Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 87(色絵剣先文そば猪口)

2020-10-27 21:22:42 | 古伊万里
 そば猪口というジャンルは古伊万里収集の中でも最もディープな分野(?)のようで、専門コレクターも多いようですが
ワタシの場合は長い間、「そば猪口だけは手を出したらアカン!、底なし沼や・・・」と思っていたので、長らくそば猪口を購入することはありませんでした。
そんなこともあって、ウチにはそば猪口は5個しかありません。
そんな数少ないそば猪口のひとつが、今回紹介する品です。
「色絵剣先文そば猪口」


図録ではわりと見かけるタイプの品で、口径9.7cm、高さ7cm、高台径6cmほどのわりと大振りのそば猪口です
この手のそば猪口がいつ頃から登場するのかは分かりませんが、柴コレの図録では1840~90年代となっていますので
実際のところ良くても文化文政あたりなのかも知れません。
剣先文の上に描いてある文様にはいくつかバリエーションがあるようで、ウチの品はかなり下手の部類かも知れませんね



内側の文様もバリエーションがあるようですが、ウチの品は瓔珞文のようなものが描かれていますが
この部分の絵付けはまずまず丁寧な気もします。



落款は赤で描かれた「渦福」
数多いそば猪口の中でも、わりと特徴的な文様の猪口であることは間違いなさそうです。


回想の古伊万里 86(色絵吹墨熨斗文七寸皿)

2020-10-23 20:19:10 | 古伊万里
 古伊万里に興味を持ち、とりあえず地元の骨董市に行ってみるものの、時代はおろかどれが伊万里かすら判らない
そんなとろこから古伊万里収集が始まり、やがて東京へ出張へ行った折に図録を買い込み、さらに戸栗美術館へ行ってみる
思えばそれが20年以上前のことでした。
そんな頃に出会い、入手するまでに20年近くかかったのが今回の品です

「色絵吹墨熨斗文輪花皿」、柴コレの6-140(総目録の№.2858)と同手の品で、恐らくは享保期の品だと思われます


吹墨の品は初期伊万里の頃から見られますが、一般的には染付の品が多く、色絵の品は作例としては少ないように思います
熨斗文も前期~中期にはそこそこ見られますが、やはり色絵は多くないように感じます。
デザイン化された熨斗文はいかにも和様で、そこに吹墨を組み合わせることで独特の落ち着いた雰囲気を醸し出しているように思います。


惜しむらくは完品ではなく、熨斗文の右下の緑の部分の色絵が剥落しています(だからウチへやって来たとも言えますが)


裏面も一般的な唐草ではなくちょっと個性的で、落款が「大明萬暦年製」なのも嬉しいところです。

この品、最初に出会ったのはヤフオクで、当時お世話になっていた神戸の業者さんが傷物(割れた品をくっつけて金直し)を
出品したんですが、当時は伊万里全体が高い時代でしたし、ヤフオクも早い時期だったこともあり、傷物にもかかわらず6桁の値段が付き
当時のワタシの財力では落札できませんでした。
そして時は流れ2018年、同手の品を京都の懇意にしている業者さん(通称お休み処さん)がネットで販売しているのを発見!
これを逃せば一生手に入れることが出来ないのでは?、という思いが沸き上がり、速攻で購入したのがこの品です。

骨董は一期一会と言いますが、この品については二度目の出会いがあったことになります。




どう思われます?

2020-10-23 08:42:24 | 古伊万里
ヤフオクを見ていると怪しい古伊万里を見かけることは少なくないんですが、正直なところ画像だけでは判断できない部分もありますし
ワタシのごとき半端者がコメントすべきものでないのは確かです。
で、今回発見したのが↓の盛期伊万里です
団龍文菊花形皿
見るからに盛期の染付(藍柿)といった感じの品で、しかも傷物を含むとは言え五客揃いです。
(終了まであと二日程ですが)
柴コレの№2028と似ているというので、確認してみましたが、似ているような似てないような・・・
本物の可能性もそれなりにあるのかも知れませんが、見た瞬間に多少の違和感を感じたのも事実です
何せ画像だけでの判断、しかも古伊万里歴20年そこらで正しい判断ができるかと言えば大いに疑問ですが
とりあえず、ウチにある盛期伊万里の菊形龍文皿の画像を貼っておきます。



(業者さん、本物だと思いますがゴメンナサイ)


回想の花

2020-10-21 23:39:01 | 日記
 え~、回想の古伊万里ならぬ「回想の花」だったりします
これは何かとと言うと、HPをやっていた時代の画像を探していたら、昔ウチにあった酔芙蓉の花の画像が出てきたんで
折角なので載せておこうという、ま~実に後ろ向きなネタだったりします。

まずは白い状態の酔芙蓉のUPです(元画像が小さいので画質は良くありません)


続いては日中に撮った赤と白の花


最後は夜になってしぼんだ状態です


日付を見たら2005年になっていましたので、今から15年前ということになります
この年は大輪の花がたくさん咲いたんですが、この翌年の春には全部枯れて、芽が出ませんでした。

最後にオマケで、こちらも2005年の画像ですが、ウチの裏の畑に植えていた食用菊です


当時、74歳だったウチの母親が育てていたものですが、その母も随分と足腰が弱ってしまいました。

回想の古伊万里 85(色絵芥子文あわび形皿)

2020-10-18 20:17:03 | 古伊万里
江戸期の伊万里の歴史はざっと240~50年くらいだと思いますが、その中で技術革新や様式の変化が何度か起きています
人によって好みは違いますが、ワタシの場合は一番好きなのは1650年代~70年代あたりの品で、色絵は髙くて買えなかったこともあり
染付の品、いわゆる「藍九谷」が特に自分の好みに合っているように思います。

前置きが長くなりましたが、実は今回の品は染付ではなく色絵の変形皿です
とはいえ、使われている色は青だけですんで、染付の代わりに色絵付けにしてみました的な感じでしょうか。
「色絵芥子文あわび形皿」


横13cm程のあわび形の小皿ですが、甘手ではないんですが、全体にくすんだ生地となっており
そこに色絵の青で芥子と思われる花を絵付けした妙に古色のある品です。


輪郭線を黒で描いている点から、一般的には初期柿右衛門といった分類になる品かと思われますが、青一色というのは意外に少ないのかも知れません
絵付けの感じは柿右衛門様式のようにデザイン的に整理されたものではなく、どちらかと言えば古九谷様式に近く
技術革新の過程の過渡期的な特徴があるようにも思われます。


裏文様も勢いのある絵付けになっています

以前に紹介した「青磁色絵鮑形皿」よりも時代が早そうですし
青だけを使った色絵と言う点では、「青磁色絵小鉢」に近い品なんでありましょうか。
いずれにしても、個性的な前期の伊万里であることは確かでしょうか。