ポニョ:昨日は少し興奮して堅い話題に終始したので今日は軽く行こか。おいらはもうすぐしたら、ネパールや世界一幸せな国、ブータンも覗いてこようと計画してるんや。
ヨシオ:ネパールってあんた地震があったばかりで大変なんと違うんか?
ポニョ:だから行って何かお手伝いできることがあればやろうと思っているんでやんす。それに情勢が落ち着いたらトレッキングにも行きたいな。面白いのは地震の数日前にベンガル虎や大型の野生動物が森から逃げ出してきたのでツアーガイドが驚いたって言ってたぜよ。
ヨシオ:動物にはそういう予知能力があるもんな。ところでそれらの大型動物の中には雪男も混じっていたんか?
ポニョ:おるわけがないやろ。
ヨシオ:じゃあ、雪男には予知能力が無かったんや。
ポニョ:あのね君。雪男の悪口を言わんとってくれますか。でも、森からモッサモッサと出て来たら面白いよな。ちょっとお邪魔しますね。私が世間を騒がしています雪男です。地震が終息すれば帰って行きますのでタバコの一本ぐらいくれますか?なんて言うんやろうか。
ヨシオ:アホ。言うわけないやろ。でもポニョがお手伝いに行って人々の足手まといになれへんかったらええけどな。ポニョのお手伝いがいるかもね。
ポニョ:要らないって。それにしても世界中の火山が噴火しているぜよ。昨日一日だけでも19の火山が今現在噴火しているんやぜよ。これって過去百年間の平均年間噴火数より多いんやぜよ。
ヨシオ:それは多いよな。地殻変動が活発化しているんやろ。地球の女神さんがそろそろ目覚められたな。くわばら、くわばら。それよりブータンって一日滞在する毎に$100税金を取られるって聞いたけど、そんな金があるんか?貧乏旅行やったんと違うんか。
ポニョ:いや、おいらが聞いたのは、全てはツアー代金に含まれているって言ってたな。その代わり自分で自由にあちこち行けないけどな。だから、少しの期間だけ行こうと思っている。
ヨシオ:俺もインド以外で一番興味を持っている国はブータンやったんや。どういうわけか、小学生の頃から行って見たいなと思っていたんや。だって名前が面白いやろ。俺の従兄弟がブータンというあだ名を持っていて、その従兄弟に会う度にブータンに行ってみたいなと思ったな。
ポニョ:名前で決めてどうするんや。ブータンはとても小さい国やけれど、自分の国や文化にとても誇りを持っているんやぜよ。人々は小さな事にも満足して、都会で見られるような高慢で見せびらかしや嘘や欺瞞には縁が無い様な生活をしているって聞いたぜよ。それに顔や風習なんかも日本ととても似ているし、着物なんかもそっくりやぜよ。おいらがその国に興味を持ったのは、自然を大切にし遺伝子操作の食物を拒否し、豊富な降雨量を利用して、小さな規模の水力発電所を作って電力を輸出したり、マッタケを日本に輸出したり、高山にしか育成していない珍しい植物を使った国立の薬草治療院があり、昔、日本人が大根やらいろんな日本の野菜を紹介したので、マーケットに行くととてもたくさんのおいら達が見慣れた野菜が並んでいるらしい。その日本人はブータンでは国王から英雄扱いされて銅像も立っているって聞いたな。それに国土の七割を自然林として保護するって国の法律で決められているんやぜよ。
ヨシオ:それってすごいよな。
ポニョ:おいらが特に面白いと思ったのは、FIFAの順位決定戦で最下位か、それともビリケツから二番目かを決める試合にブータンが出場したんや。その試合の応援にブータン中が国を挙げて応援してたな。めちゃレベルの低い試合やったけれど観客は大喜びやったぜよ。
小さな子供でさえ眼鏡をかけ、若い人々が毛を染め、多くの人々が入れ歯をするというこれらの理由は、現代における家庭の雰囲気が、虚偽に満ちていて真理から程遠く、心配事やねたみ心がいっぱいで、人々は何事にも満足できず、高慢で見せびらかしや嘘や欺瞞に満ちているためである。
このような腐敗した環境の中で育った者は病気になってあたりまえである。
もし人々が満ち足りた平安の香ばしい香りのする家庭で育ったならば、そこに住んでいる人は幸せで健康であるはずです。
そういう意味で、年長者は次世代者のために大きな責任を負っているのです。SSvol6p89
ヨシオ:ポニョは何でもよく知っているな。それってブータンらしいよな。なんでも一番になることが幸せになれる事ではないんや。我唯、足るを知るの世界やな。俺も、そういうところに惹かれたんや。それで人々が助け合って平和に暮らしているって聞いたんやけれど、俺の持っているもので何かその国に役立つものがあれば、しばらくブータンに行ってシルバーボランティアでもしようかなって思った時があったんや。
ポニョ:あんたは変なガラの悪い大阪弁とか教えれる特技を持っているもんな。われ!何ぬかしてるんや。いてまうで。とか。
ヨシオ:うるさい、ほっとけ人の事は。耳から指突っ込んで喉ちんこをコロコロ言わしたろか。それでそういう事を計画していた時期は、ちょうど、ババのことを知り始めた頃やったんやけれど、ある日ババが夢に出て来られてこんな事を俺に言われたんや。お前のこの生での仕事はそこではない。どうしてそんな遠いところまで足を伸ばして行くんや。そこはお前がカルマを支払う場所ではない。もし、お前がどうしても行きたいって言うんだったら新しいカルマを作る事になるので、また生まれ変わらなければならない。やめとけって言われたな。
ポニョ:そうか、あんたもブータンにそんなに興味があったなんて知らなかったな。まあ、おいら達夫婦が行って、君の代わりにしっかり見聞きして土産話でも聞かせてあげるからそれで満足しておきなさい。羨ましいやろ。
ヨシオ:なんでやねん。ところで、ネパールにトラッキングって、この前大雨かなんかで犠牲者が出たって言ってたけれど大丈夫なんか?
ポニョ:心配御無用。もしそこに行って何かおいら達で役立つ事があったら炊き出しでも何でもやるぜよ。それにおいらは、都会のコンクリートジャングルで育ったあんたと違って、自然の中で育っているから、山のことなら任せなさい。しっかり歩いてくるぜよ。
ヨシオ:そういや最近、嫁さんと家の近くにあるビブルマントラックというハイキングコースの一部を散歩に行ってきたんや。
ポニョ:何ですかそのビビリマントラックって。毒蛇がたくさんいてビビリまくる散歩コースですか?
ヨシオ:ビブルマンや、ビビリマンと違うっちゅうに。アボリジニの言葉でこちらのアボリジニのヌンガー族の別名なんや。その道を使って何万年もアボリジニたちは移動をしていたんや。それをハイキングコースに整備して人々が安全に道を迷わずに歩けるようにしてあるんや。
ポニョ:そういえば名前は聞いたことがあるな。あんたのところにいてる時に大きな看板っていうか木のサインを見たぜよ。
ヨシオ:俺は、ずっとお袋の介護を嫁さんとしていたので、この十年以上ただの一日でさえも家を空けて何処かに行く機会なんてなかったんや。それで、久しぶりに嫁さんと二人でハイキングに出かけたんや。すると、このビブルマントラックは全長1000キロもあって二ヶ月間かけて走破するんやて。俺たちはその一部を歩いただけなんやけれど、とても整備された道で歩きやすかったな。
ポニョ:なに~!そんな1000キロもの長いハイキング道が近くにあったんか?行ったら良かったな。知らんかった。ネパールをやめてまたそっちに帰ろうかな。1000キロを二ヶ月かけて歩くっておいらにはとても魅力やぜよ。で、泊まるところはテントか?
ヨシオ:全行程を60ぐらいのセクションに分けていて、一つのセクションが十五から二十キロとかあるんやけれど、それぞれのセクションの終わりに小屋があって、そこで寝泊まり出来るんや。
もちろんトイレやテントを張れるところも整備されているし、水タンクもあるし、道を迷わないようにサインがしっかりつけてある。嫁さんはそのサインを見た時に、ここは蛇が多いところやななんて怖がっていたけれど、それはただのサインや。でも、人はその蛇の絵が付いた道標を探しながら歩くのでいつも頭の中は蛇のイメージでいっぱいなんや。だからビブルマントラックを歩く人は、自分の想像力の力で蛇を呼び寄せて必ず蛇に遭遇すると言われているんや。
ポニョ:それって恐ろしいよな。自分で嫌な蛇さんを呼び寄せるって。
ヨシオ:あるお父さんはテントを張って寝ていたら、夜中に娘の上を三メートル以上もある長い蛇が這っているに気づいたんや。それでびっくらこいてパニックになりその蛇を力いっぱい払いのけようとしたんや。それで蛇も驚いてその娘のほっぺたっを大きな口で噛んだという事もあったな。
ポニョ:蛇さんはウロウロするのが仕事やからほっておいたら何も悪いことはしないぜよ。パニックになってお父さんが暴れるから子供のほっぺを噛んだんやろな。ほっペに大きな歯型が付いたやろな。めちゃ危ないぜよ。
ヨシオ:その後、慌てて病院へ連れて行ったんやけれど、幸いな事に毒蛇ではなかったんや。
ポニョ:おいらはさっと見ただけで毒蛇かどうか分かるぜよ。そのお父さんは知らなかったんやな。でも、1000キロのハイキングコースって聞いたことがないな。それだけきちんと整備されたコースって世界中探しても無いと思うで。世界最長と違うやろか?
ヨシオ:俺が、そこで知り合った人は俺より一つ年下やけど、一人で全行程を走破しようとされていたな。それで、最初いろんな物をバックパックに詰め過ぎたので三十kgにもなって、喘ぎながら歩いていて、途中でへばってしまったんや。すると何人かの人が余計なものをバックパックから取り出して、それらを好意で終着点まで運んでくれたんやて。だから今は二十kgしか無いので楽に歩けるって喜んでおられたな。
ポニョ:どこにでも、良い人っているよな。嬉しくなって来たぜよそんな話を聞くと。
ヨシオ:面白かったのは、自動靴磨き機があってそこに靴を入れると機械がきれいにしてくれるんや。俺はなんでこんなところに靴磨き機があるんかなと思っていたら、靴にくっついている木や雑草の種を取るためやったんや。
ポニョ:つまりそういう種が、人の靴にくっ付いてあちこち広まらないようにするためか?それって面白いよな。確かに1000キロも人が行ったり来たりしてたら、植物分布に影響を与えるのは間違いないぜよ。ところで、そのハイキング道はトレイルバイクとか、マウンテンバイクでも走破出来るんか。としたらちょっとうるさいし、危ないぜよ。
ヨシオ:全行程でバイク通行禁止なんや。馬でさえそのトラックを通れないんや。だから歩きの人だけが通れる安全なハイキングコースなんや。それに、わざと小さな町の近くを通るようにコースを作ってあるので、食料の仕入れや、時々気に入った町や村があれば、そこにあるホテルや宿泊所で何泊かゆっくりと出来るし、そこで風呂に浸かって垢を落とせるんや。残念ながらコースに温泉は湧いていないけどな。
ポニョ:でもそれってええよな。二ヶ月間休みなしで自然の中を歩くって。自然を大満喫出来るよな。
ヨシオ:その人の話によると、一人で歩くのがお勧めやって言ってたな。だって一日中歩いても余り人と合わないし、二ヶ月間誰とも話さず、毎日自然の中で自然とだけ話しながら自然に浸かり切って一日を過ごすので、本当の自分を取り戻すことが出来るって言ってたな。そういう体験を言葉で言い表すのは難しいとも言ってた。
学生諸君は自然の中の神聖な音響を聴かなくてはなりません。
良心は心を超越します。
それは生命の波動です。
言葉は心から発します。
しかし、それは舌まで来ると異なる状況のもとで異なる発音へと変わります。
言葉は心を超える時には真理そのものとなります。
ヴェーダではこの真理をプールと称します。
それは放射です。
人の霊が、物質化された身体に入ると、この真理は身体中にあまねく満ちわたり、良心という名で真理の波動となります。
それゆえ放射から波動が生じ、波動から物質化が生じるのです。SS10/93
ポニョ:確かにそうやぜよ。おいらも毎週のように六甲山や京都の北山に一人で行っていたけれど、一人になって誰とも話さず自然と一日中向き合えば、本当の自分が見えてくる気がして来るぜよ。ババも沈黙をすれば霊力をためれるって言っておられるぜよ。それに、自然自体から人は多くの事を学ぶことが出来るぜよ。
ヨシオ:そうやな。ババも霊的には自然の方が人よりも一段高い所にいるって言っておられるもんな。
自然は人間よりも一段上のレベルにあり、その自然を保護するために自然の開発には限度を設けなければなりません。
人間が無思慮に自然に干渉するならば、自然は人間に逆らい問題が生じます。
自然を守るために欲望に限度をもうけねばなりません。
自然が人間に対して不利益をもたらさぬように十分に配慮しなさい。
この点に関して、科学者達は彼らの発明が社会にもたらす有害な影響については全く無関心です。21/1/93
ポニョ:それなのに、人は自分がこの地球の主人のように振舞って地下資源を無分別に収奪しているんや。そのうち大きなしっぺ返しが来るぜよ。
多くの自然災害は人為的なものなのです。
地震、火山の噴火、戦争、洪水、飢饉や他の災害は厳重な自然の乱れの結果です。
それらの乱れは人の行為の帰結なのです。
人は、未だに人と自然の関係を完全に理解していないのです。SSvol25chap37
人は生まれてから死ぬまで、明け方から夜まで、人は自然を収奪し、略奪し、その神聖さを汚すことによって束の間の喜びを追い求めます。
そして、自然は創造主である神の財産であり、それに対してなされる如何なる損害も厳罰に値するほどの神への冒涜であるという真理を無視しています。PD12
ヨシオ:そうなると全ての人類が影響を受けるやろな。何れにしても、近い将来俺たち夫婦でゆっくりと無理をせず、全行程を走破してみようかなと話していたんや。出発点はパースの東24キロほどにあるカラマンダという町で、到着地点はアルバニーという町なんや。そこから毎日バスが出てるから出発点に帰ることができる。もちろん逆向きに歩くとこも出来る。十一月から三月は暑いし、五月から七月は雨が少し降って風も強くて寒いし、八月から九月のワイルドフラワーが咲く頃に走破しようかなと思っているんや。
ポニョ:おいらは、ニュージーランドのミルフォードサウンドにあるトラックやその周辺の幾つかのトラックを走破したことがあるけれど、いつ行ってもあの辺りは雨量が多いから歩き辛かったぜよ。その点オーストラリアは乾燥大陸やから、暑い時期だけ外せば気持ち良く歩けるもんな。でも、ニュージーランドは蛇がいないけれどオーストラリアは蛇がおるもんな。それも、チョー毒蛇が。
ヨシオ:でも、まだそのトラックを歩いている人で蛇に噛まれて死んだ人がいないから大丈夫なんと違うか?ニュージーランドもいっぱいブヨがいるって聞いたで。噛まれたら酷い目に遭うって。
ポニョ:そうやったぜよ。おいらも足が真っ赤に腫れたぜよ。しかも一ヶ月経ってもまだ痒いんや。
ヨシオ:最初の半分の行程は、山の中にある国立公園の中を歩いたり、開けた牧場の周りを歩いたりするけれど、後半は海岸沿いを歩くので暑くなればいつでも泳げるし、野生のイルカやクジラも見られる。それに海岸沿いの景色も変化に飛んでいるので楽しめるやろな。途中で野生のカンガルーは毎日のように見られるしな。洗練された都会人でも、二ヶ月間もこんな大自然の中で過ごせば、タフな野人になってしまうやろな。
ポニョ:途中にお好み焼き屋さんがあればもっとええのにな。お風呂屋さんとか、湯豆腐屋さんもあればそらもう言うこと無しや。オーストラリアは夜店とか出店とか無いもんな。誰か始めないかな?マサラドーセの出店を、絶対流行ると思うで。
ヨシオ:ポニョはお腹が空いているんやろ。なんか食べて来いや。
アルバニー側の到着、出発点です。御苦労さんでした。
人は自然を分析し理解して学ばねばならない。
それはまるで、お母さんの膝の上で生き方を学ぶ子供のようなものである。
自然はまた、人にどのようにして平安を得ることが出来るのかをも教えてくれます。
もしあなたが自然の掟を破ると、彼女はあなたを平手打ちにし、彼女の命令に従って警告に耳を貸す様にあなたを導き、あなたが不滅の遺産を継ぐに値する様に導くでしょう。
それ故に神をあなたの導き手、守り手とし、ダルマの法に従いなさい、と言われ続けているのです。SSSvol2p164
肉体と自然界に繋がっている行為と、人間の内面に繋がっている感情、神に繋がっている悦び、この三つが一つになるとき人間と自然と神が一つに出会うのです。この世界、自然は行為をする場所だと言っていいでしょう。自然は人間に、行為を聖なるものにすることによって最高の目標に達する機会を与えてくれます。 ~皆さんは良いことをするという目的のためにこの身体を授かったのです。SGc31
人生の目的は、ただ食べる為に生きたり、役立たずで地球の重荷になる事や、獣の様に感覚の奴隷になることではありません。
きつい仕事を避け、脂肪で身体を膨らし、巨大な身体を持て余している怠け者の群れに加わる事によっては、何の恩恵も得ることはできません。
~自然は、「これは、私のものだ。あれもそうだ。それも私の身内のものだ。」などと言いながら自然を喰い物にする者共を罰します。
自然は、自然界の掟を破るものたちを厳しく罰します。GVc12
ヨシオ:ネパールってあんた地震があったばかりで大変なんと違うんか?
ポニョ:だから行って何かお手伝いできることがあればやろうと思っているんでやんす。それに情勢が落ち着いたらトレッキングにも行きたいな。面白いのは地震の数日前にベンガル虎や大型の野生動物が森から逃げ出してきたのでツアーガイドが驚いたって言ってたぜよ。
ヨシオ:動物にはそういう予知能力があるもんな。ところでそれらの大型動物の中には雪男も混じっていたんか?
ポニョ:おるわけがないやろ。
ヨシオ:じゃあ、雪男には予知能力が無かったんや。
ポニョ:あのね君。雪男の悪口を言わんとってくれますか。でも、森からモッサモッサと出て来たら面白いよな。ちょっとお邪魔しますね。私が世間を騒がしています雪男です。地震が終息すれば帰って行きますのでタバコの一本ぐらいくれますか?なんて言うんやろうか。
ヨシオ:アホ。言うわけないやろ。でもポニョがお手伝いに行って人々の足手まといになれへんかったらええけどな。ポニョのお手伝いがいるかもね。
ポニョ:要らないって。それにしても世界中の火山が噴火しているぜよ。昨日一日だけでも19の火山が今現在噴火しているんやぜよ。これって過去百年間の平均年間噴火数より多いんやぜよ。
ヨシオ:それは多いよな。地殻変動が活発化しているんやろ。地球の女神さんがそろそろ目覚められたな。くわばら、くわばら。それよりブータンって一日滞在する毎に$100税金を取られるって聞いたけど、そんな金があるんか?貧乏旅行やったんと違うんか。
ポニョ:いや、おいらが聞いたのは、全てはツアー代金に含まれているって言ってたな。その代わり自分で自由にあちこち行けないけどな。だから、少しの期間だけ行こうと思っている。
ヨシオ:俺もインド以外で一番興味を持っている国はブータンやったんや。どういうわけか、小学生の頃から行って見たいなと思っていたんや。だって名前が面白いやろ。俺の従兄弟がブータンというあだ名を持っていて、その従兄弟に会う度にブータンに行ってみたいなと思ったな。
ポニョ:名前で決めてどうするんや。ブータンはとても小さい国やけれど、自分の国や文化にとても誇りを持っているんやぜよ。人々は小さな事にも満足して、都会で見られるような高慢で見せびらかしや嘘や欺瞞には縁が無い様な生活をしているって聞いたぜよ。それに顔や風習なんかも日本ととても似ているし、着物なんかもそっくりやぜよ。おいらがその国に興味を持ったのは、自然を大切にし遺伝子操作の食物を拒否し、豊富な降雨量を利用して、小さな規模の水力発電所を作って電力を輸出したり、マッタケを日本に輸出したり、高山にしか育成していない珍しい植物を使った国立の薬草治療院があり、昔、日本人が大根やらいろんな日本の野菜を紹介したので、マーケットに行くととてもたくさんのおいら達が見慣れた野菜が並んでいるらしい。その日本人はブータンでは国王から英雄扱いされて銅像も立っているって聞いたな。それに国土の七割を自然林として保護するって国の法律で決められているんやぜよ。
ヨシオ:それってすごいよな。
ポニョ:おいらが特に面白いと思ったのは、FIFAの順位決定戦で最下位か、それともビリケツから二番目かを決める試合にブータンが出場したんや。その試合の応援にブータン中が国を挙げて応援してたな。めちゃレベルの低い試合やったけれど観客は大喜びやったぜよ。
小さな子供でさえ眼鏡をかけ、若い人々が毛を染め、多くの人々が入れ歯をするというこれらの理由は、現代における家庭の雰囲気が、虚偽に満ちていて真理から程遠く、心配事やねたみ心がいっぱいで、人々は何事にも満足できず、高慢で見せびらかしや嘘や欺瞞に満ちているためである。
このような腐敗した環境の中で育った者は病気になってあたりまえである。
もし人々が満ち足りた平安の香ばしい香りのする家庭で育ったならば、そこに住んでいる人は幸せで健康であるはずです。
そういう意味で、年長者は次世代者のために大きな責任を負っているのです。SSvol6p89
ヨシオ:ポニョは何でもよく知っているな。それってブータンらしいよな。なんでも一番になることが幸せになれる事ではないんや。我唯、足るを知るの世界やな。俺も、そういうところに惹かれたんや。それで人々が助け合って平和に暮らしているって聞いたんやけれど、俺の持っているもので何かその国に役立つものがあれば、しばらくブータンに行ってシルバーボランティアでもしようかなって思った時があったんや。
ポニョ:あんたは変なガラの悪い大阪弁とか教えれる特技を持っているもんな。われ!何ぬかしてるんや。いてまうで。とか。
ヨシオ:うるさい、ほっとけ人の事は。耳から指突っ込んで喉ちんこをコロコロ言わしたろか。それでそういう事を計画していた時期は、ちょうど、ババのことを知り始めた頃やったんやけれど、ある日ババが夢に出て来られてこんな事を俺に言われたんや。お前のこの生での仕事はそこではない。どうしてそんな遠いところまで足を伸ばして行くんや。そこはお前がカルマを支払う場所ではない。もし、お前がどうしても行きたいって言うんだったら新しいカルマを作る事になるので、また生まれ変わらなければならない。やめとけって言われたな。
ポニョ:そうか、あんたもブータンにそんなに興味があったなんて知らなかったな。まあ、おいら達夫婦が行って、君の代わりにしっかり見聞きして土産話でも聞かせてあげるからそれで満足しておきなさい。羨ましいやろ。
ヨシオ:なんでやねん。ところで、ネパールにトラッキングって、この前大雨かなんかで犠牲者が出たって言ってたけれど大丈夫なんか?
ポニョ:心配御無用。もしそこに行って何かおいら達で役立つ事があったら炊き出しでも何でもやるぜよ。それにおいらは、都会のコンクリートジャングルで育ったあんたと違って、自然の中で育っているから、山のことなら任せなさい。しっかり歩いてくるぜよ。
ヨシオ:そういや最近、嫁さんと家の近くにあるビブルマントラックというハイキングコースの一部を散歩に行ってきたんや。
ポニョ:何ですかそのビビリマントラックって。毒蛇がたくさんいてビビリまくる散歩コースですか?
ヨシオ:ビブルマンや、ビビリマンと違うっちゅうに。アボリジニの言葉でこちらのアボリジニのヌンガー族の別名なんや。その道を使って何万年もアボリジニたちは移動をしていたんや。それをハイキングコースに整備して人々が安全に道を迷わずに歩けるようにしてあるんや。
ポニョ:そういえば名前は聞いたことがあるな。あんたのところにいてる時に大きな看板っていうか木のサインを見たぜよ。
ヨシオ:俺は、ずっとお袋の介護を嫁さんとしていたので、この十年以上ただの一日でさえも家を空けて何処かに行く機会なんてなかったんや。それで、久しぶりに嫁さんと二人でハイキングに出かけたんや。すると、このビブルマントラックは全長1000キロもあって二ヶ月間かけて走破するんやて。俺たちはその一部を歩いただけなんやけれど、とても整備された道で歩きやすかったな。
ポニョ:なに~!そんな1000キロもの長いハイキング道が近くにあったんか?行ったら良かったな。知らんかった。ネパールをやめてまたそっちに帰ろうかな。1000キロを二ヶ月かけて歩くっておいらにはとても魅力やぜよ。で、泊まるところはテントか?
ヨシオ:全行程を60ぐらいのセクションに分けていて、一つのセクションが十五から二十キロとかあるんやけれど、それぞれのセクションの終わりに小屋があって、そこで寝泊まり出来るんや。
もちろんトイレやテントを張れるところも整備されているし、水タンクもあるし、道を迷わないようにサインがしっかりつけてある。嫁さんはそのサインを見た時に、ここは蛇が多いところやななんて怖がっていたけれど、それはただのサインや。でも、人はその蛇の絵が付いた道標を探しながら歩くのでいつも頭の中は蛇のイメージでいっぱいなんや。だからビブルマントラックを歩く人は、自分の想像力の力で蛇を呼び寄せて必ず蛇に遭遇すると言われているんや。
ポニョ:それって恐ろしいよな。自分で嫌な蛇さんを呼び寄せるって。
ヨシオ:あるお父さんはテントを張って寝ていたら、夜中に娘の上を三メートル以上もある長い蛇が這っているに気づいたんや。それでびっくらこいてパニックになりその蛇を力いっぱい払いのけようとしたんや。それで蛇も驚いてその娘のほっぺたっを大きな口で噛んだという事もあったな。
ポニョ:蛇さんはウロウロするのが仕事やからほっておいたら何も悪いことはしないぜよ。パニックになってお父さんが暴れるから子供のほっぺを噛んだんやろな。ほっペに大きな歯型が付いたやろな。めちゃ危ないぜよ。
ヨシオ:その後、慌てて病院へ連れて行ったんやけれど、幸いな事に毒蛇ではなかったんや。
ポニョ:おいらはさっと見ただけで毒蛇かどうか分かるぜよ。そのお父さんは知らなかったんやな。でも、1000キロのハイキングコースって聞いたことがないな。それだけきちんと整備されたコースって世界中探しても無いと思うで。世界最長と違うやろか?
ヨシオ:俺が、そこで知り合った人は俺より一つ年下やけど、一人で全行程を走破しようとされていたな。それで、最初いろんな物をバックパックに詰め過ぎたので三十kgにもなって、喘ぎながら歩いていて、途中でへばってしまったんや。すると何人かの人が余計なものをバックパックから取り出して、それらを好意で終着点まで運んでくれたんやて。だから今は二十kgしか無いので楽に歩けるって喜んでおられたな。
ポニョ:どこにでも、良い人っているよな。嬉しくなって来たぜよそんな話を聞くと。
ヨシオ:面白かったのは、自動靴磨き機があってそこに靴を入れると機械がきれいにしてくれるんや。俺はなんでこんなところに靴磨き機があるんかなと思っていたら、靴にくっついている木や雑草の種を取るためやったんや。
ポニョ:つまりそういう種が、人の靴にくっ付いてあちこち広まらないようにするためか?それって面白いよな。確かに1000キロも人が行ったり来たりしてたら、植物分布に影響を与えるのは間違いないぜよ。ところで、そのハイキング道はトレイルバイクとか、マウンテンバイクでも走破出来るんか。としたらちょっとうるさいし、危ないぜよ。
ヨシオ:全行程でバイク通行禁止なんや。馬でさえそのトラックを通れないんや。だから歩きの人だけが通れる安全なハイキングコースなんや。それに、わざと小さな町の近くを通るようにコースを作ってあるので、食料の仕入れや、時々気に入った町や村があれば、そこにあるホテルや宿泊所で何泊かゆっくりと出来るし、そこで風呂に浸かって垢を落とせるんや。残念ながらコースに温泉は湧いていないけどな。
ポニョ:でもそれってええよな。二ヶ月間休みなしで自然の中を歩くって。自然を大満喫出来るよな。
ヨシオ:その人の話によると、一人で歩くのがお勧めやって言ってたな。だって一日中歩いても余り人と合わないし、二ヶ月間誰とも話さず、毎日自然の中で自然とだけ話しながら自然に浸かり切って一日を過ごすので、本当の自分を取り戻すことが出来るって言ってたな。そういう体験を言葉で言い表すのは難しいとも言ってた。
学生諸君は自然の中の神聖な音響を聴かなくてはなりません。
良心は心を超越します。
それは生命の波動です。
言葉は心から発します。
しかし、それは舌まで来ると異なる状況のもとで異なる発音へと変わります。
言葉は心を超える時には真理そのものとなります。
ヴェーダではこの真理をプールと称します。
それは放射です。
人の霊が、物質化された身体に入ると、この真理は身体中にあまねく満ちわたり、良心という名で真理の波動となります。
それゆえ放射から波動が生じ、波動から物質化が生じるのです。SS10/93
ポニョ:確かにそうやぜよ。おいらも毎週のように六甲山や京都の北山に一人で行っていたけれど、一人になって誰とも話さず自然と一日中向き合えば、本当の自分が見えてくる気がして来るぜよ。ババも沈黙をすれば霊力をためれるって言っておられるぜよ。それに、自然自体から人は多くの事を学ぶことが出来るぜよ。
ヨシオ:そうやな。ババも霊的には自然の方が人よりも一段高い所にいるって言っておられるもんな。
自然は人間よりも一段上のレベルにあり、その自然を保護するために自然の開発には限度を設けなければなりません。
人間が無思慮に自然に干渉するならば、自然は人間に逆らい問題が生じます。
自然を守るために欲望に限度をもうけねばなりません。
自然が人間に対して不利益をもたらさぬように十分に配慮しなさい。
この点に関して、科学者達は彼らの発明が社会にもたらす有害な影響については全く無関心です。21/1/93
ポニョ:それなのに、人は自分がこの地球の主人のように振舞って地下資源を無分別に収奪しているんや。そのうち大きなしっぺ返しが来るぜよ。
多くの自然災害は人為的なものなのです。
地震、火山の噴火、戦争、洪水、飢饉や他の災害は厳重な自然の乱れの結果です。
それらの乱れは人の行為の帰結なのです。
人は、未だに人と自然の関係を完全に理解していないのです。SSvol25chap37
人は生まれてから死ぬまで、明け方から夜まで、人は自然を収奪し、略奪し、その神聖さを汚すことによって束の間の喜びを追い求めます。
そして、自然は創造主である神の財産であり、それに対してなされる如何なる損害も厳罰に値するほどの神への冒涜であるという真理を無視しています。PD12
ヨシオ:そうなると全ての人類が影響を受けるやろな。何れにしても、近い将来俺たち夫婦でゆっくりと無理をせず、全行程を走破してみようかなと話していたんや。出発点はパースの東24キロほどにあるカラマンダという町で、到着地点はアルバニーという町なんや。そこから毎日バスが出てるから出発点に帰ることができる。もちろん逆向きに歩くとこも出来る。十一月から三月は暑いし、五月から七月は雨が少し降って風も強くて寒いし、八月から九月のワイルドフラワーが咲く頃に走破しようかなと思っているんや。
ポニョ:おいらは、ニュージーランドのミルフォードサウンドにあるトラックやその周辺の幾つかのトラックを走破したことがあるけれど、いつ行ってもあの辺りは雨量が多いから歩き辛かったぜよ。その点オーストラリアは乾燥大陸やから、暑い時期だけ外せば気持ち良く歩けるもんな。でも、ニュージーランドは蛇がいないけれどオーストラリアは蛇がおるもんな。それも、チョー毒蛇が。
ヨシオ:でも、まだそのトラックを歩いている人で蛇に噛まれて死んだ人がいないから大丈夫なんと違うか?ニュージーランドもいっぱいブヨがいるって聞いたで。噛まれたら酷い目に遭うって。
ポニョ:そうやったぜよ。おいらも足が真っ赤に腫れたぜよ。しかも一ヶ月経ってもまだ痒いんや。
ヨシオ:最初の半分の行程は、山の中にある国立公園の中を歩いたり、開けた牧場の周りを歩いたりするけれど、後半は海岸沿いを歩くので暑くなればいつでも泳げるし、野生のイルカやクジラも見られる。それに海岸沿いの景色も変化に飛んでいるので楽しめるやろな。途中で野生のカンガルーは毎日のように見られるしな。洗練された都会人でも、二ヶ月間もこんな大自然の中で過ごせば、タフな野人になってしまうやろな。
ポニョ:途中にお好み焼き屋さんがあればもっとええのにな。お風呂屋さんとか、湯豆腐屋さんもあればそらもう言うこと無しや。オーストラリアは夜店とか出店とか無いもんな。誰か始めないかな?マサラドーセの出店を、絶対流行ると思うで。
ヨシオ:ポニョはお腹が空いているんやろ。なんか食べて来いや。
アルバニー側の到着、出発点です。御苦労さんでした。
人は自然を分析し理解して学ばねばならない。
それはまるで、お母さんの膝の上で生き方を学ぶ子供のようなものである。
自然はまた、人にどのようにして平安を得ることが出来るのかをも教えてくれます。
もしあなたが自然の掟を破ると、彼女はあなたを平手打ちにし、彼女の命令に従って警告に耳を貸す様にあなたを導き、あなたが不滅の遺産を継ぐに値する様に導くでしょう。
それ故に神をあなたの導き手、守り手とし、ダルマの法に従いなさい、と言われ続けているのです。SSSvol2p164
肉体と自然界に繋がっている行為と、人間の内面に繋がっている感情、神に繋がっている悦び、この三つが一つになるとき人間と自然と神が一つに出会うのです。この世界、自然は行為をする場所だと言っていいでしょう。自然は人間に、行為を聖なるものにすることによって最高の目標に達する機会を与えてくれます。 ~皆さんは良いことをするという目的のためにこの身体を授かったのです。SGc31
人生の目的は、ただ食べる為に生きたり、役立たずで地球の重荷になる事や、獣の様に感覚の奴隷になることではありません。
きつい仕事を避け、脂肪で身体を膨らし、巨大な身体を持て余している怠け者の群れに加わる事によっては、何の恩恵も得ることはできません。
~自然は、「これは、私のものだ。あれもそうだ。それも私の身内のものだ。」などと言いながら自然を喰い物にする者共を罰します。
自然は、自然界の掟を破るものたちを厳しく罰します。GVc12