すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

「金刀比羅宮」の異空間で、気分は「古人」!

2008-06-23 | ほっとひといき

6月8日(日)より

今日は、美術館へ。

「金刀比羅宮 書院の美」最終日。

●旅の供犬・「こんぴら狗

「金刀比羅宮」は、通称「こんぴらさん」。

こんぴら参りは、国民の念願だったとか。
どうしても参りに行けないと
飼い犬が、主の願いとえさ代を
首にぶら下げて、
道中旅人に世話をされつつ、
代理の勤めを果たしのだそうです。

なんと温かい時代よ・・・!

 


● 部屋に思惑あり?
 

部屋の3面に描かれた壁画をそのままの配置で展示。
部屋を再現しているようです。

この部屋に通された人はどのような気持ちになっただろうか?
と想像しながら、絵に囲まれた部屋を回っていきました。

例えば、鶴の間。

実寸より少ーし小さ目に描かれています。
それは、本物がそこにいたら、
それくらいの大きさに見えるだろう
と計算されて描かれているそうです。

柳の間では・・・

まるでその部屋が柳で覆われていたら
その下にいる人から見える部分だけが描かれているのです。
その間を鷺が飛び立つ様から、降り立つ様まで、
さりげなく連続的に描いてあり、
つなげて想像している間に
伸びやかな気持ちになってきました。

虎の間では・・・

あたかも滝がこちらに流れてくるような構図。
自ずと滝の水音が聞こえてきそうです。

七賢人の部屋では・・・

静かに穏やかな表情でたたずむ7人から
「それでいいのか?」
と問いかけられているようでもあり
「それでいいんだよ」と
受け入れてもらっているようでもありました。

●このこだわりは、何?

客人をもてなすため「インテリア」にこだわったというよりは・・・・、

策略的に頭を巡らせがちな客人を、
自然の力を部屋に取り入れることによって、
現実を離れ
「自分の内なる声」に耳を傾ける。

そんな心理を推し量った思惑が秘められているように感じました。

主たる作家・丸山応挙は、
心理的にも人間学的にも
「人間」というものをよく知った画家だったのではないでしょうか。

これほど、大胆かつ繊細なおもてなしって・・・
ため息が出てきました。

ああ、最終日だったのが残念でした。
今度お目にかかれるのは、いつでしょうか・・・?

 

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