堺北民主商工会

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バウチャー

2006年11月10日 18時18分40秒 | 世間の話
 「教育基本法(=教基法)」改革法案が今、国会で焦眉の課題となっている。来週15日には地方公聴会を終え、翌日には教育特別委員会で採択し、20日までには衆議院での採決を企んでいる。
この教基法の骨格をつくっていくのが「教育再生会議」なるものである。この会議のメンバーに「和民グループ」の渡邉社長がいる。「和民」と言えば全国チェーンで展開している外食産業の大手である。こんな会社の社長が何故、教育再生に関わっているのであろうか。それは小泉(竹中平蔵)内閣が推し進めてきた「新自由主義」を安倍内閣では「教育」の分野に導入しようと言うものだ。その一端を言えば「教育バウチャー」なるもの。バウチャーとは「利用券」とか「引換券」という意味でこれを教育制度に導入し、改革を図るとしている。つまり、児童に「利用券」を事前にお金で購入してもらい、学校を選び、「利用券」で納入する。学校はこの「利用券」をお金に交換して運営するというシステム。教育現場に「競争原理」を働かす狙いだ。「和民」の渡邊社長はこのバウチャーを強硬に主張しているのだ。
お金の潤沢な家庭は最高の教育を受ける事が出来、生活費で目いっぱいの家庭は貧弱な(?)教育しか受けられない。国を動かす超エリート、キャリア組はほんの一握りの集団で良い。そして働く集団の児童教育は程ほどで良い。「勝ち組」と「負け組」を作るのが競争であり、この競争こそが国を豊にする。
 果たしてこのような「教育改革」が「美しい国・日本」を実現するのであろうか。今、教育現場で起こっている「いじめ」「虐待」事件の根源は何か、この問題を深く掘り下げて検討する事こそ緊急な課題と言える。この検討を幅広い階層の人々で行っていく。それなのにお上(国)の都合で「押し付けの教育」を施していく。本末転倒も良いところだ。いや、それ以上に末、恐ろしい。憲法9条の改憲とあい符合して推し進められているところが危険である。
 子供はその国の財産である。情緒豊かな、人間味あふれる人間を教育が排出していかなければならない。そんな「教育改革」こそ、「いじめ」「虐待」を根絶する道に必ず、繋がっていく。