Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 170(平戸牡丹文七寸皿)

2021-11-30 21:00:28 | 古伊万里
 前回、平戸の小皿を紹介しましたが、確かもう一枚だけ平戸があったはず・・・と思い探したら、ありました、七寸皿が
明治期の平戸には鍋島写しが見られますが、今回の品も鍋島風の平戸です。
「平戸牡丹文七寸皿」
平戸お得意の薄濃みの器面に大きく牡丹の花(?)が描かれています
正直なところ、花を大きく描きすぎて、大胆ではあるものの品格に欠けるという気がします。
とはいえ、墨弾きと薄濃みを駆使した細かい描写は同時期の伊万里とは一線を画すものがあり、技術は見事なものです。
この画像は何のこっちゃ判りませんが、牡丹文の外側の薄濃みの部分の拡大でありまして、きわめて均一に塗られていることが判ります。
裏面は典型的な鍋島写しで、三方に七宝繋ぎが描かれています
この時代の鍋島写し系(?)の平戸は櫛高台までは手が回らなかったようで、かなり雑な品が多いように感じますが
裏と表を別の職人が絵付けしたのではという、先輩コレクターのご意見をいただきました。
あともう一点、鍋島の高台はこのように直立しておらず、内側に向かって傾斜しているということのようです。
本物の鍋島は貧乏コレクターには縁のない品ですが、平戸でも幕末鍋島より楽しめる品もあるように思います。

回想の古伊万里 169(平戸水鳥文小皿)

2021-11-26 19:44:37 | 古伊万里
私にとって古伊万里の師匠であるDr.kさんが平戸と思われる「白菜形皿」を紹介しておりましたので
ウチでも便乗して平戸の品を紹介したいと思います。
「平戸水鳥文小皿」
五寸サイズの染付小皿で、明治(業者さんは幕末と表記したがりますが)あたりの品だと思われます
このあたりの時代の平戸によく見られる、きれいな薄濃みに墨弾きの技法で波を表現しており
二羽の水鳥と葦(?)が描かれ、葦の葉の部分には金彩が施されています。

裏面はより平戸の特長が見えており、この唐草は伊万里とも大聖寺などとも違った平戸の特長的なものだと思われます
このような唐草繋ぎの中央に五弁花を描くスタイルは、幕末~明治では平戸独特だと思うんですが、イマイチ自信が持てないのは確かです。
この品は今から17~8年前に地元の骨董祭で購入したんですが、実はこの品は箱付の10客(?)で売られており
見本で一枚だけ置いてあったのを見ていると業者さんが、「箱ごと買ってくれれば安くするよ」と言ってくれたのですが
何せ田舎の骨董市ですんで、こんな小皿でも一枚2万円とか値段が付いており
「ウチは料理屋じゃないんだから、10枚もいらないよ」と断ったものでした。
その時の古手の業者さんが、「平戸のこと裏鍋島とか言うしな~」と言っていたのが妙に記憶に残っています。

回想の古伊万里 168(染付桜散らし文六寸皿)

2021-11-24 21:02:57 | 古伊万里
 しまい込まれて忘れられていた古伊万里を引っ張り出して、なんとか続けていますが、いずれにしても残りは僅かです。
さすがにもう中期以前の品はないかと思ったんですが、まだありました
「染付桜散らし文六寸皿」
延宝~元禄といった時代の品だと思われますが、見込みいっぱいに桜の花(?)を不規則に散らしています
数えたら全部で45個の桜の花が描かれていますが、この規則性がありそうでない配置はどうやって考案されたのか不思議です
(まさか絵付け職人が気分で散らしたなんてことはないでしょうし・・・)
個々の桜花は特に丁寧という訳ではありませんが、バランスよく描かれているように感じます
落款はなく、裏面の唐草については延宝期の藍柿のような丁寧さがありませんので、やはり元禄古伊万里といった感じでしょうか。
薄いニュウがあったことで安く購入した品ですが、それもまたウチらしい特長ではあります。

回想の古伊万里 167(型紙摺り小皿)

2021-11-20 21:21:24 | 古伊万里
久々に陽の目を見たウチの「忘れられていた伊万里」ですが、今回の品は時代はあるものの難点ありという、実にウチらしい品です
「型紙摺り小皿」
江戸中期に見られる典型的な型紙摺りの小皿で、いわゆる「江戸小紋」が絵付け(というかプリントですね)されています
この手は特に珍しくはありませんが、意外に人気があるようで、あまり安すくはならないようです。(と言ってもさほど高い訳ではない)
見込み中央部分の拡大です。ここだけ見ればなかなかの品なんですが、いかんせん縁の部分の染付が流れています。
鑑賞陶器であれば、この不完全さが「景色」として大目に見れるんでしょうが、磁器の場合は単なる出来損ないでしかありません
その分安かったのは確かですが、その後同じようなタイプの品の完品をもう一度買おうという気が起こらないのは
意外にこの品がトラウマになっているのかも知れません。
裏側も典型的なこの手の特長を供えており、わりとゴツい高台が意外に好きだったりします。

初めて買ったレコード

2021-11-19 21:52:14 | 日記
押入れをごそごそやっていたら、私が中学一年生だった昭和47年の1月、生まれて初めて買ったレコードが出てきました。
お馴染みサイモンとガーファンクルの大名曲をA面とB面に収録したお買い得なシングル盤です。
映画「卒業」はTVやビデオで4回くらい見ましたが、公開当時は小学生でしたので、当然リアルタイムでは見ていません
中学一年生頃というのは、初めて授業として英語に接する時代で、英語に対する興味から洋楽を聞くようになる、こんな流れだったでしょうか。

約50年を経てよれよれになったジャケットですが、このレコードを買った頃ウチにはステレオはおろかレコード・プレーヤーもなく
母親の実家からポータブルのレコード・プレーヤーを借りてきて聞いたものでした。
その後、当時柳小路マーケットで八百屋をしていた祖母がレコード・プレーヤーを買ってくれたので、お小遣いが貯まるとレコードを買った記憶があります。

当時シングル盤は一枚400円で、当時のお小遣いでは月1枚くらいしか買えませんでした
初めてLPレコードを買ったのは高校生になってからだったように思います。
十代の頃はロック・ポップスにハマり、20代になると会社の先輩の影響でジャズにハマり、カラオケが流行ると歌える日本の歌(歌謡曲・フォーク・ニューミュージック等)
を聞くようになりましたが、ジャズだけは今でも聴いているところを見ると
自分に一番しっくりくる音楽なのかも知れません。(カラオケも大好きですが)