ヴェーダは、天啓経典とも言われていて、その作者は無く、神そのものであると言われている。
その、ヴェーダの一語一句は、言霊そのもので真理である為、強力な霊的パワーを秘めているのだ。
少し、霊感が強い人なら、その強烈なバイブレーションに圧倒される事だろう。
インドでは、数字ひとつ一つに意味を持たすニューメオロジーという学問が盛んで、ヴェーダの一語一句に数字を当てはめて行き、霊眼でそれを読み取ると小数点以下、何十桁もの円周率が読み取れるという。
まさしく、人智では決して解明できない、神の世界の御業なのだ。
ルッドラム チャマカムの第十一章もたくさんの数字が出て来て、そのほとんどが神から数字を使う許可を得るお祈りで占められている。
古代の社会では数字でさえ特別な神聖な意味を持っていて、聖者たちがそれらを使って、いろんな儀式、ホロスコープ、供儀などに役立てていたのだろう。
現代でも、一部の数学者は、9という数字や、黄金分割線がスペシャルなことに気付き始めている。神の息吹そのものである天啓経典ヴェーダの中でも、最も強力なのが世潮たちが毎日唱えているルッドラムなのだ。
またある解説によると、チャマカムの第11章で唱えられている数字は、生命と知性の進化を可能にするアパまたは、水を形成する高分子鎖を表し、アパとはDNAの窒素塩基対である。
そして1から33までの数字はミトコンドリアDNAの3万3000塩基対を表す。
また、4から48までの数字は4800万のDNA核塩基を表している。
ふたつのDNA塩基のセットは、人間の生命の進化発展と人類の幸福の維持をもたらすために結びつく。
帰依者がこれらの数字の恩恵を祈るとき、実は人類の安寧と幸福の維持をもたらす、すべてのDNA塩基を授かることができるように祈っていることになるのだとある。
この物質世界は創造主ブラフマンが意志して光を放射し、それが物質化して行ったとヴェーダでは教えている。ルッドラムはその粒子と波動の二つの性質を持つ光の一番細かい波動を表していると信じられている。だから世潮が信じている重要な事は、そのルッドラムの意味を解釈する事よりも、ルッドラムを唱えるに当たって、リズムとテンポが正確に唱えられる事なのだ。
つまり、先ずルッドラムがあって、それからその意味を神によって付け加えられたのだ。歌を作るのに、曲が先で、歌詞を後に付ける音楽家がいるが、それと同じなのだ。
世潮はルッドラムを6倍速で聞いた事があるが、特に世俗的な願い事をするチャマカムの、そのとてつもないパワーに圧倒された事がある。
まるで宇宙創成されたばかりの、ビッグバンの只中にいたような気になったのだ。
コオロギの鳴き声を何倍もスローにして聴くと、フルオーケストラの演奏のように聞こえるけれど、実はルッドラムも、ビッグバンの時の宇宙創成時の一番細かい波動を持っている大音響を人が唱えれるように、その音を何万倍もスローにした音なのだ。だからルッドラムは、全ての物質原子や音の中に存在し、それを唱えると身体のDNAがリセットされ、浄化されるのだ。
何れにしても、ルッドラムはとても人智では及ばないとても奥行きの深いヴェーダのお祈りなのだ。
もともとルッドラとは、ヒンドゥーの神様であるシヴァ神のことで、新しい世界を創造ためにこの汚れた世を破壊するための神様なのだ。
そして、ルッドラムというお祈りの意味の概略は、その世界の破壊から少しでも人々をお救いください。お怒りをお鎮めください。というものなのだ。
このヴェーダをサイババさんが御降臨されて、八十余年後の今の時代になって初めて信者たちにプロモートされるというのは、大きな意味があるのだ。
どうして、今になってルッドラムなのか
それの本当の理由を、サイババさんは明らかにされない。しかし、ヒントは与えられている。
それは、ルッドラム ナマカム第五章にあるのだ。
サイババさんは、ヴェーダは人類全てに対する神様からの贈り物だと言われている。
それゆえ、インド人だけではなく世界中の人が、あの難しい世界最古の言語サンスクリット語で書かれたお祈りから、御利益を得ることが出来るのである。
ルッドラムを修得するように、という命が出てしばらくしてから、サイババさんはある一人のイランから来て、サイババスクールに寄宿している男の子を呼び、こんな小さい外国人の子供でさえもうルッドラムを唱えることが出来る。インド人である君たちも見習って、早く習得するようにと言われてから、その外国人の子にルッドラムナマカム第五章を唱えるように指示されたのだ。
その第五章にはどうか津波から私達をお守り下さい。というお祈りの言葉が入っているのだ。
イランは、サイババさんが物質化された未来の地図では、大きな地殻変動と大津波により、元の国土の形が変わるほどの影響を受けるのだ。でも、その子は宇宙を統べる神の化身の前でルッドラムの第五章を唱えた事により、大艱難から生き延びるであろう。
サイババさんはどんな小さな事であっても、意味の無い事は一切されないのだ。
ルッドラムの詠唱は、家族の欠かせない日課になっていた。
毎日二回、時によっては三回、東洋子の前で大きな声で唱えた。
最初は、学業や仕事で毎日忙しくしている子供達も、祭壇の前に座ってルッドラムのナマカムとチャマカムを含めた四つのヴェーダを唱えたあと、
グルマントラ、ガヤトリマントラ、シャンティマントラなど一時間近く、一日二回唱えるのは彼らにとっては苦痛だった様だが、それも少しずつ慣れてきたようだった。
何と言っても、それによっておばあちゃんの病状が改善されて来たことに気付いているし、自分達も心が平安になるようで、特に夜勤の多い次男はヴェーダの詠唱が始まるや否や、寝息を立てるのが常だった。
他の兄弟たちは、インドのサイババの学生に負けないようにとルッドラムを暗唱し始めた。
ヴェーダを唱えた後、自分の体の細胞がリセットされるのが分かる。
色んな世俗の汚れ、特に、人の悪い想念の力による魂の汚濁が浄化されるのだ。
東洋子はだんだんと普通の会話が出来るようになっていた。
人の言葉を聞き取るのは問題ではなくなった。
ただ、水槽の魚を見て、「綺麗な蝶々だね。」と言ったりして、単語と形が一致しないだけで、こちらがそれに慣れてくれば、何を言いたいのか分かるようになった。
体重も十五kgも増えた。
さすがに、いざという時のためにオムツは取れなかったが、ほとんど汚す前に自分でトイレに行きたい。と言えるようになっていた。
使い捨てオムツが使い捨てられなくなった。
昔から百貨店の中を見て歩くのが好きだったので、連れて行った。半日ウロウロして家に帰った。
「今日は、久しぶりに百貨店へ行ってよかったね。」と言うと
「でも、あんたは何も買わへんかったやんか。」と不満そうに言った。
あの大好きだった、インド洋に面したビーチに連れて行くと、
「今日は、ありがとう御座いました。また機会があれば、連れて来て下さい。」と頼んでいた。
ある日、いつものように朝の挨拶に行くと、ニコニコして「今日の朝方、サイババさんが夢に来られたよ。」といった。
驚いて、「どんな夢だったの。」と聞くと、
「『お前はこの世にまだ囚われられている。』と言われたよ。」
「そして、サイババさんが、両手でとても可愛い女の赤ちゃんを抱えていて、私に『どう?この子が好きか?』と聞かれたよ。」
「私が、こんなに可愛い子だったら、この子に生まれ変わってもいい。」
「というと、『そのようになる。』と言われたの。」
「あんなに可愛い赤ちゃんになって、生まれ変われるなんて嬉しい。」と、無邪気に喜んでいた。
いつも散歩で立ち寄る芝生が一面に広がる公園に行くと、白いオウムの一群が空を舞っていた。
東洋子が「ツエンティエイト」と言った。
世潮は、「いやあれはカカトゥーというオウムや。」
と言うと、また東洋子は「ツエンティエイト」と言った。
ツエンティエイトとは英語で28の事だが、オーストラリアではセキセイインコのことを指す。
世潮は何も答えず、無意識のうちに芝生でエサをあさっている、カカトゥーの数を数えていた。
二十八羽いた。
カカトゥーです
東洋子は、突然健常者のように「ここの芝生を見ていると昔、主人とよくデートに連れて行ってもらった六甲山のカントリーハウスの芝生を思い出すわ。」
と、今まで聞いたことのないような話をし始めることもあった。
散歩の帰りに、「ちょっと待って、」と言って少し寄り道し、白い野生の花が咲いているところへと行って一輪詰みながら、
「私、いつもあんたの嫁さんに世話になっているから、これお土産やねん。あの子にあげるねん。」と大事そうに持って帰った。
嫁さんは、「主人のダルマ(義務)を支えるのが私のダルマ。」と言って誠心誠意、義母に尽くしていた。
風呂上がりに服を着せていると、
「ありがとうございます。この御恩は決して忘れません。一生あなた方にありがとうと言い続けて生きて行きます。」と言った。
ある日、東洋子の部屋に入ると、「静かにしなさい。今お祈りしているところだから。」と言って、壁にかけてあるサイババさんのお写真に向かって、ガヤトリマントラを唱えていたのには、家族一同、ひっくり返るぐらい驚いた。
そして孫たちにも。「私と一緒にここに来てお祈りしなさい。」と言った。
また、毎週一回ファミリーバジャンをするが、大きな声でグルマントラも家族と一緒に唱え始めていた。
ある日、久しぶりに知り合いの人が訪れた。その日の夜は暑くて、寝ている間に自分でシャツを脱いでしまい、朝方冷えたので、少し体調を壊していた。
知り合いの人は、以前の東洋子に話しかけるように「東洋ママは、何にも分からんから仕方ないやんな。」と慰めるつもりで言った。
世潮は、「しまった。」と思ったが手遅れだった。
東洋子は、以前の東洋子ではないのだ。
言ったことが全部分かるのだ。
東洋子の頬に涙がそっと流れた。
アルツハイマーと診断されて十二年が過ぎていた。
もう四年以上も何の投薬もしていなかった。
サプリメントも山芋の粉末以外、何も摂っていなかった。
人と違う特別なことと言えば、家族中でベジタリアンで、お酒もタバコもやらない。白砂糖も摂らないというぐらいだ。
東洋子はだんだんと、元の東洋子に戻って行きつつあった。
ヴェーダの力は、驚異的だった。
このままどこまで、東洋子が元の東洋子に戻って行くのか、想像もつかなかった。
ヴェーダを規則的に学びヴェーダの指示を実践するなら、人間はあらゆる種類の富を授かります。
人の生活と運命を支配する基本的な原理がヴェーダには含まれています。
ヴェーダは全人類の幸福のための神からの贈りものです。
ヴェーダは宗教や身分や国籍をもとに区別 をするようなことはありません。
ヴェーダのマントラはすべての人が唱えることができます。
ヴェーダがすべての国に広がり、宗教や身分や国籍などによらず、すべての人がヴェーダを学び唱えることがスワミの望みです。
9/8/06
サストリー兄弟が詠唱するルッドラムのナマカムとチャマカムやその他五つ程のヴェーダです。約一時間あります。https://m.youtube.com/watch?v=ISik_cjsmJA
ヴェーダの無料講習会が各地のサイオーガニゼーション開かれているようです。