Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 85(色絵芥子文あわび形皿)

2020-10-18 20:17:03 | 古伊万里
江戸期の伊万里の歴史はざっと240~50年くらいだと思いますが、その中で技術革新や様式の変化が何度か起きています
人によって好みは違いますが、ワタシの場合は一番好きなのは1650年代~70年代あたりの品で、色絵は髙くて買えなかったこともあり
染付の品、いわゆる「藍九谷」が特に自分の好みに合っているように思います。

前置きが長くなりましたが、実は今回の品は染付ではなく色絵の変形皿です
とはいえ、使われている色は青だけですんで、染付の代わりに色絵付けにしてみました的な感じでしょうか。
「色絵芥子文あわび形皿」


横13cm程のあわび形の小皿ですが、甘手ではないんですが、全体にくすんだ生地となっており
そこに色絵の青で芥子と思われる花を絵付けした妙に古色のある品です。


輪郭線を黒で描いている点から、一般的には初期柿右衛門といった分類になる品かと思われますが、青一色というのは意外に少ないのかも知れません
絵付けの感じは柿右衛門様式のようにデザイン的に整理されたものではなく、どちらかと言えば古九谷様式に近く
技術革新の過程の過渡期的な特徴があるようにも思われます。


裏文様も勢いのある絵付けになっています

以前に紹介した「青磁色絵鮑形皿」よりも時代が早そうですし
青だけを使った色絵と言う点では、「青磁色絵小鉢」に近い品なんでありましょうか。
いずれにしても、個性的な前期の伊万里であることは確かでしょうか。


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4 コメント

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酒田の人さんへ (遅生)
2020-10-19 06:19:57
おお、これはレアな逸品!

「古九谷風柿右衛門」か「柿右衛門風古九谷」か、どちらといわれれば、私なら後者です。
決め手は、裏模様(^.^)

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酒田の人さんへ (Dr.K)
2020-10-19 13:23:44
青だけの色絵は珍しいですよね。
しかも、これは、絵も素晴らしいですね。
まさに逸品ですね!

柿右衛門様式では、素地を乳白色にし、赤が映えるように、どんどん工夫したのでしょうけれど、その点、この皿には、それがないんですね。
絵付けだけは、どんどんと柿右衛門様式になっていったんですね。
そういう意味では、確かに、古九谷様式から柿右衛門様式への移行過程の作品といえるかもしれませんね。
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遅生さんへ (酒田の人)
2020-10-19 21:12:01
「柿右衛門風古九谷」、言い得て妙といった感じですね
裏文様は確かに古九谷世代のものではなく、延宝期に入ってからのスタイルであるのは確かです。
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Dr.kさんへ (酒田の人)
2020-10-19 21:17:06
やはり青だけの色絵は数が少ないんですね
初期柿右衛門と呼ばれる一群には、青や緑を中心に絵付けされた品がありますが
青だけで絵付けしたのは何か理由があるのかも知れませんね。
この品の場合、柿右衛門様式とは違った意味で、「絵が上手い」と感じさせるものがあって
そこがまた魅力なのかも知れません。
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