6月8日(日)より
今日は、美術館へ。
「金刀比羅宮 書院の美」最終日。
●旅の供犬・「こんぴら狗」
「金刀比羅宮」は、通称「こんぴらさん」。
こんぴら参りは、国民の念願だったとか。
どうしても参りに行けないと
飼い犬が、主の願いとえさ代を
首にぶら下げて、
道中旅人に世話をされつつ、
代理の勤めを果たしのだそうです。
なんと温かい時代よ・・・!
● 部屋に思惑あり?
部屋の3面に描かれた壁画をそのままの配置で展示。
部屋を再現しているようです。
この部屋に通された人はどのような気持ちになっただろうか?
と想像しながら、絵に囲まれた部屋を回っていきました。
例えば、鶴の間。
実寸より少ーし小さ目に描かれています。
それは、本物がそこにいたら、
それくらいの大きさに見えるだろう
と計算されて描かれているそうです。
柳の間では・・・
まるでその部屋が柳で覆われていたら
その下にいる人から見える部分だけが描かれているのです。
その間を鷺が飛び立つ様から、降り立つ様まで、
さりげなく連続的に描いてあり、
つなげて想像している間に
伸びやかな気持ちになってきました。
虎の間では・・・
あたかも滝がこちらに流れてくるような構図。
自ずと滝の水音が聞こえてきそうです。
七賢人の部屋では・・・
静かに穏やかな表情でたたずむ7人から
「それでいいのか?」
と問いかけられているようでもあり
「それでいいんだよ」と
受け入れてもらっているようでもありました。
●このこだわりは、何?
客人をもてなすため「インテリア」にこだわったというよりは・・・・、
策略的に頭を巡らせがちな客人を、
自然の力を部屋に取り入れることによって、
現実を離れ
「自分の内なる声」に耳を傾ける。
そんな心理を推し量った思惑が秘められているように感じました。
主たる作家・丸山応挙は、
心理的にも人間学的にも
「人間」というものをよく知った画家だったのではないでしょうか。
これほど、大胆かつ繊細なおもてなしって・・・
ため息が出てきました。
ああ、最終日だったのが残念でした。
今度お目にかかれるのは、いつでしょうか・・・?
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