Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 136(染付柘榴文深皿)

2021-06-29 23:27:13 | 古伊万里
 酒田でも昔はそれなりに骨董市や一般向け入札会があったんですが、コロナの影響以前に骨董屋さんとしてはあまり商売にならないようで
ここ何年も地元の骨董市で伊万里を購入していません。(そもそも田舎では良い品に出会えない)
今回の品は今から十数年前、地元の骨董市で同じ県内の新庄市の業者さんから購入した品です。
「染付柘榴文深皿」
四寸サイズの品で、見込みに大きく吉祥文である柘榴が描かれており、絵付けの感じからは中期末~後期といった印象を受けます

柘榴のあの「酸っぱい実」がリアルに沢山描かれており、この辺りがこの品の魅力かも知れません
側面にも唐草が描かれていますが、見込み部分と違い黒っぽい発色になっており、描き方も含めやはり時代が下がるという印象です。

落款は一般的な「大明成化年製」
傷物でニュウが見られ、しかも良くて中期末ということですので、現在なら安く買えると思いますが、当時は7~8千円で売られていた記憶があります。

ついでながら、ワタシは酸っぱい物が大好きで、子供の頃に食べた(近所に植えてあった)柘榴の酸っぱさが忘れられません
ところが、輸入ザクロは酸っぱくないんですね、ワタシ個人の感覚では「酸っぱくないザクロはザクロではない」と思っています。(余談ですね)


回想の古伊万里 135(染錦花籠文八角皿)

2021-06-27 20:06:11 | 古伊万里
 伊万里を収集し始めた頃(20年以上前)は、元禄を中心とする江戸中期の色絵皿は値段が高く、簡単には入手できませんでした
里帰り伊万里や元禄期の染錦などは憧れの品であったように思います。
そんな中、20年程前に神戸の業者さんから購入したのが、今回の品です
「染錦花籠文八角皿」

見込み中央には中期の定番である花籠文が描かれ、その周囲に四つの窓絵を配した、22cmほどのお皿です。

まずもって目立つのは、窓絵の周囲を濃い染付で塗りつぶしている点で、正直あまり上手いとは言えませんが
その上から金彩でなにか良く判らない文様が描かれており、金彩のスレもほとんどなく、状態はかなり良いように思います
縁の部分も金彩が施されています
業者さんは「元禄期の染錦手」として売っていましたが、伊万里をある程度勉強すると、この品がもっと時代の下がる品に思えてきました。

裏面は元禄期のこののお皿によく見られる典型的なものですが、表を見ると明らかに元禄期の華やかさがありません
江戸後期の元禄写しとは違いますので、恐らくは享保~宝暦期に作られた品なのでは、というのがたどり着いた結論でした。


月光川ダムへ行く

2021-06-25 19:00:01 | 日記
 今日は天気が良かったので、遊佐町の月光川ダムへ行ってきました
ウチからの距離は20数キロですんで、以前に紹介した田沢川ダムとさほど変わりませんが
月光川ダムは治水ダムで、鳥海山を源とする月光川の氾濫を防ぐために昭和53年に完成しています。
ダムへ向かうと赤い橋が目に入ってきますが、これが月光川大橋で、このダムのシンボルとも言うべき存在です
この橋の手前は遊佐町吉出地区で、橋を渡ると同じ遊佐町の杉沢地区になっていますが、ダムの住所は杉沢地区になっています
ダムはこんな感じです
このダムはコンクリートとロックフィル(石材のことらしいです)の二つ材料で作られており、このタイプは県内初だったようです

画像では判りにくいですが、月光川は鮭が遡上する清流ですので、水はかなり綺麗です
ここから見る鳥海山は酒田から見るのとは全く違った姿をしています
今年の四月に橋の向こう側の杉沢地区を走った時の動画をyoutubeにUPしましたので、ヒマな方はご覧ください。(別に面白くありません)


回想の古伊万里 134(大聖寺色絵小皿)

2021-06-21 21:38:36 | 古伊万里
ウチの古伊万里も底をついておりまして、とりあえず看板に偽りありを承知で大聖寺の小皿を紹介します。
「大聖寺色絵小皿」
よく見かける、どこから見ても大聖寺といった感じの四寸皿です
この手の大聖寺の本歌は勿論、元禄期の伊万里(献上手とか呼ばれる)ですが、江戸後期の伊万里にも同様の元禄写しが存在しますので
写しの写し(?)とでも言いたい品ではあります。
落款はこの手の大聖寺の典型である「奇玉宝鼎之珍」(通称「埼玉県の宝」)で、この手でも良い品だと表と打抜きになっていますが
このような量産品は裏面は手抜きの唐草です。
注目すべきは高台の部分で、大聖寺の特長としてよく知られる斜め切りされた高台になっています。
また、伊万里とは明らかに違うザラついた土の品もよく見られます。
唐草部分のUPですが、描き方に特長があるのと、染付の発色も特徴的な色をしているように感じます。(少なくともワタシは)
この手の品は昔は「江戸後期」として売っている業者が結構いましたが、明治中期~大正あたりの品だ、と業者さんに聞いたことがあります

この品は今から20年以上前、初期のヤフオクで購入した品なんですが、扱っていたは東京の業者さん(早い時期からネット販売を手掛けており、良い品が掲載されていた)
ですが、まるで当然のように「伊万里」として販売していました。
ま~、買う方も陶磁器初心者ですんで、伊万里も大聖寺もワカランという状況だったのは確かです。
今なら「これを伊万里として買うなんてアホ」とか言われそうですが、何事も身銭を切って勉強ということでしょうか。


旧青山本邸の展示物

2021-06-20 20:38:42 | 散歩
遊佐町にある「にしん御殿」こと旧青山本邸の内部については、先月のブログで紹介しましたが、今回は展示物の一部を紹介したいと思います
何分にもワタシの専門外の品ばかりですので、詳細はわかりません。

まずは明治伊万里(?)と思われるニ尺サイズの大皿と、北海タモという銘木ですが、皿がおいてある台も気になりますね。
続いては錦手の鉢ですが、明治伊万里だとは思いますが、九谷の可能性もあるでしょうか
鼈甲のかんざし類
李白の詩が書かれた螺鈿の台(ガラスケース越しなのでうまく撮れない)

こちらも螺鈿の台ですが、後ろの方には金蒔絵のお道具が・・・
甲冑と刀剣
馬具と何かの装束(ワカラン・・・)
半纏と船箪笥

錦絵の張られた屏風

これはかなり珍しく凝った造りの「外枠・車付帳面箪笥」
戦前の「市民体操図解」
最期に、これは外に転がっていたガラスの浮き球、昔、骨董市で売られていたのを見た覚えがあります
これらの多くは青山留吉氏が収集したり実際に使用したもののようです