牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

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今春の花粉飛散量はH17に次ぐ多さ!/花粉症に酒粕が効く?

2008-01-30 10:47:35 | 酒の情報(酒エトセトラ)
最近では花粉予想なるものが国(環境省)から発表されるようになりました。

「平成20年春の花粉総飛散量は、昨年春に比較すると、東日本で1.5倍から3倍と予測され、西日本はほぼ昨年並みになると予測されます。また、スギの飛散開始日は例年に比較して5~10日程度早くなるものと予測されます(環境省記者発表)」

巷では日本人の5人に1人は花粉症に悩まされているといいますから、こんな予報がお上からでるのももっともか。

こうしたなか、花粉症関連の市場も年々拡大しているようです。そのメインは医療用の薬やマスク、あるいは空気清浄器等のようですが、甜茶とか青汁とか花粉症の症状が出やすい体質を改善するための機能性食品・サプリメントも人気のようです。

そんな中で、ある蔵元の方から実は酒粕は花粉症に効くんですという話を聞きました。
本当?ということで、附属酒類経済・文化研究所でもちょっとインターネットで調べてみたのですが、「酒粕は花粉症にも効く」というフレーズが使われているHPもありますが、フレーズのみで、ウラは無し
また、逆の文脈「花粉症に効く」ものとして酒粕が挙げられているものは見当たりませんでした。

ちなみに、厚労省の知人に聞いたところ、厚労省のHPに出ている民間療法の調査結果を教えてくれましたが、そこでも下記のように酒粕は見当たりません。

(花粉症に対する民間療法)
健康食品
霊芝(抗アレルギー作用),甜茶(化学伝達物資遊離抑制)
シソ(TNFα抑制),羅漢果(活性酵素抑制),南瓜種(IgE産生抑制)
アマランス(抗ヒスタミン作用),紅花,パパイアエキス,クロレラ,
花粉食,ニンジン紅茶,シジュウム茶,スギの葉エキス,花粉すっきりグミ,
優喉茶,ヘテロフィラ,天然にがり,アロマテラピー,エゾウコギ,
リノレン酸摂取,リノール酸摂取制限,うずらの卵のホモゲナイズ,
天然ミネラルエキス
一般食品
ジャガイモ(ビタミンC)
ネギ・ニンニク・ニラ・ショウガ・ウド・フキ・シナモン(身体を温め冷えに強くなり、花粉症発作に効果),
ピーナッツ・干し柿・ゴマ・ユリ根(鼻閉による乾燥症状に効果)
クズ・ゴボウ・ハッカ・キクの花・ミョウガ・スイカ・ナシ・柿(急性副鼻腔炎の合併に効果)
山芋・ウコギ・ドジョウ・エビ(花粉症発作のだるさに効果)
わかめ,大根おろし,カフェイン

また、このブログの大家さんのgoo!でも花粉症に効果があると思う食品ランキングという投票をしています。
現時点での順位を見ると、、、、
一位ヨーグルト二位甜茶三位シソ、以下、緑茶、ペパーミント、ショウガ、黒酢、ローズヒップ、納豆、ルイボスティー、アセロラ、ウコン、梅、凍頂烏龍茶、レモンバーム、玄米、、、、、と続いていますが、酒粕は登場しない。

効能は別として、少なくともポピュラーな民間療法ではないようです。

それでも探求、やっと見つけたのが、雑誌記事。
「日経レストラン」の2004/12/08号。
千葉の蔵元、寺田本家さんへのインタビューで
「デンプン、食物繊維、ビタミンにアミノ酸やペプチド、さらに、米を発酵させる際に働く“生きた酵母”も豊富に含んでおり、高血圧症、花粉症といった病気の予防効果や美容効果の高いヘルシー食材です」と記事になっています。

うーん。これもウラがとれない。
花粉症で大ブレイク!は無理なようです。

でも、、、、、風が吹けば、ではないですが、
酒粕が花粉症に効くと酒粕が売れる
→酒粕が売れると酒粕が増産される
→酒粕が増産されると酒が増産される
→酒が増産されると酒樽(=杉樽)が必要になる
→酒樽(杉樽)が必要になると杉が有効利用(伐採)される
→杉が伐採されるとスギ花粉が減る
→スギ花粉が減ると花粉症の人が減る
と、見事なフィードバックがかかりますがかかります。

粕汁を頂きながら、こんなことを考えました。

(担当:附属酒類経済・文化研究所)

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