堺北民主商工会

堺北民商ホームページはこちら

悲痛な叫び

2006年11月03日 14時51分48秒 | 世間の話
 今年8月、32歳の高崎美香さんが死亡した。美香さんは妊婦で出産のため町立の大淀病院(奈良県)に8月7日入院した。その翌日、彼女は頭痛を訴え、6時間にも及ぶ長時間、治療を放置され、やっと19番目の大阪の病院で男児を出産したが1週間後に脳内出血のため死亡した。死亡の原因の1つは大淀病院での適切な治療判断がなされなかった事。当初、大淀病院では頭痛を妊娠による子癇と判断し、脳内出血を見損じていた。2つ目は脳内出血が頭痛の原因と判った後、18箇所もの病院が治療を受け入れる事が出来なかったこと。受け入れられなかった要因はいくつかある。妊婦や赤ちゃんのベット施設がなく、何名かの妊婦も待機状態であった病院。手術の医療施設が不十分であったり、担当医が不在であった病院。等などである。貧弱な医療行政が問われている。
 その結果、若いかけがえの無い命を失った。
 こんな悲惨な出来事(事件)を私達は決して見過ごしてはならない。美香さんの夫の晋輔さんが妻の亡骸を前にして泣きながら訴えた…「2度と美香のような犠牲者を出して欲しくない」と言う「悲痛な叫び」がジーンと胸を突き刺す。
 社会(国)というものは「どのようなところ(分野)にお金(予算)を使うのか」…この予算の使い道が決定的に重要だと言える。国民の生活向上、ましてや人の命に関わる医療に予算をふんだんに施すことは最優先課題として必要だ。社会的弱者に暖かい手を差し伸べる政治こそ今、日本という国に求められている。そして、正に、そのような政治が「美しい国・日本」を創り上げる。武器や戦争は「破壊」こそもたらすが、「新しい命」や「創造」は生み出さない!
 美香さんの死を私達はしっかりと受け止め、国のあり方を真剣に検証し、2度と巡って来ない今日を、そして人生を生き抜いていこう。