牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

三世紀に亘り問屋を営む升本総本店の徒然を毎日更新!!商品情報からビアガーデン・試飲等イベント情報、酒文化経済・書評等々!

飲食店での原価率

2008-02-29 09:41:15 | 附属酒類経済研究所
夜のお付き合い。
お招きする側だったので、ワインリストを見せられ、選ぶことに。

市販価格(あるいは卸価格)のイメージがあるだけに、ついつい値段を比べてしまいます。
3倍前後でしょうか。想定される料理の原価率と大体同じくらいの数字。
調度等も含めたお店全体のサービス水準、ワインの在庫のリスク、管理コスト、ソムリエさんのコスト、等々を考えると納得です。
ちなみに、お願いして「白鷹」を持ち込ませて頂いたのですが、持ち込み料は一本1,500円。サーブの価格と考えると、これも納得です。むしろ安いかも。


それはさておき酒ブログ・ランキングです



翌日夕方、問屋の休憩室に四分の一ほど残ったさつま白波黒麹の瓶が。
聞くと、私がワインリストを前に冷や汗を書いていた時間に、皆で海産物居酒屋でボトルをとって飲んだくれ、残りを持って帰ったということ。
「さつま白波黒麹」ボトル、一本1,500円。小売で1,000円くらいですから、1.5倍です。
これは安い!!!でも、こういう店での焼酎は、在庫も不要なので在庫リスクや管理コストも不要、ボトル出しなのでサービスも不要、と考えると、相応かな、とも思います。

飲食店経営の本などでは「料理と同じく原価率30%」的な記載を良く見かけますが、まじめに考え出すと、そもそもワイン、日本酒、焼酎で違うはずですし、原価「率」で考えるのか、お酒の量当たりの利益額で考えるのか、いろいろあるのでしょう。
そのお店のスタンスで異なるべきもので、経営者の想いによって原価率に幅が出来るのも当然。
原価率の研究、というのは一つの経営テーマになるのでしょう。

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浮かれ徳利in「水の道具誌」

2008-02-28 11:26:20 | 酒の本棚(書評?)
2006年8月刊ですから新刊ではありませんが、平積みになっていて手に取った本です。

山口昌伴(2006):水の道具誌(岩波新書(新赤版)1032)、岩波書店、227p.

「水」ではなく「水に関わるいろいろな道具」にスポットを当てたもので、如露(ジョウロ)に始まり、鹿おどし(ししおどし)、金魚鉢、水琴窟、水煙管と続きます。
別にお酒に関わるものを探していたわけではないのですが、見つけたのが「浮徳利」。


上半身がふっくらと膨らんだ形の徳利で、下半分くらいにお酒を入れると、バランスよく水に浮くというもの。要はお風呂に浮かべるための徳利です。
浮かれ徳利ともいい、何でも丹波の窯元、正元直作家が江戸中期に開発、以来一手に作っているそうです。
湯船に徳利が浮かぶ様を見て、丹波の殿様がご満悦だったというエピソードも紹介されています。

なんてことはないけれど、ちょっとコロンブスの卵です。

そういえば、白鷹さんの杜氏は丹波杜氏でした。
これも何かのご縁。是非手に入れてみたいものです。

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泡に合わせて金箔が舞う

2008-02-27 11:32:16 | 酒のご紹介
ワインはその色合いも楽しみの一つですが、日本酒の場合、「評価」「比較」という視点を別にすると、色が話題になることは少ないようです。

その中で、以前もご紹介いたしました金箔入りのお酒は、眺めて楽しむ日本酒の例。

「目で楽しむ」和食の伝統で、海外には?と書いていたのですが、ひょんなことで見つけてしまいました


青いボトルの白ワインで日本でもおなじみのドイツのワインメーカー「ブルーナン(BLUE NUN)」のスパークリングワインです。
BLUE NUN GOLD EDITION SPARKLING WINE

BLUE NUN のホームページによると、22金の金箔(22-carat gold leaf)が入っているとのこと。
邪道といわれそうですが、日本酒に比べワインはグラスが大きいので金箔もより目立つし、特にスパークリングワインの場合泡が立つので、金箔が泡に合わせて舞いたつという効果も期待できるので、華やかさはこちらの方が上では、とも思います。

他にも、いくつかのメーカーから出ているようですが、gold leafのキーワード等で探しても案外見つかりません。それに対し、日本語で探すと結構出てくる、というのは、やはり日本を意識して作られた商品なのでしょうか。
世界でも受けると思うのですが。。。

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冬のお酒「シードル」

2008-02-26 10:23:38 | 酒のご紹介
昨日は歳時のお酒「白酒」をご紹介しました。

お酒の「季節」というのは、白酒のような行事がらみのもの、また、ボージョレのような原料の収穫時期によるもの、あるいは寒仕込のような醸造期から来るもの、そして、料理とのマリアージュ、などがあるのではないでしょうか。

その中で、いろいろな意味で「冬」のお酒というイメージなのが「シードル」です。
シードル(Cidre)、ぶどうではなく、りんごから醸造したお酒で、多くの場合は微発泡。
Cidreという言葉通り、フランスはノルマンディーやブルターニュが主流(英語ではCIDER、サイダーの由来です)。
先日、自宅で空けたのもブルターニュ産。一見、素敵なシャンパーニュ。

(ちなみに、弊社本拠地の神楽坂のクレープ等ブルターニュ料理専門店「ル ブルターニュ」でもメインの飲み物はこのシードルです)

以前は「甘いお酒」というものが多かったのですが、最近ではBRUT!として、辛口の中にほのかな甘み、というものも増えてきました(写真のものは、EXTRA BRUTでした)。

ほのかな甘みと、発泡による後味の爽やかさ。
豚しゃぶやポークソテー等、甘みのある豚肉や、白菜、蕪、玉ねぎなどの甘みのある野菜にもよくマッチします。その意味で、りんごの季節ということだけでなく、甘みのあるものが食べたくなる、冬に似つかわしいのでは。

また、アルコール度数が5%前後と、低アルコールなのも、体に優しい。

そして、りんごの名産地だけに、案外日本製品がイケてるのもこの分野
ニッカのシードル、気合十分です。


一度是非お試しを。

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一足早いホワイトデーには白酒を(相生、豊島屋)

2008-02-25 10:09:53 | 酒のご紹介
季節感豊かな日本酒の世界。
でも、季節限定品は、仕入れ担当の悩みの種でもあります。

その中でも、25日過ぎのクリスマスケーキくらい悩ましいのが、3月3日の桃の節句の白酒です。

この白酒(しろざけ)、製法に若干の相違はあるようですが、みりんや焼酎などに蒸したもち米や米こうじを仕込み、1ヶ月程度熟成させたもろみを、軽くすりつぶして造ったアルコール10度前後の立派なお酒(税法上はリキュール類)です。

しばしば、ご飯やおかゆなどにこうじを混ぜて保温して一晩でできる甘酒(こちらはアルコールはほとんどありません)、あるいは酒粕をお湯にといて砂糖などで味を調える粕酒(これもしばしば「甘酒」と呼ばれますね)と混同されるようで、農水省のホームページにもその違いがQ&Aで出ています。

まあ、子供は本物の白酒は飲めませんし、ひな祭りには甘酒じゃあない、と目くじらを立てるより、ひな祭りに白い酒、という子供の頃の体験は大人になっていろいろ役立つ、と前向きに考えましょう。

さて、仕入れ担当としてはタイムリミットの白酒
弊社では主として2アイテムを展開。

一つはみりんの老舗「相生」さんの白酒。アルコール度数は12%、参考小売価格735円です。
三色ある可愛いボトル。飲んだ後は一輪挿しとしてご利用になる方も多いとか。


そしてもう一つは、。「江戸名所図会」にも紹介されている老舗中の老舗、というより白酒の代名詞ともいえる神田の豊島屋酒店(酒販店さんとしては弊社のお得意先でもあります)さんの白酒です(写真は昨年のもの)。
昔ながらの秘伝の製法で、江戸を感じてください。
アルコールは7%。参考小売価格500円(税込)です。



甘酒と白酒の違いという薀蓄と共に一足早いホワイトデーのお返し、としても良いと思うのですが、如何でしょうか?

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お酒といえば「三河屋」。神楽坂の三河屋さん。

2008-02-23 12:06:47 | お得意先のご紹介(月例?)
土曜日の神楽坂下。早朝ということもあって、開いている店もほとんど無く、人通りもまばらです。


さて、神楽坂本多横丁の山中商店さんから始まったお得意先紹介。
有楽町国際フォーラムのレバンテさん
そして虎ノ門の升本さんと続きました。

今日は、神楽坂の入り口である、神楽坂下交差点から神楽坂に向かって左、数軒先にある三河屋酒店さんです。お堀の水辺のボートハウスのお向かい、といった方が判りやすいかも。
お酒といえば「三河屋」。サザエさんにも出てくる、酒屋さんの代名詞的な屋号(商号)です。

看板にはこの地域の定番とも言える白鷹が。


店内は日本酒、焼酎をはじめ、一通りの品揃え。奇をてらわず、ちょっと大き目の街の酒屋さん、といった店構えです。
その中で、前面にはベルギービールが並んでいたり、粋な街神楽坂の酒屋さん、の風情も。

そうそう、ベルギービールといえば、写真の酒屋の看板の手前の黄色の看板にも注目。
ベルギーの有名なチョコレート「LEONIDAS」の神楽坂店です。
これも三河屋さんのご家族が運営されています。バレンタイン前の大行列には酒屋さんの方から援軍が出たとか出ないとか。

ベルギービールにベルギーチョコ、粋な組み合わせですね。

これからの桜の季節、外堀の桜のお花見の際には是非こちらで調達を!!。

※ちなみに、外堀の外側の桜は「ライオン桜」と呼ばれ、碑もたっています。その名の由来は、、、、いらしてみて下さい。

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コメからバイオエタノール、山田錦から日本酒

2008-02-22 10:32:37 | 附属酒類経済研究所
昨日の日経夕刊に、を作り出すというプロジェクトが掲載されていました。

日本酒も同じくコメからエタノールですから、その意味では質は違えども親戚筋。

量的なものはどうなのでしょうか。
記事によれば、原料に使うのは食用米より多く収穫できる多収穫米で、新潟で用いられている「北陸193号」は10アールあたりの収量は880kg。
これに対し、酒造好適米の山田錦の収量を450kgとすると、およそ2倍の差。

そして、エタノールへの転換効率。
バイオエタノール製造では、コメ1kgあたり0.3リットル程のエタノールができると言いますから、10アールでは880×0.3=264リットル。
これに対し、日本酒の場合、精米歩合を60%として考えて適当に電卓を叩くと400リットルほど。ただしこれは100%アルコールではなく17度位の日本酒なので、アルコール換算では70リットル。

10アール当たり、バイオエタノールは260リットル日本酒(アルコール換算)70リットル。4倍弱の効率の差です。

ただ燃やす物と、味わうものと、それくらい違うのは当たり前、ですが、それにしてはあんまり違わないなぁ、というのも実感です。精米歩合を考えると、似たような転換効率かも。
逆に言えば、日本酒造りの技術水準(バイオ技術)は、エタノール転換の点でもかなりイケてる、ということではないでしょうか。

ここにもニッポンの技あり!日本の技術に乾杯です!!

(附属酒類経済・文化研究所)

--写真は当研究所所蔵「白鷹酒造りの図(部分)」

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皇太子が飲まれる焼酎は「百年の孤独」

2008-02-21 10:11:58 | 酒の情報(酒エトセトラ)
電車の雑誌の吊り広告でこんなタイトルの記事がありました。

皇太子が飲まれる焼酎は「百年の孤独」

皇室御用達系の日本酒としては、日本盛の「惣花」が代表的なものですが、それ以外にも菊正宗、菊姫、桜正宗、末廣、月桂冠、越後鶴亀などが挙げられています(残念ながら現在の正式な定義は知りません)が、日本酒以外はあまり聞いたことがありません。

雑誌とかでは、これまで、「秋篠宮はメコンウイスキーがお好きらしい」「皇太子は米焼酎の鳥飼がお気に入り」「芋焼酎の倉岳が秋篠宮に献上された」「皇太子が記者に『晩酌は』と聞かれ百年の孤独を飲んでいると答えた」等を目にしたことがありますが、その「百年の孤独」が改めて記事になっています

記事を読んだわけではないので、百年の孤独のように入手しにくいものを普段から飲んでいると揶揄しているのか、あるいは「百年の孤独」という日本語のネーミング、あるいは元ネタであろうガルシア=マルケスの「百年の孤独」の部族の創生と崩壊を語っているのか、わかりませんが、なぜ、今、記事になったのでしょうか。

さて、百年の孤独、いい麦焼酎だと思います。初めて味わった時は、まず瓶に感心、次に琥珀色に驚き、そして焼酎?という香り・味わいに感じ入り、「熟成ってすごいな」と思ったものです。
(同時に、熟成を前提とするウィスキーの伝統にちょっと劣等感を感じたり)

ただ、比較的入手しやすかった時期でも定価もなかなかのお値段だったので、バシバシ飲むというイメージではありませんでした(その頃は蒸留酒はカルヴァドス、を試していた時期)。
もちろん、今では定価で買えるならコンテナ買いですが。

皇太子が飲まれているとのこと、上述のようにいい酒だと思いますし、定価で売っている店もあるのですから、皇太子が飲むなら蔵元から直接お届けしていてもおかしくないし、現在、一部に見られる異常なプレミアムも皇太子が飲んでいるせいではないので、別にいいじゃあないか、というのが感想です。

さてさて、読んでいない記事ですが、、、、皇太子と言えばビオラ弾きで音楽好き。
百年の孤独の包装に印刷されているジャズ奏者のERIC DOLPHYの言葉に言及しているとしたら、「記者もなかなかやるじゃん」と感心するのですが、どうなのでしょう。

When you hear music ,after it's over, it's gone in the air.
You can never capture it again.
---音楽はその一瞬のもの。同じものは二度と聞くことが出来ない、、、、

バロック音楽にも通ずる、ジャズ奏者らしい、言葉です。

(写真はERIC DOLPHY。この写真ではフルートを持っていますね)

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コンテナ到着!!白鷹@池袋三越

2008-02-20 09:28:53 | 酒の催事等ご案内(自社物件も違うのも)
蔵元さんからの納入は普段はトラックですが、今朝は大きな大きな鉄道コンテナでの納入です。

その中身は、、、、全部白鷹。来週からのデパート催事のネタも満載されています。

来週火曜から、池袋三越で白鷹さんの試飲販売が展開されます。

今回の目玉は新酒。しかも、本醸造生しぼりたて原酒と純米大吟醸・しぼりたて生原酒の2つが揃います。

これぞ新酒!!これぞ原酒!!という本醸造生しぼりたて原酒は白鷹の性格がガツンと出た特徴のあるお酒。今年はその強さが少ししなやかさな強さとなっていて、ある意味で間口が拡がっています。
(神楽坂の白鷹で有名な某居酒屋さんにもお気に入り頂き、お友達等にもお奨めいただいております)


そして、数量限定(受注生産)の純米大吟醸・しぼりたて生原酒です。
こちらは新酒!原酒!という特徴を言い募るより、お酒の神様からの「酒の雫の贈り物」とも評すべき、フレッシュな中にも力強さ、ふくよかさ、アロマ・ブーケの溢れるお酒です。
瓶熟成でさらに深い味わいもお楽しみ頂けます。


カリスマ売り子の蔵元Sさんもやる気満々!
2月26日(火)~3月3日(月)、池袋三越でお会いいたしましょう。

好評裏に終了!ありがとうございました!!

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広辞苑に載っている?「鬼ころし」

2008-02-19 09:42:13 | 酒の催事等ご案内(自社物件も違うのも)
昨日の「お風呂に入れるお酒」で、高いのは嫌だよな、と思い出したのはパック入りの「鬼殺し」。
いろいろなメーカーから出ており、値段もパック入りの激安のものから、そこそこのお値段の超辛口酒まで色々あります。

ちょっと見てみると、鬼ごろしと濁点がつくものと、鬼ころしと濁点のないものがあるようです。
(ちなみに、googleでは「鬼ごろし」は57,700件、「鬼ころし」は26,100件でした)。

漢字の読み的には「ごろし」だけど、ひらがなで書くなら「ころし」だよな、と思って、あるとは思わず広辞苑を引いたら、ちゃんと載っていました。

鬼ころし:
 辛くて強い酒。また、きつくて悪酔いをする酒。俚言集覧「鬼殺し、酒名、粗悪なる酒をいふ、また、おによけともいゆ」。


広辞苑に出ているとは思いませんでしたし、その元は恐らくここで引かれている俚言集覧。これは江戸時代の方言、俗語、俗諺を集めたいわゆる明治当時の(江戸の)古語辞典です。

いやぁ、奥深いんですね。
調子に乗って、外国の記事とかを検索すると、、、
Onikoroshi means "the Demon Slayer,"とか、
"long ago the Japanese used the term Onikoroshi for a sake that was so bad, it would kill a demon."
とかなっていました。

でも、今では良い「鬼ころし」も沢山ありますよ、と一言弁護して、今日はおしまい。

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お風呂酒

2008-02-18 13:03:01 | 酒の情報(酒エトセトラ)
東京マラソンの後は、お風呂で疲労回復。
そんな酒なお風呂に「お風呂酒」というのがあり。

花見酒、雪見酒、の類ではありません。お風呂に入れる、入浴剤としてのお酒。お風呂に入ってお酒を飲むのは危険ですが、こちらは健康によいようです。

古くは野球選手(「鉄人」衣笠か誰か)が、治療も兼ねやっていたというのを聞いたことがあります。「糖分が多いと良くないので一級酒」とか耳にしたことも。

超大手の蔵元「白鹿」さんのHPにもお試し記事が出ていました。


問屋からすると「やっぱ、飲むものでしょう」といいたくもなりますが、ちょっと気になるものでもあります。



基本的にはお風呂にお酒を入れるだけ、その量は、いろいろあるようですが、
例1:5合(900ml)を浴槽に
例2:0.02%
例3:浴槽に日本酒をコップ3杯前後入れる
例4:専用のお酒(10度以上11度未満、350mlボトル)一本を浴槽に
例5:日本酒(純米酒が理想的)を3~4合(540ml~720ml)程

例2だけ濃度表現となっていますが、浴槽の容積を200リットル(=200,000ml)とすると濃度0.02%は200,000×0.02×0.01=40mlのアルコール。日本酒の濃度を16%として、250mlの日本酒に相当します。
つまり、1合~5合位をいれる、ということになっています。

ネット上で見てみると、実際に入浴用として販売されているものもあるようですし、効能などはこれらを見て頂くこととして、ここではオカネまわりのお話。

社団法人中小企業研究センターによれば、日本酒の市場規模は小売段階で8,000億円弱。世帯数を5,000万とすると、世帯あたり年間16,000円となります。

激安パック酒の価格を1升1,000円として、2合ずつ浴槽に入れるとすると、5回分となります。仮に「全世帯が月に一回、酒風呂に入る」とすると、年間では12回、2,400円の支出に。全国では1,200億円。つまり、現在の日本酒の市場規模の15%にも上ります。

これって、すごい!と思ったのですが、もう少し調べてみると、現在の入浴剤の市場規模でも500億とか数百億程度らしいです。これからするとお風呂酒の市場規模は1,200億円ちょっと欲張りすぎかもしれませんが、逆に言えば、入浴剤の市場には脅威になるのかな?

と、お風呂に入りながら、考えました。

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漱石と飯田橋、そして路面電車

2008-02-16 12:46:50 | 神楽坂とインテリジェントロビーの徒然
現在はどうか知りませんが、高校生の愛読書として上位にランクされていたのが夏目漱石の「それから」でした。

その「それから」の舞台になっているのが弊社の本拠地、飯田橋・神楽坂です。

小説の最後の場面もここ、飯田橋です。
「それから」はモチーフやストーリーも去ることながら、それぞれのシーンに本当にいろいろなものが込められています。
この半ページ足らずの最終場面はその典型で、主人公代助のこれまでの生活、そしてこの先の運命を、幻想的に暗示、いや、より大きな幻想に連れ込んでいく、恐るべき締めくくりだと思います。

 飯田橋へ来て電車に乗つた。電車は真直に走り出した。代助は車のなかで、「あゝ動く。世の中が動く」と傍の人に聞える様に云つた。彼の頭は電車の速力を以て回転し出した。回転するに従つて火の様に焙つて来た。是で半日乗り続けたら焼き尽す事が出来るだらうと思つた。
 忽ち赤い郵便筒が眼に付いた。すると其赤い色が忽ち代助の頭の中に飛び込んで、くるくると回転し始めた。傘屋の看板に、赤い蝙蝠傘を四つ重ねて高く釣るしてあつた。傘の色が、又代助の頭に飛び込んで、くるくると渦を捲いた。四つ角に、大きい真赤な風船玉を売つてるものがあつた。電車が急に角を曲るとき、風船玉は追懸て来て、代助の頭に飛び付いた。小包郵便を載せた赤い車がはつと電車と摺れ違ふとき、又代助の頭の中に吸ひ込まれた。烟草屋の暖簾が赤かつた。売出しの旗も赤かつた。電柱が赤かつた。赤ペンキの看板がそれから、それへと続いた。仕舞には世の中が真赤になつた。さうして、代助の頭を中心としてくるりくるりと焔の息を吹いて回転した。代助は自分の頭が焼け尽きる迄電車に乗つて行かうと決心した。


代助が飯田橋から乗った電車は路面電車でしょう。ここ飯田橋は古くから交通の要衝で、こんな感じで路面電車が走っていました。


さて、この「それから」の出版は1909年。そこから世紀を経た2008年の明日、代助の乗った路面電車と同じルートをたどるのが、第2回東京マラソンです。
新宿から靖国通り、外堀通りを経由し5km地点(給水所)の飯田橋。そして写真の弊社前(移転前、現在は銀行になっています)を通りすぎたところで、ランナーは大きく右に曲がり目白通りに入り、皇居・内堀へ向うことになります。

昔だったら斗樽でお酒を振る舞ったところでしょうが、やはりマラソンですから飲酒運転は禁物。フィニッシュの後で、乾杯といきましょう。

それでは、ランナーの皆さん、お互いに頑張りましょう!!

--写真は三丁目の夕日、の頃の弊社前写真

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カルドラ(caldora) トレッビアーノ・ダブルッツォ

2008-02-15 10:46:31 | 酒のご紹介
自宅での夕食。
メニューを聞いて、そそくさと地下のワインセラーに行って、ワインを選ぶ

なんてことは、あるわけありません(そもそもマンション暮らしだし)。
その日にストックされているワインをテキトーに合わせる、くらいです。

では、カニクリームコロッケには?

結構こってりしているのでちょっと悩みましたが、やっぱり白かな?
フレッシュなものということで、トレッビアーノ(Trebbiano)です。
カルドラ(Caldora) トレッビアーノ・ダブルッツォ 2005

イタリア中部、アドリア海に面したアブルッツォ州の白ワインです。
トレッビアーノ(Trebbiano)は、イタリアで最もポピュラーな白ぶどうの一つなですが、世の中の扱いは結構冷たいようで、ワイン本の中でも代表的な品種として記載されていることは滅多になく、記載があったとしてもデイリーワインを造るための品種、的な扱いです。

確かに、このカルドラ社のトレッビアーノ・ダブルッツォも希望小売価格は1,107円と、デイリーワインの価格帯ですが、実はスゴいワインです。

春、暖かくなってきた頃に咲く白い花の香り、ほのかな甘さがカニの甘さを引き立てます。
そしてクリームコロッケ(ゆで卵が入っているのも特徴です)のこってり感とも見合う、しっかりとした旨み、キレの良い酸で余韻もさっぱり感。

インターネットで調べてみたら、Wine Spectatorのratingでは87点とナカナカです。
また、雑誌ヴィノテークでも、田崎真也さんが「香りは快適で、黄色いリンゴ、花梨、葡萄の花、ほの かに蜂蜜、ミネラル香が調和。味わいはまろやかでエレ ガントでバランスが良く、余韻はフレッシュ。コストパフォーマンスには特に優れている」とコメントされているようです。

自宅や街の気軽なイタリアンにピッタリです。地域の酒販店さんにも良い思うんだけどなぁ。

この価格帯のワインですと、新世界ワインでは「代表的品種+強い樽香」というイメージもあるのですが、対してイタリアワインは個性のある、面白いものが多いように感じます。いろいろと試してみたいものです。

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江戸奉公人の心得帖~呉服商白木屋の日常(新潮新書242)

2008-02-14 09:49:06 | 酒の催事等ご案内(自社物件も違うのも)
何年か前の新書発刊ブームの中で新潮社が新潮選書を発刊した際、まずベストセラーになったのが、武士の金銭出納簿から幕末の暮らしを再現した「武士の家計簿」でした。

その新潮社から?匹目のどじょうです。

油井宏子(2007):江戸奉公人の心得帖~呉服商白木屋の日常(新潮新書242)、新潮社、206p.

江戸時代の大呉服商「白木屋」の日本橋店(にほんばしだな)に伝わってきた文書-就業の心得等-から、商売の様子や奉公人の生活を描いたものです。

職場と住所がはっきりしている客は上得意になる条件とか客の筆跡を覚えるようになど、現代でも通ずるものがそこかしこに。

副題が「呉服商」白木屋の、と呉服商が前に付いているのは、最近の人だと居酒屋の白木屋を思い浮かべるからでしょうか。


さて、その中で、お酒に関するものの抜書き。

30歳を超えないと飲酒は禁止。
厳しい!ですが、別の文書には若い衆の酒肴代やらなんやらの記載があるようで、本当に禁酒ではなかったようです。

お酒は「丸屋」という隠語で呼ばれていた。
「お客様へ丸屋をお出しする時に、奉公人たちに不行儀があってはいけない」などと使われていたようです。

酒席で上役は年若い奉公人たちへ軽々しい冗談を言ったりしてはいけない。
はい、気をつけます。

お客様には、自分は下戸だと言って飲まないほうがよい
それができれば苦労しませんが、、

山王祭の時には店を閉じ、顧客を招いて午前十時頃から酒肴を出す。長時間飲んでいる間にお客様も店の者たちも「大なまよひ(大生酔い)」になる
いや、豪勢です。

原典の古文書をあたれば、お酒の銘柄とかも出てくるのでしょうか。
実際に見てみたいものです。

ところで、白木屋といえば白木屋名水
日本橋東急にはそれらしき(あるいはそれを模した)水がちょろちょろ流れているのがありましたが、再開発でどうなってしまったのでしょうか。

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飲酒運転の地域性

2008-02-13 09:37:27 | 酒の情報(酒エトセトラ)
連休明け、またか!まさか?の議員さんの酒気帯び運転のニュースです。

議員辞職は当然ですが、なぜそんなリスクを背負ってまで?
タクシーの捕まらない地域ならともかく、なぜ東京都心で?と、思ってしまうのは私だけではないでしょう。

そこで、飲酒運転の地域性。昨年の数値は出揃ったかどうか、という段階なので2005年のデータです。
(日経に出ていたものです。日経さんは引用には厳しいのですが、ブログなのでお目こぼしを、、、、)

指標は16歳以上人口1000人あたり年間飲酒運転取締件数
全国平均は1.30件。これを多いと見るか少ないと見るかは微妙なところですが、案外いるもんだな(捕まっているもんだな)と思います。

最も少ないのはやはり東京都で0.73件。全国平均の半分強です。奈良県(0.80件)、岐阜県・福井県(0.83件)がこれに続きます。

他方、ワーストは沖縄県で8.81件ワースト2の山梨県(3.03件)、三位の三重県(2.06件)をはるかに引き離しています。

東京が少ないこと、沖縄が多いことなどは、しばしば公共交通機関の発達度合いとそれに関連したマイカー依存度で説明されます。
また、ガソリン価格(沖縄には軽減措置があります)との関係を指摘する向きもありますが、これは因果関係がちょっと不明確。
また、沖縄では泡盛の税金が安い(これも軽減措置が取られている)から、という議論もありますが、そもそも沖縄の地域性は本土とは異なるのでしょう。

むしろ、ワースト2,3の山梨や三重などが気になります。
山梨などは確かに地形的にも公共交通機関が少なさそうですが、三重などは私鉄もあるし、必ずしもこの仮説だけでは説明できなさそう。
ちょっと、調べてみましょう。

でも、理由も何も、飲酒運転は×です。

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