活動への自信のなさ、やりきれなさ、それもあってか
最近はひとりぼっち感を強く感じる。
こういう時はどうするか。
外に出る。旅行に行く。旅だ、旅。
『地球の歩き方』を見ながら選ぶ。
決めた、ここに行こう。
ノーンカイ。
バンコクから615㎞。
ノーンカーイ県はタイ国鉄東北線 最北端の地。
メコン川を隔ててラオスとの国境の街。
メコン川の向こうにはラオスがあり、ラオスの首都ヴィエンチャンまでわずか25km。
タイ=ラオス友好橋がかけられ、陸路によってラオスに行くことができる。
ノーンカーイ県民の場合はビエンチャンへ行くのにビザなしで、簡単に船でいけるという。
ラオスが見たい。メコン川が見たい。
同じイサーン(東北)にある街だが、コンケンとどんな風に違うだろう。
国境の町だなんて、なんとも哀愁漂う響きではないか。
いくぞ、いくぞと荷物をまとめ、
土曜日朝、ちょっと寝坊したものの8時に家を出る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/d0/0adfd778c530cc7b8bb93cc5f4d50170.jpg)
コンケンバスターミナルから2等バス(最ランク下)で、
1時間45分、ウドンタニーへ。
バスを乗り換えさらに45分、ノーンカイへと到着。
お値段 110バーツ(330円程度)
ラオス人が布団をどっさり買い込んでバスに乗せているのを見る。
社会主義国のラオスには物資が少ないとラオス隊員が言っていたから
タイで買って持って帰るのだろう。
タイ人もよく私に、日本の布団が欲しいから送ってもらえないかと頼む。
この暑い国で布団は人気の商品のようだ。
暑い国だからこそ、質のいい布団がないのだろうか。
ノーンカイバスターミナルに降りたとたん、
バイクタクシー・トゥクトゥク・サムローそしてバスの運転手たちが
どこに行くんだ、さあ乗れ、バイクに乗れ、トゥクトゥクに乗れと群がってくる。
バスターミナルではいつものこと。
私はそれを振り切り、一路 目の前にあるアイスティムのおばちゃんの元へ。
ノーンカイでもアイスティム屋さん見っけ。
おばちゃん、アイスティムください!
自転車を借りて街を回ることにする。
遅くなればどこかに泊まっていくつもり。
『地球の歩き方』にあるゲストハウスに向かったが、なんとまあ
このゲストハウスの横柄な態度。
即、出る。知名度が上がるとだんだん天狗になるものなのかな、悲しいこと。
通りで見つけた数軒先の別のゲストハウスへ。
ガイドブックにも載っていないその店は、まごころのある応対。
タイ人はこうでなくっちゃ。 優しいタイ人達なのだから。
この店で自転車を40バーツで借りる。
ノーンカイで見たいと思っているところ
① ヴィレッジ・ウィーバー・ハンディクラフツ
タイでも特に貧しい地域、ノーンカイで活動する自助プロジェクトの店。
村の女性たちが染め織り上げた製品を扱い、工房では機織りの見学もできる。
が、いくら探しても見つからない!
うろうろうろうろ この辺りだと踏んで同じ場所を行ったり来たり。
が、見つからず、時間切れ。
全く地図が読めない女なのだ。
② リムコーン通り
メコン川沿いにあるきれいに整備された道。
川越しにラオスを望める。
ムクダハンで見たときよりも(→過去ブログ
「観光ムクダハン」)
ラオスが近い! 近い! ラオスはすぐそこ。
ラオスへの船が出るイミグレーション兼船着き場があり、
渡し船が日中ひっきりなしに行き交う。
アーケードには、ラオスやベトナムの特産品を売る店が並ぶ。
③ ワット・ダムドゥアン
寺の屋上てっぺんに座して、メコン川を見渡す仏像。
なんとも見晴らしがよさそう。
④ ワット・ポーチャイ
バスターミナルの近くにあり、大きな本堂をもつ。
本堂の中の仏像はもともとラオスにあったもので、
洪水で流されて25年間メコンの川底にあったのを
引きあげられたと言い伝えられている。
本堂の中は壁一面の絵画がみごと。
⑤ ワット・サーラー・ケーオクー(ワット・ケーク)
ある在家信者の執念が築き上げた幻想的な寺院。
「緑豊かな庭園の中に、インドの神話から抜け出してきたかのような
さまざまな像が並ぶ不思議な寺院」と地球の歩き方にもあるとおり。
市内から5キロほどの外れにあるため、ガイドブック地図にもなく
道を尋ね尋ねしながらいく。
その道のりが、ただの大通り。
露店もなくだだ広く自転車で行くのには 全くおもしろくない道。
途中時間もないし、引き返そうかと本気で思ったが、
行ってよかった、見てよかったと思う寺。
そろそろかというときに見えたこの像の異形な姿にまずびっくり。
なんじゃあれは・・・。
これはすごいものが見られるかもという予感。
ある在家信者が、メコン川対岸のラオス領でこの寺とよく似た
最初の寺院を築き、1975年にタイ側に亡命してこの寺院を建てた。
すべての像にはこの僧の思想が反映されているという。
一つ一つの像がもつインパクトはあまりにも強烈。
乱立する不思議な像の数々。
独特な世界が創り上げられている。
なんじゃこのトンネルは。歯があるぞ。
トンネルをくぐるとこれまた強烈。仏像から伸びた手のひらには、目や耳、鼻がおかれている。
観光客の小さな僧侶たちも、これらに圧倒されてるのかおずおずと見て歩く。
一目見ただけで強烈な印象に圧倒されてしまったこの妖艶な女性。下半身は蛇。髪の毛も蛇。
手先のなまめかしさに目を奪われる。なんてきれいな指。
いったい何をくわえているのか。この顔も仕草も不思議。
象とそのしもべでもあるかのように付き従うオオカミ(犬?)
よくみるとこのオオカミたち。 バイクに乗っていたり、拳銃をさしていたり、酒を飲んでいたり。
涅槃仏は中世の騎士のよう。 手先がなめらかに反って指先がふくらんでいるのがきれい。
あまりの暑さに、もう一回!
本当は移動式アイスのアイスティムがいいんだけど、パンにはさんやつがいいんだど、(→過去ブログ
「アイスティム」)
これもおいしいぞ。
「2つのっけて!」と頼んでダブル仕様に。
⑥ タイ・ラオス友好橋
メコン川にかかり、隣国ラオスとつなぐ橋。
1994年4月開通。全長1174m。
中央には鉄道が敷かれていて、ラオスのタナレンまでの路線が開通している。
これが、ラオス初の旅客鉄道。
徒歩で途中まで歩けるようになっているため、歩いてみたかったが時間がなく断念。
当初泊まってもいいと思っていたノーンカイへの旅だったが、
あいにく天気が悪く、見たいと思っていたメコン川に沈む夕日も
どうやら見られそうもない空模様。
天気が悪いとさびしくなる。
だんだんさびしさが募ってきて、やっぱり泊まらずに帰ろうと
最後のコンケン行きのバスに乗る。
17:30発 が出発したのは19:00。
出発からすでに1時間半遅れ。なぜ?タイではなんでも起こりうる。
そのバスにざわざわと乗ってきたのがラオス人。
言葉でもそうだが、立ち居振る舞い、行動の様子、しぐさで
タイ人ではないな、と分かる。
分かるようになったのは、私がタイ人をよく知るようになったということか
タイ人化したということか。
この人たち、タイ人じゃないな、外国人だな、と思ったが
私も同じように、いろんな場所で、立ち居振る舞いやしぐさから
この人外国人だな、と思われているのかな。
さて、かかった費用。
・バス往復220バーツ
・トゥクトゥク(3輪タクシー)遅い時間はソンテウがないので仕方なく利用
100バーツ バスに比べてこの距離でこの値段、高い!
・自転車レンタル 40バーツ
・途中の飲み食い代 アイスティム、水、スイカ、マンゴーなど 60バーツ
計420バーツ 1260円
日帰りとはいえ、なんたる安さ。
小さな国境の町。ノーンカイ。
ラオス、ベトナム、中国のものが混然とあり、
メコン川の雄大な流れも、その向こうにあるラオスの家々も
どことなしにいい。
国境を隔てて隣国を見ながら暮らす人々。
島国日本にはない、異国の混ざり合う独特の雰囲気の街。