サイババが帰って来るよ

Count down to the Golden age

誘拐された世代

2017-05-26 16:00:43 | 日記
カルマを支払い、奉仕や霊性修行を行う上で、あなたは様々な困難に出合います。
しかし、それはあなたが生きているこの世界では自然なことです。
この世界には善と悪、喜びと悲しみ、光と影といったように二面性を持っています。
それらのことにあまり重きを置かないようにしなさい。
あなたに降りかかるものを、あなたの義務として神への祈りと共に受け入れることです。
そしてその結果については神の御手にゆだねなさい。SS11/1996

ポニョ:昨日はオーストラリアのアボリジニ達への奉仕活動の話をしました。

ヨシオ:俺が五人の子供達にいつも「君たちが生まれ育ったこのオーストラリアという地は、元々誰も英語を話さなかった土地で、アボリジニ達が四万年も自然を神と見做して、様々な聖地を大事に守り続けて来た神聖な土地だったんだけれど、ヨーロッパから武器を手にしてやって来た人たちが、過去二百年の間、あっという間に全オーストラリアを支配して英語を広め、アボリジニ達を各地で虐殺し、白人と同化さす事によってアボリジニ文化を破壊して来たんだ。だから自分たちはこの土地を四万年に渡って守って来た元々の住人のアボリジニの人達の文化を尊重しなくていけない」と言ってるんや。だから砂漠の真ん中にあるアボリジニの村に行って、ディジャリドゥの吹き方を習ったりして来たんや。

ポニョ:ディジャリドゥってずっと吹き続けなくてはいけないやろ。どうやってそれが出来るんや?

ヨシオ:前にも記事にしたけれど、口でゆっくりと吹き続けて、鼻で勢いよく吸うんや。その辺のタイミングは難しいけれど、一度マスターすれば誰でも吹けるようになるで。一番良い練習の仕方は水を入れたコップに先を絞ったストローを入れ、そこに息をゆっくりと少しずつ吹き込みながら、鼻で時々一気に息を吸うという練習をすればええんや。それには空気をためる為にほっぺたを使うなど、ちょっとした工夫が要るけれど。誰でも練習したら出来るようになるで。一度マスターしたら病みつきになるわ。いろんな音を出せれるようになるから。

ポニョ:シロアリが中身を食べて、空洞になっている木が楽器になるって、世界で一番シンプルな楽器やぜよ。

ヨシオ:多分そうやろな。また、アボリジニ達はそのディジャリドゥを使ってヒーリングもするんやで。あのディジャリドゥのサウンドってお腹に響くやろ。一つひとつの内臓の波動が違うから、それぞれの内臓によって違うディジャリドゥを吹いて、病人を癒すんやで。

ポニョ:以前そんな事を紹介してくれたよな。

ヨシオ:俺はそういうアボリジニの文化が好きで、アボリジニの友達がたくさん出来たんや。だから彼らは俺の事を兄弟と呼んでくれるんや。一度彼らから兄弟と呼ばれて信用されたら、昨日の例のように靴を前渡ししても、お金は後できっちり支払ってくれるし、人を裏切ったりしないんや。俺は昔アボリジニのバスケのチームに入り、白人のチームを相手に試合をしてたんや。俺達のチームは皆、背が低いけれど、どの大会に出てもいつも優勝してたな。とにかくアボリジニはめちゃスピードがあって、一対一にめちゃ強いんや。背が低いのに軽くダンクする奴もいるし。大会が終わって優勝パーティをするんやけれど、俺の嫁さんがそこに大きなポットに五十人分の菜食焼き飯を作って持って来てくれるんや。アボリジニ達は菜食主義者じゃないけれど、その菜食焼き飯が気に入ってくれて、「ベジタリアンでも悪くないな。今度からベジタリアンになろうかな」と言って喜んでくれたな。とにかく奉仕活動をすると、どうしても私が奉仕をしてあげたというような、人々を上から見下してしまう傾向が出て来るやろ。それが危険なんや。先ず彼らが信じている八百万の神さんを、彼らと同じように尊敬し彼らと同じ視点に立ち、同じ言葉を話せるようになれば彼らも心を開いてくれるんや。今でも当時一緒にバスケをしていた連中と偶然街で出会うと、俺の事をブラザーと呼んで抱き合うんやで。それぐらい心が通い合ってたんや。

ポニョ:この前も死んだ毒蛇をあんたに投げつけようとしたアボリジニの悪ガキグループが、あんたが悪ガキ達の長老を知っていて、昔その長老と一緒にバスケをした話をするとすぐに大人しくなったエピソードを紹介してくれたよな。

ヨシオ:白人達と違ってアボリジニの子供達は、年長者をとても尊敬するんや。だから俺が昔、アボリジニの長老と一緒にバスケをしていたと言っただけで大人しくなるんや。彼らの集落に行って奉仕し始めた頃、彼らは俺に、「ここに奉仕に来る連中は信用が出来ない。彼らは俺たちをキリスト教徒にするのが目的なんや。お前達は少し違うけれど、でもこんなところに来るには何か裏に目的があるんやろ。」と言って、疑われた事もあるな。

ポニョ:『ミッション』という映画を見た事があるけれど、南米のアマゾンの奥地に住んでいる原住民達をキリスト教徒に改宗させる話なんや。その映画を見ても、西洋文化至上主義っていうか、自分たちの価値観の方がお前達より上だと思い込んで、それを人に押し付けるんや。日本も西洋文化にみんな憧れて、かなり日本由来の伝統文化が破壊されているけれど、それって良くないよな。特に戦後、八頭身美人だとか言って、足が長くて頭が小さい西洋人の方が美しいという洗脳を徹底的にやったので、日本独自の美意識が薄れてしまい、日本美人の影が薄くなってしまったんや。これにはディズニーの映画やハリウッド映画に出て来る主人公はいつも白人で正しく、正義の側の人たちで、逆に東洋人や黒人は、召使いだとか、洗濯屋とかばかりで、そういう映画を子供の頃から見せつけられてたら、誰でも大きくなって白人至上主義になってしまうぜよ。ハリウッド映画を見たら支配層が白人至上主義の世界を作ろうとしているのがミエミエなんや。だいたいオリンピック委員会にしても、ノーベル賞選考委員会にしても元々の理事はほとんど欧州貴族やで。いったい誰がこの世界を後ろで糸を引いているのか丸分かりやぜよ。

ヨシオ:ポニョは支配層の話になると熱を帯びて来るな。頭から湯気が上ってきたで。俺の住んでいる街から百キロほど山の中に昔、カソリック教会が運営するミッションがあったんや。そこは終戦後から俺がオーストラリアに移住する七年前まで運営されていたんやで。今でもそこに続く道はミッション道路という名前が付いているんや。

ポニョ:それってめちゃ最近やないの。

ヨシオ:この前パースに行く途中その近くを通りかかったら、ガス欠を起こした車が立ち往生していたので、車の中にいた二人のアボリジニの女性を乗せて、近くの農場まで連れて行ったんや。車の中で彼女達は、「私たちはそこのカソリックのミッションで育ったんです。そこで働いていた白人の尼さん達は、私たちがどこで生まれか、どこから連れて来られたかなどを一切教えてくれませんでした。

両親が誰であったかのかも秘密でした。私たちの周りはそのようなアボリジニの子供達でいっぱいだったのです。毎日、厳しい躾と、それに少しでも違反すると体罰が待っていました。私たちの本当の両親はどこにいるのでしょうか?また一体私たちはどこから連れて来られたんでしょうか?

そういうやり切れない気持ちが募って、ここまで時々やって来るんです。でも私たちの記憶はこのミッションで断ち切られているのです。私たちの記憶はこのミッションまでしか無く、その先は真っ暗で何も無く消えてしまっているのです。まだ子供だった頃、お母さんの暖かい温もりの中にいたというフィーリングだけは残っています。私も自分のお母さんに会いたいです。」と言って泣いていたな。可哀想やった。

そこのミッションで一体何が起こっていたかというと、アボリジニの集落に誘拐担当の政府の役人達が来て、お母さんと離れて遊んでいる小さい女の子を誘拐するんや。また強引に押し入って、主に女の子や女の赤ん坊を両親から引き離して誘拐し、抵抗する男共は容赦無く殺し、その子供達をミッションに幽閉し、そこで徹底して英語教育や西洋文化を叩き込んで教えるんや。

英語が出来るようになると、農場に送ってそこで妾兼召使いとして働かせて、農場の主人や白人の農場労働者や羊の毛を刈る白人労働者との間に子供を産ましたり、都会の裕福な白人の家庭の召使いとして送り込むんや。

農場に送り込まれた少女が妊娠して子供が産まれても、その子供が女の子だったら生かすけれど、男の子だったらすぐにその場で壁に放り投げて殺すんやで。女やったら従順やし色々と役立つけれど、男やったら大きくなった時に白人にリベンジしようとするやろ。

ポニョ:それって寂しい話やぜよ。子供の頃に誘拐されて白人の元で育てられたアボリジニたちの事を「誘拐された世代」って呼ばれているんやろ。ひどい事をするよな。腹が立って来た。

オーストラリアって大きな空、赤い大地、長い誰もいない海岸線など良いイメージしかなかったけれど、だんだん嫌な国のように思えて来たぜよ。おいらが聞いた話は、西オーストラリア州ではもう誰一人純粋なアボリジニは残っていないんやて。みんな白人との混血や。だから西オーストラリア州のアボリジニは、ヌンガーつまり白人の血が混じったアボリジニと呼ばれているんやて。

ヨシオ:アボリジニの事をいつも気遣い、アボリジニの生活向上や社会的地位の向上の為に頑張っている裕福な白人の設計士の友達がいるんやけれど、二十年ほど前にサイババさんのところに初めて行ったんや。そしてインドから帰って来てから俺に、「白人がこの国を占領して以来、アボリジニ達は常に差別され続けられている。そんな事は許せない。どうしてアボリジニはいつも差別されて、白人はいつもええ目をするんや。神さんはどうして、そういう依怙贔屓な事を許されるんやろか」と聞いて来たので、「ひょっとしたら、昔、アボリジニの人たちを殺した人たちが、今世ではアボリジニとなって差別される側になって生まれ変わっている可能性もあるやろ。 また誰かさんのように、前世でアボリジニやった人が、裕福な白人となって生まれ変わり、アボリジニの福利厚生や社会的地位の向上の為に頑張って働いている人だっているやないか」と言ったら黙ってしまったな。だから何も偶然は無いんや。全ては起こるべくして起こるんや。それもこれもみんな神さんの大きな計画の一部なんや。みんな混血になってしまって純粋なアボリジニがいなくなっても関係無いやないか。だってその混血のアボリジニの中にも、白人の中にも純粋なアートマがいるんや。結局、皮膚の色が違うだけで白人もアボリジニも混血もみんな一緒なんや。

あなた自身の中に愛を培いなさい。
一切の人類を父親のような感情で愛しなさい。
全ての人を神の子と見なさい。
誰に対しても悪意や憎悪を抱いてはなりません。
他の人の感情を傷つけてはなりません。
ハートの広さこそ、あなたに至福をもたらします。23/11/1990