すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

備え・・・「1人じゃないから、大丈夫!」

2010-09-17 | 素老日誌

●9月16日より

私の周りには「子育て」の話をする人がたくさんいる。
仕事柄、これはこれからもずっと続くこと。

だけど、「老いた親の面倒を見る」という悩みは話題に出なかった。

私の母は、38歳・高齢で私を産んでくれた。
「親の老い」というものに出逢うのが、
自ずと身近な友人たちより早くなる。
だから、
友人と話題を共有することがなかったのだ。

しかし、母が「認知症」になったことで
「縁側の日」という出会いの場を作るチャンスをいただいた。

月に一度、
認知症を持つ家族、
認知症の人や家族のケアを手伝う「ケアマネージャー」、
身の回りのことを手伝う「ヘルパー」、
老いつつある親を心配する人たちが
集まってくださっていた。

この度、
いろいろな人に励ましていただき、助けていただいた。
中でも、
「縁側の日」に大いに助けていただいたのだ。

母を受け入れるという決断をしてくれたグループホームの方々には、多大なる助けを頂いた。

そのグループホームを紹介してくださった方々。
救急車を呼んでいける病院を探してもらうのが一番早い!
とアドバイスしてくださった方。
最悪の場合のことを考えるようアドバイスくれたのが、
偶然にも救急車で運ばれた病院に勤めるケアマネージャーさん。
グループホームに帰れないときのことを一緒に考えてくれた母の元ケアマネージャーさん。
一番に見舞い来てくださった方。
ご自分の親の経験を話してくれたり、励ましてくださった方々。

すべて「縁側の日」で出会った方々だった。

「縁側の日」で話をしたり聞いたりした時間、
出会いによって築かれていたものを
この度、一度に見せていただくことになったのだ。

そして、
私は一人じゃない。
私が1人でしなくていいんだ。
助けてくれる人がいるから、大丈夫。

そう心から思える「備え」のようなものが私の中でできていたのだ。
それは、「子育て」を通しても築かれてきている。

どんなことであれ、

「一人ではできない。助けてー!」

そう思い、助けていただく度に
この「備え」が固まってきたように思う。

この度の母の脳梗塞という事態にも
慌てながらも落ち着いている私がいた。

「豊吉さんは、強いですね」
と言う人がある。
私自身は、決して強くもなんともない。

この度だって、
ご飯を食べないで、ただただ泣いていたのだ。

ただ、
ありがたい授かりを頂いていることに気づくと、
元気を出そうとする私がいるのである。

泣いてもいい。
だけど、泣いて終わったら申し訳ない、と。

本当に人様のお陰で生きさせて頂いているのだと
感謝の言葉しかない。

 

コメント (2)
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