Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 149(雲間に鳥文七寸皿)

2021-08-31 20:53:45 | 古伊万里
 収集を伴う趣味ではどんなジャンルでも共通しているとは思いますが、ある段階から「良い品」だけに目が行くようになると思います
とは言え、良い品は経済的な価値も高い訳で、限られた予算を駆使する貧乏コレクターとしては、「ま、いいか」的な品も購入することになります。
今回の品は、ウチにある品の中ではわりと近年の入手なんですが、購入理由は「予算に見合った安い値段だったから」だったりします。
「雲間に鳥文七寸皿」
中期末の天明~寛政期と思われる品で、縁はちょっとだけ手が掛かった成形になっています
文様としては比較的凡庸で、絵付けも中期古伊万里のような上手さはなく、やはり国内向けの量産品といった感じなんでしょうか
鳥文はそれらしく描いていますが、けっして上手いとは言えませんね

左上の方には山水文のような東屋が描かれています
裏面は簡略化された七宝文のようなものが描かれていますが、これは悪くないように思います。
この品の問題点は、焼成時に見込み部分がへたったようで、見込みが下がっている点でありまして、故に安く買えた(元々安いが)品ではあります。
このあたりの時代の伊万里は、値段の下がった現在では、数が揃えば生活骨董というジャンルになるのかも知れませんが
元々が食器であることを思えば、それは正しいのかも知れませんね。


三崎公園へ行く

2021-08-29 19:15:39 | 散歩
 酒田市内も中学校や高校で新型コロナのクラスターが発生したりと、外出には多少気を遣う状況になりつつありますが
とりあえず今日は天気が良かったので、山形県と秋田県の県境にある三崎公園へ行ってきました。

三崎公園は南半分が山形県(遊佐町)で、北半分は秋田県(にかほ市)になっており、不動、大師、観音の三つの三崎があることから命名されたと言われています。
山形県側の駐車場から遊歩道を歩きだします

左を見ると日本海の白波が見えます

ここは鳥海山の噴火によって形成されていますので、荒々しい岩場になっています
遊歩道の途中にはこんな奇岩もあります

奇岩を通り過ぎて振り返ると、不動崎が見えます
岩場は荒々しいですが、日本海は夏の色をしています
灯台のある大師崎へ向かう遊歩道は結構な登りになっています
大師崎からさらに進むと、観音崎が見えてきます

ここは入江のようになっています
さらに進むと、やはり遊歩道の横には火山噴火による巨岩があります
観音崎へ進まず、途中から右へ進むと、三崎山旧街道の入口へ出ます(この辺りは秋田県)

今回はこの旧街道はパスして山形県側へ戻るために国道7号線に出ます

すると、ここが県境であることを示す遊佐町の看板があります
県境からすぐの所には、戊辰戦争の戦没者の顕彰碑が国道沿いにあります

この近辺は「新奥の細道」と称して、7kmを越える遊歩道が整備してありますので、いずれ歩いてみたいと思います。
ちなみに駐車場にいる↓のおばさんは、秋田では超有名な「ババヘラアイス」を売っているおばさんです。

「ババヘラアイス」はこのような路上販売が基本で、中高年の女性(ババ)が金属製のヘラでコーンに盛り付けることから、「ババヘラアイス」と呼ばれるようになったとか。
最近は販路が拡大しており、通販や地場のスーパーでも買えます。
秋田の風物詩のような光景ではあります。

回想の古伊万里 148(染付椿文小皿)

2021-08-27 11:43:03 | 古伊万里
 古伊万里の在庫が僅少ということで、このところパッとしない品が続きましたが、あちこち探したら、もう一枚だけ古手の品がありました
小皿ではありますが、見どころのある品なので紹介したいと思います。
「染付椿文小皿」(1670~80年代)
お皿全体で椿の花を表現した、大胆でありながら和様のデザインの小皿です
四寸半サイズの小皿ながら、存在感は十分で、小皿としては優品と呼んでも良いように思います。
薄手のシャープな成形で、見込み周囲の葉の部分は単なる絵付けではなく、葉の形に陽刻された上から絵付けされています
見込み部分の椿の花は典型的な描き方で特に特長はありませんが、この部分を薄濃みにすることで、葉の部分と対比させているように感じます
裏文様も寛文~延宝期に見られる、ちょっと個性的なもので、この辺りも魅力の一端であることは確かでしょうか。
ワタシの記憶が正しければ、この品を購入したのは2007年で、栃木県今市市(現在は日光市)の業者さんのHPで発見し、迷わず購入を申し込んだものでした。
この品と同手の品は、「別冊太陽 染付の粋」の67頁に掲載されていますが
確か古伊万里の大師匠であるDr.kさんも同じ品を所有していたような気がします。

回想の古伊万里 147(芙蓉手鳥文五寸皿)

2021-08-23 20:58:08 | 古伊万里
 ウチの古伊万里は在庫僅少でありまして、もはやショボい品しか残っていませんが、とりあえず記録として残すべく全品紹介したいと思います。

さて、古伊万里の世界は奥が深く、専門書や図録、あるいは美術館で勉強、さらに自分で購入しても、判らないことばかりです
それでも判らないなりに身銭を切って購入、結果はハズレというのも、ある意味では骨董の醍醐味なのかも知れません。
「芙蓉手鳥文五寸皿」

一見すると初期に近い品のような印象を受ける小皿で、あまり芳しくない染付の発色と相まって、妙に古格のある品に見えます
絵付け自体もそれとなく初期に近いように感じられます
さらに困ったことには高台の一部には砂が付着しており、落款は角福です。
おおっ!、これは初期に近い古い品では、と思い込んだのは十数年前のワタシであることは言うまでもありません。

さてこの品はどんな素性の品なんでありましょうか?
購入してから何年か経ち、骨董市等で現物の古伊万里を見るようになったから思ったのは
これは中期末あたりの波佐見系の品で、「くらわんか」であろうという点です
発色、絵付け、土の感じ、砂の付いた高台、多くの点で「くらわんか」の特長が感じられます。
今なら早い段階でこういった結論にたどり着けたと思いますが、何せ当時はまだまだ初心者
しかも、初期の本物は手にしたことがなく、「くらわんか」は故意に嫌っていましたので、まともな判断が出来ようはずもありません。
骨董に思い込みと偏見は、大きな障害になるのは確かのようです。

回想の古伊万里 146(印判手孔雀牡丹文大皿)

2021-08-20 21:25:49 | 古伊万里
「回想の古伊万里」シリーズで紹介していますが、今回の品は古伊万里ではなく近世の品で、しかも伊万里かどうかも判りません
正直なところ、明治以降から昭和あたりの伊万里については全く知識がありませんので、まともな紹介ができない品ではあります。
「印判手孔雀牡丹文大皿」

孔雀と牡丹が印判で絵付けされた大皿で、ウチにあるお皿の中で最大サイズである一尺五寸(45cm)サイズのお皿です
この品は今から20年以上前にワタシが初めてヤフオクで落札した品で、売りに出していたのは京都の呉服屋さんでした
こんな時代のないお皿でも当時は一万円近いお値段でした
孔雀はそこそこ細かく描写されています
裏面と土の感じからは明治以降の伊万里という雰囲気はしますが、何せ知識が不足しており何とも言えません
このお皿、45cmもあるが故に収納場所がなく、結果的にこの20年以上、ウチの床の間に鎮座しております。
さて、孔雀なんでありますが、実は今から十年ほど前にウチの近くの墓地に、どっかから逃げて来た孔雀が住み着いておりました
次の二枚の画像は、ウチの姉がこの孔雀を撮影したものです。
羽を広げてはいませんが、雰囲気は判るでしょうか
この孔雀はその後、近くの民家のベランダで飼われるようになったようですが、その後亡くなったようです。