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月刊「光陽」編集部ー岩槻・光陽書道

・城下町・小江戸、小京都散歩
・古寺・仏教美術巡礼
・光陽書道教室(さいたま市岩槻)の学習・教育日記

書源 8月号 条幅課題 解説

2019年07月18日 | 聖風が編集「光陽」

今月の保坂春翔先生の▽第一課題は、漢字科半紙課題、良寛詩を素材とする20文字です。今月課題「清寒夢難結」部分が見せ場となっています。二行目冒頭の「夢結」のカスレ、「結坐」の潤筆連綿の黒の演出。行間のひろびろとした余白も効果的に良寛の諦観―悟りの境地を表現しています。落款の千鳥に配置した配置も見事です。これらの全体の見取り図を頭に置いて、筆をとることをお勧めします。書体、書風は自由です。

 ▽古屋朔雲先生の第二課題は、五文字の一行「花落地生香」。花は散りてもその香りは生きている。作家は死を迎えても、その作品は死ぬことはないという気持ちが込められているようです。「花」の大きなうねりが情懐を高め、右上がりの横画で統一感を出します。また、偏旁をずらすことで余白を生み、結字の「香」バランスを整えています。淡墨で墨色の美にも挑戦してください。作品に情趣がかもされます。
▽作村光風の、第三課題のかな。石田波郷(1913~1969)は、愛媛県生まれ。本名は哲大(てつお)。水原秋桜子に師事し、「馬酔木」に拠ったのち、『鶴』を創刊・主宰。初期の青春性のあふれる叙情句からはじまり、「俳句は文学ではないのだ。俳句はなまの生活である」として人間性に深く根ざした作風を追求、加藤楸邨、中村草田男らとともに人間探求派と呼ばれました。戦中に結核を発病し、戦後は病と対峙する自身の生活を題材とする境涯俳句を詠み続けました。
 この句もその時期のものと思われます。蝉は幼虫として数年間を地中で過ごした後、最後の一週間を成虫として地上で過ごします。木の幹に止まり鳴くのは求愛のためです。「蝉の聲」に愛憎の彷徨を象徴させ、おのが人生を振り返ろうとしたのでしょうか。上部に漢字が並んでしまい重くなりがちなので、「朝」「悉」をひらがなに置き換えて軽重をととのえました。
 
【大意】
「投宿す古寺の裏(うち)終夜(よもすがら)虚窓に倚る。清寒夢結び難く坐して待つ五更の鐘」です。その意味は「古寺に泊まったが、夜通し起きていて、がらんとした部屋の窓に身をよせている。何とも寒くて眠れない。夜明の鐘が鳴るまで坐して待つとしよう」。  
 
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わらび機まつり 2019/8.2-3

2019年07月16日 | 聖風が編集「光陽」

織姫ステージの背景幕スポンサー募集!

2019年のわらび機まつりは8月2日(金)~5日(月)で行われます。

開催時間は午後1時半から午後9時(最終日は午後8時)です。

 

上記画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。
デザイン中の画像のため一部変更になることがありますことをご承知おきください。

毎年多くの人手で賑わう機まつり・織姫ステージの背景幕更新に伴いまして、スポンサーを募集いたします。

3年間の使用予定としたスポンサー付き背景幕といたします。大きなエリアに掲載されますので、とても目立ちますし、非常にリーズナブルなスポンサー料金となっております。

募集要項

  • 背景幕サイズ 幅10m × 高さ3m
  • 取り付け方法 川口信用金庫建物よりロープで吊り下げ
  • スポンサーエリア メイン(180cm×100cm以内)×2エリア、サブ(120cm×50cm以内)×8エリア
  • 合計希望調達金額 メイン5万円×2+サブ2万円×8 合計26万円
  • メインスポンサーは左右の場所を選べます
  • サブスポンサーは実行委員会で場所を決めさせていただきます
  • 2019年開催の機まつりプログラムスポンサー(1万円~)への登録も条件とさせていただきます

スポンサー参加できない企業・団体があります

織姫ステージは公募により出演者の募集を行います。そのため出演団体がスポンサーになったりすると、選考に影響を及ぼす可能性がありますので、出演団体またはその母体企業によるスポンサーエントリーはできません。

また、機まつり実行委員会でスポンサーとしてふさわしくないと判断された場合、スポンサーのお断りをすることがあります。

織姫ステージについて

織姫ステージは、4日間開催されている機まつりの土曜日・日曜日に催されるイベントで、約1kmある機まつり会場の西側・川口信用金庫の駐車場エリア「織姫広場」にて開催されており、今年で12年目となります。

昨年2018年の織姫ステージは8月4日(土曜日)、5日(日曜日)に開催されまして、地元の団体を中心に28団体・700名以上の出演者が日頃の練習成果を思う存分発揮していました。

出演者は最近のヒップホップブームもあり、子供たちを中心としたヒップホップダンス、ブレイクダンスが多いのが特徴で、ほかにもチアダンス、フラダンス、タヒチアンダンス、空手やカンフーなどの演武など、幅10m、奥行き5mの広めのステージサイズを活かした団体・グループが多く、とても賑やかでダイナミックなステージングです。

出演しているダンスチームは、コンテストでの入賞経験も多くあり、蕨は埼玉県南エリアのダンス強豪エリアになりつつあります。

スポンサー参加方法

スポンサー希望の方は、当ページ下部にあります登録フォームにご記入ください。その後織姫ステージ担当より連絡を申し上げます。
スポンサー費用は、蕨市観光協会の機まつり実行委員会費用に入り、蕨市観光協会より背景幕制作業者に発注されます。

 
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<label>企業・団体名 (必須)</label>

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「埼玉 日本博」「節句 Japan FES(仮称)

2019年07月16日 | 聖風が編集「光陽」

【日本博2020】(仮称)について

日本の美を体現する我が国の文化芸術を振興し、その多様かつ普遍的な魅力を発信することを目的として「日本博」が 「『日本の美』総合プロジェクト懇談会」(主催:安倍総理、座長:津川雅彦氏)で推し進められている。

同懇談会は、日本人の美意識・価値観を国内外にアピールし、その発展及び国際親善と世界の平和に寄与するための施策を実施することを検討し、 第6回目の同懇談会(2018年6月22日開催)において、「日本博2020(仮称)」を、 オリンピック・パラリンピック東京大会を契機として、日本の全国各地で実施することについて、総理から文部科学省・文化庁に対して準備を進めるよう指示された。

これを受けて、2018年: 「ジャポニスム2018」(於:フランス)を、2019年: 「ジャポニズム2019」(於:米国等)を開催、2020年には 「日本博2020(仮称)」(於:日本)を開催 (※ 同年、2020オリンピック・パラリンピック東京大会開催)する運びとなった。

 書道界は、このプログラムに参画、公益財団法人 全国書美術振興会(田中壮一郎会長)を事務局(実務者会 統括=高木聖雨)に、書美振、全書連、日本書道ユネスコ登録推進協議会、読売書法会、毎日書道会、産経国際書会で構成する「東京2020オリンピック・パラリンピック記念書展実行委員会」を立ち上げ、「日本の書200選ー東京2020大会を記念して」(国立新美術館、2020年4月25日~5月10日 国立新美術館 企画展示室1E)の開催に取り組んでいる。展示内容は、「日本の代表的な現代書家約200人」、「さまざまな表現様式によって制作した新作」を予定し、障がい者の書、児童・青少年の書、筆墨硯紙の展示も予定されている。一人10万円の出品料。

また、関連プログラムとして、「一般社団法人日本の節句文化を継承する会」(埼玉県)は、「節句 Japan FES(仮称)」の企画をもって、令和元年6月~令和2年3月を実施期間として、①日本の節句文化をより身近に楽しみながら体験してもらい、②古くから自然と向き合いながら育んだ日本人の美徳や文化薫る美しい日本文化を次世代に継承する為に行うプロジェクトを企画した。

このプロジェクトは、①アニメーション動画での多言語翻訳や会場内で多言語標識 を設置することでインバウンド(訪日)を促進するもので、②AR・VRを取り入れ会場内で驚きとワク ワク感を演出する多様なコンテンツを提供する。③非来場を対象にネット配信などでバーチャルな体験機会を提供することなどを計画している。このプログラムの予算規模は、約1500万円。

 

※7/18に会議予定あり。


毎日書道展 文部科学大臣賞は、漢字の赤平泰処氏

2019年07月11日 | 聖風が編集「光陽」
毎日書道展

国立新美術館で開幕 東京・六本木

 
第71回毎日書道展が開幕し、作品を鑑賞する来場者たち=東京都港区の国立新美術館で2019年7月10日、滝川大貴撮影

 第71回毎日書道展(主催・毎日新聞社、毎日書道会)の東京展が10日、東京・六本木の国立新美術館で開幕した=写真・滝川大貴撮影。青木早苗・同館館長、朝比奈豊・毎日新聞社会長、中原志軒・同展実行委員長らがテープカットすると、開幕を待ちわびた書のファンが次々と会場へと入場した。

 

会員賞に26人輝く

 第71回毎日書道展が10日、東京都港区六本木の国立新美術館で開幕した。

「現代の書」をテーマに、漢字、かな、近代詩文書、大字書、篆刻(てんこく)、刻字、前衛書の7部門にわたる日本最大の総合書展。

公募部門と役員作品を合わせた今年の総出品数は3万1998点。

うち会員を対象とする会員賞に26人、公募と会友が対象の毎日賞に187人、秀作賞に436人、佳作賞に871人が選ばれた。最高位の文部科学大臣賞は、漢字の赤平泰処さんに決まった。主な受賞作品を紹介する。(カッコ内は評者、敬称略)


墨 バックナンバー情報 2000年3月~2019年3月号

2019年07月05日 | 聖風が編集「光陽」

墨バックナンバー

257号

2019年3・4月号 257号

蘭亭序を楽しむ 
256号

2019年1・2月号 256号

かなで書く源氏物語 
255号

2018年11・12月号 255号

エンジョイ! 篆隷を学ぼう 
252号

2018年9・10月号 254号

漢字条幅の研究2018 
252号

2018年7・8月号 253号

粘葉本和漢朗詠集で学ぶかな 
252号

2018年5・6月号 252号

顔真卿の争坐位文稿 
250号

2018年3・4月号 251号

千字文
一〇〇〇字の森羅万象 
250号

2018年1・2月号 250号

『墨』250号記念・
ユネスコ登録祈念
新春 書き初め大会 
249号

2017年11・12月号 249号

いまこそ手紙を書こう 
248号

2017年9・10月号 248号

漢字条幅の研究 2017 
247号

2017年7・8月号 247号

かなの臨書
誌上夏季合宿 
246号

2017年5・6月号 246号

書の未来へ
次世代・新世代の書家たち 
244号

2017年3・4月号 245号

私の古典
古典選びガイド 漢字編 
244号

2017年1・2月号 244号

大字かな
現代に生まれた「和」の新表現 
243号

2016年11・12月号 243号

漢字条幅の研究 2016 
242号

2016年9・10月号 242号

王羲之「十七帖」を学ぶ 
241号

2016年7・8月号 241号

創刊40周年記念
誌上 書道まつり 
240号

2016年5・6月号 240号

かなで書く恋の歌 
239号

2016年3・4月号 239号

論語の世界 
238号

2016年1・2月号 238号

和の小宇宙 
237号

2015年11・12月号 237号

漢字条幅の研究 2015 
236号

2015年9・10月号 236号

墨色について考える 
235号

2015年7・8月号 235号

「褚遂良」で楷書を極める 
234号

2015年5・6月号 234号

芭蕉の俳句を書こう 
233号

2015年3・4月号 233号

空海の「風信帖」 
232号

2015年1・2月号 232号

かなの連綿 
231号

2014年11・12月号 231号

北魏の楷書 
230号

2014年9・10月号 230号

小作品を楽しむ 
229号

2014年7・8月号 229号

米芾の書技を学ぼう 
226号

2014年5・6月号 228号

台北 故宮博物院の
名品で学ぶ行書と草書 
226号

2014年3・4月号 227号

写経 心をこめて美しく 
226号

2014年1・2月号 226号

かなの原点 古今和歌集 
225号

2013年11・12月号 225号

書が変わる!
筆の選び方・使い方 徹底指南
224号

2013年9・10月号 224号

誌上 大錬成会
「漢字かな交じり」編
223号

2013年7・8月号 223号

絶対上達!
「拓本」の見方教えます
222号

2013年5・6月号 222号

横形式の達人になる!
漢字 横形式の鉄則
221号

2013年3・4月号 221号

わたしの人生訓・座右の銘
220号

2013年1・2月号 220号

和の粋「散らし書き」
214号

2012年11・12月号 219号

ビジュアル 五体 墨場必携
名言名句を書く
214号

2012年9・10月号 218号

誌上「臨書」大錬成会
──楷書編
214号

2012年7・8月号 217号

あなたも書ける!(2字・3字・4字)
「少字数書」制作のイロハ
214号

2012年5・6月号 216号

差がつく!
「行書」実力養成 集中講座
215号

2012年3・4月号 215号

変わりゆく現代“墨”事情
ー固形墨&液体墨
214号

2012年1・2月号 214号

The 三筆
──各時代の「能書ベスト3」
213号

2011年11・12月号 213号

ビジュアル 五体 墨場必携
漢詩を書く
212号

2011年9・10月号 212号

超絶技巧
“巨腕”の行草書 テクニシャンたちの秘技に迫る!
210号

2011年5・6月号 210号

「漢字かな交じり書」便利帳
207号

2010年11・12月号 207号

―吉語印と干支印― 
篆刻で年賀状 
204号

2010年5・6月号 204号

いまこそ王羲之
──“書聖”誕生ものがたり
202号

2010年1・2月号 202号

平城遷都1300年記念
万葉集を書いてみよう
198号

2009年5・6月号 198号

篆刻を始めよう
─ステップアップ式 入門講座─
194号

2008年9・10月号 194号

決定版 20世紀の書
名品選
193号

2008年7・8月号 193号

手習い・目習いに最適
碑法帖名品選
192号

2008年5・6月号 192号

公募展・個展・グループ展ガイド
書道展がまるわかり
189号

2007年11・12月号 189号

落款で決める!
作品が変わる!
184号

2007年1・2月号 184号

選べる! かなのお教室
171号

2004年11・12月号 171号

篆刻ファンに贈る「眼福」の一冊 
私の愛用・愛蔵印
151号

2001年7・8月号 151号

21世紀の「書」を語ろう
特別企画 創刊号から25年
- 墨の表紙すべて見せます
143号

2000年3・4月号 143号

拓本を楽しむ
人と書を味わう 与謝野晶子

Kōki,さん、和装姿でGalaxyのブランドメッセージを筆でアピール

2019年07月04日 | 聖風が編集「光陽」

「Galaxy S10 | S10+」に新たに搭載された超広角カメラの魅力を伝えるWEBムービーとなっており、

ご本人の和装姿は、これまで公式には披露したことがなく、今回が初公開となります。

Kōki,さんは和装姿でGalaxyのブランドメッセージである「Do What You Can’t」(”できない”ことに挑戦しよう。)を、書道を通して力強く表現しています。


鳥啼山更幽

2019年07月04日 | 聖風が編集「光陽」

『茶席の禅語大辞典』(淡交社)の文字数別索引で「鳥啼山更幽」を引いたところ、「風定花猶落 鳥啼山更幽」が該当し、「風定まって花猶落つ、鳥啼いて山更に幽なり」と読み下している。


これは「風が止んだのに花が落ち、静寂の中に響き渡る鳥の一声によって更に寂寥感が深まる情景」と説明があり、「もとは梁代の王籍の『若耶渓に入る』と題する詩の『蝉噪きて林逾静』に続く結句」とある。

王籍の「若耶渓に入る」の詩全文は『漢詩名句辞典』(大修館書店)のpp.106-107に確認できる。