Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 108(染付草花文五寸皿)

2021-01-28 21:34:03 | 古伊万里
このところ古九谷様式の色絵小皿を続けて紹介してきましたが、残念ながら品切れですので
今回は似たような時代の染付小皿を紹介したいと思います。
「染付草花文五寸皿」
余白を大きく取り、右側に寄せて草花文(?)を大胆な筆致で描いた五寸皿です
全体のイメージとしては寛文期の藍九谷なんですが、成形や余白の取り方などは延宝期の柿右衛門様式の要素も感じられますが
染付のグラデーションは盛期(延宝期)の伊万里のようではありませんので、やはり寛文末期の品といった感じでしょうか。

この品の魅力のひとつが、この大胆かつ勢いのある筆致の草花文で、見ようによっては
現代の陶芸作家が絵付けしたと言っても信じてしまうような気がします。
落款は一般的な「大明成化年製」
裏面から見ると厳しくシャープな成形が見てとれますし、裏文様も変わっています。
この帯のような模様は先端の部分を見ると何であるかが判ります

そうなんです、この帯のような文様は葉で、その中から茎が伸びて花が咲いています。
江戸時代の人のセンスには驚かされますね。
購入したのは今から15年程前ですから、ウチの品としては古手の部類でしょうか。

回想の古伊万里 107(色絵竜田川に鳳凰五寸皿)

2021-01-23 23:32:27 | 古伊万里
 このところ、ウチの残り少ないコレクションの中から古手の品を紹介していますが、いずれもコンディションがイマイチなのが共通点だったりします。

そんな訳で、今回も寛文期の色絵皿(もちろん状態はそれなり)を紹介したいと思います。
「色絵竜田川に鳳凰五寸皿」

この品を古九谷様式と呼ぶかどうかは微妙な部分もありますが、間違いなく寛文期の色絵五寸皿です。見込みの周囲に二重圏線を描き
その中を緑で塗り、さらにいたずら書きのような線が描かれています。
実はこの部分は釉剥ぎされており、この品が重ね焼きされた品であることが判ります。初期赤絵や初期柿右衛門と呼ばれる小皿にこういった品が見られ
この品も古九谷というよりは過渡期的な様式の品なのかも知れません。

見込み中央には竜田川文が描かれていますが、紅葉が一枚だけというのはなかなかで、黄色と緑と紫だけの三彩手というのもシブいかも知れません。
とはいえ、見込み部分は釉薬がややカセて光沢が失われており、イマイチな状態ではあります。
落款はなく裏文様のない裏白、そして厳しい高台ということで、典型的な寛文期の品の特徴を備えています。
表の絵付けはともかく、個人的にはこの厳しい手の切れそうな高台に魅せられてしまったことは確かです。



回想の古伊万里 106(色絵古九谷松竹鳥文小皿)

2021-01-20 21:31:41 | 古伊万里
前々回に紹介した南京手古九谷の時も書いたように、ウチには色絵古九谷はわずかしかありません
とは言え、確かもう一つくらいあったはずと思い、ゴソゴソ探し出してきたのが今回の小皿です。
「色絵古九谷松竹鳥文小皿」

直径13.5cmほどの小皿で、正直なところ状態は良くありません
色絵がスレていたり釉薬がカセている部分があったりと、ま~貧乏コレクターならではの品ではあります。(参考品ですね)
見込み部分には黄、紫、緑で松竹文と鳥が描かれていますが、面白いのは縁の部分の文様で
青、緑、紫を使って、ゆらゆらとした文様が描かれています。
染付の品でこういった縁文様を持つ品は見かけますが、色絵の品はあまり作例が多くないのでは?、と勝手に考えています
古九谷様式では良く使われる特徴的な「赤」が使われておらず、五彩手ならぬ
四彩手ということで、華やかさはありませんね。
鳥文はなかなかの出来栄えのような・・・

落款は二重角福ですが、裏文様がちょっとした見どころでありまして、青と緑で法螺貝が描かれています

状態は良くありませんが、個性的な品ではあるようです
ちなみに、ワタシが初めて購入した色絵古九谷がこの小皿でした。

回想の古伊万里 105(草花文に和本五寸皿)

2021-01-17 19:24:44 | 古伊万里
私にとって古伊万里の大師匠であるDr.kさんのところで、柿右衛門様式の素晴らしい向付が紹介されています。
そこでワタシも便乗して柿右衛門様式の小皿を紹介したいと思います。
「草花文に和本五寸皿」


直径14.5cmほどの小皿で、濁手の色絵柿右衛門です
業者さん曰く、「延宝期の色絵柿右衛門」だそうですが、正直なところワタシ程度の経験では判断不能ではあります。
見込み中央には判りにくいですが、確かに和本が青と黄、そいて緑で絵付けされています。
縁の部分の花散らし文は元禄期の柿右衛門にも見られますが、それよりは細かく多少丁寧に絵付けされているように感じます。
個人的に気に入っているのは、裏面の唐草繋ぎが青の色絵で絵付けされている点で、元禄期の染錦手だとこれが染付で描かれています。
わずかにホツがあることでウチへやって来た品で、特に珍しいとか優品とか言う訳ではありませんが、結構お気に入りの品です。


回想の古伊万里 104(色絵古九谷山水文小皿)

2021-01-13 21:39:09 | 古伊万里
先週末に大雪が降った酒田ですがここ2日ほどは気温が上がり、最大で58cmもあった積雪は28cmまで減っています。
とりあえず溶けてから降るのは仕方がないか、というのは良く交わされる会話です。

さて、20年も伊万里を収集しているのに、ウチには色絵古九谷はあまり存在していません
理由は簡単で、「値段が高くて買えなかった」これに尽きます。ワタシが伊万里に興味を持った頃には色絵古九谷は評価が定まっており
ちょっとした品でもサラリーマンの買える値段ではなかったというのが現実です。それでも少しづつ買った中のひとつが、今回の品です。
「色絵古九谷山水文小皿」

最近はあまり聞かなくなりましたが、いわゆる「南京手古九谷」で、底の部分がある程度厚く成形されています。
このタイプの品は染付だけの品も多く見られ、この地紋が特徴である訳ですが、一般的には色絵古九谷の中では下手の品という評価でした。(昔は)
落款は二重角福で、裏文様はこの手の古九谷の特徴的な部分でもあります。
サイズは13cm四方の小皿ですが、青、緑、赤、濁った色の黄(?)というか茶色のような色、そして染付で絵付けされています。
見込み部分の山水文はヘタウマといった感じでしょうか
色絵古九谷も以前よりは安くなりましたが、依然としてそこそこのお値段がしますので、簡単に「よっしゃ買った!」とならないのは当然ですね。