Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

昭和10年~20年の十銭貨幣の変遷

2023-08-15 23:01:39 | コイン
台風は日本海へ抜けたようですが、どうやら陸地から離れたところを通るようで
酒田では相変わらずの暑さが続きそうな気配です
とはいえ、大雨で被害の出ている県もありますので、少々の暑さは我慢しないといけないのは確かです。

さて、昨日のブログで太平洋戦争へ向かう時代、そして戦時下における1銭硬貨の変遷を話題にしましたが
同じ時代の十銭硬貨がウチにありましたので、とりあえず紹介しておこうと思います
ちなみにこれらの貨幣はずっと前からウチにあったもので、戦後の通貨の変更時にそのまま残されたものと思われます。

発行された年度は左から昭和10年、昭和13年、昭和17年、昭和19年、昭和20年です
材質は左からニッケル(ニッケル1000)、青銅(銅950、アルミ50)、アルミ、錫、アルミとなっています。

コインとしての呼称は左から、「10銭ニッケル貨」、「10銭アルミ青銅貨」、「菊10銭アルミ貨」、「10銭錫貨」、「稲10銭アルミ貨」です
直径は「10銭錫貨」だけが19mmとひとまわり小さく、残りの4種類は22mmになっています。
大きさは同じとは言え、材質の変化は如実に当時の日本における状況がそのまま反映されているように思います。
貨幣のデザインや材質が変わらないということは「平和」であることと関係があるのかも知れませんね。

1銭銅貨二種類

2023-08-14 22:47:28 | コイン
関西地方では台風の影響が心配ですが、酒田では今日も35度を超える猛暑日でした
台風の影響による雨も見込めないようですので、カラカラに乾いた状態がしばらく続きそうです。

それはともかく、先日、乱歩の小説にもなっている大きなサイズの二銭銅貨を紹介しましたが
今回はその半額の1銭銅貨を二種類紹介したいと思います。
左のサイズの大きい方が明治6年~21年に発行された「竜1銭銅貨」で、右の小ぶりなほうが
大正5年~昭和13年の間に発行された「桐1銭青銅貨」です。
左の「竜1銭銅貨」は直径が27.8mmほどあり、重量は7.1g
「桐1銭青銅貨」は直径23mmで重量は3.75gしかありません。

ちなみに現在の10円玉が直径23.5mmの4.5gですから、「桐1銭青銅貨」は似たようなサイズで若干軽いことになります。
どちらも発行された枚数が多いので、古銭としての価値は数十円~百円程度ですが、やはり明治の品は貫禄があります。
ちなみに、1銭の貨幣は昭和13年以降も発行されていますが、昭和13年には亜鉛の含有量を増やした黄銅貨に変更
さらに戦時体制による金属の資源不足の関係で、同じ昭和13年には直径17.6mmのアルミ貨に変わります。
そして昭和16年には富士山をデザインした直径16mmのアルミ貨になり、太平洋戦争の戦局悪化と物資の不足が顕著になった昭和19年には
直径15mmで重量1.3gの「1銭錫貨」に変わっています。
貨幣の材質とサイズの変化は歴史をそのまま映しているということでしょうか。
オマケですが、昭和十年の「桐1銭青銅貨」の未使用品を入手しましたので紹介しておきます。(コインホルダーに入ったままですが)

確かに現在の十円硬貨も最初はこんな輝きですよね。


二銭銅貨

2023-08-09 20:42:58 | コイン
「二銭銅貨」と聞くと、読書家あるいは推理小説好きの方なら、江戸川乱歩の処女作である小説を思い出すかも知れません
コチラで読めます)
小説の中では裏表の二つに分かれる二銭銅貨が重要な小道具として登場しますが、実際の二銭銅貨は↓のような硬貨です。


二銭銅貨は明治6年~明治17年に発行されており、発行枚数はかなり多いので
明治6年を除くと古銭としての価値はたいしたことありません。
特筆すべきは日本で発行された銅貨の中で最大と言えるそのサイズで
直径31.81mm、重量は14.26gもあります。
単体の画像だと大きさが判りにくいので、現行の500円硬貨、10円硬貨と一緒に並べた画像が↓です。

ちなみに500円硬貨は26.5mmで重量が7g、10円硬貨は直径が23.5mmで重量が4.5gです
乱歩の小説の中に出てくる裏表に分かれる二銭銅貨をどうやって作るかは別問題としても
この大きさ故に小説の重要な小道具に選ばれた可能性は高そうです。
ワタシが初めて二銭銅貨を見たのは小学生の時で、同級生の家で「ウチにこんなのがあるよ」と見せられ、その大きさに驚いた記憶があります。
蛇足ながら、日本において二の単位(二、二十)貨幣が発行されたのは、昭和7年の二十円金貨が最後でだったようです。



50円硬貨の変遷

2023-07-14 21:27:35 | コイン
酒田でも明日あたりから大雨が降る予報が出ており、今日も昼前から雨になりました
そんな訳で計画していた場所へは出かけられませんでしたので、とりあえず現行コインのネタとなっております。
先日は百円硬貨の変遷について書きましたが、今回は50円硬貨について書いてみたいと思います。
まずは昭和30年に発行されたわが国初の50円硬貨「菊穴ナシ50円ニッケル貨」です
表面

この50円硬貨は昭和30年~33年の4年間だけ発行されており、ワタシが初めて手にした50円硬貨はこれだったように思います
裏面

この50円硬貨は直径が25mm、重さは5.5gあり、品位としてはニッケルが1000というものです
現在の500円硬貨の直径が26.5mmですから、かなり大きなサイズであったことが判ります。
続いては昭和34年から41年まで発行された「菊50円ニッケル貨」です
表面

デザインモチーフが菊であるという点は共通していますが、穴あき銭になったことでデザイン変更されています
裏面

直径と品位は「菊穴ナシ50円ニッケル貨」と共通ですが、穴があいた分だけ重量は少なく、重量は5.0gになっています。
昭和42年からは現在も発行されている50円白銅貨へと変わりますが、この三種類の50円硬貨を並べたのが↓の画像です

現行の50円硬貨が二回りくらい小ぶりなのが判りますが、これが高度成長時代のお金としての価値の変遷なのかも知れません。

蛇足ながら、現行の50円白銅貨ですが、昭和62年、平成22年~25年の発行枚数が極端に少なく
状態の良いものは数千円で取引されているようです。(サイフの中にあったら取っておきましょう)

百円硬貨の変遷

2023-07-12 23:16:43 | コイン
最近、非常に状態の良い昭和32年と昭和41年の百円硬貨を入手しましたので
ちょっとだけネタにしたいと思います。
(未使用ということで、コインホルダーに入ったままで撮影しています)
日本で百円硬貨が初めて発行されたのは昭和32年で、それが「鳳凰百円銀貨」です
表面(硬貨の表面は年号の入っていない面だそうで・・・)

裏面

この「鳳凰百円銀貨」はどのような理由かは不明ですが、昭和32年と33年の二年間しか製造されていません
そんなこともあって、ワタシはこの百円銀貨は一度も使ったことがありません
とは言え、この鳳凰のデザインにはずっと憧れを抱いており、ようやっと入手したことになります。
昭和32年当時、大卒の初任給が1万円そこらだったことを思うと、百円はかなりの価値があったんでありましょうか。
続いては昭和34年~41年に製造された「稲百円銀貨」です

ワタシが生まれて初めて手にしたのはこの百円銀貨でした
とは言え、小学校低学年の頃ですので、滅多に手にできないものではありました。
裏面

ちなみに、昭和57年に500円硬貨が発行されるまで、日本の硬貨の最高額はずっと百円だったことになります(記念硬貨を除く)
上記の二種類の百円硬貨は、「銀貨」と名乗っているように品位としては銀600、銅300,亜鉛100で、重量は4.8グラムです。

あえて画像は出しませんが、昭和42年以降は現在使用されている百円硬貨がずっと発行されています。
面白いことに、現行百円(桜百円白銅貨)も上記二種類の百円銀貨と同様に
材質こそ違えど、直径22.6mm、重量4.8gという点では共通しています。
蛇足ですが、あくまでも現行貨幣ですので、通貨としての価値は「百円」です。