Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎

2022-03-27 13:06:01 | 映画
近年、昭和40年代のあまりメジャーでないTVドラマがDVD化されていますが
今回紹介する「江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎」は昭和45年にテレ東(当時は東京12ch)で放送された作品です。
放送当時は地方では全く見ることができなかった作品で、ずっと後になってこの作品の存在を知り
「いつか見たいものだ」と思っていた矢先にDVD化されましたが、DVD・BOXは結構なお値段がしましたので
中古品がヤフオクで出回ってから購入した品です。


26回のシリーズで放送されており、大人向けの刺激的な作品(乱歩ですから)だけではなく、子供が活躍する作品も含まれています
江戸川乱歩の作品は映画・TVで何度も映像化されており、決定版といえるのが1977年から土曜ワイド劇場で放送された
天知茂主演の「江戸川乱歩の美女シリーズ」ですが、このシリーズに影響を与えているのが、本作だと言われています。
このシリーズで明智小五郎を演じているのは滝俊介という俳優さんで、TVを中心に活躍しましたが、主役を演じたのはこのシリーズだけのようです
個人的には天知茂=明智小五郎というイメージが出来上がっていますので、いささか微妙な感じはしますが
昭和45年という時代を考慮すれば、これはこれでイケているのかも知れません。
脇役陣では、浪越警部を演じるのが山田吾一(天知版では荒井注)で、小林少年が岡田裕介、平井教授が大物の山村聰という布陣です
この中で注目すべきは岡田裕介でありまして、この人は70年代は俳優として活躍しましたが、80年代以降はプロデューサーに転身
2002年には東映の社長、2014年には東映グループ全体の社長に就任しています。
そんな岡田裕介さんですが、2020年に71歳の若さで他界されています。(生涯独身だったそうです)


芦川いづみ

2020-07-10 23:52:01 | 映画
 芦川いづみさんと言えば、昭和30年代に浅丘ルリ子さんや吉永小百合さんと共に日活の看板女優だった人ですので
ワタシより二世代くらい上の世代なら、知らない人がいないと言っていい美人女優さんであります。
そんな彼女が藤竜也さんと結婚して引退してから52年も経ちました。
実はワタシもずっと後になってからビデオやDVDで彼女の映画を見て大好きになった一人だったりします。

昨年、彼女のデビュー65周年記念して、「芦川いづみ 愁いを含んで、ほのかに甘く」という本が出版されました。


内容はというと、2019年に行われた彼女へのロング・インタビューと出演したすべての作品のスチール写真等で構成されており
特にインタビュー当時84歳だった彼女が語る、日本映画全盛時代のエピソードなどはとても興味深い内容です。
スチール写真の他にも↓のような当時の写真も掲載されており、彼女の愛車がフォルクスワーゲン・カルマンギアであることが判ります


さて、ちょっと気になるこの本のサブタイトル「愁いを含んで、ほのかに甘く」ですが、ワタシはあれ、どっかで見たようなと思っていたんですが
この本の筆者がアーウィン・ショーの短編小説のタイトルであると書いており、「あ、そういえば」と思って探しだしてきたのが
ワタシが若い頃の購入した(21歳の頃です)常盤新平訳のアーウィン・ショーの短編集「夏服を着た女たち」です。


この短編集の最後に収録されているのが「愁いを含んで、ほのかに甘く」で、原題は「Wistful Delicate gay」という作品です
ちなみにワタシが一番最初に女優芦川いづみに憧れたのは、若くして亡くなった日活三羽烏の一人、赤木圭一郎主演の
霧笛が俺を呼んでいる」(この作品にはデビューしたばかりの頃の吉永小百合さんも出演しています)だったように思います。

シェラ・デ・コブレの幽霊

2019-05-29 23:08:51 | 映画
恐怖映画(あえてホラー映画とは呼ばない)は星の数ほどあるものの
ここ10年ほどの間で、日本で最も話題となりながら見ることのかなわなかった作品
それが「シェラ・デ・コブレの幽霊」です。
世界に2本しか存在していないフィルムのうち1本は日本の映画評論家が所有しているものの
著作権の関係でソフト化できず、一部の映画祭で上映されたものの、個人的には生きている間は見れないだろうと思っていた
まさに「幻の映画」でした。


本作はもともとアメリカでTVシリーズのパイロット版として製作されており、この54分ほどのフィルムに
いくつかシーンを加えて81分の作品として劇場公開することになりました。
しかし、その試写会の時にあまりの怖さに気分が悪くなる人が続出し、お蔵入りしてしまったと言われています。
とはいえ制作費を回収する意味で海外へフィルムの貸し出しを行い、結果的に日本を含む何カ国ではTV放送されています。
ちなみに日本で放送されたのは、1967年8月20日で、淀川先生の解説でお馴染みの「日曜洋画劇場」でした。


この作品、放送当時に見た人たちは強烈に印象に残ったようですが、放送から40年以上経ったことで
「幻」というよりは「記憶の彼方の作品」というのが実際でありました。
そんな作品が一躍多くの人に知られるようになったのは、TVの「探偵ナイトスクープ」にこの映画を探して欲しいという
依頼があったことに端を発します。やがてこの貴重なフィルムの一本が日本にあることが判り映像こそ出せないものの
番組で取り上げられるに至って、本作は「史上最も怖い幻の恐怖映画」という評価が一人歩きすることになります。

ワタシもこの映画をなんとか見たいと思っていた一人でしたが、昨年アメリカでソフト化されたのを知り
今年に入ってなんとかブルーレイを入手することができました。
このブルーレイにはTV版の54分版と劇場用の81分版の両方が収録されていますが、最大の問題は海外版であるが故に
日本語吹き替えは当然、日本語字幕もないということで、英語が堪能な方はともかくワタシには少々ハードルが高いという点でした。

ま~、英語のセリフをそのまま聞いて理解するのは無理なので、英語字幕を表示しながら見たんですが
字幕を読んでいるとストーリーに追いつけなくなって、見ている気がしないという困った事態に陥ったのは言うまでもありません。
そこでネットで調べたストーリーを頭に入れ、なんとか雰囲気優先で見たところ、ようやっとこの映画の魅力が伝わったというのが現実です。

ちなみに、コチラでTVバージョンの全編が見れるようですので、英語の堪能な方はどうぞ。

「幻」は「幻」のままの方が良かったかな?、という思いもありますが、見る価値のある作品であることは確かです。