Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 5

2019-06-29 23:44:43 | 古伊万里
 古伊万里に興味を持ってから20年以上が経ちますが、今回紹介する品は古伊万里収集の中で
大きな転換点となった品で、この品を入手しなければ古伊万里収集はとっくに止めていた思える品です。

「元禄長崎立ち枝垂れ桜茶碗」
口径が10.5cmほどの中期の色絵蓋付き茶碗です。


染錦手の茶碗で、薄く成形されており上品な絵付けで枝垂れ桜が描かれています


実の内側、さらに蓋の内側にも丁寧な絵付けで枝垂れ桜が絵付けされています


ヤフオクの落札品ですが、この品を出品していたのは神戸の有名業者さんで、あまり聞きなれない
「元禄長崎立ち」については、この業者さんの独自の表現だったのかも知れません。

ではなぜこの品がワタシの収集歴の中で大きな転換点となったかというと
この品を購入した当時(2004年)、taimei氏が運営する「古伊万里に魅せられて」というサイトがあり
ネットにおける古伊万里好きのサロンのような役割を果たしている人気のサイトでした。

この「古伊万里に魅せられて」の中に「こんな逸品いかがでしょうか」というコーナーがあり
このサイトに集う古伊万里愛好者が、サイト運営者のtaimei氏に自分の収集品の画像を送り
このコーナーで取り上げてもらい、サイトに集う人たちが掲示板で逸品に対するコメントを寄せるという趣旨のものでした。
当時、真贋はおろか時代による様式の違いさえ判らない素人同然だったワタシは、無謀にもこの「枝垂れ桜茶碗」をコーナーに投稿
taimei氏に取り上げてもらうこととなりました。
このコーナーで多くの古伊万里コレクターの皆様にコメントをいただき、これがきっかけとなり古伊万里に深入りすることになった訳です。



その後まもなくして、この伝説的なサイトはtaimei氏の事情により終了してしまいましたが
ネットにおける古伊万里というジャンルの偉大なる先達として、ずっと記憶されるべきサイトであったと思います。




文学の散歩道 1

2019-06-28 20:33:58 | 散歩
散歩シリーズの最初の方でも紹介しましたが、日和山公園には「文学の散歩道」があります
これは酒田を訪れた文化人の文学碑を集めたもので、市制50周年を記念して昭和59年に作られたものです。(古くはない・・・)
さすがに全部は無理(というかワタシの知らない人もいますので)ですが、その中のいくつかを紹介したいと思います

まずは案内板から


井上靖「氷壁」の一部分ですね


松尾芭蕉


東宮殿下 
昭和天皇が皇太子時代の大正14年に来県、その時の最上川の印象を翌大正15年の歌会始でよまれたのがこの歌で
山形県の県民歌となっています。


若山牧水


お馴染みの山形県出身の歌人、斎藤茂吉


本日の最後は画家で俳人の与謝蕪村です






古伊万里(未発表)1

2019-06-28 13:13:50 | 古伊万里
未発表などと称していますが、何のことはない今までHPやブログで掲載したことのない品を紹介するだけのことです
既発表の品は随時「回想の古伊万里」として紹介しますが、未発表の品は2~3ヶ月に一回のペースになると思います。

という訳で第一回の品は、「染付波に桜文輪花六寸皿」です


濃い染付けと薄濃みを併用したとても発色のよい品で、五弁花も極めて丁寧に描かれており
一般的に元禄藍柿などと称して売られているように思いますが、藍柿にはいま一歩かなという感じもします。
波文もなかなか細かい筆致で描かれており、中期の上手の品であることは間違いなさそうです


こういった様式の品は中期の品でそこそこ見かけますが、より上手の品だと、「古人」や「車輪福」の
落款が入っているように感じますが、この品の場合は一般的な「大明成化年製」です。


特別に上手な品ではないかも知れませんが、涼しげな雰囲気がいい感じの品だと思います。


スカシジャノメ 2種

2019-06-23 23:04:08 | 
ワタシらの世代は子供の頃に昆虫採集の好きな人が多かったように思いますが
近頃の子供は虫嫌いが多いとか。
そんな子供時代の思いが復活した結果、ここ何年か蝶の標本(主に南米の)を収集しましたが
何せ蝶の標本は実に繊細な代物で、保管に気を使いますし、ちょっと触れると粉々に、なんとこともあるもんで
がさつなワタシの性格には向いていないようで、現在は収集をストップしています。

以前のブログでも紹介していますが、コチラでは初お目見えということで
ワタシの大好きな「スカシジャノメ」を2種類紹介します。

一頭目は「ムラサキスカシジャノメ」(学名Cithaerias andromeda andromeda)です
翅を広げても45ミリ程度の小さな蝶で、最大の特徴は透明な翅を持っていることで、ガラス細工のような可憐な美しさがあります


この「ムラサキスカシジャノメ」はここ20年ほど個体数が減少し絶滅に近い状態らしく
この標本は1980年代のものです。スカシジャノメの仲間では最も入手しにくい種類かも知れません。

続いては「ルリモンスカシジャノメ」(学名Cithaerias andromeda esmeralda)
学名を見ると判りますが、ムラサキスカシジャノメは「アンドロメダ・アンドロメダ」で
ルリモンスカシジャノメは「アンドロメダ・エスメラルダ」ですので、同じ種に属しているのが判ります


こちらも翅を広げても40ミリそこらの小さな蝶です
ムラサキスカシジャノメのように絶滅状態ということは無いように思いますが、流通量は少ないようです



酒田をちょっと散歩 13

2019-06-23 12:40:08 | 散歩
 散歩シリーズ13回目です
今回も駅の近くをちょっとだけ歩きます

まずは駅から歩いて数分のところにある「清亀園」です

酒田では本間家と並び称せられた大地主、伊藤四郎衛門家が明治24年に別荘として建てたものですが、酒田市民でも意外に知りません



狩野派の絵のような曲がった(曲げた?)松



清亀園を出て西へ向い、さらに右に曲がって少し行くと元禄時代創業の老舗、「平野ローソク店」があります
コチラにはこのお店で人気のフラワーボールが紹介されています。


平野ローソク店の前を北に向かうと、「上日枝神社」が右側にあります

日和山にも「日枝神社」があり「下の山王さん」と呼ばれていますが、こちらは通称「上の山王さん」と呼ばれます
この雰囲気は個人的に好きです

けっこう絵になる社殿ですね