Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

踊る菩薩

2024-07-19 19:44:18 | 日記
酒田はこのところ梅雨時らしい天気で、昨日の午前中はかなりの雨で一部で道路も冠水というひどい天気でした
そんな訳で出かけるには向かない天気でしたので、とりあえず本を読んで過ごすことにしました。
「踊る菩薩/一条さゆりとその時代」という作品で、昭和30年代~40年代前半に「ストリップの女王」と呼ばれた
一条さゆりさんの評伝です。

ワタシは普通の小説よりもこういった実在の人物の評伝や伝記物が好きなのでとても興味深く読めたんですが
ワタシの世代では一条さゆりさんについては名前しか知らない(彼女が猥褻関連の裁判で話題になったころは中学生)
というのが現実ですが、この作品では彼女の人生を追いながら、その時代に起きた出来事も交えて描いています。
ストリップの世界では警察の手入れで逮捕されることは日常茶飯事だったようで、ほとんど罰金を払って保釈というのが普通
(罰金はストリップの興行主が払う)だったようですが、彼女が有罪判決を受け六カ月も収監された裏には
官憲による見せしめとしての側面が強かったようです。
この裁判は最高裁まで争われたこともあって、かなり大きな話題になりましたので
ワタシの記憶に残る一条さゆりという名前はそんな時代にものであったのは確かです。
彼女が逮捕されたのは引退興行中であり、もし何事もなくストリップの世界を引退していたら彼女の後半生は大きく違ったものになったのかも知れません
しかし、現実はそのようにはならず、彼女は不幸な後半生を送ることとなりますが
それは彼女が「一条さゆり」という宿命をずっと背負ったからなんでありましょうか。
ちなみに彼女の裁判が行われていた時代、日本に女性の検事は一名もおらず、白人の陪審員だけで黒人を裁く、みたいな状況だったようです。