Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 58(染付木瓜形皿)

2020-04-29 23:26:04 | 古伊万里
 一応、伊万里のカテゴリーで書いていますが、正直なところ伊万里かどうかは不明です

この皿にヤフオクで出会ったのは、今から十数年前で、一見した時の印象は、「木瓜形の藍九谷」というものでした


扱っていたのは以前に誉銘の色絵古九谷を購入したことのある業者さんでしたので、木瓜形に魅力を感じて落札した次第ですが
現物が届いて手にした瞬間、「あれ、これは伊万里じゃないんでは?」という第一印象でした。
確かに、渋めの発色の染付、口錆もそれらしい色ですので、それだけ見れば伊万里に思えるんですが
まず全体の形が古九谷様式のシャープさが感じられない、さらに白磁部分の釉薬感が違うというあたりが気になります。

落款は見かけないタイプのものですが、このあたりは例外もあるので参考になりません


決定的な違和感を感じたのは高台の畳付きの部分で、画像でもある程度判りますが、まるでヤスリで削ったような平な形状にないっています


しかもこの部分の土を触ると妙にザラザラしており、明らかに伊万里とは違っています
ウチのある品で最も近い感触なのは大聖寺でありまして、会社にあった(地震の時に落ちてバラバラに)砥部焼の
土とも感触が似ていました。

一応、手寧な絵付がされていますし、薄い成型で高台の形状も古九谷様式の特徴である「内股高台」ですんで
伊万里でなくても、そこそこの品という可能性もありますが、ワタシとしてはどうも気に入らない品です。
そんな訳で、購入後はずっとしまい込まれている、不幸な品でもあります。

回想の古伊万里 57(染付水仙文長小皿)

2020-04-26 20:12:17 | 古伊万里
 前回は江戸後期の伊万里を紹介しましたが、昔は元禄あたりまでの品が「古伊万里」であり
それ以降の時代の品は研究が進むまでは、すべて「幕末の雑器」として扱われていた(特に染付は)
という内容の文章を、以前に読んだことがあります。
勿論、江戸後期の品でも優れた品はあるんですが、やはり盛期の品の完成度や品格を求めるのは難しいのは確かです

前置きが長くなりましたが、今回紹介するのは盛期(延宝あたり)に作られたと思われる、「染付水仙文長小皿」です


この形は延宝~元禄あたりにしか見られない器形だと考えますが、余白と濃みのグラデーションを生かした繊細で
シンプルな絵付けですが、白く上質な土、口錆と相まって高い完成度を感じさせます。


裏面は一般的な落款ですので、特別な品ということはなさそうですが、このピシッとした高台は技術の確かさを感じますね

この品と同じ器形の品は柴コレのI-306及びI-307に掲載されており、いくつか文様のバリエーションがあったようです
さて、この品を購入した理由なんですが、実は側面の文様が気に入ったからなんです





四方に濃い目の染付で山水文が繊細に絵付けされています
こんな部分まで十分に手を掛けている、このあたりが盛期伊万里を支えた職人さんの心意気なんでしょうか
ちなみに、柴コレに収蔵されている2つの品は落款が「渦福」なので、ウチの品とは違っているようです。

こういった品を見ると、「やはり盛期伊万里は魅力的だ」と思ってしまいますが、安くなったとはいえ、そう簡単に買えないのが難点ではあります。

なんでも鑑定団

2020-04-22 20:45:39 | 日記
こちらでの放送は二か月ほど先になるんですが、以前に散歩ネタで紹介した
「あいおい工藤美術館」の館長さんが「なんでも鑑定団」に出演されました。(先週のことですが)


鑑定品は松尾芭蕉の書簡なんですが、長い付き合いの知人が終活のため骨董を整理している時に発見
しかし、骨董商は「本物かどうか判らんから」といって誰も買い取ってくれなかったため手元に残った。
そこで持ち主から、「あんた古いものが好きだからやるわ」、と言われ館長さんが入手したというものです
自分なりに調べたところ、どうも芭蕉の書簡らしいことが判り、本物かどうか気になり始め、鑑定団に応募したというのがいきさつです。

鑑定額は調べればわかるんですが、なんと本物で、〇〇〇万円という高額鑑定となったようです。
酒田の品で鑑定団の高額鑑定されたのは、夢二の絵と薩摩切子あたりが記憶に残っていますが
今回の品はそれを遙かに凌ぐ高額の品だったようです。

それにしても、酒田にも凄い品が眠っていたことに驚いた次第です。

回想の古伊万里 56(陽刻鶴丸文六寸皿)

2020-04-19 21:22:11 | 古伊万里
古伊万里を収集する上で最大の壁は何か?、言うまでもなく経済的な困難だと思います。
近年は随分と安くなったとはいえ、色絵古九谷や藍柿右衛門の優品などはサラリーマンには
極めてハードルが高いと言えます。(傷物という逃げ道はあるものの・・・)

中期までの品に比べると、後期(19世紀以降)の品は手ごろな値段で買える品が多く
まとまった数で売られていることが多いように感じます。いわゆる、「生活骨董」というジャンルになりますが
やはり盛期の品のような魅力を持つ品は滅多にない、この点は確かです。
しかし、経済的に厳しい状況だと、後期の品でもそれなりに魅力があれば買ってしまいます。
今回の品はそんな事情の中で購入した品です。

「陽刻染付鶴丸文六寸皿」

時代的には恐らく文化文政期あたりの品で、鶴丸文を陽刻で表現し、隙間の部分には雲とゴチャコチャした文様が描かれています
白磁陽刻になっている部分を見れば、鶴丸文であることが判りますが、染付の部分を見ると何だかさっぱり判らないという
「だまし絵」みたいな品でもあります。

この品は、今は閉店してしまった東京青山の一流店で購入したものですが、思えば予算内で買える品がこれしかなかった
というのが購入理由だったように思います。

落款は後期を代表する「乾」で、裏文様はこの時代に品に良く見られる、やたらと細かく書いた唐草繋ぎになっています。

とりたてて語るべき部分の少ない後期の品ですが、ウチの品で唯一の青山骨董通りの店で購入した品ということで紹介した次第です。

万里の松原をちょっと散歩

2020-04-17 16:31:04 | 古伊万里
 とうとう日本全国に緊急事態宣言が出てしまいましたが、ウチの裏山にある「万里の松原」では「3密」はありえないので
とりあえず少し歩いてきました。
桜はもう散り始めていますが、野草が少しだけ花を咲かせていましたので、ちょっとだけ紹介します
ちなみにワタシは植物学には超疎いので、花の名前はさっぱりわかりませんのであしからず。

こんな花が一輪だけ咲いてました

レンギョウだけは判りますが、はて後は何の植物やら・・・


7




傾斜地を利用した畑の奥の方にひときわ目立つ赤い花が見えました

近くへ行ってみると、どなたかの畑のようで、奇麗な花が咲き誇っていました。

何の花なんでしょう?


不要不急の外出は自粛ですが、乳母車を押している人や、バードウオッチングをしている人が何人かいました。