け、左右の手を振って走る人の形で、「はしる」の意味になります。「走」は下に「止(〔ゆく〕〔すすむ〕という意味があります)」を加えて「はしる」という意味を強調しています。(しゅう)は「止(足という意味)」を三つ組み合わせた形ですから、足が三本となり、「走」よりも「はしる」という意味がさらに強められます。それで「奔」は「はしる」という意味のほかに、「はやい、にげる」という意味に使います。
 
用例=足が三本もある人はいませんが、足三本を加えて「速く走る」という意味の字が作られているのです。
解説=足が三本もある人はいませんが、足三本を加えて「速く走る」という意味の字が作られているのです。
金文(きんぶん)に「夙夜奔走(しゃくやほんそう)す」という語があり、それは朝早くから夜中まで祭祀(さいし)、祀(まつ)りごとに努めるの意味です。その祀(まつ)りごとに努めはげむときの足早な歩き方を「奔走」といいます。