Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 13

2019-08-30 23:10:02 | 古伊万里
今回紹介する品は「古伊万里」ではありません

明治~大正期に焼かれたいわゆる「いげ皿」ですが、正直なところ専門外でありまして
この品が有田焼なのか美濃あたりで焼かれた品なのか、ワタシには判りません。
「葡萄にカマキリ文六寸いげ皿」です



虫の季節には若干早いですが、カマキリという極めて特徴的なスタイルを持った昆虫を
実にうまくデザインにしています。



この手の「いげ皿」には結構なお値段のする珍品も存在するようですが、いかんせんワタシには判りません
ただ、こういった「いげ皿」や「印判手」は、伊万里における「そば猪口」と一緒で、集めはじめたら
キリがないというのが現実のようで、ウチにある「いげ皿」はこれ一枚きりです。



量産品ですので古伊万里と違って裏文様なんぞありませんが、窯印が押してあります
これを調べれば産地や焼成された窯が判るんでありましょうか。

古伊万里ではありませんが、ちょっと楽しめる品であることは確かです。

酒田をちょっと散歩 17

2019-08-30 20:31:56 | 散歩
このところ休日に限って雨が降るので、なかなか散歩ができません
そんな訳で、以前に撮りためた画像から紹介します。(面白くはありません)

今回は酒田の中心商店街(かつての)の近くに多くのお寺が密集している(といっても境内はすごく広い)
通称「寺町」界隈からお寺を3つばかり歩いています。


まずは本間家の菩提寺でもある1475年開山の「浄福寺」で、市の指定文化財になっている唐門は
本間光丘の寄進によって1800年に完成しています。まじまじと見ると凄い建造物ではあります。


本堂はこんな感じです


続いては浄福寺から歩いてすぐにある、「安祥寺」
このお寺に限らず、お寺さんが幼稚園を経営しているケースが多いのは何故でしょう?



「安祥寺」の隣にある「大信寺」、とても広い境内と墓地があるお寺です
創始者の新田宗忠は新田義貞の五代孫だとか。


鐘楼

酒田のお寺としてはとても変った建物ですが、このお寺は浄土真宗本願寺派のお寺だそうです


最後に、浄福寺から安祥寺へ行く途中で見かけた、散歩中の猫です


猫のように暮らしたいもんであります。

回想の古伊万里 12

2019-08-23 23:17:58 | 古伊万里
私の関わっている小売業界では10月の消費税の増税&軽減税率導入、さらには中小企業を対象とした
キャッシュレス決済のポイント還元と、面倒なことが目白押しです。
システムの改修、新しいレジの購入、さらには補助金に申請、仕入先との調整と
本当にあと一ヶ月そこらで全部できるか判らないという状況です。
そんなことなもんで、とりあえず手持ちの既発表の品でお茶を濁すことになりました

今回取り上げる品は、名付けて「藍九谷花文五寸皿」です


恐らくは正保~寛文の前期といった感じの品で、何の花かわは判りませんが、草花を一輪だけ描いた
至ってシンプルな絵付けですが、葉の描き方や全体の構図は絵画的なセンスが感じられますね。
生掛けで小さな高台の付いた、皿というよりは平碗みたいな器形の品です。



こういったシンプルな絵柄の品は江戸前期の品に時々見られますが、この品でちょっと珍しいのは
落款が二重丸福である点で、これはあまり見かけませんので、意外に珍しいのでは?、と考えています。
同じような時代の品で二重丸の落款と言えば、「誉」が有名で、他にもあるようですが
やはり「丸福」は珍しいように思います。



薄くシャープな成形は寛文期の藍九谷の雰囲気を感じますが、全体の雰囲気はもう少し古いか?、と感じなくもありません。


回想の古伊万里 11

2019-08-16 20:21:45 | 古伊万里
酒田も台風の影響で、昨日は最高気温が38度近くまで上がり、今日は雨が心配されましたが
さしたる雨も降らず、結局最高気温が32度という一日でした。

暑い日が続きますので、涼しげな古伊万里はないものかと思ったんですが
ま~、ウチの収集品にそんな気の利いた品はありませんので、とりあえず流水文の描かれた小鉢を引っ張り出しました。

名付けて「団龍に竜田川薄瑠璃小鉢」です


直径が四寸半サイズの輪花形の小鉢で、見込の団龍は中期の一般的な描き方ですが
この品の見所は見事な薄濃みで、縁に近い部分は濃い呉須、見込み部分は薄めの呉須が使われています。
いわゆる「薄瑠璃」といった感じの絵付けで、中期の品らしい完成度の高さを感じます。

団龍はこんな感じです


落款は普通の渦福ですが、裏面も普通の唐草でないところがいい感じです


見ての通り、縁の部分に何箇所かノミホツが見られますが、それゆえにウチへやって来た品でもあります。

こういった感じの品で、より上手な品だと「車輪福」とか「古人」といった落款の品がありますが
残念ながらいまだに入手できません。

回想の古伊万里 10

2019-08-08 23:42:27 | 古伊万里
 お盆も近くなり、さらに10月からの増税対応等で忙しくなりそうなので、書けるうちに書いておきます。

昨日も書いたように、「蛸唐草バブル」(仕掛け人は中島先生ですね)の時代を知っている者にとっては
値段が安くなっても、妙なトラウマがあって典型的な蛸唐草の品は購入の対象にはなりませんでした。
しかし、そんなワタシにも中期の蛸唐草文の品を購入する日がやってきました。
そして購入したのが今回の品で、名付けて「松皮菱形蛸唐草六寸皿」で、前回の花唐草に続き、蛸唐草の珍品のように思います。



見て判るとおり、見込を三方に分割し、そこへ松皮菱形のデザインされた蛸唐草が描かれています。



蛸唐草文の描き方は中期の丁寧さを感じさせますが、恐らくは享保~宝暦あたりの品と想像されますが
裏面を見た限りでは特に上手という訳ではなく、蛸唐草の変り種といった感じです。



この品、以前に同手をヤフオクで発見したことがありますが、その品はウチの品と違い
見込み中央部の二重圏線が絵付けされておらず、何か違和感を感じたものでした。やはりこのデザインは
中央部の二重圏線によって引き締められているということかも知れません。

以前のブログでこの品を紹介した折、先輩コレクターさんと「松皮菱が家紋のお家の特注品では?」
と言う点で意見の一致を見たものでした。