Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

ルリオビウラベニタテハ

2020-01-31 23:29:50 | 
今まで紹介してきた蝶の多くは、表は派手な色彩でも裏は地味な種類が多かったですが
(モルフォやアゲハ類は特に)、中には裏が派手な色彩の蝶も存在します。
そんな訳で今回紹介するのは、ペルー産の「ルリオビウラベニタテハ」です


翅を開くと7cmほどのタテハですが、表は見ての通り黒地に若干光沢のある帯状の斑紋があるものの
南米のタテハの仲間の中では至って地味な存在です。

↓が裏面の画像ですが、表とは違い後翅に強烈な赤が広がっています

翅を閉じて止まった場合、この強烈な赤の部分が見えることになりますので、自然界では目立ってしまうように思いますが
以前にワタシが見たウラベニタテハの画像では翅を開いて止まっておりました。
この蝶の場合、表面の若干の金属光沢を持つ帯状の部分はモルフォと同じく構造色で、裏面の赤は色素による色です
江戸時代の火消の半纏などは裏地が派手だったようですから、この蝶もそんな感じなんでしょうか。


回想の古伊万里 41(瑠璃金彩南蛮人四方皿)

2020-01-31 00:04:18 | 古伊万里
前回の「蝶」のカテゴリーで「オオルリアゲハ」を紹介しましたが、ウチに瑠璃金彩の伊万里があるのを思い出し
「瑠璃」繋がりということで紹介することにしました。

「瑠璃金彩南蛮人四方皿」、江戸中期末、寛政あたりと思われる五寸サイズのお皿です。

南蛮人の文様は江戸中期末から後期にかけて登場する文様ですが、染付、色絵に比べると
瑠璃金彩の品はあまり見かけないように思います。


見込み右側に大きく南蛮人を描き、左側には振り返った姿の洋犬が描かれていますが
同じ文様を染付のお皿で見たことがありますので、人気のある図柄だったことが想像されます。
(惜しむらくはわずかに金彩がスレています)


中期~後期に瑠璃金彩は珍しくありませんが、文様が南蛮人だったことで購入した品です
今から20年ほど前は南蛮人文様の伊万里は全体に相場が高く、ワタシには手が伸びないタイプの品でしたが
10年ほど前に入手した唯一の南蛮人文様がこの品です。
(そういえば、「南蛮堂」という南蛮人文様の品をたくさん扱っているお店もありましたね)



オオルリアゲハ

2020-01-28 23:10:27 | 
外国産の蝶の場合、特に蝶に興味のない人でも知っている種類がいくつかあるように思います
今回紹介する「オオルリアゲハ」(Papilio ulysses)なども、外国産の蝶の中では極めて有名な種類ではないでしょうか。


アキリデスと呼ばれるカラスアゲハの仲間で、翅を開くと11~12cmほどの大型のアゲハです
生息域はかなり広く、インドネシアのアンボン島からニューギニア、そしてオーストラリアの北部まで広がっています
地域によって青い部分の斑紋に違いがあり、数多くの亜種に分類されているようですが、この個体はインドネシアのセラム島の亜種のようです


裏面は他のカラスアゲハの仲間と同様に地味ですが、翅を閉じて止まった場合は目立たなくなりますので
自然界で生きる上では重要な要素のようです。(モルフォも同様ですね)
オーストラリアでは「幸運の蝶」と呼ばれ、見ると幸運になるという伝説があるという話が有名ですが
これはどうやら現地のガイドが十数年前に作ったものが広まった、というのが真実のようです。
珍しい種類ではなく、同じ青でもモルフォのような金属光沢はありませんが、大型で美しい蝶であることは確かです。

回想の古伊万里 40(染付青海波桐文五寸皿)

2020-01-24 20:45:15 | 古伊万里
先日、大河ドラマの放送開始にあやかって、「陽刻麒麟文七寸皿」を紹介しましたが
明智光秀の紋所が「水色桔梗」であることを思い出し、ウチのあまり多くない伊万里に中に桔梗文はなかったかな~、と探したところ
桔梗文ではないものの、それらしい品を見つけたので、この機を逃さず紹介することにしました。
「染付 菊青海波文小皿」


柴コレ 7-189と同手なので図録の名称をそのまま紹介しましたが、図録によると1660~70年代の作と推定されています
見込みの三方を白く桔梗の形で抜き、その中に桐文を描き、さらに中央には菊文、そして残りの部分は薄く濃みで塗りつぶした上から
極めて細かく青海波を描いています。


この青海波文がどれ位の数描かれているのかは、さすがに数える気力はありませんが、絵付けした職人さんの
圧倒的な集中力と根気には頭が下がります。


裏面は元禄以降の画一的なものではなく、寛文~延宝期に見られる繊細な唐草になっています。

同手は1997年に刊行された「別冊太陽 染付の粋」の61ページにも、「染付青海波地桐文皿」として紹介されています。

スカシジャノメの仲間

2020-01-22 23:23:30 | 
トンボのような透き通る翅を持つ南米の蝶であるスカシジャノメについては、半年ほど前に
「スカシジャノメ 2種」というネタで、「ムラサキスカシジャノメ」と「ルリモンスカシジャノメ」という
比較的数の少ない種類を紹介しましたが、今回はウチにある残りのスカシジャノメの紹介します。

まずは一般種で数も多く安価に入手できる、スカシジャノメの代表種である「ベニスカシジャノメ」です

スカシジャノメは種類の特定が難しいのではっきりしませんが、左は一般的なベニスカシジャノメで、右はピリトサスという種類かも知れません。

続いては赤紫の斑紋がある珍しい種類で、「ペルキダ・スカシジャノメ」です。

「ムラサキスカシジャノメ」や「ルリモンスカシジャノメ」と同様に、スカシジャノメの中では高額な種類です。

次は黄色の斑紋は広がるキモンスカシジャノメです

「ベニモンスカシジャノメ属」の種類で、ベニスカシジャノメ属の種類よりも一回り大きなサイズですが、人気はイマイチで安く購入できます。

続いては「ピロピナスカシジャノメ」という種類ですが、わりと地味な感じのスカシジャノメです


最後に登場するのは、「スカシジャノメモドキ」という種類で、こちらもいたって地味な種類故に、人気薄の種類です。