ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

およぐ魚たち

2010年11月29日 16時33分26秒 | コンケン 第9特別教育センター
自閉症クラスで

 「さちえ、明日、美術をやって。」

と突然いわれる。
ええ?突然??と思うけど、やれるだけやってみる。
やる前に出来ないというよりも、
やってみて出来ない方がタイの人たちにとったら、よほど受け入れやすいようだから。

何をやろうか考えて、一人一人の個性もあり、単調な作業(コレ大事!)もある魚を作ることにした。



できあがり見本、これ。
  


① 目で見て分かるように、言葉をなるべく介さずにすむように紙芝居形式で手順を説明。
  私にとってもやりやすいけど、自閉症の子達にとったら、目で見てはいる情報がとても大事。
    

   



② 必殺アイテム。 和紙。
  きれいな和紙の中から好きなものを選んでもらう。 ここでちょっとテンションが上がる。
     



③ ウロコを型紙にあわせて書き、切り取る。



④ 書かれた順番通りに、魚の土台に貼っていく。
  しっぽには、切った毛糸を貼り付ける。 これが手先を使うのが難しいところ。
  目玉に色を塗り、切り取り、貼り付けたらできあがり。
   



⑤ きれいに仕上がったら、プレゼントがありまーす!
  恐竜の切り紙でーす!



・・・なんだけど、あれ、おや、まあ。
途中から、大人の方が夢中になって、どこもかしこも大人がやってます。

 
 お母さんが楽しそうにやってまーす



 
  お母さん一生懸命。 子どもは 別の意味で楽しそうに一人で遊んでまーす



 
 こちらも お母さんがやってまーす  子ども何もしてません。



 
 とりあえず子どもが動かないようにしておいて・・・・ お母さんが楽しそうにやってまーす



 
 先生だって、夢中でーす



 
 できあがりを記念写真。 これは先生。 超 満足そう。


 個性豊かな子どもたちの(いや、お母さんたちの)作品。恐竜をくわえているこのセンスがにくい。
 裏には日本語で名前を書いてあげると、大変な喜びよう。
      



 教室の窓を泳ぐ魚たち。
  


今度は、こどもたちが自分で出来る作品作りを、
とも思うけど、
お母さん達とても楽しそうだったし、これはこれでいいか。




 

携帯電話

2010年11月28日 18時48分58秒 | JICA事務所
協力隊員は、全員 JICAから携帯電話を貸与される。

安全確認が目的のため、JICA事務所といつでも連絡がつくように
電源は切らず、充電を欠かさず、着信があれば必ずかけなおすこととなっている。


私に貸与されたのは、こんなにぼろい携帯電話。
    
    文字盤が削れて見えなくなってしまってる。    裏には「国際協力機構」のすすけたステッカーが。 


隊員の中で一番ぼろいんじゃないか?と思うくらいの見た目のぼろさだけど、
貸与なので、2年後には返却。
その間大事に使わないと、壊したときの弁償は高い。

タイ人は携帯が大好き。
私は携帯電話にほとんど興味がないからよくわからないけれど、ピカピカのいい携帯をもっているタイ人が多い。
だから、私の携帯を見せたら、
「さちえ・・・・」とほとんどの人が言葉を詰まらせる。
(こんなぼろい携帯をつかって・・・かわいそうに・・・ お金ないんだ・・)こんなところかな?


タイでは携帯電話にプリペイドカードを購入して初めて通話が出来る。
プリペイドカードの番号を入力すれば、300バーツ分の通話、それがなくなればカードを足すと言う具合に。
携帯の基本料金というものが存在せず、チャージと使用の繰り返し。

だから、携帯をすられる、盗まれるということも多い。
盗んだ携帯でも、チャージすればすぐに自分のものとして使えるからだ。



さて、この携帯電話。
先日、チェンマイのメマライ市場で、手から滑り落ち、地面に落下。
落下したのち、転がり、側溝へと落ちていってしまった。
落ち方はまるで、アニメのようだった。

さて、困った。
そこに見えているけれど、手を入れても届かない。
少し水が流れているようだから、早く取り出さないと壊したら弁償だ。
  

困っていると、一人のおばちゃんが声をかけてきた。
「どうしたの?」
「携帯電話を落としました。」
すると次第に、あちこちから人が集まってくる。

「手が細いやつを呼んでこい!」
「○○がいい、あの子なら手が細い。」
なんて言いながら、呼んできては手を突っ込み、それでダメなら
「棒をもってこい。」
と、一生懸命わたしの携帯電話を拾い上げようとしてくれる。
  
 山岳民族の物売りさんまでも。

大きな声で騒いだわけでもないのに、これだけの人がどんどん集まってくるって。
この市場界隈の人々すごい。 タイ人すごい。


10分後、棒と火ばさみと細い腕を駆使して、無事私の携帯電話は救出され 泥まみれの姿を見せる。
 


「よかったねえ」と去っていく人々。
「コップンマーックカ-」(ありがとうございます) 本当にありがたかった。
 

 日本だったらこうはいかないだろう。
 こんなにすぐに人が集まってきはしない。

 
 タイ人のもつ、基本的なあたたかさ、面倒見の良さを感じた。
 

アカ族の村で

2010年11月27日 20時27分46秒 | チェンマイ
福岡からやって来た友達と一緒に、ラフ族の村 フィクップカップ村に泊まり、
翌日のこと。

少し時間があるので、ガイドのベックさんが、アカ族の村か、カレン族の村へ連れて行ってくれることに。
カレン族は首長族として有名で、観光の目玉的な存在になりつつあり、
村に入るのも200バーツ(600円程度)かかる。
そういうところは、またいつでもいけるけれど、地元の人間であるベックさんに連れて行ってもらえる
このチャンスは、普通ならば行きにくいアカ族の村に行くべき。


つい先日、ゴールデントライアングルツアーに参加して、見たアカ族の村とは全く違う雰囲気。
素朴、見せるための生活ではなく、そのままの自然な生活、お金お金と言わない、普通の村。
  → 過去ブログ 「ゴールデントライアングルツアー2 アカ族・ラフ族の村」

ああ、これだこれ。
こういうそのままの村を見たかったんだ。
   
 

子どもたちは人慣れしていて、逃げず、にっこり笑ってくれることに驚く。
    

    


 人形遊びをする小さな女の子
      


 一度だっこすると、何度もだっこをせがむ。
  

 よく笑う明るい子。 つい先日見たお金をせがむあの子達は、みなこんな目をしてなかった。
           暗い表情で、光のない目をしていた。 
  


 なんてかわいいの! すりすりしちゃう。
  


 ふごっ! 鼻に指を突っ込まれてしまった
  
 なんて、おちゃめなことをしてくれるんだ。






 友達にこのタイでの時間、なにが一番心に残ってる?と聞いてみる。
 「毎日すごくて、それぞれが普段出来ない体験だったのだけど、フィクップカップ村が今一番残ってる。」


 コンケンの私の活動先で過ごした一日から始まって、毎日ぎゅうぎゅうに詰めた濃縮な経験の数々。

 食べものにしても、イサーン名物、ガイヤーング(味付け鳥のあぶりやき)、カオニャオ(蒸したもち米)、
 ラープムー(豚肉のラープ)、ソムタム(パパイヤサラダ)、虫(コオロギやバッタ)、
 サイコォークイサーン(豚挽肉ともち米の腸詰め)過去ブログ 「屋台アロイ」


 ナムプリックオォーング(豚挽肉とトマトのナムプリック) → 過去ブログ 「タイ人必須アイテム ナムプリック」
 パッタイ(タイ風焼きそば)、グイッティアオ(タイ風ラーメンorうどん)、
 カオソーイ(ココナツカレーかけ揚げ麺)
 
 カオニャオマムーアン(もち米の上にマンゴーがのったお菓子)、マムーアンパン→ 過去ブログ 「カノニャオマムーアン=もち米マンゴー」
 デンモーパン(スイカのシェーキ)、クルアイパン(バナナのシェーキ)
 マカム、
 カノムクロッ(米粉とココナッツミルクを混ぜた焼いたお菓子)→ 過去ブログ 「屋台アロイ」
 カオニャオピング(バナナをもち米で包んで焼いたお菓子)、カオニャオアイス
 カーオラーム(小豆ともち米を竹筒で炊いたもの)
 揚げパン

 時期はずれのドリアンも。


 何でも食べてくれる彼女は、かなりのタイグルメを味わった。


 ツアーコンダクターさちえ。
 お好みのツアーを組みますよ。
 タイにいらっしゃいませ。
 


 

山岳民族 ラフ族の村へふたたび

2010年11月26日 18時26分34秒 | チェンマイ
10月にいってきたラフ族の村。 フィクップカップ村。
観光隊員で活動する先輩が、管轄する地区にある。
 → 過去ブログ 「ラフ族の村へ4 道中」   
            「ラフ族の村へ5 共生する村・ラフ族の学校を見る」
            「ラフ族の村へ6 脱穀・水シャワー」
            「ラフ族の村へ7 ラフ族の村の夜・ゆびきりげんまん」
            「ラフ族の村へで感じたこと」


観光化、商業化された山岳民族の村は多いが、
 → 過去ブログ 「ゴールデントライアングルツアー2 アカ族・ラフ族の村」
この村はさすが、先輩隊員がすすめるだけあって、素のままの人々の暮らしに触れることができる。

ここで活動する観光隊員が言うには、
チェンマイの旅行会社がファラン(西洋人・白人)をこれらの村につれてくるが、
宿泊代一人20バーツ(60円)という現状で、地域開発どころか村人たちの生活の向上もままならないのだと。
そういう問題を抱えながら、素朴なありのままの暮らしで横たわる村々。

そこで2日間すごさせてもらった。

タイに来たことのない日本人には、山岳民族の村への宿泊は厳しいものがあるのでは、と先輩が心配してくれたのだけど
すばらしい、私の友達。

水シャワーのみ寒くて苦しんではいたものの、トイレも茅葺き高床式住居も、食事も、すべてすっかり受け入れて自然に過ごしていた。





道中は、日本語が達者なガイドのベックさんと、トレッキング。
休憩中、ナイフを取り出し、竹を削って箸を器用に作る。
  

「サーイもやってみて」(サーイは私のタイネーム)
「はい!こういうの好きなんです!」
と、意気揚々ナイフをもって30秒後 指を切って、出血。
ベックさんがとても気の毒がって、代わりに作ってくれました。

 
 作ってみたかった・・・・

トレッキング中に出会う、ファラン(=西洋人・白人のこと)
滝に向かっているのだろうけど、それにしてもすごい格好だ。
蚊がわんさかいるし、とげのある枝や、手を切る葉っぱもあるのに。 すごいな。
 



2時間半、山を登って 到着。
 空に近い村。フィクップカップ村。
 

ああ、ここここ! 来たよ! また来ますっていう約束、果たしたよ-!
 




宿泊するホームステイ先  ああ、懐かしい感じ。
 


あの おかあさんがいる! 
 

前回は、帰る直前まで なかなか笑うことも話すこともなかったお母さんが、今度は抱きしめて迎えてくれた。
 

前回、カメラを向けるとぷいと顔をそらし、ほとんど口もきいてくれず、
最後の最後になって、一緒に遊んで笑いあったこの子、ポムとも再会。
「さちえ!」と名前を呼んで迎えてくれた。 覚えてくれていたんだ。



村の子どもたち。 この顔も、この顔も見たことあるぞ。 
前回よりもすんなり打ち解けてくれて、よく笑う。


これが当然のことだ。
初対面からにこにこ笑う方が不自然なことで、少しずつうちとけていくものだ。
この村の人たちはなんて自然なんだろう。


今回、友達が、福岡から古着をもってきてくれた。
先輩にもベックさんにも確認したところ、商業化された他の村はそれなりの収入があり、
難民とされるカレン族には古着支援がすでに定着してるが、
このような知られていない村には、それがどこからも届かない。
村の人たちは欲しがっているが、そのルートがない。

私も、日本の家族に、私の服を送ってくれるように頼んだ。
個人的にではあるが、これから、日本の知人や学校関係者と連携してなにか出来ないだろうかとも考える。



電気のないこの村で、薪で火をたき、かまどで夕食を作る。
夜がやってきて、子どもたちの歌が始まる。
2度目だけど、かわらず 胸にぐっとくる。
友達を見ると、やっぱり目に涙がいっぱいたまってた。
   
歌のお礼に、お菓子をプレゼント。
チェンマイに来る途中のバスターミナルで選んだ、巨大いちごポッキー。

ものすごく喜んでくれて、子どもたちがみんなで顔をつきあわせて分け合い、
わけられたお菓子を、お母さんやお父さん、おじいちゃんおばあちゃんにもっていく。
なんとも、あったかい、素敵な光景。

電気のかわりにろうそくに火をともし、
道中で拾ってきたマコーという木の実を焼き、
お茶を飲み、薪をくべながら、
寒い寒いチェンマイの山の上で ゆっくりと夜が更ける。


夜中から、時間を間違えているニワトリの声がうるさく響くけれど、
朝は、ニワトリにくわえて、ブタと犬の声が加わり、けたたましい大音響。
これもなつかしい。


朝になると、お父さんにも再会。
 
この子、昨日あげた巨大ポッキーの箱を大事そうに抱えている。

どこに行くにも抱えて歩く。
 

分かるなあ。
私も初めて巨大ポッキー、巨大チョコレート、巨大シリーズを買ってもらったときには
箱が捨てられなかったもん。

その箱に、宝物を大事に詰める。
   

宝物を見せてもらうと、お札。 ドラゴンボールのお札がどっさり。
  


朝食をつくり、
にんにくのきいたおいしいカオトム(おかゆ)をいただいて
  


友達の要望により 村の学校を見学
  


休日なので、子どもたちが入り込んで遊んでいる。
   

    


今回は子どもたちと遊ぼうと思って折り紙とはさみを持参。
折り紙を広げると、子どもたちの食いつきが違う。
「アオマイカ?」(=いりますか?)
ときくと、
「アオ!」(=いる)
何度かそのやりとりを繰り返すと、子どもたちの声がそろいだし、大きくなりきれいに
「アオ!」
と声がそろったとき、ゾクッとした。
学校の教壇にいる感覚が一瞬だけ走って、目の前に中学校の教室が一瞬見えたような。
ああ、そうだったな、学校で教師やってたなと思い出す。
    

    


村を出るとき、虫さされ用の塗り薬を置いていくこにした。
お母さんが、「アブヤーッ」(=ラフ族の言葉で「ありがとう」)を何度も繰り返す。
別れるのがさびしいと、奥に入って泣いたお母さん。
 
私もさびしくなる。
今回も感動して、考えさせられたな。


この村に来たことのある日本人は、すべて協力隊員。 
ここで活動する隊員の紹介でやってくる。
だけど、先輩隊員も任期終了間近。
任期を終えて日本に帰ってしまったら、ここにはもう日本人は来なくなるのでは、と心配しているよう。

私の友達は、協力隊以外で初めてこの村に足を踏み入れた日本人ということになる。
「ここに友達を連れてきたいと思う、その気持ちが分かる。」と言ってくれた彼女。
誰でもオッケーというわけではない。
この生活をいいと思える人でなくちゃ連れてこられない。
いい友達をもったものだ。

この先、また、誰か友達がタイに来てくれることがあれば、この体験をぜひ勧める。
普通の旅行やツアーでは絶対に体験できないものと、心に響くものがある。

メタマーン・エレファントキャンプ   in チェンマイ   

2010年11月25日 16時58分58秒 | チェンマイ
福岡からやって来た友達のリクエストにより、日程の中に「象を見る」は必須。

コンケンのバスターミナルでも象が歩いているけど、そういうはぐれ象、出稼ぎ象ではなく
「象だらけ」を見せなければ。
  → 過去ブログ 「振り返ればやつがいる」

チェンマイ、オボトークッチャン地区で観光隊員として活動する任期残り少ない先輩に、
また、プランをくんでもらった。

このクッチャン地区・メタマーン村には、エレファントファームとエレファントキャンプがある。
だから、そこにいる象たちが仕事の合間に道を歩くこともよくある光景。
 → 過去ブログ 「山岳民族ラフ族の村へ 象が迎える」

この2つ、どう違うか、簡単にいうと
 エレファントファームは、椅子などついてない裸象の背中に乗り、象の言葉を習ったり、水浴びをさせたり、
             一日一緒に過ごして一緒に泥んこまみれになる、普通出来ないすごい 象使い経験。
 エレファントキャンプは、象のスポーツ大会や絵かきなどのショーを見て、象の背中(椅子)にのって、
             山をハイキング。

先輩隊員も、象使い経験をぜひにとすすめてくれたのだけど、時間が限られていたため、断念してエレファントキャンプを選択。
しかし、これでも、十分にいい経験。

チェンマイのチャンプアックバスターミナル前から、白いソンテウに乗って、まずはメマライ市場へ。
ここまで1時間くらい。
  

さらに、メマライ市場から車で40分ほどのところにある。


ところで、ソンテウは
  ソン(=2) テウ(=列)
その名の通り、2列の椅子が並んでいるのだけど、このソンテウは

  
 3列目が追加されている!

  サム(=3) テウ(=列) ではないですか?!






●メタマーン・エレファントキャンプ●

  
  パオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーン!


  ショーの前に水浴び。 わさわさどさどさと水に入っていく象たち。
  



 象のショーの始まり

   ようこそのあいさつ「パオォーーーン!」
  


 ちょくちょく鼻を伸ばしては、バナナやチップをもぎとっていく象たち。
 この鼻、自分に突っ込んできたときは、それはもうすごい迫力なのだ。
  


ゾウだ ゾウだぞ

 牙がすごいんだゾウー
  


 おすわりだってできるゾウー
   


 おっと、立ち上がれないゾウー  うんとこどっこいしょ
   


 サッカーだってできるゾウー    でも全然入らないゾウー
   


 バスケットだってできるゾウー   高さ的にダンクシュート余裕だゾウー
  


 お絵かきだってできるんだゾウー
  


 ゾウの描いた絵、なかなかの出来映え。
  



ショーが終わると、ゾウ乗りタイム。
ゾウの背中に乗った友達は 興奮がちに話す。
 「今まで一番好きな動物は?って聞かれたらパンダって答えてたけど、今度からゾウよ。だって、パンダの背中には
  乗れないけど、ゾウには乗れるもんね!」
 

私もー!
  


象の鼻に乗っている人がいる! 私も乗りたい!

こんな風にのせて! と象使いにリクエスト。



 ・・・こんな風に乗りたかったのに・・・・


 「ぎゃ------!!!!  ちがーーーーーーう!!!」

  象使いも笑っている。


 「これじゃない、これじゃない!」 でも、もう笑うしかなーい! わっはっはっはっは! 



 「お? なんだか、これはこれでいい具合になじんできたぞ。」



 「しかも、お前かわいいじゃないか。」 ポッと顔を赤らめるゾウ。 二人の間に何かが芽生えた瞬間。



地上に降りたったあと、そっと寄り添うゾウ。
「ふぅー。びっくりしたけど、ちょっとお前のこと好きになっちゃったぞ。愛い(うい)やつめ。」



だけど、正面から見ると変な顔だった。







まだまだ続くゾウ満喫コース
次は象に乗って川渡り&ハイキング。
 

ゾウの上から見る。
 


椅子には手すりがついているけれど、上下左右にすごい揺れ。 油断したら落ちてしまいそう。
もし、落ちたらただではすまない高さ。
いや、落ちたらゾウに踏みつぶされる方が先かな。
 


時折 別の象に追い越され、追い越しながら、山道をはげしく揺さぶられながら歩く。
この揺れも、だんだん気持ちよくなってきた。
    



次のコース
 ゾウを降りると、何故か今度は牛舎に乗る。
 
  ゾウの時より、格段地面に近づいた。


次のコース
 牛を降りると、なぜか楽しい筏下り。
 ゆったりと気持ちがいいのだ。
 

 さっき歩いてきた山道にゾウが。
 

筏下りの最中、筏の前後2人の船頭さんと話す。
ミャンマーからで稼ぎに来ている人で、私のお給料はいくらなのかと聞いてくる。
タイでは、初対面でも月給を聞かれることがあり、私も保護者から数人聞かれた。
日本のように、稼ぎを聞くのが失礼という感じはない。
ちなみに、ボランティアなので、お給料はもらっていない。もらっているのは現地生活費。
ミャンマーからの出稼ぎの2人は 月に3000バーツ。(9千円程度) 一日100バーツ(900円)
一日に100バーツ以上を使っているこの時、なんだか深く頭を垂れて考えてしまう。


船頭さんが、こぎ方を教えてくれ、いかだ下り船頭体験。

 えんやこら~ えんやこら~
 

  にこっ
 



メタマーン・エレファントキャンプ

 象 ゾウ 象 ゾウ 象 ゾウ 象 ゾウ 象だらけ。
 
 一生に一回は体験しておくべきだな。 ゾウワールド。


この日の かわいいゾウのお気に入りショット

  「おしり」
    

 すごい迫力だ。 でも負けてなるものか! 私だってタイに来てグンと太って大きくなったのだ!

  
 


 








ゴールデントライアングルツアー 2  ~ラオス領・メーサーイ・アカ族・ヤオ族の村~

2010年11月22日 15時21分01秒 | チェンマイ
ゴールデントライアングルツアー


●ラオス領●

ラオス領の 小さな島。
パスポートもビザも必要ない。


 はじめの一歩
 

 話しに聞いてた ラオスビール
 


入って感じたこと。
こんなに近くの国なのに、タイとは全く雰囲気が違う。
はっきり言ってしまえば、ひどく貧しい。

ラオス国旗がはためく下に、子どもたちがたくさん。
  

この子達は、ものもらいをして生活する子どもたち。
船が着いたとたんに、群がってきて、私たちについて歩く。
手を出し、懇願する姿を見せる。
 

船が出るときにも、ギリギリまで群がって、手を出して お金を懇願する子どもたち。
 

貧しさを目の当たりにした。








●ミャンマーとの国境の町 メーサーイ●

タイ最北の町、メーサーイ。 国境の町のため、人が行き交い、店も多くずいぶんと賑わっている。
 


この門を超えて、100メートル歩いて行けば、そこがミャンマー。
 


私は通れないので、金網越しにミャンマーに行き来する人たちを見る。
 

すると、足下で金網をはげしく揺さぶり、叫ぶ声が。
 
ミャンマーの子どもが、物乞いをしている。
ここもか、と胸の奥が痛い。

貧しさをこれでもかというくらいに目の当たりにすることは、日本にいたときにはなかったことだ。







●アカ族・ヤオ族の村●
 山岳少数民族の村を見られるのは、とーっても楽しみだった。
 2つもいけるの? とうれしかった。
 ただし、どちらもほんの15分~20分程度。
 ほほう、と入り口近くの民家と店を見たら終わり。

 まず アカ族の村
  チベット高原が起源の少数民族。
  女性は頭に銀製の兜をかぶり、悪霊が体内に入らないように、独自の衣装を着る。
  寝るときも兜を外さない、自分たちの文化を誇りにしている。
  高床式茅葺きの住居に住み、部屋や炉が男女別にある。
    

      



 ヤオ族の村
  中国やベトナム北部にも分布する民族で、中国が起源。
  漢族・道教の影響を強く受けていて、葬式や婚礼などの儀式では漢字を使い、
  年長者の男性では漢字の読み書きが出来る人も多い。
  土間式の住居に住み、箸を使って食事をする。
  
  車から降りたとたん、このおばあちゃんが、走り寄ってきた。
   

  そして、女性客に抱きついた。みんな、さもほほえましいというように笑う。
  だけど、私はこのあとが見えて笑えなかった。
  

  手を握って、自分の店に連れて行くおばあちゃん。 それは絶対断れないよ。
  もちろん、この女性客は バッグのような何かを買ってた。
        
                      握った手はずっと放さずに。



  先輩隊員のすすめるラフ族の村にいったときとは、ずいぶん違うなというのが、この2つの村を訪ねて思ったこと。
  → 過去ブログ 「ラフ族の村へ 竹細工を作る」    「ラフ族の村へ 共生する村・ラフ族の学校を見る」
  「ラフ族の村へ 脱穀・水シャワー」   」「ラフ族の村へ ラフ族の村の夜・ゆびきりげんまん」

  ここでは、子どもたちがついてまわり、ものを売ろうとする。
  写真を撮ったイギリス人に20バーツを要求する子ども。

  観光客が押し寄せ、商業化された結果なのだ。
  生きるためにの結果なのだ。

 とても複雑な思い。
 あの、素朴なラフ族の村がとても恋しく、貴重な存在に感じた。


ゴールデントライアングルツアー 1 ~温泉・ワットロンクン・ゴールデントライアングル~

2010年11月22日 12時11分12秒 | チェンマイ
福岡からやって来た友達を連れて、
以前から興味のあったゴールデントライアングルツアーなるものに参加してみた。

朝7時発 
 ・チェンライの温泉
 ・チェンライ ホワイトテンプル ワットロンクン
 ・タイ・ミャンマー・ラオスの3つの国境ポイント、ゴールデントライアングル
 ・ラオス入国
 ・ミャンマーとの国境の町メーサーイ
  ・少数民族 アカ族の村
 ・少数民族 ヤオ族の村
夜8:30ごろチェンマイ着

これだけ回って、昼食付きの 800バーツ(2400円程度)
ロットゥーと呼ばれるこのような乗り合いバンで10名前後のツアー。
西洋人が多く、英語・タイ語のガイドがつく。 
  

インターネットで日本語を入力して検索すると、とんでもなく高いツアーしか出てこないけれど
現地チェンマイでは この値段でのツアーがごろごろ転がっている。
  





●チェンライの温泉●
勢いよく吹き上げる温泉。 HOT SPRING 
 
 
 あたりには硫黄の匂いがどことなくただよっていて、 温泉卵も。
   





●ワットロンクン●
真っ白な真っ白な、とにかく真っ白なお寺。  WHITE TEMPLE
ある隊員のブログでこの寺を見てから、自分の目で見てみたくて仕方がなかった。

  

太陽の光に照らされて、白がキラキラ光る。
   

この奇抜な白一色のお寺。
タイの有名な建築家が手がけているそうで、見たことのないツンツンデザイン。
どこもかしこもとんがっていて、ツンツン  ツンツン

   

後ろから見ても ツンツン
 


 
柵もツンツンしているので、写真を撮るのに夢中になってたら、手首をざっくりやってしまった。
このツンツン、見かけ倒しではないぞ。


この白さ、太陽の下で輝いて美しいな・・・と思うけれど
よく見れば、入り口には 地獄から這い出たかのように手がのび、


堀には悪魔のような生き物が


寺の側面道路にあるコーンはどくろ。
 

いったい何を意味して、どういう思いを伝えようとしているのか、
この寺を手がけた芸術家の意図はつかめないけど、
白の美しさと、ツンツンの気高さと、地獄のおぞましさが入り交じって、なんともいえない。






●ゴールデントライアングル●
メコン川をはさんでタイ、ラオス、ミャンマーの3つの国が互いに目の前に存在するところ。
まさしく、国境。
   


ボートに乗って出発
メコン川の赤褐色の川がそのまま国境になっている。
  

奥に見えるのがミャンマー
右に見えるのがラオス
左に仏像を構え、国旗をはためかすのがタイ。



3つの国の国境に立つ。
初めての経験。

日本は島国であることもあり、国境を意識したことはなかったけれど、
陸続きの大陸にある国々は、こうやって国境を意識し、
すぐそこに他国を見ながら暮らすことがあるんだなと、
大陸というものの大きさを考える。

ゴールデン トライアングル。
まさしく、トライアングル。
  ずっと見たかった国境を見られて満足。

チェンマイ寺巡り

2010年11月21日 16時48分03秒 | チェンマイ
福岡からやって来た友達と、夜行バスに乗って12時間、チェンマイへ。
12時間のバス旅、タイにいたら普通のことだけど、
友達にとったらびっくりの長旅。
バスの冷房に凍えながら、12時間をなんとか友達は乗り切った。
私はというと、タイに来て5ヶ月、めきめきたくましくなっている。


チェンマイの寺を2人で巡る。




●ワットドイステープ●

タイで2番目に高い場所に位置する ワットドイステープ。
  →過去ブログ 「ワットドイステープ」

2匹のナーク(蛇神)に守られた長い階段。
その左右には灯籠がずらりと並ぶ。
ロイクラトン祭りが来週に迫り、チェンマイの街には灯籠が目につく。
 

少数民族衣装を着たかわいらしい子。
かわいい!と声をかけると、私の膝にちょこんと座る。
        

かわいいねえ、かわいいねえと、写真を撮り、その場を去ろうとしたら
「20バーツ」と要求してくるこの子。
ちょこんと膝に載るのも、かわいい笑みを浮かべるのも、仕事だったか。
私も抜かったな。
生きるために仕方ないとは言え、もの悲しい気持ちになる。
  


エメラルド仏像は太陽の光を体に吸い込んで光を放つ。
  


タンブンするために、友達とドークブーアの花を作る。
初めてやっている友達だけど、なかなかなかなか 上手上手。
     

花と線香とろうそくをもって、祈りを込めて歩く。
   
  







●アイスクリーム売り●

ワットドイステープからチェンマイ市内に降りる途中、
見晴らしのいい展望台。
そこにあるアイスクリーム売り。
  

カオニャオを入れたアイスに目がない私は、見つけたら必ず買う。
「いや、もち米はちょっと・・」といやがる友達にもぜひにと勧め
トライさせてみると
「お、・・・おいしい!」
でしょう!  初めての食体験。

このアイス売りが陽気な人で、話しが弾む。
英語が話せても、タイ語が話せる日本人や外国人というのは少ないので、
タイの人は、私がタイ語が話せるとなると、いつもとても喜んでくれる。
「“さちえ”は呼びにくいからタイネームの“サーイ”がいい。」
そして、アイスは自分で作れと道具を私に手渡し
「サーイがアイスを売ってるよー! サーイがアイスを売ってるよ-!」
と大声で叫んでお客を集める陽気っぷり。
初めてのアイス売り体験、楽しいったらもう。
   

こんなにモリモリ入れちゃった。
    

パンにアイスとカオニャオをはさみ、練乳とピーナッツをかける。大のお気に入り。
これで、10バーツ。(30円程度)







●ワット スアンドーク●
 ちょうど夕暮れ時。
 夕日にあたるジェディの段の上で、すやすや気持ちよく寝るワン太。
 タイの犬は、どこでも安心しきっている。
 見た目はすすけているけど、日本の犬よりもずっと幸せそうに見える。
    


    






●ワットプラシン●
 チェンマイ有数の格調高いお寺。
 確かに豪華絢爛。 京都の寺でたとえるなら金閣寺かな。
     
   



●ワットパンターオ●
 だけど、私の好きなのはこっち。
 しっとりと落ち着きがある。 たとえるなら 銀閣寺。
     






チェンマイで一番好きなお寺。
●ワット ジェットリン●

なぜ好きかというと、この池と手作りの橋、そして庵に心が和むから。
ここもロイクラトンの祭りに備えて灯籠がずらり。
ロイクラトンの時はきれいだろうなあ。
  

もう一つの好きな理由。
初めて来たときに タイ人だけど日本名をもった僧侶たちと
長い時間 話したのがこれまた心が和んだから。
  →過去ブログ 『北方の寺』
  タイ語できないなあと自信をなくしてたときだったので、
タイ語で僧侶達と話した時間は、欠けた自信を埋め合わせてくれる時間だった。
太郎さん、リョウさん、いるかなー、と足を踏み入れると
・・・いた! また会えた!
この寺に来るのは3度目、その3度とも太郎さんに会えている。
思いは通じるものだ。


自分の故郷や、寺での生活の写真を見せてくれる太郎さん。
僧侶といえど、パソコン、ネット、携帯あり。

私のつたないタイ語でも一生懸命に聞いてくれるので、話したくなる、自然と話も弾む。
会話って、お互いの 聞こうとする気持ちが一番大事だと実感する。
ここで 穏やかに時間が流れて、あっというまに夕方。

友達に聞いてみた。
「今日の一番印象に残った思い出は?」

「ワットジェットリンで、僧侶に囲まれたこと。こんな経験、絶対できないでしょ!」
かこまれて若干萎縮気味の友達。 少し間が開いてるのは、僧侶は女の人に触れてはいけないから。
 

3度通い、顔見知りになった太郎さんやリョウさん。
話していると、その友達、その友達とどんどん集まってきた。
わいわいがやがや、タイ語・日本語・英語・中国語いろんな言語が飛び交いながら
楽しく話した時間。
会話の媒体って、何でもいいんだな。
話したい、伝えたい気持ちが一番にあれば。




●夜 ターぺー門●
もうすぐロイクラトン祭り。
灯籠がすでにこんなに。
   
 チェンマイのロイクラトン、そしてコムローイを一斉に空にとばすというサンサーイイーぺー。
 もうすぐ。







  







ロイクラトン in チェンマイ サンサーイイーぺン  コムローイの夜空

2010年11月20日 19時25分25秒 | タイ文化
ロイクラトンはクラトン(灯篭)を水に流し感謝の気持ちを捧げるが、
イーペンはコムローイ(熱気球・ランタン)を空に放ち、
仏陀(ブッダ)に感謝の気持ちを捧げるもの。


チェンマイ市内から郊外へ15キロ。
夕方から、サンサーイ群へ向かうバイクや車で、道路は賑わう。
サンサーイ郡、メージョー大学 その裏手にあるトゥドンカッサターンランナー寺院で
コムローイを一斉に放す儀式が催される。


去年までは、この情報が一般にほとんど流れず情報不足だったのらしい。
今年はタイ国政府観光庁がHPに紹介しているからか、外国人観光客も目立つ。
ごく少数だけど、日本語も聞こえる。
 
 「※非常事態宣言や毎年のコムローイの落下による火災発生が原因で、
  行事そのものが中止になることもあります。」

 HPにある、政府の但し書き。
 日本ではきっと安全管理上、あり得ない、できないだろう儀式。
   




満月の下、僧侶達が座し、
会場には僧侶達の読経の声が響き渡り、
地を埋め尽くす人々。
優麗でおごそかな雰囲気が充ち満ちている。
あくまで、祭りではなく宗教行事。
地を埋める人々も、信徒は白い衣装を着て祈りを捧げる。
  


夜空を見上げると、少し離れた場所からすでに、コムローイが空に上がっている。
まちきれないとでもいうように、少しずつ少しずつ。
この様子でも、はっとするほど美しく、目を奪われる。
まるで、プラネタリウム。
けれど、ここで 今から見るものは、こんなものではないはず。
と、上がっていく遠くのコムローイを見やりながら、
これから目にする光景を想像し 胸が高鳴る。

  

 
今か、まだかと、ドキドキしながら待つのだけど、
僧侶の祈祷と長い話で、お預け状態。
今か まだか もうちょっとか ・・・ドキ ドキ ドキ。

アナウンスが途切れ、並んだ燭炉に火がつけられていく。
 


人々が立ち上がり、
コムローイを火にかざしはじめた。
いよいよ その時がやってきた。


中心に火をつけ待つと、熱でふくらみ始めるコムローイ。
まだ、まだ、まだ、と十分にふくらむまで
熱を感じ、顔を照らされながら。
  



数え切れないコムローイが、一斉に手を離れ、夜空に飛び立つ。
    




すごい! すごいとしか 言えない!
他にどんな言葉も出てこない。
すべての言葉を奪われる、幻想の景色。
   

   


コムローイが 夜空を埋め尽くした瞬間!

   

  


景色としてこの目で見た光景で
こんなに感動したことはあっただろうか。
どこまで行くだろう
私の思いをのせたコムローイ。

まるで幻を見ているような信じられない光景。
こんな幻想的な光景を今、タイで見ていることの不思議を感じつつ、
ただただ、ぼうっとコムローイで埋め尽くされた空を見上げた。

   


これを見られただけでも、タイに来て良かったと思える。
それほど、心の底から揺さぶられる、幻想の光景だった。
私の言葉でなんて、とてもじゃないけど言いあらわせない。
言いあらわす術をもたない。



     コムローイが一斉に上がるとき
      

    
 空を埋め尽くすコムローイ、その後ろに咲く花火。

  すばらしすぎです。

     コムローイと花火
     











ロイクラトン  ~コンケン 第9特別教育センター~

2010年11月19日 18時47分02秒 | タイ文化
今日は 第9特別教育センターでのロイクラトン。
タイの伝統行事であるロイクラトン。
今年は、11月21日が満月にあたるが、日曜日の夜であるため、わがセンターでは前倒しして
金曜日の今日がロイクラトンの日。
昨日からクラトン作りにせっせと励んだ。
 過去ブログ→」「明日はロイクラトン」


今日のセンターは、朝から子どもたちのメイクで大忙し。
おや、この子・・・。 ひげ? ヒゲを描かれている! できあがりに「ロ-!ロー!」(=かっこいい!)と賛辞を受けながらも、ちょっと納得のいかない顔。
     


“嫌だ嫌だ”を前面に出しているこの子。   できあがに「ロー!ロー!」(=かっこいい!)と絶賛されながらも、超 不満顔。
    


 でも、ほとんどの子どもたちが、このムードと、タイメイクをしてもらうことを楽しんでいる。
 うん。 いつもよりも、ぐんといい笑顔。
 

  


 昨夜、本当にコレを着るのか?!と、少しおそれおののいたチュッタイ(=タイの服・民族衣装)も、みんなが着ていると
 なんてことない。
 どころか、けっこういいじゃないの~? と思えてくる。
      






 バスに乗って、コンケン市内の池までいく。
 「さちえ、お母さんに送ってあげなさい!」と私を入れて写真撮影大会。
 「一人の写真も撮るのよ、お母さんに送ってあげるのよ。ほら、このクラトンをもって。」と。
 とるとる、たくさん撮る。
 タイ人は家族、とくに親を大切にする。
 私のことも、私の家族のことも、いつも心配してくれる。
  



 各クラスの出しもの、歌やダンス、保護者有志の出しものが続き、お祭りムードがぐんぐんもり上がる。
 私も聴覚障害クラスに入って、ニワトリダンス。
  「エイエッエー!」(タイではコケッコーではなく、エイエッエー)と叫びながらダンス。
     



 このお母さん。 タイタニックのテーマに合わせて歌う、踊る、スカートを脱ぎ捨てセクシーに踊る。会場皆笑いのるつぼ。
 私もお腹が痛くなるほど笑った。 
 タイ人は、出しもの好き、人前に立つのが好きという人が多く、盛り上げ人がたくさんいる。
 奥ゆかしすぎる日本人の中には、めったにないような逸材ばかり。
   


 昨日作ったクラトンのコンテスト。 どれが一番美しいか。 すごい、すごい、こんなの作っちゃうってすごい。
         

     

 近づいてみると、小さな花一つ一つを丁寧にピンでとめてある。この緻密な手作業。手先の器用さ、美への追究。
 うーん、もう、感動しきり。
    


 親子で作ったクラトンもずらりと並ぶ。
     



 お昼を食べ、アイスクリームが振る舞われ、楽しい時間を過ごす。
 水色・黄色・ピンク 色とりどりの チュッタイ
  

 ココナッツアイスはタイでの大好物。
 「おいしい!おいしい!」と連呼していると、周囲の人々が「もう一つ食べなさい。」
 太るからと固辞していたけど、「マイペンライ」(=大丈夫)と しまいには
 センターでも地位の上の方の女性が私の手を握ってアイスクリーム屋台につれていき
 「さちえにおいしいおいしいアイスを一つつくってあげてちょうだい。」
 ここまでしてくれる。 んなもんだから、食べちゃう2個目。
  
  「いただきまーーーす!」

  
 いいよ、ロイ(流す)の時間。
 クラトンを持ち、列になる。 池まで歩いて。
   


 祈りを捧げて、願い事をこめ、水に浮かべる。
      


 私も、このクラトンに願い事をこめる。
 


 ろうそくの火がいつまでも消えなければ願いが叶うという。
 ずっとずっと消えずに、私の願いを叶えてくれますように。
  


 クラトンが流れ、流れ ゆらゆら漂う。
   

     
  

 優美で、素敵なお祭り、ロイクラトン。
 各地で行われているけれど、チェンマイやスコータイが有名。
 夜のロイクラトンはまた、どれだけ美しいだろうか。
 タイにいる間に見てみたいもの。
 


 いつも思うのだけど、
 遠足やこういう行事の時、その準備と片付けの迅速さには目を見張る。
 こんなにいつ運んだの? いつ準備したの?と 驚く。
 放送機材に、横断幕、椅子、クラトン、コンテストの景品、お弁当の山にアイスクリーム屋台セット、さっさと運んである。
 日本のように、あーだこーだ話し合ったりしない、考えるより先に動くのがタイ人。
 のんびりしているようで、やることはさっさとやっちゃう、さっさと動く。
 考えて、考えて、話し合って、あれこれ言いながらスタートまでになかなか時間のかかる日本と違って
 なんて腰の軽いことか。
 先日の、洪水被害にしても、募金呼びかけ、物資を運ぶまでの迅速さ。
 どこにもっていくか決まってなくても、とりあえず行くか、と、物資をのせたトラックが出発してしまうタイ。
 そんな彼らを尊敬する。





 

明日はロイクラトン

2010年11月18日 19時07分33秒 | タイ文化
ロイクラトンは、タイの伝統行事で、
陰暦12月の満月の夜、
水の精霊に感謝を捧げ、また罪や汚れを水に流し、魂を清めるお祭り。

ロイ(=流す)クラトン(=灯篭)の意味。
日本語では「灯籠流し」
バナナの葉や紙で作った灯篭をロウソクや線香や花で美しく飾り
満月を映す水面に流す。

タイの行事や祭りはほとんど陰暦に基づいて行われ、
日本のように毎年決まった日にお祭りがあるわけではない。
今年は、11月21日が満月にあたり、その前後を含めて、タイ各地でロイクラトンが行われる。

わが配属先、第9特別教育センターでも、ロイクラトンが近づき、みな浮き足立っている。
タイ人はお祭りが大好き。

わがセンターでは、明日、みんなで出かけてロイクラトンをやるらしい。
今日はそのために、午後からクラトン作り。
お祭りも、クラトン作りも もちろん初めての経験。



教室に運ばれてきたバナナの幹、バナナの葉、色とりどりの花、ろうそく、線香。
これらがクラトンの材料たち。
   


さあ 作りましょう。
  


土台となるバナナの幹を輪切りにする。
バナナの幹は、輪切りにすると幾重にも重なってできあがっている。 まるでタマネギのように。
そして、包丁でサクサク切れるほどみずみずしい。
バナナの幹を輪切りにするという経験、ないよなー。 これだけで軽く興奮。 
    


輪切りにした幹に、バナナの葉っぱで作った飾りをつけていく。
飾りはそれぞれの趣向とセンス。
ボランティアでコンケン大学の学生が来ていたので、教えてもらう。
この竜みたいな飾りで、クラトンをつくっていく行程。
 


【作り方】

 ①葉っぱを丸めて三角をつくる。 たくさんつくる。
  


 ②三角をかさねてもつ。
  


 ③バナナの葉っぱをこのように左右折り
    


 ④真ん中から折りたたんで、さっきの三角2つをはさむ。
     


 ⑤同じように右からもはさみ、左右はさんで、きれいにひだをつくる。
  


 ⑥この動作を繰り返し、好きなだけ重ねていく。 ホッチキスでバッチン。
  


 ⑦作った飾りを、土台につける。
  


 ⑧さらに、バナナの葉っぱを丸く三角に折り、飾り付ける。
     


 ⑨趣向を凝らした飾りをすき間なく埋めていく。
  
  
  飾りの作り方は、ある程度基本的な形はあるものの、あとは作る人のアイデアとセンス。
  この大学生の男の子は、バナナの葉に蘭の花びらをつつみこんでいる。
  

  タイ人は、飾り付けというものに対して、とても繊細。
  日本人も繊細な感性をもつと思うけれど、また別の繊細さであって、
  手先の器用さと、こういう飾り付けの感性はタイ人にかなわないと思う。
  心から感嘆した。
  「コンタイ スットヨート!」(=タイの人すごいです!)を連発すると、みなさん笑ってた。


 ⑩飾り付けが進み、
      
   
   鮮やかな花を飾り、花びらを散らし、中央にろうそくと線香をたてる。 
   



 ⑪できあがり。 彼が作ったクラトンの可憐さに、「スットヨート!」(=すごい!)を連発。
       

 どうしてこんなに上手に作れるのかと聞くと、学校でもクラトンの作り方を習うのだという。
 こんなにきれいなのに、川に流してしまうのはもったいないと言うと、こう教えてくれた。
 「もったいなくない。このクラトンに髪の毛や爪、お金を入れて、願いを込めて流すと、
  不幸を身代わりにもっていってくれる。」

 日本の灯籠流しと、よく似ている。
 大学時代を過ごした長崎では、8月のお盆に精霊流し(しょうろうながし)があった。
 爆竹の破裂音・掛け声が交錯する喧騒の中で、精霊船がかつがれて行くのを見た。
 精霊流しは祭りではなく、故人を追悼する仏教の行事だったけれど。
 海を越えても、不幸を流したい、願いを叶えたいという人々の思いは共通。





よし、私もクラトンを作ってみよう。

それから40分後、できあがった私の初クラトン。
 
 このクラトンに、明日、願いを込めて流そう。
 私の思いを叶えてくれるだろうか。


他の教室をのぞいてみると、独創性たっぷり かつ 繊細な すごいクラトンが続々とできあがっていた。

作りかけではあるけど、この土台の優美さ。 本当に、タイの人たちの緻密さ、手先の器用さには脱帽。    大学生がつくる小さなクラトンもかわいらしい。
   


針と糸で、バナナの葉を縫う人が。   たくさんたくさん重ね、縫い合わせて大作ドラゴンを作ってたところ。 これはドラゴンの鱗(うろこ)。
    


 子どもと保護者もみな、一つずつ作ったクラトン。 
 各教室は、ちょっとした作品展示会場に早変わり。
 
どれもこれもアイデアに富んで 
「スーワイ マーック!」(=とても美しい!)ばかり。
   

これはブーゲンビリアの入ったクラトン。
  


この小さなところへの気の配り方、誰もが時間をかけてじっくりと美しいものを作り上げるところ
男女問わず繊細さにあふれ、みんなで楽しみながら、そして慈しむようにこのクラトンを作ってくところに
今日はとて感動してしまった。
それを伝えたくて、辞書を引いて、これだこれだとアンダーラインを引き、言った。
 「プラタップチャイ マーック(=感動しました)」

みんなくすくす、笑う。
こういう時のあたたかい雰囲気が好き。
「日本にはないの?」
「じゃあ、クーサーイ、家族に写真を送ってあげなきゃね。」





ところで、明日の第9特別教育センターのロイクラトン。
数日前から
「さちえはチュッタイ(=タイの服・民族衣装)はもってるの?」
と何人からも聞かれていた。
「さちえは、着物を着るの?」
ええ!?タイに浴衣さえもってきていません!
タイの服も着物もない、と答えると、ほぼみなさん、「あら~・・・・」という反応。

センター長や副センター長がやってきて、
「さちえ、タイの服はまだもってないのか?」
「じゃあ、明日買いに連れて行くか、何か用意してあげるか。」
と、二人で一生懸命私のことを心配してくれる。
とてもかわいがってもらってるのを感じる。
ありがたい。

そして、今日。
「さちえ、これ、これよ。チュッタイ(=タイの服・民族衣装)」
と、渡された。
副センター長が
「ピンクでとてもきれいでしょう。ズボンも素敵ね。
 さちえきっと似合うわよ。タイの化粧もしましょうね。」

    
 おお・・・・
 こ・・・ これを着るのか・・・・。
 ピ・・・ピエロみたいな・・・。 
だけどみなさん、
「みせてみせて、わあ、スーワイ! スーワイ!」(=きれい!きれい!)と喝采。


 今まで生きてきて、こういうのを着たことはなかったし、きっとこれらもなかったことだろう。
 救いは、家から着てくるのではなく、センターで着替えていいと言われたこと。
 これで自転車に乗るっていうことはなし。 さぞかし、目立つだろうな。
  
 明日のロイクラトン、初めての灯籠流し、そしてチュッタイ。
 タイの化粧。
 人のを見るのはおもしろいけど、自分がとなると・・・ こ、こわいような・・・・。




福岡からやって来た友達が コンケン第9特別教育センターへ

2010年11月18日 18時01分15秒 | コンケン 第9特別教育センター
当初の予定は、まずは私の住むコンケンをいろいろ案内することだったけど、
休みが予定よりもらえなかった分、この日は一日一緒に
私の配属先、第9特別教育センターにいてもらことに。

センターまで自転車二人乗り、だけど、途中の坂でダウン。
高校時代、陸上部でならしたカモシカの脚を持つ友達はそこから走る走る。
朝食むしゃむしゃ草にがっつく牛たちを横目で見ながら、走る走る。
 

センターでは大歓迎をうけ、
  「朝御飯を食べたか?」
  「サチエは太ったか?」
と、会う人会う人きいてくる。
私たちのために食べきれないほどのカオニャオと唐揚げを朝御飯に買ってくれていた人もいて、
これには友達も感激。私だって感激。

この友達のすごいところは、どんな人とでも、どんな場所ででも、自分そのまま、自然体で接してさらりと打ち解けていくところ。
福岡の地元、糸島で一緒に飲むときも、隣に座ったおじちゃんと自然に話して、自然に笑う。
けっして派手なオーバーアクションでもなく、どこにいても変わらない さらりとしたもので。

ここでも、自然に入っていく彼女の能力にびっくり。
私だったら、へこへこ媚びちゃうんだけど、
媚びもせず、静かに、自然に。

この日は自閉症クラス。
友達は、たったの数十分で、完全に入りきって、みんなと同じタイミングで楽しそうに笑う。
いいノリで、ジェスチャーを返す。
  

ちょっとしたゲームをして、罰ゲームをしているお母さん達に呼ばれ、一緒に罰ゲームに混じる。
タイ語で、頭・耳・眉・鼻・口 と言いながらさわっていくものだけど、ついてこれないところに、お母さん達が大うけ。

 ↑ まったくついてこれていない。


タイ語は全く話せないのに、全く苦もなく、それどころか楽しんでいるし、
周りが、いつにもまして、盛り上がり、楽しんでいる。
 


午後の静かな時間、私が個別学習についていると、後ろで子どもと遊んでいる友達。
なかなか対応が難しいとされるこの子に、長いこと楽しそうに遊んでいる。
だけど、すべて日本語。
友達は日本語で話し、この子はタイ語で話し、時々自分独自の言葉で話す。
それを口まねしたり、日本語で話したり、だけどそれでつながっている楽しそうな二人。
 


うーん、なんかすごいものがある。
「どこの国も、子どもは一緒やね。」
という友達。

そうなんだ、きっと。
だけど、私はタイ語にすがりすぎて、言葉が通じないと、子どもとも職員とも通じ合えないと
断定してしまってないか?
思い込んでしまってないか?

人間性そのもので溶け込み、この日一日を体当たりで、いや自然体で過ごした友達に敬服し
刺激を受けた。
教えてもらった。


せっかくきてくれたのに、一日仕事につきあわせてゴメンね、というと
「観光はいつでもできるけど、こんな経験、普通出来ない。」
と喜んでくれる友達。

ほんと、いい友達をもった。

福岡からやって来た友達

2010年11月17日 15時30分00秒 | コンケン 第9特別教育センター
高校時代の友達がやってきた。



一悶着もふた悶着もあったあのあと

騒動を聞きつけて、第1のカウンターパートのビュウが週明けに私のところに来て言った。
「さちえ、どうしたの? いろいろあったみたいだけど、その友達がタイ語が話せないし、
 高い飛行機代を払っているし、OKをもらっていたから、そのつもりで
 一緒にいくホテルやバスもすべて予約しているってことを、センター長に言ったら?
 いい? 一人で、一人でセンター長のところに行くのよ。」
一人で行くことをやけに念を押す。
一人で、というより、一人の時を狙っていけ、という意味だと思う。
ピーキレイネが近くにいたときに、この話をしたことで失敗したと私も感じているから、すごく納得。

センター長も心配していたようで、私が部屋にいくと
「まず座りなさい。」ととても優しい。
4ヶ月間しか働いていないけれど、今回とても友達を放っておく訳にはいかないので
3日間だけ、どうか許可をくださいとお願いしたら
「ダイ」(=できる)の言葉。
すぐに書類を書き、休みがもらえることになったのが友達の来る当日、仕事が終わる30分前のことだった。



同じアパートに住むタイ人の大学生が、空港まで迎えに連れて行ってくれ、
到着口で待つ。
きた!
 

福岡からタイへ、そして、この東北コンケンへよく来てくれたと思う。
そんな友達がいてくれることがとってもありがたい。

友達が食べたがったのが
 ドリアン
 虫
ドリアンは強制的にでも食べさせようと思っていたけど、
まさか、虫を食べたがるとは。
「ブログにも書いてあったから。」
たしかに、ドリアン同様、虫のことも書いたけど、すごい勇気。

虫を売っている屋台に連れてき、物色。
 


ぎゃー いなご? バッタ?
 


タガメ? これは、これは、私にはムリ!! 
だって、私の死ぬほど嫌いなアレに似てる!! 似てる! ムリーッッ!
  

蜂か虻かハエのような虫の揚げたヤツを少し味見させてもらう友達。
「うん!カリカリしておいしい!」

・・・・たくましい。
さすが、コンケンまではるばるやってきてくれるだけある。

タイではまあまあきれいだと思うけど、それでも部屋の中をヤモリがうろうろし、
天井には穴が開き、トイレのタンクからは水が漏れ放題、部屋の前では犬が構える私の家。
でも、トイレもシャワーも、全く不満なく、自然体で過ごす友達。
「屋根があるところで休めるだけで十分。」って、
・・・・すばらしい。



ロッテコアラのマーチ♪ 2

2010年11月17日 15時22分08秒 | グルメ
タイでも大人気 ロッテコアラのマーチ
  → 過去ブログ 「ロッテコアラのマーチ♪」

ロッテコアラのマーチ♪

と、日本と同じリズムで口ずさめば、
誰でも知っている。

日本で一時期話題だった、眉毛コアラや盲腸コアラ。
そういうのがるんだよと、活動先の人に話すけれど、みな怪訝顔。

家族からの
「何か送ってほしいもものはない?」の問いに
「コアラのマーチ!」と即答。
どっさりと送ってくれた。

さっそく、活動先で配り歩き、細々と説明もつける。
だけど、あけてさっさと食べちゃうタイ人。
中には、
「あったよ、眉毛コアラ。でも、待ちきれなくて食べちゃった、だってお腹すいてたんだもん。」
って、すごく珍しいコアラなのにー!

ごく少数だけど、箱の中のコアラを全部出して、にらめっこして探してくれる人も。


そして、

あった! あった!


眉毛コアラ
 
 なんか無神経そうな顔してるなあ。



盲腸コアラ
  
  いたいよー いたいよー 泣いているよー



ちなみに、こういう日本独自のコアラが人気でした。
 
 金太郎コアラ 忍者コアラ



タイのコアラのマーチには、タイの民族衣装を着たコアラが入っている。

タイにお越しの際は、ぜひ、買って比べてみてくださいな。




思いをのせて手紙は

2010年11月16日 19時33分49秒 | 日記
メールもネットもすばらしいけど、手で書く手紙っていいなと思う。

今日、配属先に私宛の手紙が届いた。

1通は、ケニヤの協力隊仲間から。
濃いオレンジの夕焼けとライオンが遠くを見つめる絵はがき。
青年海外協力隊22年度1次隊のおそろいのTシャツのデザインを手がけた凄腕の彼女は
ケニヤの大地で、エイズ対策隊員として活動している。
使い回しのきくセリフではなく、私という人間に対してのみ、向けられた言葉が並んでいて
ありがたさと、うれしさとで、胸がぎゅうっとなった。
なんて友達にも恵まれていることだろう。

「めげそうなことが多々ある。
 でもね、帰国してから何かを感じてもそれを実践する環境はもうない。
 だからまた頑張ろうって思う、毎日、こんなことの繰り返し。」
気持ちがすごくわかる。

遠く遠く ケニヤの地で ふんばっている友達がいる。
絵ハガキのオレンジ色の夕焼けを見ながら、思う。

遠く遠く ケニヤの地、 
私がいるここタイの地、 
協力隊の仲間がいる世界のあちこち、
そして日本、
同じ太陽が沈む、同じ太陽を見ている。


私たちはみんな つながっている。


  


もう一通は、日本の神奈川から、見知らぬ差出人からの封書。
誰だろうとあけてみると、ある大学生の女の子から。

青年海外協力隊に興味があり、このブログも見ている、
卒業後は、協力隊の道に進みたい、
だから、できればタイの私の活動先を実際に見にきたいというもの。

純粋でひたむきな思いと、熱意が伝わる手紙で、
そのような手紙を自分がもらえるとは思いもせず、
びっくりしたのと同時に、感動し、
私の中の純粋な思いも揺さぶり起こされる感じがした。

私が、この青年海外協力隊に応募しようと思ったとき、
私がほしい情報がみつからず、
のちに同じようにこの道を志す人のために
その一人でも役にたてればと思って始めたブログ。
そして、日本にいる子どもたちが、
日本にいながら
外国のこと、日本ではない国で暮らす人々のこと、そこで働く人間のことに興味をもつ
ひとつのきっかけになれば、と思って書いていたブログ。

そこからずいぶんたくさんの人に出会った。
今訓練所で派遣前訓練を受けている訓練生、
他国の隊員、
心優しいタイ隊員OB、コンケンに住む賢い日本人、
たくさんの人と、このブログを通して縁を結んだ。


このブログを書いて良かったと思うことがあまりに多くて、
何があっても派遣されている期間は全うする気でいる。

最近では、すっかり正直な気持ちを書いて、書きすぎるようになってしまって
くじけた気持ちまでそのまんま書いてしまったにもかかわらず、
「協力隊の方が実際に働いている姿を自分の目で見たい。」
「現地の方とも仲良さそうに、いつも楽しそうに活動なさっている。」
と言ってくれる、この手紙。
申し訳ないような気になる。
自分なんて、そう言ってもらうにはほど遠い。

彼女の純粋なあこがれ、熱意に触れて、私も思い出した。
当初の気持ち。
今、もらうべきしてもらった手紙なのかもしれない。
私の中にある純粋な気持ち、それを揺さぶり起こしてくれた。


彼女はどれだけ考えてこの手紙を書いただろう
どれだけ勇気を出してタイに来たいと言ったのだろう

彼女から思いを乗せた手紙を受け取った以上、
私も、その思いにかなうような人間でありたい
そのような活動をしたいと、切に思う。