今日の国旗はナミビア。 左から2番目。
なかなか、風ふかず、撮れません!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/f0/02a7d327da5de603b13d5d2cf9972ea4.jpg)
正式名称はナミビア共和国。アフリカ南西部に位置する共和制国家。
首都はウィントフック。
南アフリカ共和国の統治時代には人種隔離政策が行われていた国。
北にアンゴラ、北東にザンビア、東にボツワナ、南に南アフリカ共和国がお隣さん。
さて、今日は 所外活動 でした。
語学も講座も一切ありません。
訓練所外で、一日かけて、日常では、体験しないような場所で働きます。
ボランティア精神や自主性、協調性を養うのが目的です。
この訓練所の隊員を受け入れてくれる いくつかの 受け入れ先というものがあり、
そこから自分が行きたいところを選ぶのですが、
掲示されていたのがこれ。
農家、障害者授産施設、幼稚園、高齢者の施設
私は全く経験のない、自分の職種とも分野が違う農業をやってみたいと思い、
まず、キュウリ農家に申し込んだけど、人数がいっぱいになり、
次に、リンゴ農家に申し込んだけど、これも人数がいっぱいで、
花栽培農家に申し込んだけど、これもだめで、
行ったのは、特養老人ホームです。
朝8:15出発。
バスに揺られること30分。
中腹あたりにある施設です。
桜が満開ですばらしい眺めでした。
老人ホームに入っている方は、それぞれ、どの程度の介護が必要なのか
「要介護」という言葉で言うようになっています。
要介護1というのは、自分で身の回りのことが比較的できて、歩いて出かけられる。
要介護5となれば、寝たきりで、完全に第3者の手を借りないと生活できません。
そこは、ほとんどが要介護4という、重い方がたくさんいる施設で、
鼻から流動食を流し込んだり、胃に直接チューブをつないだりしてる人たちがたくさんいました。
97名が入所されていたけれど、待機している(入所の順番を待っている)方が300人いると聞き、
とても驚きました。
5月3日に100才を迎える方がいて、その賀寿のお祝いに市長やいろんな人が来るのだそうです。
うれしいことに、そのお祝いの会の会場作りや飾り付けのお手伝いをさせてもらました。
すごいなあ、100才って。
でも、余命いくばくもない方も数名いました。
最後の時を病院ではなく、ここで迎えるという意志があり、
病院には入っていないのだそうです。
そのホームが、家であり、最後の時を病院ではなく、知ってる人たちに看取られていきたいからだと。
だから、そのときがきたら、スタッフが全員で駆けつけて、看取るのだと聞きました。
身寄りのない方もいます。
いろんなお話を聞いて、胸が痛むような現実や事例がたくさんあり
涙が出そうになったり、つらい気持ちになったりもしましたが、勉強になりました。
「いつまでも元気でいてください。」とこれまで軽く言ってきたように思います。
でも、ずっと元気でいるということは、簡単なことではありません。
これから、本当にそう思ったとき、本当の心を込めて、口にしていこうと思った今日でした。
返事を返せる方はほとんどいないけれっど、
「どんどん話しかけてください。いい刺激になるから。」と言われ、
ずーーーーーっと、話しかけ続けました。
とはいっても、相手方の反応を見ながら、まったりとです。
ある利用者さんの部屋に、「山のあなた」という刺繍が布団に縫い付けてありました。
「山のあなた じゃないですか!!」
私がすぐに食いついたもので、スタッフの方から、
じゃあその方とずーっと今日一日コミュニケーションをとってねと言われました。
「山のあなた」というのは 詩なんです。
私、これ、好きなんです。
この方も、同じ詩が好きなんだと、87才の方ですが、すごく親近感が沸きました。
山のあなた
カール・ブッセ
上田敏訳 『海潮音』より
山のあなたの空遠く
「幸(さいはい)」住むと人のいふ。
ああ、われひとと尋(と)めゆきて、
涙さしぐみ、かへりきぬ。
山のあなたに なほ遠く
「幸(さいはひ)」住むと人のいふ
「山のあなた」とは「山の向こう」という意味です。
私は、こんな意味にとっています。
「幸せってどこにあるの?」 山の向こうの空遠くにあるんだよ。
私と同じように“幸せ”を探しているたくさんの人がいる。
ずっと、捜し求め続けてきたけれど、だけど、“幸せ”は見つからなかった。
それはとても悲しいことだったけれど、 でも“幸せ”がないというわけではない。
どこかに──、どこかに、きっとあるんだよ。
せつなくて、優しい詩です。“幸せ”を求め続けるのはだれでも同じです。
この詩を布団に刺繍して縫い付けている方。
この方と長い時間過ごしました。
この方、手に娘さんから誕生日に届いた手紙をずっと持っていました。
ずっと持ち歩いていたんでしょう、折れ曲がっていました。
私が話しかけても、返事は全くなかったし、反応もなかったけど、
話しかけて1時間くらいたったときに、
「このお手紙読んでいいですか?」と聞いたらこっくりうなずいてくれたので
声に出して読みました。
「87才のお誕生日おめでとう。ばあちゃんの優しい笑顔をまた見に行くからね。元気でいてください。」
口に出して、ゆっくり何度も何度も読みました。
私の母親が、「お年寄りは何度でも同じ話をしてあげていい。それがうれしい話なら何度でも聞きたいものなのよ。」
といっていたのを思い出して、しつこいかな??と思うくらい 繰り返し読みました。
10回くらい読んだところで、全く反応のなかったおばあちゃんが にこっと笑いました。
だって、ずっと手に持ってた大事な、うれしい手紙だったんですから、耳で聞いてもうれしいんですよね。
読みながら、この文字には、まず鉛筆で下書きされた跡があるのに気づきました。
「ペンで書く前に、下書きしてから書いてありますね。 心がこもってます。 真心がこもってますね。」
というと、
「ええ、ええ。」
と笑ってくれました。
今日の一番うれしかったことです。
いい経験をしました。
なかなか、風ふかず、撮れません!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/e2/188a482fea75369d9030f5ff47e8462f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/f0/02a7d327da5de603b13d5d2cf9972ea4.jpg)
正式名称はナミビア共和国。アフリカ南西部に位置する共和制国家。
首都はウィントフック。
南アフリカ共和国の統治時代には人種隔離政策が行われていた国。
北にアンゴラ、北東にザンビア、東にボツワナ、南に南アフリカ共和国がお隣さん。
さて、今日は 所外活動 でした。
語学も講座も一切ありません。
訓練所外で、一日かけて、日常では、体験しないような場所で働きます。
ボランティア精神や自主性、協調性を養うのが目的です。
この訓練所の隊員を受け入れてくれる いくつかの 受け入れ先というものがあり、
そこから自分が行きたいところを選ぶのですが、
掲示されていたのがこれ。
農家、障害者授産施設、幼稚園、高齢者の施設
私は全く経験のない、自分の職種とも分野が違う農業をやってみたいと思い、
まず、キュウリ農家に申し込んだけど、人数がいっぱいになり、
次に、リンゴ農家に申し込んだけど、これも人数がいっぱいで、
花栽培農家に申し込んだけど、これもだめで、
行ったのは、特養老人ホームです。
朝8:15出発。
バスに揺られること30分。
中腹あたりにある施設です。
桜が満開ですばらしい眺めでした。
老人ホームに入っている方は、それぞれ、どの程度の介護が必要なのか
「要介護」という言葉で言うようになっています。
要介護1というのは、自分で身の回りのことが比較的できて、歩いて出かけられる。
要介護5となれば、寝たきりで、完全に第3者の手を借りないと生活できません。
そこは、ほとんどが要介護4という、重い方がたくさんいる施設で、
鼻から流動食を流し込んだり、胃に直接チューブをつないだりしてる人たちがたくさんいました。
97名が入所されていたけれど、待機している(入所の順番を待っている)方が300人いると聞き、
とても驚きました。
5月3日に100才を迎える方がいて、その賀寿のお祝いに市長やいろんな人が来るのだそうです。
うれしいことに、そのお祝いの会の会場作りや飾り付けのお手伝いをさせてもらました。
すごいなあ、100才って。
でも、余命いくばくもない方も数名いました。
最後の時を病院ではなく、ここで迎えるという意志があり、
病院には入っていないのだそうです。
そのホームが、家であり、最後の時を病院ではなく、知ってる人たちに看取られていきたいからだと。
だから、そのときがきたら、スタッフが全員で駆けつけて、看取るのだと聞きました。
身寄りのない方もいます。
いろんなお話を聞いて、胸が痛むような現実や事例がたくさんあり
涙が出そうになったり、つらい気持ちになったりもしましたが、勉強になりました。
「いつまでも元気でいてください。」とこれまで軽く言ってきたように思います。
でも、ずっと元気でいるということは、簡単なことではありません。
これから、本当にそう思ったとき、本当の心を込めて、口にしていこうと思った今日でした。
返事を返せる方はほとんどいないけれっど、
「どんどん話しかけてください。いい刺激になるから。」と言われ、
ずーーーーーっと、話しかけ続けました。
とはいっても、相手方の反応を見ながら、まったりとです。
ある利用者さんの部屋に、「山のあなた」という刺繍が布団に縫い付けてありました。
「山のあなた じゃないですか!!」
私がすぐに食いついたもので、スタッフの方から、
じゃあその方とずーっと今日一日コミュニケーションをとってねと言われました。
「山のあなた」というのは 詩なんです。
私、これ、好きなんです。
この方も、同じ詩が好きなんだと、87才の方ですが、すごく親近感が沸きました。
山のあなた
カール・ブッセ
上田敏訳 『海潮音』より
山のあなたの空遠く
「幸(さいはい)」住むと人のいふ。
ああ、われひとと尋(と)めゆきて、
涙さしぐみ、かへりきぬ。
山のあなたに なほ遠く
「幸(さいはひ)」住むと人のいふ
「山のあなた」とは「山の向こう」という意味です。
私は、こんな意味にとっています。
「幸せってどこにあるの?」 山の向こうの空遠くにあるんだよ。
私と同じように“幸せ”を探しているたくさんの人がいる。
ずっと、捜し求め続けてきたけれど、だけど、“幸せ”は見つからなかった。
それはとても悲しいことだったけれど、 でも“幸せ”がないというわけではない。
どこかに──、どこかに、きっとあるんだよ。
せつなくて、優しい詩です。“幸せ”を求め続けるのはだれでも同じです。
この詩を布団に刺繍して縫い付けている方。
この方と長い時間過ごしました。
この方、手に娘さんから誕生日に届いた手紙をずっと持っていました。
ずっと持ち歩いていたんでしょう、折れ曲がっていました。
私が話しかけても、返事は全くなかったし、反応もなかったけど、
話しかけて1時間くらいたったときに、
「このお手紙読んでいいですか?」と聞いたらこっくりうなずいてくれたので
声に出して読みました。
「87才のお誕生日おめでとう。ばあちゃんの優しい笑顔をまた見に行くからね。元気でいてください。」
口に出して、ゆっくり何度も何度も読みました。
私の母親が、「お年寄りは何度でも同じ話をしてあげていい。それがうれしい話なら何度でも聞きたいものなのよ。」
といっていたのを思い出して、しつこいかな??と思うくらい 繰り返し読みました。
10回くらい読んだところで、全く反応のなかったおばあちゃんが にこっと笑いました。
だって、ずっと手に持ってた大事な、うれしい手紙だったんですから、耳で聞いてもうれしいんですよね。
読みながら、この文字には、まず鉛筆で下書きされた跡があるのに気づきました。
「ペンで書く前に、下書きしてから書いてありますね。 心がこもってます。 真心がこもってますね。」
というと、
「ええ、ええ。」
と笑ってくれました。
今日の一番うれしかったことです。
いい経験をしました。