磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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●現地ルポ チェルノブイリ 融けた原発の悲劇

2008年04月14日 | 読書日記など
『●現地ルポ チェルノブイリ
   融けた原発の悲劇』
     イズベスチア紙社会部次長 アンドレイ・イレッシュ(著)/
       鈴木康雄(訳)/読売新聞社1987年

この本に書かれているゲイル博士は、よい博士のようだが、他の本ではとんでもない博士のように書かれていることがある……。この博士が入ってから、情報公開は少なくなり、死者は出なくなったというのが、他の本で書かれていたと思う……。そして、ブラジルの事件でもゲイル博士が行くと死者が出なくなったという。事実が隠蔽されたという……



表紙の写真の説明。下「」引用。

「MI-8ヘリコプターを使い、上空から事故のあった発電棟の建屋に薬品を投下、除染作業を進める。」

「日本語版に寄せて」に諺が書いてある。下「」引用。

「私の本を読んでくれる日本人(多くの日本人に読者になってほしいのだが)がはたしてチェルノブイリの“関係者”になってくれるかどうか、私には判断のしようがない。「敵には何を望んでもムダだ」というロシアの諺がある通り、まさに相手次第だからだ。だが、日本人には友人がいるだけであり、敵はいない。」

何か複雑な印象を受けることが書かれてある……。


医療の記述がありました。下「」引用。

「この日から、この少数の医療グループは、いまだかつて経験したことのない大量の患者の治療を開始した。きのうまでは新任医にすぎなかった若い医師十人が十の医療チームの責任者となった。経験を最も積んだ医師たちははこういったものだろう。患者が増えるということは、それだけ状況がむずかしくなることだ、と。負傷者が出ると、医師の数も、能力も、頭の働きも不足してしまう。もちろん、今は戦時ではない。グシコワ教授の放射線は、患者の医療のために必要なものはすべて、遅滞なく入手できた。医師団、薬品、最新医療機器、……。つまりは、患者一人ひとりのためにできる限りの治療を行うかどうか、という最も重要なことは病院首脳やグシコワ教授の同僚たちの肩にかかっていた。」

これを信じる医療の人間はまずいないのではないかと思う。

といっても、日本の医療機関は現状をみてのとおり、現状把握ができない人たちが多い……。

旧ソ連と同様に、政治的医療をやってしまう医者が多いといっていいだろう。

上のようなことを認めたら、医療の現場は荒廃して当然だろう……。しかし、政治が隠蔽してくれるので問題にはならないかもしれない……。

いつものことのシステムが機能するというわけである……。

しかし、この分野の医療はヒロシマやナガサキの原爆からほとんど進歩していないという……。そう書く医師もいる……。

それを新任医に何ができたのだろうか?

主治医が24時間で当直するという……。下「」引用。

「「重症患者には一人ひとり主治医が二十四時間体制で当直し、当時、看護婦が付き添った。つまり、重傷患者のために、医師は三交代制、看護婦は四交代制で働き、病院の全職員が当直態勢をとった。」

主治医は患者にとって、一人だけだから、主治医……。
24時間体制とは……。激務としかいえない……。

これでまともな医療がこなせるとはボクには思えない……。

ゲイル博士は奇妙な学者である。政治的な博士といってもいい。
しかし、この本では円満であったようだ……。下「」引用。

「ゲイル博士との共同手術のさい、些細な意見の違いがあったことは想像できる。しかし、主要な問題については、グシコワ、ゲイル両博士とも一致していた。」

讀売新聞社らしい一冊といっていいのではないだろうか?

アインシュタインの名言、「観察することは、その理論による……」。








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