Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 54(染付唐草に団龍六寸皿)

2020-03-30 23:15:02 | 古伊万里
コロナウィルスの猛威は、ついにワタシの大好きな、志村けんさんの命を奪ってしまいました、ご冥福のお祈りいたします。
あの世で長さんに、「バカ野郎、なんでこんなに早く来るんだ!」とか怒られているんでしょうか。

さて、古伊万里シリーズですが、何かコロナウィルスより強そうな文様の品はないかと探したら
盛期伊万里の龍文のお皿が出てきました。残念ながら傷物ですが、300年以上生きている訳ですから、なにがしかのご利益はあるやも知れません。


縁の部分を二段で菊形に成型した盛期ならではの凝った成型がされており、見込みには唐草文と団龍が描かれています。
この品、ワタシが購入した段階では直しがされておらず、どうしようか迷った結果、山中温泉で漆工芸をしている方に金直しを依頼し
3か月近くの修理を終えて戻ってきたのは購入から一年近く後でした。


さすがに盛期の伊万里だけに、団龍の筆致は見事で、周囲の唐草も繊細な絵付けがされています
上質な白い土によって染付の絵付けが際立っているのは確かですね。



裏面も画一的な唐草文ではなく、あまり見かけない文様が描かれています

あくまでも傷物の参考品ではありますが、盛期伊万里の技術力の高さを十分に感じとれる品だと思っています。


回想の古伊万里 53(平戸桜川の図七寸皿)

2020-03-27 20:41:32 | 古伊万里
 世界的なコロナウィルスの感染拡大で、今年はお花見も自粛ムードですが、せめて代わりになるものはないか探したところ
ウチにたった一枚だけある桜川文のお皿がありました。
酒田では桜の開花はもう少し先ですが、とりあえず気分だけでもということでいかがでしょうか。


平戸らしい白く美しい生地に淡い染付で桜川文が描かれており、川の流れの部分は墨弾きの技法が使われています
扱っていた業者さんは「幕末の平戸」としていましたが、正直なところ明治の品であろうと想像しています。


時代的には若い品ですが、その美しさは素晴らしく、個人的には元禄期の藍柿右衛門のような魅力を持っているように思っています。


裏面は高台の周囲に墨弾きの技法を使った波頭文、そして千鳥が三羽飛んでいます
枚数が揃えばと思っていましたが、近年は見かけなくなりましたので、ちょっと厳しそうです。

散りゆく桜に魅力を感じる、これもまた日本人の感性なのかも知れませんね。


酒田をちょっと散歩 19

2020-03-22 17:54:38 | 散歩
散歩シリーズはシーズンオフでずっとお休みしていたんですが、そろそろ新年度をスタートしようと思ったんですが
何分にも天気がイマイチなため、去年撮っておいた画像からちょっとだけ紹介します。

まずは船場町界隈から、この「家」と書いてある旧家は「家坂邸」

このあたりに広い土地をお持ちのようで、この駐車場も家坂さんの土地のようです。


この道を西へ向かって行くと、日和山公園の南側に出ます(旧出町だそうで)

この道を進んでいくと左側には「酒田湊繁栄の証」なる看板があります
「笏谷石」というのは、福井市の足羽山の周辺に分布している凝灰岩で、水に濡れると深い青色に変化するそうです。

この石段が笏谷石でしょうか


この石段を登りきると、「皇大神社」があります

日和山公園を抜けると通りの反対側に以前も紹介した「日枝神社」の随神門が見えてきます


この随神門をくぐり抜けると右側に、先日紹介した大川周明の顕彰碑があります


略歴のタイトルは「アジア植民地解放の父」となっています。




回想の古伊万里 52(印判手小野道風の図八寸皿)

2020-03-20 00:13:34 | 古伊万里
 前回に続いて明治期の印判手のお皿を紹介したいと思います
前回の「大阪造幣局大皿」は美濃あたりで焼かれた品でしたが、今回の品は産地が不明です
伊万里の可能性もありそうですが、何分にもこの分野は全くの素人なので判断がつかないのが現実だったりします。


お馴染みの蛙が柳に飛びつこうとしている有名な絵柄ですが、この品の場合、肝心の蛙君が他の文様に紛れて
目立たないというのが最大の難点であるように思います。(縁文様は唐草やら鶴丸やらを組み合わせた面白いものですが)
ちなみに、↓が蛙君の拡大です


さて、小野道風ですが、ウチの親の世代(昭和ひと桁)だと間違いなく知っているようですが
ワタシらの世代だと花札の絵柄としてのイメージが強いのは確かです。(勿論、カエルのエピソードは知っていますが)
以下はWikiからの転載ですが、なるほど戦前は教科書に載っていたんですね。

道風が、自分の才能を悩んで、書道をあきらめかけていた時のことである。ある雨の日のこと、道風が散歩に出かけると、柳に蛙が飛びつこうと、繰りかえし飛びはねている姿を見た。道風は「柳は離れたところにある。蛙は柳に飛びつけるわけがない」と思っていた。すると、たまたま吹いた風が柳をしならせ、蛙はうまく飛び移った。道風は「自分はこの蛙の努力をしていない」と目を覚まして、書道をやり直すきっかけを得たという。ただし、この逸話は史実かどうか不明で、広まったのは江戸時代中期の浄瑠璃『小野道風青柳硯』(おののとうふうあおやぎすずり : 宝暦4年〈1754年〉初演)からと見られる。その後、第二次世界大戦以前の日本の国定教科書にもこの逸話が載せられ、多くの人に広まった。戦後の道徳の教科書にも採用されている。そんなわけで戦前では知っているのが当たり前というほどの有名人であった。

花札の11月の絵柄が小野道風になったのは明治時代のようで、そのあたりのお話はコチラのサイトが詳しいので、興味のある方はどうぞ

ちなみにウチの道風の裏面は↓のような感じです

裏文様も良くワカラン感じのデザインですね。

回想の古伊万里 51(印判手大阪造幣局大皿)

2020-03-17 21:06:47 | 古伊万里
 最初にお断りしますが、古伊万里のシリーズで紹介していますが、今回の品は伊万里ではありません

このところ株が大暴落しており、コロナウィルス・ショックによる「金融危機」が叫ばれていますが
株なんぞ持っていないワタシには無関係と思っていたら、年金の運用に大きな影響がでそうだとか。
サラリーマンの老後の生活の糧を減らさないで欲しいものです。

前置きが長くなりましたが、ウチにあるお皿の中で唯一「お金」に関係する絵柄の品を紹介します
「大阪造幣局図八角皿」です。

サイズとしては28.5cmくらいありますので、大皿と言ってよいサイズです
明治期に銅板転写で生産された品ですので、恐らく結構な数作られているはずです
印判手は専門外なので詳しくは判りませんが、恐らくは岐阜県あたりで焼かれた品だと思われます。
印判手の世界ではわりと有名な品で、昔は結構なお値段がしていたように思います


裏面はいたってあっさりしていますね。

さて、ここでひとつ疑問があります。
この図柄は本当に明治時代の大阪造幣局なんでしょうか?
ちなみに↓の画像は勝手に借りてきた古い大阪造幣局の写真です。


本当のところどうなのか不明ですが、このお皿は昔から「大阪造幣局の図」として知られたいたことだけは間違いないようです。