ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

JICA事務所からの来訪

2012年02月16日 23時36分03秒 | コンケン 第9特別教育センター


植物を愛するお父さんが大切に育てている蘭が、今とてもきれいに咲いている。
      


朝のサイバーツは私の大好きな、ねじねじのチョコを用意。  (→ 過去ブログ 「ねじねじ」    「夢のお菓子の世界」
      


これまで、お父さんお母さんと一緒に寺に行ったり、サイバーツをしたりして、
お母さんの話を聞くにつけ、
僧侶へのタンブンの根本的なところは、ただお賽銭や食べものを渡せばいいというのではなくて、
私たちのかわりに仏道に入り、欲を捨てただいるだけ、ただ生きるだけの僧侶を
尊いものとして支える気持ちがあるように思う。
助け合い、「チュアイガン」の精神。
だから、食べきれないほどのごはんを渡すのも、
明日がもし雨で僧侶がサイバーツにこられないかもしれない、
そんな心配を僧侶がしなくてもよいように、そういう思いでたくさんたくさん渡す。

お父さんは「そろそろこのナムプリックは飽きたんじゃないか。」と、
僧侶が飽きず、おいしく食べられるようにサイバーツするものにも気を配る。


だから、私も、私が好きなお菓子を僧侶に食べてもらいたいとふと思った。
私の大好きなねじねじのお菓子。   
サイバーツのために買ってきて、準備する。


今日の僧侶は7人。
そのうち5人が一斉に来て、まるでビエンチャンを思い出す。   (→ 過去ブログ 「ヴィエンチャン」
       


ねじねじお菓子をサイバーツ。
      


ラッキーもじっと立ち尽くしてサイバーツ。
      


「声が小さい」と、お父さんが僧侶に注意したことがある。
僧侶の読経が小さいと、先祖にあげるための水もつくれない、
読経の声が届かないと効力がいき届かない、そういうことらしい。
この日も、お父さんが 僧侶が読経を始める前に
「シアンダンダンナカップ(大きな声でね)」と一声かける。
5年の出家経験があるお父さんは、僧侶を敬いながらも、僧侶の先輩でもあり、
正しく、凛と厳しい。



朝ご飯はいつもソイローポーショーで、ガイトー(鳥の唐揚げ)や
ムーピン(豚の串焼き)、カオニャオを買うのだけど、まだ本調子でないので
涙を飲んでやめておく。
今日は屋台の人たちとおしゃべりだけ。
      



配属先では、副センター長からどっさりとカオニャオ(もち米)をもらう。
5キロ袋を2つ。 計10キロ。
「サーイ これ日本に持って帰ってね-。」
      

「ありがとうございます! うれしいー!」
      

荷造りをし始めてから、10キロがどれだけ重くて、
持ち帰ろうにも送ろうにもどれだけ大変か、よくわかるので、
さて、どうしようかと思う。
が、この重たい米を、カオニャオが大好きな私にとかかえて持って来てくれた
その気持ちがありがたくて、うれしい。

喜んでいると、食堂のおばちゃんが言う。
「待って待って、日本にまだ送らないでね、私はカオスーアイ(タイ米)を
 あげるから。明日持ってくるから!」
話には聞いていた、イサーンの人たちの最後のプレゼント。 
米やクロッ(臼)。 ありがたい、どっしりと重いプレゼントたち。




今日は、JICAタイ事務所から次長と健康管理員が、健康管理や生活環境の確認を目的に
配属先、第9特別教育センターにやってくることになっている。
木曜日の今日は聴覚障害クラス。
壊れ物を郵送してもらったときに段ボールに入っていた、これ。
これを使って、雪だるまを作ろうと思う。
      


まずは日本の雪景色を見せる。
木に降り積もった雪、桜の芽の上に積もった雪、吹雪の山林、
大きな雪だるま、すべて派遣前訓練を受けた福島の二本松訓練所での写真。
実際には見たことのない雪の世界をみんな興味津々に見る。


さあ、この雪だるま。
今日はみんな寒い寒い国の雪だるまを作ります。
作り方は紙芝居で説明。
聴覚障害の子どもたちも、紙芝居だとすぐに学習の流れを理解する。
      


雪だるまを描く、顔を描く、切る、雪をつける、最後に
みんなの雪だるまは 雪景色の下に並びます。
      


作業開始。
      


雪だるまを知らない人たちなので、見よう見まねで雪だるまを描く。
だけど、おそれずに色を塗るその型にはまらない色づかいはいつも感心する。
      
    

ほらほら、手元を見て見て。
でも、楽しそうにしているんだなあー。
      



ハサミに恐れおののいている子。
大丈夫、大丈夫、こわくない。
      


6割方作業が進んだところで、
「さちえ、JICAがきたよー」とお呼びがかかり、
ちょっとだけ、と席を外したものの、教室に戻ったのは30分以上たってしまっていた。
が、なんと、私はいなかったのに、私が思ったとおりに、仕上げてくれている!
ちょ・・・ちょっと、感動。
      


次長と健康管理員からは、あらためて配属先に、
日々、私を大切にしてもらっていること、協力してもらっていることについて
お礼を言ってもらえたこと、
ここに日本人ボランティアがいることでどういう影響があったかを聞いてもらえたことが
今この時期にありがたい貴重な介入だった。


次長たちを見送り、午後
ようし、今日は約束していたガイドブックの話し合い、がんばるぞ、
と配属先に戻ると、お葬式があるとかでほとんどの職員がもぬけのから。
今日の話し合いはできず・・・。
自分一人でならば、何日徹夜してでも、絶対に期日通りに満足のいくかたちで
終わらせられるはずの仕事だけど、
タイ人と一緒に関わり、仕事することでのこの先の見えない終わるんだろうかという不安感。
だけど、それも、きっとこの活動の大事なもののひとつ。






最近、さちえがお腹を壊しているとソイローポーショーの近所の人たちにも知れ渡り、
心配をかけたので、お礼を込めて巻きずしを作る。
明日こそ、ガイドブック! 
だから、時間があるのは今日まで、という思いもあり。
作ったのは、ツナ寿司とソムタム寿司。
ソムタムラーオで巻きずしは、絶妙のマッチングでアロイ。(おいしい)
ごはんには100円ショップの赤飯の元もまぜちゃう。
      
    

ソイローポーショーの人たちもとてもよろこんでくれて
「娘が好きなの。」「1つ5バーツで寿司を売ってるけど、あれはおいしくないのよね!」
といいながら、家族に食べさせるのに自分は食べずに袋に詰めて持って帰る人もたくさん。
そんなに喜ばれると、また作っちゃうじゃないか-。



たくさんの寿司を配り歩いて、ナムプリック屋に帰ると、お母さんがにっこりと
「さちえはたくさん ブン(徳)を得たわね。いいこといいこと。」という。
こうやって、誰かに作って食べさせることもいいことをしている
徳を積んでいることにあたるのだという。
なるほど。


近くの商店に寿司を持って行ったとき、商店のおじちゃんが
「サーイ サーイ」とにやにやして手招きししている。
モンゴル隊員がきたときにも、たくさんのおもしろおかしい加工写真を作ってくれたおじちゃん。     (→ 過去ブログ 「モンゴル隊員踊る」
また、今度は何を作ってくれたんだろうと見ると こ・・・これは!!
      


バンパイヤなんとかかんとかの映画の あのハリウッド俳優と 
この女優の顔は! わ わたし?!
おじちゃんは、器械やパソコンを使うのが好きで、こういう画像を探しては
加工してプレゼントするのが また楽しいみたい。
「おかしいだろ?」と満足そうに言うおじちゃんのそばで、
ほんとに、見れば見るほどおかしくて、ギャアギャア腹をかかえて笑った。
       
     

ナムプリック屋のお母さんもギャアギャア笑う。
      


そんな今日の一日。
ナムプリック屋の前に実る、カヌン(ジャックフルーツ)もだんだん大きくなっている。
いい香りがしてきた。