タイに来てたくさんのタイ語を覚えたが、タイ生活最後に近づき、
この言葉はこういうことだったのかと、身をもって実感している言葉がある。
「キットゥン」
恋しい、会いたい、さみしいというような意味合いで、
日本語にはない言葉。 (→ 過去ブログ 「恋しい」)
タイ人はよく、「キットゥン」を使う。
少し顔を見なければ、「キットゥン」(会いたい)
会えたときにも「キットゥン」(会いたかった)
恋人同士ではもちろん、友だち同士でも、先生と生徒でさえも、「キットゥン」
果物や食べ物にも「キットウン」。
犬のラッキーだって、お父さんがいないと キットゥン。 (→ 過去ブログ 「ポーメー」)
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タイに来た当初はよくタイ人が口にするこの言葉になじめなかったが、
今は、なんて素敵な言葉なんだろうと思う。
相手に好き、大切、と伝える言葉。
「さみしい」という言葉はマイナスだけだが、
「キットゥン」はあなたがいないとさみしい、いてほしい、あなたに会いたいという意味があり、
相手が自分にとって大事な存在だといっている言葉。
キットゥンといわれて嫌な人はいない。
日本人はいわない言葉、日本語にはない言葉。
日本人にはない、タイ人の率直さ、相手を喜ばせたい素直な心の表れがここにあると思う。
用事でここ数日バンコクにいっているナムプリック屋のお母さんが電話をしてくる。
「キットゥン さちえ!(さちえに会いたい)
さちえ キットウン メーマイ?(さちえはお母さんに会いたい?)
私だって、キットウン キットウン!を連発する。
食堂のおばちゃんが別れるときにいった。
「キットウンさちえナ (さちえに会えないのは寂しいわね)」
私のお別れにと、ごちそうを並べてお別れ会をしてくれながら、
果物屋のおばちゃんがいう。
「さちえが日本に帰ったらキットウンね (会いたくてさみしいわね)」
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屋台の人たちがいう。
「キットウン アハーンイサーンマイ? (タイ料理が恋しい?)
キットゥン ポンラマイ タイ マイ? (タイの果物が恋しい?)
キットウン ナムプリック マイ? (ナムプリックが恋しい?)」
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今、別れを惜しみながら、 このキットゥンの言葉を体全体で感じ、
まさしく今、理解している。
キットウン 恋しい 会いたい、 大好き、大事。
「ええ?日本人はキットウンってどうしていわないの?」
と驚かれるけど、ホント、ホント。 こんないい言葉をいわないなんて。
部屋の荷物をひっくり返して、仕事の合間合間に荷造りしている毎日。
寝るところはどこ?というような部屋の中。
ドアの外で何か気配がする。
ドアを開けると犬のラッキーが入ってきた。
このアパートの2階まで上がってくることはあったけど、私の部屋に入ってくるなんてはじめてのこと。
お父さんお母さんがバンコクにいって、キットウンでたまらないのだ。
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ごそごそ、部屋の中をかぎまわって
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わーい、いいもの見つけた!と喜んでスーパーのビニール袋をくわえていく。
ビニール袋でひとしきり遊んだラッキ-。
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そのあとも、私の部屋の前に座り込むラッキー。
お父さんお母さんがキットウンでたまらないラッキーの気持ちは、私もよく分かる。
「ラッキー さみしいねえ。 キットウンだねえ。」
とラッキーと慰め合う。
すやすやと部屋の前で寝てしまったラッキー。
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「キットウン」
会いたかった、会いたい、あなたが大事、会えて嬉しい、恋しい
どーゆう意味かわかりますか?