牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

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お屠蘇がわりにペドロ・ヒメネス(デザートワイン)

2008-01-02 12:13:47 | 酒のご紹介
年末・年始とカテゴリー「その他」の記事が続いたので、ここらで本流筋(?)のお酒のご紹介。
と、いっても、一応お正月にちなみ、「お屠蘇がわりのペドロ・ヒメネス」です。

昨日も書きましたが、お屠蘇というのは屠蘇散の薬効もふまえた健康長寿を願うもの。その意味ではお屠蘇はお屠蘇でなくてはならないのですが、そこは日本のお家芸とでも言うべき換骨奪胎、「甘い」つながりで「ペドロ・ヒメネス」を頂いています。

Alvear Pedro Ximenez Solera 1927
(アルベアール ペドロ・ヒメネス ソレラ1927)


その名のとおり、アルベアール社の、ペドロ・ヒメネス種のぶどうから作られた、シェリー・タイプの極甘デザートワインです。
シェリー・「タイプ」というのは、シェリー同様のソレラ・システムで、かつ酒精強化して作られているものの、産地(アンダルシア地方の「Montilla=モンティーリャ」)上、シェリーとは呼ばないため。

なお、この「モンティーリャ」はアモンティリャード(モンティーリャ・スタイルのという意味)の語源でもあり、その意味で、ヘレス(シェリー)に優るとも劣らない、重要な産地です。

干し葡萄、バニラ、焦がしたカラメル、、、これらの入り混じった濃厚な甘さと、高い粘度。貴腐ワインを煮詰めたようなコクのあるデザートワインです。

インターネット上の情報では、かのパーカー・ポイントで96点ということもあったそうです。まあ、それもわかる気がします。

さて、このワイン、別の意味で弊社にとって特別なワインです。
それはワイン名にもなっている「ソレラ1927」。
ソレラはシェリー独特の製法「ソレラシステム」の意味で、熟成した古い樽から比較的新しい樽まで、いくつもの樽を年代順に並べ、「最も古い樽から瓶詰めし」「瓶詰めして減った分を2番目に古い樽から最も古い樽に注ぎ足し」「さらに2番目に古い樽が減った分を3番目に古い樽から注ぎ足し」と、熟成とブレンドを繰り返すシステムのことです。
(泡盛にも同様のシステムがあります)。

「ソレラ1927」とは、最も古い樽が1927年の樽ということですが、この1927年は弊社の会社組織設立年。
以降、メンバーは変わりながらも、「いい酒の卸」というその心意気はソレラシステムのように先輩から後輩に受け継がれ、現在まで伝わってきています。
単なる化石、あるいは懐古趣味ではなく、都度その時代の「新しい樽」からの注ぎ足しを行いつつ、歩んでいく。

このデザートワインを味わいながら、そんな気持ちを新たに致しました。

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