ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

自分の感受性くらい 自分で守れ

2010年12月31日 22時56分44秒 | 日記
大 大 大好きな詩がある。





      自分の感受性くらい

              茨木のり子
  

     ぱさぱさに乾いてゆく心を
     ひとのせいにはするな
     みずから水やりを怠っておいて

     気難かしくなってきたのを
     友人のせいにはするな
     しなやかさを失ったのはどちらなのか

     苛立つのを
     近親のせいにはするな
     なにもかも下手だったのはわたくし

     初心消えかかるのを
     暮しのせいにはするな
     そもそもが ひよわな志にすぎなかった

     駄目なことの一切を
     時代のせいにはするな
     わずかに光る尊厳の放棄

     自分の感受性くらい
     自分で守れ
     ばかものよ

                      






茨木のり子さんの詩はどれも、読むと浄化される気がする。
しなやかで、凛として、厳しいけど、優しくて。
甘やかさないけど、背中を押してくれる。

背筋を伸ばして、恥ずかしくないように、顔を上げて、まっすぐに歩いて行こうと
そんな気持ちになる。


日本では、よく国語の時間に生徒に個人的に紹介したものだったが
今もこれらの詩の、片鱗でもどこかに残してくれているだろうか。


つい最近のこと。
自信がない、私には力がない、魅力もない、とぼやいてしまった私に
友達が言った。

「自分の可能性や魅力くらい 自分で守れ ばかものよ。」

この詩を引用したのだが、
知る人ぞ知るもの。
すばらしい友達だ。
互いに、最後の「ばかものよ。」をほぼ同時に声に出し、
笑い転げた。



私の可能性は私がきめる。
私の可能性も 魅力も 感受性も そのくらい自分で守らなくてどうする。



誰かにほめられる人生を目指しているわけではない。
私が喜ぶ、私の生き方を、あちこちぶつかりながら、見つけていく。
これまで歩いた来た道は、すべて間違いはない。

        

マカム

2010年12月30日 16時34分04秒 | グルメ

   มะขาม   マカム

       



タイに来て、初めて口にしたものは多くある。
そのうちの一つ、マカム。
タイ人なら誰でも食べる、マカム。
超メジャーおやつ、マカム。


英名は、タマリンド。
原産地は熱帯アフリカ。
マメ科の常緑高木で、果実が食用になる。
タマリンド栽培は北部タイの主要な産業の一つ。
           
  

ビタミンやカルシウムが豊で、食べると疲れが消えると言われる。
象の痛みを癒すのにこの果物を与えるとか、この果物を食べた象はとても賢くなるとか。



このように、古くから薬効があることが知られているため、様々に使用方法があるらしい。

 タマリンド缶ジュース
 石鹸
 砂糖漬け
 ゼリー、シャーベット
 種子を煎るとピーナッツのような風味。
 花は煮物用野菜となる
 葉はお茶に。

タイ料理のトムソム、
フィリピン料理のシニガンの酸味づけ、
イラクではドルマの酸味づけ、
ラテンアメリカでは、果肉から清涼飲料水を作り、
ベトナム料理の甘酸っぱいスープ、カインチュアの酸味づけにもタマリンドを用い、
フィリピンでは、マラリアに効能があるとして葉をタマリンド茶として飲む。
というように、タイを超えて世界で愛されるマカム。
これを知らない日本人こそ、マイナー組なのか?!



さて、このタマリンド、熟していないときはこういう緑色をしていて、強烈に酸っぱい。
だけど、タイ人はみな、この強烈に酸っぱいまま、カジカジとかじる。
        




それが、熟すと茶色になり、やわらかく、甘い実に変わる。
これがとてもおいしい。
今、タイでは熟したマカムのシーズン。 市場ではどっさりと山盛りのマカムが売られている。
        


 みどりの時のマカムとは全く違う。
 ねっとりとしたやわらかさで、甘~く熟した、茶色のマカム。
     



 砂糖漬けにしたものが、コンビニでもどこでも売っている。
 マカムのことを知らなかったとき、まるでウ○コみたいだと思っていた。
     
 砂糖漬けのマカムも、はまる味。



 配属先のセンターに通所するお母さんが、
 「マカムはカオニャオ(蒸したもち米)と食べるとおいしいのよ。」
 と教えてくれて、おっかなびっくり食べてみたら、まあ、おいしいこと!
 マカムも何にでもあうけど、カオニャオも何にでも相性がいい。
   




数ヶ月前、まだマカムが熟していない頃、
みどりのマカムをもらって食べたとき
あまりの酸っぱさと青臭さに、なぜこんなものをタイ人はガリガリ食べるのか
まーーーーったく理解できなかった。

数ヶ月たち、マカムが熟し、茶色になっても
あの酸っぱさが強烈に頭にあり、
敬遠してたのだが、酸っぱくないからと勧められて
口にしてびっくり。
なんておいしい。

しばらくはこの味にはまって、コンビニで砂糖漬けのマカムばかり買っていた。


最初理解できなかった、まだ熟していない緑のマカムを食べるタイ人の気持ち。
熟した茶色の美味しいマカムを食べて
今でも、というか食べた今だからこそ、 理解できない。
「体にいいのよ。」といって、顔をしかめて緑のマカムをかじるタイ人。


たとえば、おいしいおいしいタイのマンゴー。
オレンジに熟した時が一番美味しいのだけど、ここタイでは、
まだ緑の熟していない固いマンゴーを、なんとまあ、唐辛子につけて、ガリガリ食べます。
ちゃんとフルーツとして。
日本人にはあまりにミスマッチな組み合わせだけど、意外にいける。
だけど、やっぱり、熟したマンゴーのおいしさには全くかなわないと思う。

なぜ、もうちょっと待てば一番美味しい時期がやってくるのに、
こんなに青い時期に、ちょっと無理して食べちゃうの?


ある隊員が言いました。
「タイ人は熟すのを待ちきれないんだよ!」

ブーーーーーーッッ!! っと、吹き出してしまった。
な・・・なるほど!
これ、これ! すごく納得。
待てないで食べちゃうのだ。 きっと。



コンケンのお祭り

2010年12月29日 15時12分41秒 | 日記
コンケンで、大きなお祭りが開催された。

お祭りというのか、定かではないけど、露店がずらりとならぶ日本でいうなら「お祭り」。

配属先の人たちが、もう行ったのか? と何度も私に尋ね、行きなさい行きなさいと促す。
このお祭りは、1年に一度のことらしい。


食べもの、洋服、日用品、おもちゃ、なんでもある、なんでも並ぶ。
そして、広い広い。
   

          



大きなアルミのこれ、なんだろう。
   


蒸しケーキ! この巨大な蒸しケーキが焼かれていたのだ!
おばちゃんが、職人技を見せつけテキパキと糸で切っていく。
切るたびに、「どや?」という得意げな顔をするおばちゃんだった。
       


  




フルーツが氷の上で、まるで氷に咲く花のよう。
       



初めて見た、この葉っぱ。
中には、あまーーい あまーい ココナッツミルクたっぷりのカオニャオが
薄くのばされて入っていて、こんがり香ばしく焼いてある。
いやあ、もう 絶品!! また美味しいものを見つけてしまった。
一つ5バーツ。 (15円)
     



お菓子。タイではどこでもよく見かけるこのお菓子。あまりに綺麗で、食べものじゃないみたい。
         


一生懸命写真を撮っていると お店の人が
  「日本人なの?」「日本にはないのか?」「美しいでしょう?」
    






大勢の人たちが歩く道の真ん中、人の流れが分断しているところがある。
一人のおばあさんが、身を縮めて寝ている。
物乞いをしているおばあさんだ。
楽しい祭りの中であるからこそ、何とも言えない気持ちになる。
タイではこれも、よく見かける光景なのだ。
       

ナンバープレート

2010年12月29日 12時18分03秒 | 日記
初めて自分で国内旅行したのは、大学生の時、沖縄でした。

沖縄では、本州とは違う景色にも驚いたけど
車のナンバーが
「沖縄」と書いてあることにびっくり。
当然のことだけど びっくり。
純粋に びっくり。
それまで福岡ナンバーや佐賀ナンバーくらいしか見たことがなかった
(本当はもっと見ていただろうけど、意識してなかった)
私には、沖縄ナンバーが 衝撃だったんです。

なつかしの思い出です。
人間、絶対旅しなきゃ。
自分が暮らしているところ以外を自分の足で歩いて
自分の目で見て、感じなきゃダメです。



さて、
タイに来ると、車のナンバーはこれ。
   
 これは バンコクにいた車なので、ナンバープレート下のタイ語は「クルンテープ」と書いてあります。
 クルンテープは バンコクのこと。

こんな おしゃれしている車もあり。

  
  日本にもいるな。 こういう感じ。


 
バンコクのMRT(電車)の駅からみた駐車場。
   

オエッとなりました。
気持ち悪い~
車が多すぎ。
そして、斜めに並ぶこの駐車の仕方が、なんだかごみごみして
気持ち悪いよう~

エイ エッ エー! ニワトリ軍団現る!

2010年12月28日 10時49分09秒 | 日記
店が並ぶ 観光地で ニワトリ軍団に会いました。
  

 にわとりの置物です。



日本では  コケ コケ コケコッコ!!!

タイでは、 エイ エッ エー!

 鳴き声の表現の仕方が違います。


 エイエッエー!  エイエッエー!


 これだけいると 迫力あるなあ・・・。


  
  「なに? 日本ではコケコッコ?」 「ダッセー そんな鳴き方できないよなー!」
  「エイエッエーだろ?やっぱ。」 「マジ コケコッコとか言えねーし!」


   
   「エイエッエーッ!!!!!!」 「どうよ?」 「かっこいいだろ?」



  胸を張るニワトリたちでした。
  
     

水はタダではない

2010年12月27日 22時22分34秒 | 日記
水がタダじゃないことは、海外に行ったら常識だけど
日本から出たことのない子どもたちは 知らないこと。

私も高校生の時に読んだ本で
「レストランに行けば水がタダで出てくる。
 水道をひねれば、飲み水が出てくる。 どこででもタダで水が飲める。
 そんな国は日本くらいだ。」

という文章を読んで、衝撃的だったのを思い出す。

ええっ? 水って お金がかかるの? って。

今でこそ、日本でもスーパーやコンビニで 水が売られ
「~~のおいしい水」だとか エビアンだとか、
お金を払って水を買うことが珍しいことでもなくなってた。


が、やはり、そうはいっても日本。
買わなくたって、水道から出てくるんだから
毎日の飲み水を、そうやって買っているなんてことは
あまり普通はないのでは。


海外では、レストランで
「お水をください」
と言ったら、まず有料。
ちょっといいホテルに泊まれば ミネラルウォーターが1本
サービスで置いてあるけれど、
ふつうは、自分で買うもの。

水道の水は、フィルターや水道管が汚染されていたり
雑菌が入り込んでいる恐れがあるので 
飲み水としては使えない。


タイの屋台でだって、
料理を作っている様子を見ていたら
ちゃんとペットボトルのミネラルウォーターを開けて 鍋に注いでいる。
レストランでは、ジュースを注文するのと同じような感じで
水を注文する。


私も毎日冷蔵庫に入れているミネラルウォーターを飲んでいる。
日本にいるときは、のどが渇いたら麦茶を飲み、水を飲むことはほとんどなかったけれど
タイに来てすっかり水が好きになった。
甘くもない、しょっぱくもない、なんの味もしない 水そのものがおいしいと感じる。
ごくごく ごくごく 毎日水を飲む。



スーパーに行くと 水売り場がある。

    
      ずらり こんなに たくさん
   
日本ではこういうのは見られないなあ。

   


海外の常識。
水は タダではない。


実は 日本ってすごいのだ。

こんなところで つながる国と国 人と人

2010年12月26日 22時23分27秒 | 日記
 以前、バンコクの語学学校で発見したもの。


 図書室の本棚で
   

 なんと、日本の学校の文集が。

  

 なにか交流をしたらしく、そのお礼にプレゼントされた物のよう。


 あけると、小学生の文集。

   

この子達 平成3年の子達なので、この文集にある6年生の子達は 今は 32才。
もしかすると、本人でさえ、もうこの文集を手元にもっていないかもしれない。
でも、タイのある語学学校の図書室にはずっと大事に置いてある。
この人達は、まさか 自分の文集がタイで 日本語を勉強する学生たちに読まれているとは思いもしてないだろう。


思いもかけないところでのつながり、
見えていないけどつながっていること、
そういうものが 私たちにはたくさんあるんだろうと思う。

クリスマスカラーの唐辛子

2010年12月25日 21時54分45秒 | コンケン 第9特別教育センター
なんなのか、聞いてもよくわからなったけど、
偉い人がうちのセンターにやってきた。

ピンクの服と、JICAのエンブレムのついたジャケットと、スカート
そして、綺麗に化粧してくるようにと言われ、
でも、いったい何があるのかは ???
「政府」「基金」などの言葉が聞き取れるけど、
イマイチわからない。
でもまあ、その時になれば分かるか、と、いつものごとく楽観的に考える。
みんな忙しそうに、前日準備していた。

ピンク一色の保護者と子どもたち。 
    


一人ずつ、何やら受け取る。 なに??
わかんないけど、ま、いっか。
受け取ったあとのお辞儀に、ちょっとした感動。
日本だったら、お辞儀をして、腰からまげる。
タイでは、腰から曲げるのは美しくない。
女性は、片脚を後ろに回し、腰をまっすぐ下に落とす。
中世のヨーロッパの貴婦人のお辞儀のように。
それが、何とも美しい。
私も、まだまだへたくそだけど、目下練習中。
一人ずつ、受け取ったあと、横にずれて、腰をまっすぐに下に落とし、タイ式のお辞儀、
その美しい姿。 
        



偉い人たちが一緒に、写真撮影。これがタイでは恒例。 何かあれば必ず写真撮影。
カメラをもった職員が群がる。 これも恒例のこと。 なんでこんなに職員のカメラマンが必要なんだろう?
      


私も呼ばれて写真撮影。  副センター長たちと。
      




辛いものが全くダメだった私。
だけど、タイに来て、あまりのタイ料理のおいしさに、がんばってがんばって辛いモノを食べているうちに
最初は、ソムタム(パパイヤサラダ)に1本だけ入れてもらっていた唐辛子も、
今では、7本~10本入れてもらっても食べられるようになった。
汗だくだくになるけれど。
つよくなった、つよくなった。すごい成長だ。



私が食べたソムタムに、
ほら、こんなに、唐辛子が入っている。
  

赤と緑、なんと、唐辛子のクリスマスカラー。



一目惚れした、素敵なクリスマスカード
うちのセンターの子どもと保護者の合作。
味わいある、すてきなすてきな絵。
     


今日はクリスマスです。
昨日のイブと、今日。
みんな、どう過ごしているかな。

メリークリスマス

2010年12月24日 22時23分03秒 | 日記
タイは敬虔な仏教徒の国だが、
クリスマスもなかなか盛大に祝って楽しむ。

クリスマスと新年を祝って、
どこの職場でも、パーティを開いて、プレゼント交換するのが常識。


私もそのためのプレゼントを買いに行く。
スーパーでもクリスマスの飾りが派手に。
日本と遜色ないクリスマスの飾り付け。
というか、日本よりすごいなあーと思う。
   


タイでは、というよりも海外全般では、買い物をして
「プレゼントなので包んでください」
は、通用しない。
ラッピングは別途料金がかかるものだ。
このようにラッピングだけのお店やコーナーがあって
そこで料金を支払い、やってもらう。
    

    


簡単なものならば、無料でラッピングサービスしてくれる日本だけど、
それが、世界的に見ると、特別な方に入る。
日本くらいじゃないのかな。
無料のサービスでそこまでやってくれるのは。

テレビではクリスマスソングが流れ、
街にはクリスマスを意識したイルミネーションが見られる。
コンケンにある、高級デパート。
タイの人の多くはホンモノは見たことがないだろう、雪だるまが登場。
巨大な雪だるまをバックに、写真好きなタイ人達が、常にここで写真を撮っている。

       



夜になればライトアップ。
おお、この雪だるまの存在感が増す。
どどんと構える 雪だるま。

      


メリークリスマス。
ただ・・・・・、日本とちがって、毎日、ちゃんと暑いタイ。


冷たい空気の中のイルミネーション、
ピリリと引き締まるような風がほほをなでる、
そういうクリスマスしか知らない今までだったけど、
タイで31度のクリスマスを経験中。

 

サクラ

2010年12月23日 21時26分29秒 | コンケン 第9特別教育センター
ごはんを食べようと、お皿をもってさあ、料理を取ろうとしているとき、
食堂の外から

 「さちえー サクラ サクラ!」

えっ? サクラ?
と、急ぎ足で行ってみると、



ああー! 桜!
       



 ティッシュで作ったピンクのサクラ。
 クリスマスパーティの飾りに使うらしい。

 本当に、タイ人はみんな手先が器用。
 この暑いタイで、クリスマスに、サクラが見られるとは思わなかったな。
    

 
 タイの人たちはよく、サクラが一度見てみたいと私にいう。
 見せてあげたいな。
 透き通るようなピンクの、はかなくて、可憐な、日本のサクラを。
 

パクパク カード

2010年12月23日 19時45分53秒 | コンケン 第9特別教育センター
午前中、いつものようにクラスにいて、
このセンターの先生の手伝いをしていると、
携帯電話が鳴り出し、電話片手に消えていった先生。

あれ・・?
残された子どもたちと、私。
手話を教える先生がやってきて、手話で「これ使って何かやって」と私に伝える。
渡されたのは、少し厚めの紙。


そうきたか。
無茶ぶり。
でもタイではよくあること。


急きょ、クーサーイと共に楽しい図工教室。
明日はクリスマスイブなので、クリスマスカードを作ろう。


①クーサーイの指示をよく見る(聞く)こと
②勝手に判断しない、先走らない、指示があってから次の行動をすること。
これが、子どもたちの目標。
子どもたちに念を押して、確認する。

それと、
③ハサミ、のり、線の通りに折る、などの訓練を通して、目と手の供応動作と手先の巧緻性を鍛える。
これも、隠れた目的。
チョキチョキはさみで線の通りに切るって、実は、脳と指先とのすごいつながりでやっていることで、
脳からは、伝令がビシバシ出ているのだ。
すごく刺激されている状態なのだ。


作ったカードは
 2つに折って 
 ハサミで切り込みを入れ、
 切り込みを折って、パクパクひらく状態にし、
 パクパクを口に見たてて、似合う絵を描く。
 裏からもう1枚紙を貼って
 口の中に ベロを描く。
 しあげに、クリスマスツリーの切り紙を切って、貼る。
 
というもの。
    
  
  


ごくごく簡単なものだけど、
このパクパクが、今まで作ったことがなかったものらしく、
かわいい、かわいいと、子どもよりも喜ぶ先生。
子どももだけど、それをさらに上回って先生が夢中になって作っていた。
      



雪だるまも描こうと促すと、描くのにもとても戸惑う。
雪だるまは知っているけど、だけど、この南国では日本ほどになじみがない。
私のお手本を見ながら、かわいいかわいい雪だるまを描く。
この子の手によって生まれた雪だるま。
この国で、この子が作ったことも、見たこともないだろう雪だるま。
       


パクパクにあわせて、好きな絵を描いたら、まあ かわいい青いニワトリ。
ニワトリを青く塗る発想が、私のような大人にはない柔らかい発想力で、いいなあ!!!と思う。
       



できあがり、パクパク クリスマスカード。
よーーーくできました!
最後まで、先生の方が楽しそうだったな。
      




暑い国からのメリークリスマス。
気温31度で、溶けそうになりながら、雪だるまもにっこり。
     

耳をふさぐのは

2010年12月23日 19時25分59秒 | コンケン 第9特別教育センター
よく耳をふさいでいる子がいる。


何か耳障りな嫌な音があり、それを遮断して、気持ちの安定を図っているのか、
それとも、
耳をふさぐことによって、耳の中に生まれるいつもと違う音を楽しんでいるのか、


どうなんだろうと、
周りの様子との関係や、この子の表情をよく見て
それを見極めたいと思うのだけど、
私がじっとそれを見ていれば、
他の先生がやってきて、無理に手をふりほどいてしまう。


この子が耳をふさぐとき、
それはすごい力で、ぎゅうぎゅうぎゅうっとふさぐものだから、
無理に 手を外させようとしても、なかなかではない。
でも、それでも先生たちは格闘しながら手をふりほどき、
ダンスやゲーム、周囲の皆と同じことをやらせてしまう。
保護者も同じく。


この子が耳をふさぐのはなぜなのかと尋ねてみると
「自分の世界にいるんだ。他の人と一緒にいられないんだ。」と言う。
それは、大人の勝手な判断であって、
この子にとったら違うのかもしれない。
耳をふさぐには、この子なりの理由があるだろうに、それは誰も知らないのだ。


ぎゅうっと耳をふさぐとき、
今、この子がどういう世界にいるのか
いったい何が好きで、何によって落ち着いていられて、何がいやなのか、
探ることができる、この子に近づくことができる 大事なチャンスだと思うのに、
もったいないことだ。


だけど、ここにはここのやり方がある。
どちらが正しいかなんて、それも分からないことだ。
自分たちのやり方を正しいと信じ、先生たちはプライドを持ってやっている。
そこを外国人が一人立ち入って、切り拓いていくことは
全く容易ではないと、毎日思う。
それでも、ここにいる以上、
私のやり方、日本でならばというやり方、それをどれだけ受け取ってくれるかはともかく
伝えて見せていくのが、私のいる意味だと思うのだけど。
チャンスに恵まれなかったり、ここの先生達の勢いにのまれたり、言葉の壁が障害になったり、
なかなか思うようになんていかない。


ほぼ、保護者が子どもにつきっきりのこのセンターだが、
たまに、私も子どもにピッタリとくっつけるチャンスがある。
そんなとき、この子が耳をふさぐ様子を見せ始めたら
今がチャンスと、じーーーっと見る。
全く、その子に触れず、その子が感じている世界に踏みいらないように、壊さないように。
口でこれが嫌だと訴えることがない、できないのならば、
周囲の人間がそれを読み取る努力が必要なのだ。


だけど、私が何もせず黙ってこの子の様子を見ているものだから、
私がこの子の対応に困っているとでも思われてしまうのか、
必ず、他の人がやってきて壊されてしまう。
クーサーイは厳しくできない甘い先生、助けてあげなくっちゃ、と思われているよう。
私のやり方は、頼りなく見えるのだろう。




ある日の午後、
そんなこの子と、2人だけで30分間の勉強時間をもつことができた。
他の先生たちは、数字を数えたり、発音を練習したりしているが
私は、小さな太鼓を片手にこの子をよーく見させてもらう。
この子が耳をふさぐとき、ダンスや歌、音楽の時が多いようだからだ。

太鼓を膝に、「どどん」と言いながら叩いてみせる。
どどん どどん どどん どどん

手を太鼓の上に置かせて、真似するように誘導する。
どどん どどん どどん どどん

それでも難しいようなので、片手だけ 上から軽く叩いて刺激する。
どどん どどん どどん どどん

ずーーーーっと この単調な どどん の繰り返し。
だけど、繰り返しって、人間を安心させる効果がある。
耳慣れてくれば、「この先、わかる!」という見通しも立ち、自信が出てくる。
ずーっとずーーーーーーーっっと  どどんを繰り返していると
じーっと見つめるかわいい目。

    


耳はちっともふさがない。
それどころか、
ちょっと休憩した私の手に なにかさわったと思ったら、
ぎゅううっっっっと握る、小さめの手。
   



私の手を握り、上下に動かして、太鼓を叩かせる。
言葉は全くないけれど、どどん の続きをやってくれと要求しているんだ。
 
  


    

もちろん、要求に応えますとも。
要求にちゃんと応えてこそ、私を信用してもらえるというもの。
いつもなかなか近くにいられないけれど、
手をふりほどかれる君のことを黙ってみているしかできないけど、
君の要求に応えたいと思っています
君のことを知りたいと思っています。
どうか、私のこと、信用してちょうだい。
  
     



 リクエストに応えて
 どどん どどん どどん どどん♪


  耳は全くふさがない。
 それどころか、とても嬉しそう。
 この音は、嫌じゃないんだ。


飽きるまで どどん どどん を繰り返し、
そのあとは、洗濯ばさみを使った色分けの練習をしてみる。
色の名前に、メロディをつけて、歌いながら。
この音も、全く嫌ではなさそう。 とっても楽しげ。
     



耳をふさぐ理由まで、この時間だけではたどりつけなかったけれど、いくらかは近づいた。
音楽も、太鼓の低い音も、私の歌う声も嫌いじゃないようだ。
リズムに乗るのも嫌いじゃない。
じゃあ、高い音が嫌いなのかな。
人々の大声が嫌いなのかな。
それとも、やっぱり、耳をふさぐことで、耳の中の響く音を楽しんでいるのかな。

子どもにピシャリと強く出てやらせるよりも、黙ってじっと見る、黙って待つ、
そういう私のやり方は、タイ人にとったらもどかしくて、
情けない先生像かもしれないけれど、でも
やっぱり、私は私のやり方でしかできない。


今まで、目を合わることのなかったこの子が、じっと私の目を見つめてくれたこと。
いやがらずに、一緒に、一人ではなくて、私と一緒に 太鼓を叩こうとしてくれたこと。
私に自分の要求を伝えてくれたこと。
短い時間だったけど、大事な大事な時間。
この人は要求に応えてくれるのだ、そう思ってくれたなら、これからもっと近づける。
私のやり方で、少しずつ少しずつ にじり寄っていこう。
じりじり じりじり 


ほんわか幸せ気分になったこの日。  子どもが私にくれるものってすごい。

        


バンコク都等に対する非常事態宣言の解除

2010年12月22日 23時25分34秒 | JICA事務所
【大使館からのお知らせ】  緊急一斉メール

 
タイ在留邦人の皆様へ

           ===========================

「非常事態宣言」の解除
(2010年12月22日現在)

1.12月21日(火)、タイ政府は、22日(水)付けをもってバンコク都を含む4都県
  (バンコク都、ノンタブリー県、サムットプラカーン県、パトゥムタニー県)を対象として発令していた
   非常事態宣言を解除する旨発表しました。

2.非常事態宣言は解除されましたが、同政府は国内治安維持法を適用し、
  バンコク都を含む各地域における警備強化を引き続き行う方針であり、
  UDDによるデモ活動が継続的に行われていることもありますので、引き続き、
  報道等から最新の治安情勢を入手し、不測の事態に巻き込まれないよう十分な注意を払ってください。 





これをさらに詳しくしたものが、JICA事務所からも送られてきた。
安全対策の基本はセルフディフェンスであり、
事務所からも可能な限り安全情報を送付するが、一般報道(テレビ、ラジオ、新聞、インターネット)や配属先から
積極的に情報を収集し、安全確保に注意すること、
携帯電話及び緊急連絡網を常時携行し、連絡が可能な状態とすること。


12月21日。
タイ政府は、これまで4都県(バンコク都、ノンタブリー県、サムットプラカーン県及びパトゥムターニー県)を
対象に発令していた非常事態宣言を、解除する旨発表した。

これにより、非常事態宣言は解除。

訓練所にいたとき、
デモ活動で、タイでは死傷者も出て、毎日、新聞を賑わせ、
語学のウィキ先生は元気をなくして暗い顔をし、
タイ隊は派遣延期か、派遣国変更かと覚悟した。
先輩隊員達は、そのころ、バンコクにも上がれず、バンコクにいる隊員は外出を制限され、
人の死をすぐそばに感じ、大変な思いをしたものだろう。

いまだ、反独裁民主戦線(UDD:タクシン元首相を支持する勢力)によるデモ活動が今後も行われる可能性があるが、
ひとまず、あの、危険な状態は収束を迎えている。






観光 ムクダハーン

2010年12月22日 18時29分38秒 | 旅行
ムクダハーンには、村落開発普及員の隊員がいる。
彼の案内で、メコン川とラオス、そしてラオスとの友好橋を臨む。


対岸に見えるのがラオス。 
川の向こうに隣の国を見ながら生活するムクダハーンの人々。
何とも言えないくらい、感動した。
こんな生活もあるんだ。
大声を出した聞こえそうな距離、泳いで渡って行けそうな距離。
すぐそこにラオスの人たちが生きて、生活しているのだと感じる。

この眺めが、ここムクダハーンの人たちにとったら、すでに生活の一部なのだ。
       


岸には、ラオスの船とタイの船が。 それぞれの国旗がはためく。
メコン川沿いには、こうしてラオスとの交易で賑わう街がいくつかある。
     


遠くには、メコン川をわたる国境橋、 ラオスとの友好橋が見える。 昨日、あそこを走ったのだとドキドキがよみがえる。
       




露店に並ぶ商品。 その向こうには当然のようにラオスが見える。
       




インドシナマーケット
  ムクダハーンがラオスに隣接し、ラオスからベトナムや中国に結ぶという、この場所柄、
  ベトナムやラオス産コーヒー、中国産の雑貨なども並ぶ。タイ国内から業者買いに来る人もいる。
      

      


   ラオス語のTシャツも。 サバーイディーと書いてある。  友好橋、そしてタイ・ラオス・ベトナムの国旗の並ぶTシャツも。
       
   


コンケンでは見かけないフランスパンが、そこら中の屋台で売っている。
隣接するラオスが、かつてフランス領だった影響で、ここムクダハーンでもフランスパンが売られているのだ。
カンボジアも同じく、元フランス領だったことで、フランスパンがあるという。
食文化にも国の歴史がからんでいて、からみあってからみあって おいしい文化を創っていく。
     


いい天気だ。 歩こう 歩こう~♪ 
   



何とも鮮やかなチョンプー(リンゴのような果物。シャリシャリしておいしい。)  そしてここでもイサーン名物ガイヤーン(鳥のあぶり焼き)
    
  



ムクダハーン隊員が勧める、激うまイサーン鍋「チムチュム」
優しい味の鍋。ただ、野菜は日本人にはあまり好かれない香草がどっさり。
みんな食べたがらないので、香草好きの私がほぼすべて食べてあげよう。
       




ムクダハーンタワー
 高さ65.5メートルの展望タワー。
 ムクダハン周辺と、メコン川、その対岸にあるラオスを一望できる。

   びょーーーーーーーーーーーーーーん!!
          


 いい眺めだ。
 ここから見る、対岸のラオスには、同期の協力隊員がいる。 すぐそこに。
 おーい おーい!と力の限りに叫んだら、届くだろうか。
 そう思えるほど近い。 元気かな、ラオスのみんな。
     

  



      




  望遠鏡でのぞくと、これまたすごい。橋の上の車まではっきりと見える。
  「おおお!」と歓声をあげながら のぞいていると・・・・
  あれ? 黒くもやもやしたものが・・・  なんじゃこりゃ?!
   





  って、思ったら、こういう状態でした。 そりゃ、もやもやしてるはずだ。
   

   






さて、コンケンからムクダハーンに行くには、バスで約4時間~5時間。
バス代は155バーツ。(約460円)
バス会社はムクダハーンまで「3時間」と言うのだが、このバス、路線バス的な役割も果たしていて
長距離バスながら、途中途中で人が乗ってくる、そして降りたい場所をリクエストして乗客が降りていく。
だから、利用する人が多ければ多いほど、あちこちで途中乗下車に時間をとられる。
到着時間の予想がつかない。
2時間もの幅がある。
いかにもタイらしい。
    

タイのバスには等級があり、
最高が VIP 指定席、エアコン付き、リクライニング付き、軽食付き、トイレ付き、目的地にほぼ直行。
次が  1等  指定席、エアコン付き、だいたいリクライニング付き、だいたい軽食付き、トイレ付き。
そして 2等  自由席、だいたいエアコン付き、リクライニングは運、食事なし、トイレなし。トイレはガマン。
となっている。

今回乗ったのは2等のバス。
エアコンはついているけど、あ・・・暑い! ぼ・・ぼろい!
リクライニングは・・・したくないのに、よりかかったら倒れちゃうシート、そんなバス。
      


途中乗ってきたお客さんは、席があいてないため、立ったまま。
一応長距離バスなのに。 こういうことはVIPではあり得ないこと。
この人達、ずいぶん長いこと立ってたなあ。
   



客を乗せ、そして降ろしながら、急がないのんびりのバスの旅。
これも、情緒があっていい。
途中途中停まった場所で、そこそこのお店の売り子さんがバスに乗り込み、
お菓子や果物、大きなガイヤーング(鳥のあぶり焼き)などの食事を売る。
これも、なんとも情緒があっていい。

バスがちょっととまる短い間のことなので、
降りそびれて、バスが出発し、あわてる売り子さんもいて、
そんな様子を見ながら、もぐもぐ食べながら、バスの中でおいしい、ほほえましいひととき。
        



『地球の歩き方 タイ』では、たった2ページしか取り扱われていないムクダハーン。
なんて、失礼な!
コンケンにも、バンコクにも、チェンマイにもない、異国の混じった空気を感じる。
一度は行くべし、ムクダハーン。




ムクダハン  いい思い出ぎっしり。