堺北民主商工会

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腐った体質

2008年02月29日 09時53分58秒 | 世間の話
 又しても尊い2人の命が奪われた。今月、19日午前4時7分ごろ、千葉県南房総市野島崎の南南西沖約40kmの沖合で、海上自衛隊の最新鋭艦のイージス護衛艦としては国内最大の「あたご」(総工費1,453億円)が、同県勝浦市のマグロはえ縄漁船「清徳丸」に衝突、清徳丸は鋭い刃物で切られたように船体が真二つに割れ、大破した。漁船に乗っていた吉清治夫さん(58歳)と長男哲夫(23歳・哲夫さんはブルーシートで暮らす人達にも魚を差し入れする程の優しい青年)が死亡した。漁協の仲間たちの懸命な捜索にも拘らず2人の遺体は見つからなかった。イージス艦「あたご」は日米合同軍事演習が終え、米ハワイ沖から帰国の途中だった。
 事故原因は秘密裏の内に行われた為、私達国民には釈然としない点が多い。しかし、現在までに判明したところでも12分前に漁船灯を発見しておきながら、衝突2分前に清徳丸が危険を感じて右に大きく舵を切るのを見て、1分前に「あたご」は後進を掛けたとされる。しかも、「あたご」は1分前の至近距離に至るまで自動操舵を行い、緊急事態の恐れがある場合の手動操舵は行っていなかったと言う。
 身を粉にして親子の捜索にあたった漁協の仲間たちは吉清さんの親類の人達に「こんな物しか帰ってこなかった」と銀色のジャケットを手渡した。親類の人達は「悔しいよ。イージス艦にはレーダーも付いているし、海はべた凪で、何でこんなことが」と漁協の仲間の前で泣き崩れた。
 この悲惨な事故にはいくつかの疑念がある。
①海上衝突予防法では一方の船を右側方向に見る船が、相手の船の針路を避けるため右旋回するように義務付けられている。それなのにイージス艦「あたご」は丸で、漁船を虫けらのように扱い、「そこ退け、そこ退け「あたご」が通る」の調子で、無謀で強引な操縦であった。
②イージス艦を海上自衛隊基地に入港させたやり方はひき逃げをした車を自分(加害者)の車庫に入れて隠すのと同じ。証拠隠滅を行った可能性が高い。
③事件から発表までに時間が掛かりすぎているのは「事実の捻じ曲げ」を行うための時間稼ぎであろう。
④近代的な救命器具を備えているイージス艦が衝突の直後、すぐさま救助活動を行っていれば2人は助かったかも知れない。
⑤事故を起こした当事者のイージス艦の艦長及び乗組員が一切、公の場に直ぐに出て来ず、真実を封印している。呆れた事に事件発生から9日目になって、やっと艦長が姿を現した。厚顔無恥も甚だしい。形だけの謝罪に吉清さん(2人)は死んでも死に切れない。
⑥今、問題が噴出している道路特定財源で政府の外郭団体に天下りした役人が好き勝手に「お金」を使っているように自衛隊も我々の税金を好き放題に使っている。
⑦旧ソ連・中国・北朝鮮などを仮想敵国と見立てて自衛隊は軍事力を増強して来たが、本当はこの事は真っ赤なウソで、これらを口実にしてアメリカに諂う軍隊づくり、軍事国家づくり、軍需産業に群がる大企業の私欲を膨らますために莫大な予算(税金)を使って来た。
 以上の点から言えるのは「自衛隊」と言っているが「国民の命」を守る軍隊では無く、何事にも傍若無人な軍隊で有る事。アメリカ軍に協力する攻撃型の軍隊。前述のような体たらくした自衛隊の体質は「愛国心の無さ」に起因している。と同時に、私達・国民の税金を平気で好き放題に使うと言う身勝手さが自衛隊(員)の中に蔓延している。隊員の中には真面目な者も居るだろうが、大きな流れとしては腐った軍隊に成りつつある。
 早急に綱紀粛正を図らなければ大変な事になるかも知れない。